2008年12月24日

ACTION特番を見た。3

24927ee6.JPG 4時間の特番だった。

 あらためて、今の日本社会の病根を確認させられた思いだ。

 教育崩壊(ACTIONの用語を借用)の他にも、医者不足、食品偽装、地方の悲鳴、闇サイト、エイズ、リサイクルのウソなど。一つ一つの問題は、あまりにも大きく、深刻で、

 これに今は、百年に一度の大不況、それに付随した契約社員の解雇、政権交代(?)などが加わるのだね。

 それだけに、北区神谷中学校の中村校長ではないが、
『これはブログのやりがいがある。』
そんな思いになった。

 
 暗い話題に事欠かないが、本ブログは、できるだけ、明るくやっていきましょう。

 

〇それでは、まず、授業の問題。

 習熟度別授業。これは一般的には、いいこととされる。同番組に登場する保護者も、『効率的に授業が行われていると思う。』と言っていた。

 しかし、拙ブログにおいては、以前から警告しているが(詳細は『日本のよさを生かそう。(習熟度別学習をめぐって)』を参照してください。)、これは、学力向上に結びつかないことが、PISA等によって、すでに証明されている。

 あいも変わらず、この方向でまい進(?)している状況は、うれえるばかりだ。 


 子どももすでに見抜いている。同番組によれば、

 高いレベルのグループでは、

子ども「これ、中学校の問題じゃん。」
教員 「中学校の問題ではありません。私立中学校の入試問題です。」

 それに対し、低いレベルのグループでは、

 前学年の復習が行われている。

 子どもの声も、『分かれるから、差がついちゃう。』『バカ同士で楽しい。』とあった。

 ここに、リンク記事に書いたような、そのとき、そのときにできる学力グループで、気持ちが安定してしまう姿が見られる。今一歩がんばろうとする気持ちがそがれてしまうのだ。


 それに対し、愛知県犬山市では、

 単なる少人数編成の授業が行われている。そこには、いろいろな能力の子が、『ねえ。ねえ。君も聞いて。』など、一緒に学び合う姿が見られる。

 子どもの声も、『みんなで教え合うから、分かりやすい。』の声が聞かれる。


 ただし、これがこの番組の公平でいいところだと思うが、

 同市教員の、

「5の子が少ない。これをどう伸ばすかが、今後の課題です。」

の声も聞かれる。

 これは、その種の発展的な問題をとり上げれば解決する。そして、それをどの能力の子も協力しながら学ぶのだ。思考力重視の授業なら、それは可能だし、問題はないはずだ。


 
 若月品川区教育長は言う。

「能力差で分けるのは、等しく学力を保障するという義務教育の理念に反するという声があるが、初めから分けるのではない。一斉指導をするが、そのあとどうするか。初めからふるいに分けるのではない。

 学力には、家庭環境など、いろいろな影響がある。教育は手品ではない。みんな上がるとは思っていない。」

 なんか、よく分からない発言だった。言い訳のように聞こえた。



〇そのあと、教科担任制、人事考課制度についての話もあったが、これは、過去記事に書いたので、それにリンクさせていただく。

    テレビ報道番組から、(2) 「本記事中の、『2.成果と評価による学校改革は、』のなかの、3つ目の『〇印』で、教科担任制へ言及しています。」

    教員査定の問題(3)「わたしは、人事考課制度そのものには反対していません。『その評価項目こそが問われる。』と述べています。」


 犬山市の教育長は言う。
    
「本市に人事考課制度はない。教師に、責任と権限を与える。カリ作りも自主性に任せる。『ああせい、こうせい。』は一切言わない。だから、自分なりに授業を組み立てている。」

 でも、わたしは、いい取組は積極的に評価し、認めてやればいいという立場だ。任せっぱなしではね。



〇両氏の主張は、さらに次のように展開する。

「『学力テストと選択制で教師が競わされている。構えちゃう。』と言うが、それ以前の東京の学校はいきいきしていたのか。いじめはなかったのか。とんでもない。教師側にいろいろ問題があった。」

「東京のやり方は、成果主義に走りすぎている。評価は同僚性をこわす。」

「その同僚性こそが、学校の教育活動や教師の質を下げている。この問題は、教育文化風土の悪さからきている。

 かつて、わたしの学級担任時代、『自分のクラス、学年をこうしたい。』と思い、それを実践に移そうとすると、まわりの教員が、わたしにだけ必要なプリントを配らない。そういうことが日常茶飯事だった。教師不信に陥った。

 わたしの施策で教育がまずくなるのであれば、わたしはいつでもやめる覚悟でいる。」


 若月教育長の最後の言葉は初めて聞いた。

 当初の高飛車な態度は影をひそめ、かなり率直な話が聞けたと思う。

 前号に、バンキシャ!教育問題取材班の村松宏英さんがお知らせくださったメールを掲載させていただいたが、
『競争と評価の改革を断行する若月教育長の驚くべき原動力(動機)が明らかに(?)なります。』
は、まさにこのことだったかと、強く印象に残った。


 若月さんのあの高飛車な態度、管理主義的な発想。それはかねてより人間不信に根ざしているように思っていたので、そういうことはある程度想像していたが、はっきり口に出されると、言うに言えないつらい気持ちになった。

 そういう、なれあい、やすきに流れる集団、意欲的な人間の足を引っ張る集団、そういうものが教員仲間の一部にあることは、わたしもよく承知している。それこそが、若月さんの原点だったのだね。

 わたしは、かつて、『品川区の教育事情はそんなに悪いのか。』と書いたことがあったが、なんか、若月さんの思いに共感する気持ちになってしまった。


 しかし、しかし、だ。

 若月さんの今なさっていること。それは、若月さんが若いころ受けた仕打ちのまさにその逆の仕打ちを今やっているだけではないのか。

 振り子を大きく傾けると、手を放したとき、ちょうどいいところでは止まらない。必ず、大きく傾けた分だけ反対側に傾いてしまう。そうした姿を見るようだ。

 大人なら、そうした振り子の原理に身をゆだねるのではなく、正しく教育のあるべき姿を模索してほしい。

 教育長という要職にあるのだから、衷心よりそう思う。


 次のような言葉があった。

 「東京都北区神谷中学校の取組は、すばらしいものだ。しかし、こうした取組は、一校にとどめておいたのでは意味がない。『ああ。あれは、中村校長だから、できたのだよ。』で終わったのでは、むなしいではないか。いかにして、こういう試みを地域全体に広げるか。そこが大事だ。」

 この言葉に異議はない。その通りだ。

 しかし、このことに関しては、2点、言いたいことがある。


 一点目は、

 こうしたことこそ、教育委員会の仕事ではないか。また、我が地域では、校長会であるとか、教員主体の研究会であるとか、そうした任意団体による研究、研修活動も活発に行われているが、そういう活動を促すのも教育委員会の仕事ではないのか。

 どうも、近年、そうした任意団体の活動を制約する動きがあるようだが、それは残念なことである。

 それに、今、若月さんがなさっている施策から、そのような広げる試みが生まれるとは、どうしても思えない。


 二点目は、思うところがあるので、本稿末尾にさせていただきたい。



〇番組では、出演されていた俳優さんに、
「あなたは、あなたがお住まいの地域の教育長さんの名を知っていますか。」

その俳優さんは、すまなさそうに、
「いえ。知りません。」
と言っていたが、ふつう、知らないよね。

 教員であるわたしにしても、若いころはまったく知らなかったもの。

 まして、一般市民においておやだ。

 これはわたしの持論である、教育委員公選制に話がいくのかなと思わせた。



 番組の言うように、教育委員会の存在が、形骸化している。その地域としての教育施策がない。現状、それは、多くの地域で明らかなようだ。


 そのあと、橋下大阪府知事が出演。

 冒頭、

 「今、二人の教育長がいろいろ、教育のあるべき姿を語っていたが、それは、本来教育長の仕事ではない。教育長というのは事務局長。教育を語るのは、教育委員会委員長であるべきだ。」

とのこと。これは、まさに正論だ。教育委員の意向を受けて、教育政策を施すのが、教育長の仕事だと言いたいのだろう。

 正論だが、腹の中が煮えくり返ってきた。

 『橋下さん。あなたがそれを言うか。』

そんな思いだった。もっと権限がないのが知事という仕事ではないか。教育施策に対して、越権的に発言を繰り返し、実質的に政治力を行使していて、何を言うか。

 さらに続ける。

「学校教育そのものに正解はない。地域の実情は、たとえば、保護者の考え方、経済状況、教師の質など、みんな違う。だから、その実情に応じて、保護者等がこういうやり方でというやり方。それはすなわち、選挙で選ばれた政治家が、きちんと責任をもって、どうやって地域の実情に応じた教育施策をとっていくか。」

 一見、民主主義的な意見のように見える。

 しかし、ここには、『教育施策は、そのときどきの政治の影響を受けないで、〜。』という、民主主義の基本が見えていない。それを言うなら、教育委員公選制を言うべきなのに、それを言わずして、地方首長の権限強化を唱える。よほど、権力を地方首長に集中させたいのであろう。


 さらに、同氏は、

犬山市では、瀬見井さんの施策が否定された。今後大きく変わるだろう。同氏は、全然市民の声を汲んでいない。」

と続けた。


 これは残念ながら、認めざるを得ない。大阪府知事に言われるのはシャクだが、その通りだ。

 確か、バンキシャの番組にあったと思うが、瀬見井さんの全国学力調査不参加問題にしても、市民には、参加を求める声のほうが多かった。


 わたしは思う。

 読者の皆さんは、わたしの主張に矛盾ありと思っていらっしゃるのではないかと。

 しかし、それは後回しにさせていただいて、


 
 番組は、最後に、提言をしていた。

 曰く。

『教育委員会を評価する仕組みをつくれ。』

 しかし、これでは弱いのではないか。

 わたしなら、

『教育委員会に、もっと責任と権限を与えよ。そして、同時に、教育委員公選制を採り入れろ。それにより、教育行政は、地方住民に対し、直接責任を負って行使されるべきである。』

と、こうなる。

 今、教委廃止論などもあるので、番組は少し遠慮して、ぼかしたかな。


 そこでだ。ここまでの論理だと、現状では、残念だが、民意を強調される大阪府知事に同調しているようにみえるかもしれない。

 現に、今、教育委員公選制にした場合、瀬見井さんは、敗れる公算が強い。


 そこで、わたしの主張だが、

 それは、その教育行政のすばらしさが市民に知らされていないからだ。あるいは、知らせようとする気運も弱いのかもしれない。


 それを少しでも改善すべく、わたしはブログにおいて、教育のあるべき姿を語り続ける。


 そして、何より、マスコミにもお願いだ。

 今回のバンキシャの放送のように、すばらしい教育実践、すばらしい教育行政、それを、もっともっと宣伝してほしい。

 どうも、マスコミのそれは弱い。

 夜スペとか、百マス計算とか、過熱する受験とか、はたまた、大分の不祥事とか、市民が容易にとびつきそうな話題は多くとり上げるが・・・、


 それらを報道するなとは言わない。

 しかし、それを放送するのなら、その、二倍も三倍も、今回の神谷中のような実践を、また、瀬見井さんのような教育行政を報道してほしい。

 子どもにとって幸せな教育、子どもの可能性を伸ばす教育。それは確かに、この日本各地に厳然と存在する。それを、二倍も三倍も放送してほしい。

 それを見た教員が、『ああ。このようなすばらしい教育があるのか。あしたから、がんばろう。』と思ってくれたら、神谷中の輪が広がっていく。

 また、市民に対して、子どものための教育はどうあったらよいかの判断材料を豊富に与えることになる。

 そうなれば、公選制になっても大丈夫だ。子どもの幸せのために。そして、それは将来の日本の幸せにつながっていく。

 それが、先ほど記した、『神谷中学校の実践が地域(この場合は日本中にだね。)に広がらなければいけない。』とした場合の、2点目となる。


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 大阪府知事は、同番組で次のようにも言いました。

「できる子どもにはやはり競争してもらわないといけない。できない子どもは必ず救います。」

やはり、競争させることしか頭にないのだね。そして、『できる子』と、『できない子』を分ける発想だね。そこには、心を育む教育という側面は完全に忘れ去られているようです。

 これが、子どもの幸せにつながらないことは、先ほども述べた通りです。


 同番組では、最後に、来年度、取り組むテーマについても、発表がありました。視聴者の投票をもとにしたようですが、教育問題は来年度も引き続きとり上げることになったようです。

 すばらしい取組、実践をとり上げる、本番組に期待するところ大です。

 本ブログは、来年度も、お世話になりそうです。よろしくお願いします。

rve83253 at 16:11│Comments(1)TrackBack(0)指導観 | 教育制度・政策

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この記事へのコメント

1. Posted by 安 淳徳   2008年12月24日 16:18
はじめまして。
安と申します。

突然失礼いたします。

犯罪組織は、世界どこの国でもあります。
しかし、
世界どこの国でもある犯罪組織とは違って、
一部の政治家、裁判官、警官、全国役所の一部役人、医師、先生、
PTAの一部役員、町会の一部役員、市民団体を始め各種団体の人、
芸能人、システムエンジニア、実業家、ヤクザなどが組織のメンバーになって、
ITという最先端技術を使い、
裏で日本の社会を支配している組織が日本にいるとしたら信じますか?

この組織の掲示板には「世界征服」「助成金」などが書いてあり、
私がアクセスした直後になくなりました。

詳細なことは、
お手数をかけて申し訳ございませんが、
http://blog.yahoo.co.jp/ansund59 をご覧ください。

偽警官が警察署を自由に出入りし、偽裁判官が裁判所で法の悪用をし判決をし、
裁判記録の改ざんもあり(最高裁判所まで)

P.S.
記事と関係ないコメントで申し訳ございません。
他の方にも知らせたくて、
ご迷惑かけてます。
ご配慮・ご理解よろしくお願いいたします。

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