2009年09月06日

民主党マニフェスト教育編(3) 共に生き共に学ぶ教育の推進 4

949399c9.JPG 今、わが勤務校には、車椅子通学の子が在籍している。このことは、過去記事で、ふれたことがある。下記リンク先記事の末尾(バナーのすぐ上)である。

    学習問題とは(6) 子どもとのズレ!?

 上記リンク先記事では、子どもの発言として、『わたしたちのA小学校には、1年生だけれど、車椅子の子がいるでしょう。〜。』としか書かなかったが、実は、A小では、1・2年生に1人ずつ、車椅子で通う子がいる。


 ここで、上の写真をご覧いただきたい。

 車椅子の向こうで、1年生のクラスが、大波小波の長なわとびをやっている。子どもたちの列には、子どもをおんぶしたお母さん(Bさんと呼ばせていただこう。)も並んでいて、おんぶしたまま、何回も何回も跳んでいる。

 クラスの子たちとBさんは、もう気心の知り合った同士といった感じだ。あくまで自然体にみえる。


 授業終了後、わたしは、我が子の車椅子を押して昇降口に向かうBさんのもとに駆けつけた。

「〜ということで、我がブログに、写真掲載をお願いできますか。」
「うわあ。そういうことだったのですか。・・・。はい。かまいません。顔が写っていないのであれば、いいですよ。」

 担任もそばにいて、

「すごいじゃない。ブログにのるということは、Bさんが、世界中に紹介されちゃうということね。」

 そんな、すごいなどということはないのだけれどね。


 もう、以前から、Bさんは、廊下などですれちがうたびに、にこやかに会釈してくださるが、この、Bさんのいつも変わらぬ笑顔には、こちらまで気分が明るく、なごやかな気持ちにさせられる。


 校長は言う。

「ええ。もう、ほんとうに、すてきなお母さんで、

 お子さんは1年生ですが、お母さん(Bさん)がおっしゃるには、

 『うちの子(今、ここでは、Cちゃんと呼ばせていただこう。)は、『他の子ができることは、自分もできる。』と思っているところがあって、『そうではないのよ。他の人にはできても、Cちゃんにはできないことがあるの。それは仕方のないことなの。だから、できることをがんばればいいし、できなくても、しないといけないことは助けてもらうことが大切。』それは今からしっかり言ってきかせています。』

とおっしゃるのです。

 わたしも、Bさんから多くのことを学ばせていただいています。」


 また、担任は言う。

「入学前、Bさんは、肢体不自由の子の通う学校にしようか。それとも、ふつうの小学校にしようか、ずいぶん悩まれたようですが、決断されたのですね。Cちゃんは、このA小学校に入学することになりました。

 それ以来、お母さんは、こうして毎日、お子さんとともに学校で過ごしています。教室で勉強しているときは、廊下で静かに見守っています。ときどき、教室をとび出してしまう子がいると、抱きかかえるなどして、助けてくれることもあるのですよ。

 車椅子は昇降口に置いて、おんぶして教室に行きます。教室には歩行器が置いてあるので、Cちゃんはそれで移動します。

 Cちゃんは、がんばりやさんなのですよ。授業にも意欲的で、よく発言もします。それにお掃除の時間などは、床をはいまわって、一生懸命ぞうきんがけなどをしています。」


 わたしはそれをうかがいながら、思う。

 Bさんは、お子さんのCちゃんをA小学校に入学させて、心から、『よかった。』と思っていらっしゃるのではないかな。

 しかし、そうは言っても、Bさんだって、Cちゃん同様の時間をそくばくされるだけに、この決断は大変なものだったに違いない。


 この、共生の教育。

 これは、Cちゃんの成長にはかり知れないプラスをもたらすだろう。

 しかし、それは、Cちゃんだけに、プラスとなるわけではない。

 クラスの多くの子にとっても、Cちゃんとともに過ごす毎日は、やはり、はかり知れないほどの心の発達をもたらすにちがいない。障がいのある子とともに過ごす日々は、そして、それが空気を吸うがごとく、自然なこととして経験できる日々は、無意識、意識を問わず、共生のあり方を感じながらの毎日であるに違いない。


 そう。ここに、すばらしい教育の姿が見られる。

 しかし、Bさん自身の生活のことを思わずにはいられない。



 とまあ、ここまで述べて、それでは、共生の教育にかかわる民主党のマニフェストをのぞいてみよう。


 『インクルーシブ(共に生き共に学ぶ)教育の推進』とある。

 例によって、この項の全文を掲載させていただこう。


 障がいのある子どもたちにも、特別な状況に応じた教育、それぞれの子どもにとって適切かつ最善な支援を行っていきます。学校教育において障がい者と健常者がともに学ぶことを原則とし、保育園・幼稚園の段階から小中学校教育までインクルーシブ保育・教育に取り組みます。また、学校施設のバリアフリー化や弱視者用の拡大教科書等の普及、発達障がい児への支援など、障がい者の視点に立った教育環境をつくります。

とある。


 ああ。いいなあ。何とか、成果を上げてほしい。いや。上げていきたい。


 これまでも、こうしたことはうたわれていた。そういう意味では目新しいものではない。その点は、本シリーズ、(1)、(2)とは根本的に違う。


 しかし、しかしだ。

 これまでもうたわれてはいたけれど、

 母子加算を廃止したり、医療費削減を目ざすあまり医者不足を招いたり、後期高齢者医療制度をつくったりした、これまでの政権の下では、『学校教育において障がい者と健常者がともに学ぶことを原則とし、』と書いてあっても、なにやら、口先だけではないかという思いにとらわれてしまう。


 上記、Bさん、Cちゃん親子の例にしても、ほんとうなら、もっと楽に、もっと楽しく、充実した毎日を送ることはできるはずだ。


〇校長から聞いた話だが、

 我が地域において、現在も、介助員制度はある。

 あるが、まず、それをしてくれる人は、Bさんがさがさなければならない。そして、見つかったとしても、日数制限がある。


〇また、バリアフリーに関してだが、校舎の中は、階段や段差がいっぱいだ。どうしても、校内移動は、おんぶになってしまう。

 我が校は、1階にふつう教室がまったくないため、今も教室は2階である。これから、上学年になれば、3階、4階になる。しかも、当然、体は大きくなるしね。

 ここは、スロープなり、エレベーターなり、バリアフリーの実を上げてほしいと、切に願う。


 さあ。

 本シリーズで述べてきた、(1)の学校理事会、(2)の学習指導要領。

 これらはいずれも、お金のかかる話ではなかった。

 しかし、今日とり上げたテーマは、もろにお金に直結する。


 徹底したムダ排除の民主党。

 その民主党なら、なにやら、やってくれそうな予感がする。これからの公共事業は、こういう、民生に直結したことを中心にしていくべきだろう。

 
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 交流教育、共生教育は、これまでも折々に記事にしてきました。

 ここで過去記事にリンクさせていただきます。お読みでない方は、ぜひ、ご覧ください。

    人権教育(13)交流教育  共生を考える。

 共生の教育は、障がいのある子のためと思われがちですが、それは、障がいのない子にとっても同じように大切であると、

 本記事でもふれていますが、上記リンク先記事では、もっと具体的、実践的に述べています。よろしくお願いします。

    『民主党政権下で、全国学力調査は?』へ続く。     

rve83253 at 01:09│Comments(6)TrackBack(0)教育制度・政策 | 交流教育

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この記事へのコメント

1. Posted by しれとこまま   2009年09月06日 10:54
誰にでもやさしい学校・・・理想ですね。
私は、この場所に嫁ぐ時、田舎と言う理想を描いていました。誰にでも優しく、小規模校ならではのふれあい、行き届いた先生の笑顔。
それが、やはり都会と変わらず、いいえ地域密着のあまり身動きがとれずお互いを監視するような状況に、とてもショックを受けました。
しかし、この学校もあと2年で廃校となります。人数が少なく、町内にあるへき地5校は、町中にある小学校と1つになります。その小学校も古いため一度閉校とし、新たな場所に建て替えて統合した新小学校が始まるのです。
今まで、少ない人数で複式学級だったのが、今度は大人数になりますから、集団教育としては望むべきところです。
しかし、次男の学年はちょうど2クラスに分かれない寸前の人数です。
40人クラスとなり、今の制度では副担任もつかないようす。
支援が必要な子がいる場合は先生が入るでしょうが、どうなってしまうのでしょう。
しかし、今の馴れ合いが断ち切られていい方向に向かってくれるように、願っています。
2. Posted by toshi   2009年09月06日 18:01
しれとこままさん

 教員増など、教育環境の整備、充実について、民主党は、マニフェストで、強く打ち出していると思います。
 『そんなに金があるのか。財源は。』と言われていますが、徹底したムダ排除の民主党に期待したいと思っています。
 なお、細かくは、近日中に記事に書かせていただくつもりです。

《今の馴れ合いが断ち切られていい方向に向かってくれるように願っています。》
 そうですね。教育に限らずでしょうが、お金だけではダメですよね。民主党の教育政策が実りあるものになるためには、教員の意識改革、指導力アップも重要な鍵と思っています。
3. Posted by 中   2009年09月08日 15:59
息子の小学校は10年前くらいに建てられた学校なのですが、車椅子などでも自由に校舎を行き来できるように、エレベーターがあります。
また渡り廊下を後付けですがスロープにしたりしていると、今息子に聞きました。

ですが、お手洗いや各教室など設備が行き届いているとは思えず、夏休みの構内清掃を手伝いながら、
PTA会費を、そういうところに寄付できないか考えていました。
4. Posted by toshi   2009年09月10日 04:45
中さん
 そうですね。我が地域でも、最近建った校舎は、けっこうバリアフリーが行き届いているようです。でも、なかなかエレベーターまではないようです。
 PTA会費は、総会でそういう使途を承認すれば、できることなのかもしれません。
 でも、これもむずかしい。そういうのは公費でやるべきだという主張が必ずあると思います。そして、それは、まさしく正論なのですよね。
 民主党政権下で、そういう方向にはいくと思います。期待しています。
5. Posted by 中   2009年09月14日 14:29
確かに、公費でやるべきものですよね・・・
ただ、集められているPTA会費の内訳を見ると、
どうでもいいようなイベントに、ざっくり10万円とか、写真現像費1万円とか、ホントに酷いのです。

P連も天下り先の一つだと聞きました。
こういう所をキチンと精査して、
いらない団体は潰して頂きたいと思いますね
6. Posted by toshi   2009年09月15日 08:45
中さん
《どうでもいいようなイベントに、ざっくり10万円とか、写真現像費1万円とか、ホントに酷いのです。》
 ほんとうなら、総会で、質問したり、変更を求めたりすべきなのでしょうが、これは、言いにくいですよね。
 日本においては、まったく意見が出ず原案通りにいってしまうか(我が勤務校は大体こうでした。)、さもないと荒れるか(荒れた経験はないのですが、よく聞く話ではありました。)、どちらかのような気がします。
 どちらも極端に過ぎ、もっとふつうの総会ができればいいなとよく思ったものでした。

 『P連が天下り先』というのには、驚きました。少なくとも、我が地域では、そのようなことはありません。たぶん、他もないとは思うのですが・・・、


 

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