2009年07月27日

究極の教員像は!?3

0bba60a0.jpg 今、あらためて、教職という仕事の責務を考えている。

 『最低限、これだけは見失ってほしくない。』

 そういう教員の資質とは何だろう。


 思い出したことが2つある。



 その1


 先に、『小学校の特活はどこへ?(2) その理念は、』なる記事を書かせていただいたが、その記事で紹介させていただいたAさん(我が地域で長年特別活動の実践、研究に尽力されている方)から、うかがった話である。


 それは、著名な幼児教育実践家の方がなげかけられた質問をAさんからうかがったのだが、読者の皆さんもともにお考えいただけたら幸いである。


 ある日、低学年の教室で泣いている子を見かけた。

 そのようなとき、あなたならどうするであろう。


 そっと涙を拭いてあげるだろうか。

 『どうしたの。』とわけを聞くだろうか。

 『泣かなくてもいいよ。』と励ますだろうか。


 それとも・・・、


 さあ。どうだろう。


 すみません。問いかけておきながら、その幼児教育実践家の方の答えはあとに譲らせていただいて、



 その2


 我が地域の初任者研修で、講師のBさんが、初任者に投げかけられた。
 
「皆さんのクラスに、いじめられている子どもがいたとしたら、その子に、どう対応しますか。」

 学級担任なら、もちろん、いじめている子、傍観している子への対応が大事だが、この場合は、いじめられている子への対応にしぼっての投げかけである。


 初任者は、それぞれ、対応策を考えた。

 こうする。ああする。こうしたらいいのではないか。

 それに対し、Bさんは、

「それができなかったら・・・、」
「そのようにしても効果があがらなかったら・・・、」

などと、それこそ、いじわるとも受け取れるくらい、初任者の返答を問い返したそうである。

 多くの初任者が返答に窮したとき、一人が答えた。

「どうやってもダメなら、わたしがその子の友達になります。」

 Bさんは、ニコッとされて、そのあとはもう、追求されなかったそうである。


 さあ。それでは、その1に戻って、

 幼児教育実践家の答えだが、この方は、戦前から活躍された日本幼児教育の先覚者である倉橋惣三氏である。


「涙を拭いたり、励ましたりする先生は、『ありがたい先生』である。

 しかし、子どもが望むうれしい先生は、子どもとともに泣いている。」


 そして、Aさんは、その話をわたしにされながら、
「自分は、いまだ、その境地には至っていないようです。」
とおっしゃった。 


 そのようなことはないと思ったが、

 以上2つの事例からは、子どもを引っ張り上げようとする教員像ではなく、子どもと同じ位置に立ち、ともに同じ方を向いている教員像が浮かび上がってくる。


 わたしは、以上の2つの話題から、拙ブログの過去記事を思い出していた。

 それは、

    すぐ涙ぐんでしまう子

 どうぞ、まだごらんでなかったら、お読みいただければと思います。


 これは、『ともに泣いている』事例とは言えないね。しかし、『子どもにとってうれしい先生』には位置づけていただけるのではないか。

 つまり、『受容』の姿勢は認めていただけるだろう。


 わたしは思う。

 究極のところ、最低限、ほしい教員の資質は、これではないかと。


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 冒頭、申し上げました。

 『今、あらためて、教職という仕事の責務を考えている。』
と。

 そう。次回はこのことに関して、本記事とは別な視点から考えてみたいと思います。
 
 それは、公教育の使命についてです。

 私学、塾、習い事などとは違った、公教育の使命があるはずです。

 どうぞ、ご覧ください。
 

rve83253 at 11:00│Comments(8)TrackBack(0)自己啓発 

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この記事へのコメント

1. Posted by 中   2009年07月27日 20:52
確かに担任が、少し今風の言葉使いをする方になった時は、
保護者の間で、子供達の言葉遣いだとか、かんしゃくを起こした時の暴言?って、子供達が真似する先生にソックリ・・・と話していたことがあります。
その学級のカラーが反映されることってありますね。

公教育のダイナミックさ・・・
これは、前述した荒廃した中学校で私が実際に体験したことも一つだと思います。
粒ぞろいの進学校に比べ、
まあそれはそれは、色んなタイプの生徒がいる、大変な学校でありました。

しかし、先生方の温かかったこと!
成績の悪い生徒は、なんとなく、冷たくあしらわれている感がした前校に比べ、
この中学校は、
人間味が溢れ、
その中では優秀だった(笑)私にも、
どうしようもない不良にも、
接し方は違えど、
愛情の度合いは同じものでした、間違いなく。

勉強は満足にできない環境でしたが、
ここで経験した1年は、
今も思い出深いものがあります。

toshi先生の仰られていることは、
きっと私がその学校でお世話になった先生方のようなことなのだろうと、
思っています。


2. Posted by toshi   2009年07月28日 07:37
 中さん
 子ども時代のご苦労、骨身にしみました。
 我が次女も、中さんとは事情が違いますが、中学生時代つらい経験をしており、親としても反省が多かっただけに、分かるような気がします。
 でも、本コメントを読ませていただいて、救われた思いになりました。まさに、前記事へのコメントでふれたように、『愛情、受容、共感をもっとも必要としている学校』において、それがなされていたということですよね。
《やっぱり、いかに周りの大人が子供一人一人を総合的に、多面的に見て、察してやることが大事ですね。》
 中さんからは、次の記事に生きそうな話題をたくさん提供していただいています。  ありがとうございます。
3. Posted by とびうお   2009年07月29日 22:45
共感力は大切ですね。
ドラえもんに出てきた「のび太くんは人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ」という言葉を思い出しました。

私、朝の8時から8時半に子どもの宿題の○つけをする際に、一度その子に「なりきり」ます。
間違いを発見するたび、「私はなんで間違えた?」「どんな勘違いをしてる?」「どんな癖がついてる?」など、その子の視点で考えなくては、同じ間違いを繰り返させてしまいますから。

グループ学習でも、「つまづいている子がいたら、その子になりきって考えてあげてね」と言っています。
合っていてもいなくても、「人の考え方」を理解しようとする活動はきっとその子にとってプラスになると思います。
4. Posted by 中   2009年07月30日 08:27
とびうおさんのコメント…耳が痛いです〜(泣)
我が子と一緒に夏休みのドリルをして、
採点しながら、
「なんで、こんなの間違える!??」と、
思いっきり親視点で言ってしまいます(笑)
5. Posted by toshi   2009年07月31日 08:54
とびうおさん

 なるほど。
『その子になり切る。』
すてきですね。
 
 そして、その姿を、日々の学級経営や授業にとり込むことによって、子ども同士も、『その子になり切る』ことが習性となっていく。

 それが、子ども同士の豊かな人間関係の構築につながっていきます。

 『いいなあ。』と思いました。

 学級の姿が目に見えるようです。
6. Posted by toshi   2009年07月31日 08:57
中さん
 
 それは、担任だからできるという部分もあると思います。

 ふり返ってみれば、わたし自身、我が娘に対しては、中さん同様、反省ばかりです。

 我が娘となるとダメですね。わたしも、(笑)です。
7. Posted by 今年採用試験を受ける通りすがり   2011年06月26日 23:29
恥ずかしい限りですが、自分の目指す教師の理想像を考えてるうちにいろいろ整理できず、ここにヒントを求めてきてしまいました(自分でがんばるべきなんですけどね・・・(笑)
でも、安心したのは先生のおっしゃるものがいくらか自分と重なったものでした。私は、生徒の喜びや成長をともにでき、それを糧として教師も子どもと成長できる教師が理想像です。それは受容であるし、共感だと思います。また喜びや感動、成長をより大きなものにして返す、または援助できるのは教師の魅力的な部分であり、「学校の先生」に求められているものだと実感しています。やっぱり私が先生になりたいと思った根柢にはこれがあると記事を読みながら改めて確認できとように思います。感謝です。

先日コメントしていただいたとき、お名前をと言われましたので、少々。香川県で中学教師を目指す大学4年生です。苗字だけで失礼ですが宮崎と申します。以後よろしくお願いします。
8. Posted by toshi   2011年06月27日 06:23
宮崎さん
 お名前をお教えいただいて、ありがとうございます。こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
《私は、生徒の喜びや成長をともにでき、それを糧として教師も子どもと成長できる教師が理想像です。》
 師弟同行という言葉があります。向き合うのではなく、ともに同じ方向を目指すということですね。おぼろげだったものが、具体的なイメージとなったのであれば、とてもうれしく思います。
 わたしもそうした方向を目指していますが、ときにおかしくなる点、いまだ、未熟なままです。初任者とともにがんばろうと思っています。
 
 

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