2008年10月22日

わたしの初任者指導遍歴(2)4

8452aa3f.JPG 本日の記事は、過去記事の『わたしの初任者指導遍歴』にかかわる。そこで、その記事をお読みでない方は、まずはそこから、ご覧いただけたらありがたい。

 同記事をお読みいただけると、わたしにとって、今の仕事は、天命というか、必然的な流れがあったことをご理解いただけることと思う。

    わたしの初任者指導遍歴



 同記事には、次のような言葉がある。平成元年度。ちょうど、国による、制度化された初任者研修が始まったときだ。



 『校内では、

 ほんとうは、指導者は、学級担任であってはならないようだったが、わたしは、学級担任を務めながら、初任者指導もするという、(今、ふり返ると、)ちょっと、考えられないような形がとられた。〜。』



 制度発足時は、どうしても多少の混乱はあるものだ。

 もう時効だろうから、正直に書いてしまうが、年度当初、校長としては、『学級担任が初任者指導をしてもかまわない。』という認識だったようだ。

 秋になって、それではいけないことが分かる。指導の厳格化が求められた。

 でも、年度途中に、わたしを担任からはずすわけにもいかないし、だからと言って、初任者指導の仕事をはずすというわけにもいかないという、校長の判断で、


 苦肉の策だったが、

〇初任者の一人は、音楽専科だったこと

〇わたしは、そのとき、1年生の担任だったこと

から、わたしのクラスの音楽を初任者が担当し、その授業をわたしが後ろで見て指導するという体制をとることになった。



 さあ。しかし、問題は、子どもたちに、この変更をどう説明するかだった。


 保護者に向けては、国による初任者制度の発足を懇切丁寧に説明すれば、それで済むだろう。でも、1年生の子どもにそのようなことを言ってもねえ。



 ここから先は、当時の学級だよりから・・・、



 ある日、とつぜん、子どもたちに言いました。

「わたしはね、音楽の授業だけ、クビになっちゃったんだよ。」
「ええっ。なんでえ。」
「クビって、先生。音楽の授業がなくなっちゃうの。」
「そんなの。いやだあ。」
「いや。音楽の授業はあるよ。」
「ああ。よかった。」
「だって、先生がクビになっちゃったら・・・、できないじゃん。」
「ああ。それなら、大丈夫。ほら。3年生、4年生、5年生、6年生の音楽を教えているA先生がいらっしゃるでしょう。A先生が、このクラスの授業をやってくださるから。」

「toshi先生。何でクビになっちゃったの。」
「うん。・・・。たぶんね。オルガン間違えてばかりいるから、それでじゃないかと思うよ。」

 子どもたちは、けげんそうな、ふしぎそうな、何とも不可解といった表情をしていました。


 さて、その翌日のことです。

 「toshi先生。お母さんに、先生のクビの話をしたら、お母さん、大笑いしていたよ。」
「うちのお母さんは、『A先生にオルガンを習えばいいのにね。』って言っていたよ。」
「そうだよ。そうすれば、もっとうまくなるじゃん。」



 今後、わたしは、A先生が我がクラスで授業するのをみることになります。もちろん文書でお知らせしたように、初任者指導の一環です。


 しかし、子どもたちは、わたしがA先生に教わっていると思うでしょう。

 それでいいのだと思います。

 先生という存在は、子どもから信頼されればされるほど、その教育効果は上がります。

 スタートは上々。そのような思いをもちました。



 しかし、そのようなやり取りを子どもたちとしていたら、この、A先生からわたしが教わるということは、実際、おおいにありうることだと思いました。



 このようなことがあります。


 5年前、前任校において、わたしは3年生の担任でした。この学校は、地域の音楽会に3年生が出場しました。

 それで、音楽専科の先生がピアノ伴奏、わたしが指揮をすることになりました。ところがわたしは、歌の指揮など、まったく経験がありません。


 けっきょく、そのときの初任者だった若い専科の先生から教わったのです。自分で言うのもなんですが、教わって、確かに指揮が上手になりましたよ。



 初任研。それは確かに大事なことです。しかし、わたしたちは、年齢や経験年数に関係なく、お互いに学び合っている関係でもあります。

 その辺のご理解を、ぜひ、よろしくお願いします。



 A先生が1年〇組の教室を訪れての授業がスタートしました。子どもたちは、これまでとは違った授業の雰囲気に興奮したよう。もちろんオルガンの伴奏はわたしのもたつきと違いますから、子どもたちは、張り切って、歌ったりドレミ体操をしたり手拍子を打ったりしています。

 A先生も、初めての1年生の授業で、気分が新鮮なようです。

 
 そのような折、終わりの会で、ホロリとさせられるできごとがありました。Cちゃんたちです。

「toshi先生。終わりの会で、歌、歌いたいな。」
「そうだよ。歌おうよ。」
「toshi先生。オルガン、弾いてよ。」

 みんな、にこにこしてわたしを見ています。わたしは、ジーンとして、こみあげてくるものがあり、無言でいたら、

 Dちゃんがオルガン、Eちゃんが椅子を出してくれました。


 みんなで楽しく、数曲、メドレーで歌いました。わたしのオルガンは、少しは上手になったかな。 


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 あれから、約20年がたちました。当時の初任者も、もうベテラン教員です。

 たまに、研究会の講師としてお邪魔する学校に、当時の初任者が勤務していることがあります。再会を果たしたときは、その成長をみることができ、何とも言えずうれしくなります。

rve83253 at 04:01│Comments(0)TrackBack(0)学級だより | 学級経営

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