2009年05月11日

小1プロブレムの心配は?(番外編) すごい取組があった。4

43534f0c.JPG 本シリーズは、前回で終了の予定だった。しかし、すみません。

 いただいたコメントに感動してしまった。すごい取組があったものだ。

 
 わたしは前記事で、次のように書かせていただいた。

 『懸念あり』のままでは申し訳ないので、最後は、『どう克服していったらいいか。』という点も述べてみたいと思う。


 しかし、わたしの提言などより、こちらのコメントの方がすばらしい。第一、今、まさに、実践中のことだしね。

 わたしこそ、学ばせていただいた。

 ほんとうにありがとうございました。


 お一人は、きゃるさん。これは教員の立場から。

 もうお一人は、しれとこままさん。こちらは、保護者の立場から。


 それでは、まず、きゃるさんからいただいたコメントを紹介させていただこう。

 リンク先のコメント1番である。

 まず、

 私が担任に決まる前から、厳密に言うと、前年度の3月から、特別支援委員会で割り振った担当者が入学予定児が在園する複数の幼稚園・保育園に足を運び、子どもの様子を観察したり、教員・保育士から情報を得たりしてきました。

とある。


 きゃるさんの学校では、特別支援教育の視点から、まずは、『子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握する。』ことを大切にされているのだろう。

 そして、特別支援委員会とは、『障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ、さまざまな子どもたちがいきいきと活躍できる教育の実現に向け、』校内的に組織されたものであろう。

 そうした認識があるからこそ、その組織が中心となって、複数の幼稚園、保育園を訪問するという必然性が生まれたのではなかろうか。

 
 どうなのだろう。こうした取組は、今も、できるようでなかなかできないのではないか。

 自分が1年生担任になるかどうかはまだ分からない段階では、どうしてもおざなりになる傾向がありやしないか。


 しかし、きゃるさんの学校では、そのようなことはない。特別支援委員会の使命をしっかり認識し、その立場でもって訪問する。そこには、全校一丸となって、新1年生の学年経営をより確かなものにしようとする意気込みを感じるし、全教職員がよくまとまり、協力、協業し合おうとする姿勢を感じる。

 特別支援教育の理念が生きてはたらいている感じだ。


 どうだろう。今でも、就学時健診で、こうしたことを行ったつもりになっていることが多いのではないだろうか。

 でも、それだと、そういう場は、

 子どもにとって、知らない先生やお医者さんと初めて出会う場であり、どうしてもよそいきといった感じになってしまう。教員サイドで見れば、とてもふだんの様子が見られるものではない。

 いきおい、障害の有無、気になる行動の有無などを観察することのみになりがちではないか。

 きゃるさんの学校においては、『園の教員・保育士から情報を得たり、』などということから、そうではなく、『さまざまな子どもたちがいきいきと活躍できる教育』の実現へ向けた取組であると感じる。


 続けて、

 学年末休業中には、入学予定児の保護者との面談、入学式前日には入学式のリハーサル(代表あいさつの子ども等、特別な子どもだけでなく不安があればどなたでもどうぞ、と呼びかけて)を行って、不安を取り除く支援を重ねてきました。

とあった。


 これにも驚かされた。

 我が地域において、入学式のリハーサルなど、やったことも聞いたこともない。退職して5年。初めてうかがった話である。

 そして、『不安があればどなたでもどうぞ。』とあることから、単なるリハーサルではないなと思わせる。そこには、子どもたちに、学校生活への期待感を抱かせる取組が、いろいろあるのではないかと思われた。


 きゃるさんの学校の取組は、ただ単に、『小1プロブレム』の解消という次元の話ではない。

 もっと積極的な、

〇一人ひとりの教育的ニーズを把握した上で、
〇一人ひとりの違いを尊重し、
〇一貫した支援体制がとれるようにする。
 
そういう、特別支援教育の精神にのっとった取組ではないかと思った。


 きゃるさんのコメントから、思ったのだが、

 我が地域において、入学前の子どもたちが学校とふれ合う機会は、就学時健診しかないのではないか。そして、いきなり、入学式ということになる。

 ああ。それでは確かに、『小1プロブレム』解消という意味から考えたとき、まずいよね。



 ああ。ごめんなさい・・・。一つ、あることは、あるな。

 今、思い出した。

 我が地域に限らずだと思うが、1・2年生の生活科で、園児との交流をはかっている学校は、けっこうある。

 『A校フェスティバル』などという名称が多いと思うが、


 ただ、これも、多くの場合、教員がお膳立てし、子どもはやらされているニュアンスがある。生活科としても、これではまずいわけで、やはり、子どもの内発的動機づけを養うなかで、子ども自らが自然体で始める交流にもっていくよう、努力すべきだろう。

 それこそが、『小1プロブレム』解消につながるのだと思う。



 次はしれとこままさんからいただいたコメント

 リンク先の1番である。


 いつもは、全校で食べる給食も、その間は教室給食でした。
6年生に長男がいるため、とても頼りになっていますが、授業参観などに冬は一緒に行っていたりして、先生とも顔見知りですしスケート練習もしていましたので、すっかりなじんでいます。入学前の12月には、1・2年生の授業参観の体育に特別参加したりしたくらいです。

とある。

 小規模校の特色を生かし、とてもいい取組をされていると感じた。

 入学前から、保護者と一緒に授業参観に参加しているということ。

 入学前から、先生と顔見知りになっているということ。


 これこそ、まさに、先ほど述べた自然体での交流だね。いいなあと思う。
 
 しれとこままさんは、いなかのよさとおっしゃっているが、これは、都会だってや
ろうと思えばできるだろう。


 先ほどの生活科における交流にしても、イベントのようにして行うのではなく、

 いや、イベントもけっこうだが、それだけで終わるのではなく、日常の何気ない交流をおし進める必要がある。


 要は、入学前から、いかに学校になじむ状態にもっていくか。そして、学校への期待感を抱いてもらえるようにしていくか。

 現代は、そういうことに、もっともっと意を注ぐべきであろう。


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 わたしが初任だったころ、我が地域の運動会では、未就学児童の種目がありました。しかし、だんだんこれがなくなっていきました。日ごろの学習の成果を発表するという目的のもと、平日開催になったからだと思います。 

 しかし、その後、『まちとともに歩む学校づくり』といわれるようになり、また、休日開催が復活しました。

 しかし、未就学児童の種目まで復活させている学校はまだ少ないようです。

 どうでしょう。

 どの学校も小規模化していますし、

 『小1プロブレム』の解消に向けてなどといったらオーバーかもしれませんが、入学前から、少しでも学校になじんでもらうという意味では、これも復活させたらいいと思うのです。

 それも、『まちとともに』の一環ですよね。

 とにかく、お2人のコメントを受けて、就学前からの取組が大事だなと、あらためて痛感させていただきました。


 最後に、一つ、すばらしいホームページを見つけましたので、紹介させてください。

 秋田県教育庁の『特別支援教育とは何か』です。
 教員向けにかかれたものだと思うのですが、市民の方がご覧になっても、とても分かりやすく書かれているように思います。

 お時間のある方は、ぜひ、ごらんいただければと思います。

    美の国あきたネット 特別支援教育とは何か     

rve83253 at 12:00│Comments(2)TrackBack(0)学校経営 | 幼稚園・保育園・学校の連携

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この記事へのコメント

1. Posted by 3歳と小1の男親です   2009年11月13日 12:56
ニュースになっていたので検索でここが出ましたのでコメントを少しだけ。

息子の小学校にそういう問題児が一人います。

将来彼のような人が息子の同僚なりお客さんになることを考えるとかわいそうだなと思うので、そのまま放置してほしくはないですね。

そういう子は責任感が芽生えていないのかなと考えます。
うちは言葉を話せるようになるころから決まりごと(義理・ルール)があります。

今三歳の子に与えているルールはこのくらいです。
・みんなが楽しくするように努力する事
 (不機嫌は一人で解決する事。撒き散らさない事)
・親は友達ではない。(目上を認識させる。)
・自分でできることはがんばる事。
・できないことはかわいくお願いする事。

ロン・クラークの本は参考になりますよ。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url?%5Fencoding=UTF8&search-type=ss&index=books-jp&field-author=%E3%83%AD%E3%83%B3%20%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AF

昔は兄弟が結構いたけど、今は一人っ子で未就学児はは必ず親がついてくるので、親は友達、親はお客さん(先生は従業員(親から見て))、お客さんは神様みたいな流れなんですかね。

2. Posted by toshi   2009年11月14日 14:34
3歳と小1の男親ですさん

 このニュースは知りませんでした。教えていただき、また、拙ブログの、『小1プロブレム』シリーズをお読みいただき、ありがとうございました。  ここにも書かせていただき、また、読者の皆様とコメントのやり取りをし、一口に小1プロブレムといっても、多様な形態があるのだなとあらためて実感させられました。
・発達障害のこと。
・家庭における幼児期からのしつけのこと。
・幼稚園、保育園などの教育。
・さらには、受け入れる立場の学校教育のこと。  さらには、最近は、地方教育行政府の問題もあると思っています。『ふつうの人の自然な感情を受け入れない教育行政』にも原因はあるようです。

 一読者の方が、そのニュースを教えてくださいました。それを読み、はっきり申して、笑止の沙汰だと思いました。都教委は、大学の教職課程にその原因を求めているようですね。これも、『ふつうの人の自然な感情』から離れた対応策と思いました。

 近いうち記事にさせていただこうと思います。
 その折はよろしくお願いします。 

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