2009年05月13日

先生も特技を!4

46841f32.JPG 教員も、特技があるといい。

 子どもとのあいだに、強い絆を築くことができる。

 また、学級経営にも計り知れないプラスをもたらす。


(第一話)

 もうかなりむかしのことになってしまった。

 ちょうど、志村けんと加藤茶のひげダンスがはやっていたころだ。


 我が校の職員旅行があった。

 教務主任のAさんが言う。

「toshiさんよ。宴会の出し物だけれど、二人でひげダンスをやろうよ。・・・。ところで、toshiさんは、けん玉はできるか。」

「はい。子どものころはよくやっていましたから、できると思います。」

 あのひげダンスは、うまくいってもいかなくても、一応サマになるから、その点は気楽だった。


 職員旅行の宴会だから、お酒は入っている。

 しかし、我ながら、驚いた。リズムにのりながら、興にのってやると、なんと、ふりけんが、百発百中

 いや、実際は、三発三中だったが、すべて成功した。


 大うけにうけた。わたしは、こんなにうまくいくとは思わなかったら、自分でも驚いたが、Aさんとともに、得意満面の踊りをやることができた。


 そのあとだ。先輩のBさんから言われた。

「toshiさん。すごいじゃないか。あんなにけん玉が上手とは知らなかった。・・・。ぜひ、子どもの前でやってみせなよ。先生の特技っていうのは、子どもにうけるし、子どもとの関係が、いい感じになるよ。」


 当時は、学級経営に悩むことも多かったから、すごくうれしい思いで聞くことができた。

 それからというもの、お楽しみ会など、おりおりに、子どもの前でやるようになった。

 うまくいくことも失敗することもあったが、やはり、子どもとの関係は、改善されていった。こんなことでも、尊敬(?)のまなざしを受けるとうれしくなるし、子どももだんだんけん玉が好きになっていく。はやりだした。

 こうして、後々の学級経営にも、計り知れないプラスをもたらした。


 それから後、低学年に生活科が誕生する。

 わたしも、低学年を担任することが増えた。

 けん玉が、わたしの武器(?)となった。


(第二話)

 それから、ン十年。

 後輩の教員が、教頭に昇任した。

 その教員から相談を受けた。

「toshi先生。わたし、着任の挨拶のなかで、ギターを弾いてみたいと思うのですが、そんなことをしてもいいでしょうかね。」

 もちろん、大賛成した。

「それは、おもしろいじゃないか。校長先生のお許しをいただけたら、ぜひやってごらんよ。先生のギターに合わせて子どもたちが歌いだしたら、もう、バッチリだね。ふつう、教頭というと、子どもとの接点が少なくて、さびしい思いにもなると思うが、そんなふうにならなくてすむかもしれないよ。

 それに第一、着任の挨拶でやるということは、インパクトがあって、のちのちまで、語り草になるだろうね。」


 校長先生ももろ手を挙げて賛成してくれたらしい。

 ギター演奏はうまくいった。子どもたちが歌うということはなかったようだが、いっぺんに、『ギターの教頭先生』として、評判をとったらしい。


(第三話)

 今、わたしが担当している初任者2人だが、昨日は、特別に、先ほどの第一話にも登場されたBさんが、指導に来てくれた。わたしもなつかしかったが、Bさんは、2人が、ピアノが得意ということをすぐ見抜いたようだ。

 「すごいじゃないか。音楽の先生というわけでもないのに、あれだけ弾けるなんて。・・・。ぜひ、それを学級経営に生かしたらいい。」

 そうしたら、教頭先生が言う。

 「ええ。そういえば、Cさんのクラスでは、休み時間、Cさんが教室のオルガンを弾いていると、子どもたちが寄っていって、一緒に笛を吹いたり歌ったりしていますね。男の子も、何人かは教室で笛を吹いていますよ。好きみたいです。」

「そうか。もうそうなっているか。・・・。よし。それなら、Cさんは、音楽を通して学級づくりをすればいい。『音楽に関しては、どこの学級にも負けない。』そういうものをもつということは、子どもたちに自信をもたせることができるし、いい学級をつくることができると思うよ。」

 それをうけて、今度は校長先生だ。

「そう言えば、(もう一人の初任の)D先生のクラスは、4月当初から、給食を残していないのです。すばらしいですよね。今も、残量ゼロを続けています。これも、子どもたちの自信につながりますね。」



 以上の話。

 学級にも個性があっていい。

 それは、担任と子どもたちとの豊かな人間関係の中で、担任の個性が、自然にそのまま子どもたちの生活のはりとなったというものでもいいし、

 子どもたちが、自分たちの個性として発揮するようになったものを、担任が、やはり自然体で支えているというものでもいいし、


 しかし、どちらにしても、キーワードは、『自然体』。

 そう。そこに無理があってはならない。学級にはいろいろな子がいて、音楽嫌いも、給食の好き嫌いも、それらはあって当たり前のこと。

「いいよ。食べられないのなら、残したって。〇〇ちゃんが残しても、このクラスの『給食大好き』は、変わらないのだから。」

などということが、また、給食大好きにつながっていく。


 もう一つ、留意点だが、

 これは、学級王国を築こうとするのではない。排他的になってはいけない。

 いくら、『このことではどのクラスにも負けない。』と言ったって、オープンマインドは大切にしたい。


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 今日のテーマも、かつて何度か記事にしています。

 まず、記事中の、『学級にも個性があっていい。』にかかわりますが、

    初任者の成長(5)学級文化の創造


 次は、ある中学校長が、問題行動の多かった生徒たちと、信頼関係を築いた事例です。

    中学校長から学ぶ(1)

 この校長は、なんと、月に1・2度、約10kmの距離をマラソン通勤されました。

 こういうことは、かなり、中学生の心をうつようです。上記リンク記事の背景には、このようなこともありました。


 まったく逆な事例もあります。中学校の初任者が、初めは苦手意識が先に立ち、子どもたちとの関係づくりに苦労したのですが、苦手意識を克服するということではなく、苦手意識をてこにして改善を図った事例です。

 教育って、『こうすればこうなる。』とよく言いますが、例外もいっぱいあるもの。まさに、『逆も真なり。』の事例です。

    初任者の成長(3) 中学校の事例 光が見えてきた 

rve83253 at 06:15│Comments(2)TrackBack(0)学級経営 | 子どもと管理職と

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この記事へのコメント

1. Posted by たーこ   2013年02月02日 19:59
5 来年度から教育学部に編入します。
先生の経験談、興味深く読ませて頂いています。
私も何か特技が欲しいな。
2. Posted by toshi   2013年02月07日 03:49
たーこさん
 コメントなしの過去記事にコメントをいただき、ありがとうございました。また、コメントが遅れ申し訳ありません。
 《来年度から教育学部に編入》ということは、進路を変更し、教員を目指されるということなのかな。もしそうなら、むかしのわたしと同じです。ご奮闘のほど祈念しております。
 本ブログと『小学校初任者のブログ』と2つ運営しておりますが、長く後者の方は目次が出なくなってしまいました。近日中に出るようにしますね。そうしましたら、そちらの方もどうぞよろしくお願いします。

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