2009年10月03日

東京落選は残念。しかし、さわやかだったのでは、〜4

8ada54bc.JPG 昨夜は遅くまで起きていた。

 しかし、残念だった。

 『生涯で2度も、国内でのオリンピックが見られれば最高。』と思っていたが、かなわなかった。

 まあ、当時も、『アジア初のオリンピック』とセンセーショナルに騒いでいたから、そういう意味では、南米初のオリンピック・パラリンピックに祝意を表したいし、成功を祈ろう。


 敗れたけれど、わたしの気持ちのなかでは、さわやかさが残った。

 それは主に、2つの理由による。



 その1


 日本のプレゼンは、強烈なテーマをもっていた。それは十分、示せたのではないか。報道によれば、『東京の(プレゼン)終了後、IOC委員がスタンディングオベーションで送り出すなど、雰囲気は良かった。』とある。

 わたしもテレビを見ていて、それを感じた。


 大成功だったのだ。

 もし、プレゼンのでき具合のみの投票であれば、日本は圧倒的な勝利を収めたのではなかろうか。


 『気候変動と環境変化』。

 先の国連における鳩山発言といい、今回のそれといい、日本の思いは世界に十分伝わったと思う。

 これからの日本は、いろいろな場において、このテーマでリーダーシップを発揮していくのではないか。そんな予感を抱かせてくれたプレゼンであった。


 それに関して、ぜひ追加してふれさせていただきたいことがある。

 それは、前々記事の、『感動的だった鳩山首相の外交デビュー』にいただいたしょうさんのコメントへの返信(3・4番)だ


 そう。なんと、鳩山発言を上回る、『30%削減の取組を始めている企業』がある。

 今後、こうした企業が続出するのではないか。

 そして、政府は、これを支援していくのではないか。


 若者の未来に夢を託すプレゼンであったが、その夢は広がる。



 その2


 我が国のプレゼン冒頭を飾るサプライズに感動した。


 先に、招致委員の一人は、『あくまでも外国人向けなので、日本のお茶の間の皆さんにはまったく受けないかもしれません。』と言ったそうだが、

 そうかな。わたしはもう、大きな感動を覚えてしまった。


 
 中学3年生が、国際的な大舞台で、堂々と、あれだけの演説をぶったということ。

 そして、それは、オバマ米大統領の演説の余韻さめやらぬなか、また、鳩山首相の演説の直前というタイミングで、彼らと比べてもまったくそん色なく、立派に演説したということ。

 また、その三科怜咲さんの席の両隣りは、鳩山首相と石原都知事だったが、なんら臆することなく、すてきな表情で拍手を贈ったり笑顔を振りまいたりしていた。

 むしろ、鳩山さんの方に、緊張感がただよっているように感じたのは、わたしだけかな。


 いやあ。すごい。

 その一言だ。


 だって、この中学3年生と比較すべくもないが、

 わたしなんか、教頭なりたてのころ、両隣りが県会議員と衆議院議員というだけで、もう、緊張してしまったのだものね


 さらに、

 わたしは、三科さんのプレゼンを聞いていて、過去に書かせていただいた、我が校長時代の一人の子の姿を思い出していた。

 それは、『国語「話す・聞く」の指導(1)』に登場させていただいたAちゃんだ。


 そう。このAちゃんのスピーチも、昨夜の三科さんと印象が重なるものだった。そして、Aちゃん同様、昨夜の三科さんも、プレゼンのあと、緊張したと語っていた。


 でもね。後の談話を読むと、

「緊張したけど、IOC委員の方々が笑ってくれたのでよかった」。

とのこと。


 なあに。『IOC委員の笑顔』がちゃんと目に入り、覚えているくらいなら、緊張って言ったってね。・・・。

 とにかく、すごかった。


 
 ここで、話を変えさせていただく。

 
 先のリンク先記事、『国語「話す・聞く」の指導(1)』にも書かせていただいているし、また、つい先日も、『国語の授業がおかしくなっている・・・かな!?(5)』に書かせていただいたが・・・、

 この、『話す・聞く』の学力を育むことに関して、日本ははっきり言って、後進国だ。

 ほんとうに、公教育において、この力を育むすべを知らない。三科さんにしても、インターナショナルスクール在学なのだよね。



 ああ。ここで、先の2編に補足して書かせていただきたいことがある。

 三科さんは、演劇活動にも参加しているらしい。

 この経験は、昨夜のプレゼンなどでも、有利にはたらいただろうと思われる。


 ところで、やはり、わたしの校長時代、先のAちゃんとは別に、地域の民間の演劇活動に参加しているBちゃんという子がいた。

 明るく積極的に学校生活を送る子だった。


 ある日、Bちゃん母子から、その劇団の公演に招待されたことがあった。喜んでうかがったが、


 いやあ。もう驚いたのなんの。

 大人の劇団に、子役として加わっていたのだった。

 さすが、お金をとって見せるだけのことはある。ミュージカルだったが、踊る、歌う、せりふを言うなど、もう舞台せましとばかり、躍動していた。その姿は、まあ、厚化粧のせいもあっただろうが、とても、小学6年生のそれとは、見えなかった。


 正直、『子どもだまし』と思ってうかがったのだが、もう、プロ級の演技に感動しっぱなしだった。


 そうなると、今度は、感動が大きい分、

 日ごろの学校におけるBちゃんとのギャップを感じざるを得なくなった。

 先に、『明るく積極的』と書かせていただいたが、その思いは消えうせた。


 そして、逆に、

 学校において、Bちゃんは、もっともっとはつらつとした姿を見せていいはずだ。

それなのに、そうならないのは、

・自分らしさをおさえているのではないか。

・周りに合わせようとしているのではないか。


 そう思うと、なんか、すごく申し訳ないような思いになってきた。


 その点、三科さんは、インターナショナルスクールにおいて、はつらつとした生活を送っているのではないか。個性を思いのままに発揮しているのではないか。

 そんな思いにもなった。


 とにかく、日本の公教育が学ばなければいけないものを示してくれている、そんな思いになったプレゼンでもあった。

 
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 三科さんはプレゼン直前、ステージに駆け上がって現れました。

 このようなとき、わたしたちは、『走ってはいけません。もっと落ち着いていきなさい。』などと指導(?)するものです。

 でも、この場合、とてもその場の雰囲気に合っていましたよね。若者らしさがにじみ出ていました。勢いがあってよかったです。

 それだけに、わたしは、日ごろの指導を反省させられました。



 最後に、プレゼンに参加された皆さん。ご苦労様でした。とてもよかったです。

 今回に限って言えば、『南米初』に、栄誉を譲ったということでしょうか。


 オリンピック・パラリンピックは開催できなくなりましたが、

 しかし、プレゼンのテーマのように、若者の未来が明るいものになるよう、これからの日本は世界のリーダーとして、がんばっていくのではないでしょうか。その先頭にたってくださったように思います。

 どうでしょう。『4年後に、再チャレンジ』というのは。


rve83253 at 16:29│Comments(3)TrackBack(0)教育風土 | エッセイ

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この記事へのコメント

1. Posted by しょう   2009年10月03日 22:35
 率直に申し上げて「さすがtoshiさんだなぁ」というのが私の感想です。
 競技にしても大会招致にしても「勝ち負け」にまず目がいってしまうものですが、何を表現できたのか、どのようなメッセージを届けることができたのか、というところに感動しておられるあたり・・・。

>『気候変動と環境変化』(・・・)
>若者の未来に夢を託す(鳩山首相の)プレゼンであったが、その夢は広がる。
 国連の会議では、下を向いて原稿を読む時間が比較的長かったようにも見えましたが、このたびの鳩山氏のプレゼンはいっそう迫力があったように私も感じました。

 関連して、前回の私のコメントに対してご紹介いただいた記事も読ませていただきましたので、ひとこと。
 そこでtoshiさんは『地球にやさしい。』という言葉の問題点を指摘していらっしゃいますが、確かに「大きな地球に保護されて初めて人間は生存できているのだ」という謙虚な自覚が大切だと思います。「若者の未来へ夢を託す」ためにも、そこを出発点にしながら真剣に行動する必要があるでしょう。
2. Posted by しょう   2009年10月03日 22:36
 そして、15歳の少女の素晴らしい演説で「次世代へつないでいくべき大切なもの」(環境も、スポーツも)を改めて確認できたようにも感じます。

>日本の公教育が学ばなければいけないものを示してくれている、そんな思いになったプレゼンでもあった。

 言われてみれば「本当にそうだなあ」と思うのですが、toshiさんならではの感想ですね。わたし自身はそこまで考えが及びませんでした。
3. Posted by toshi   2009年10月04日 08:05
しょうさん
 わたしも最初は勝ち負けの世界でしかとらえていませんでした。
 東京は以前から、『環境重視のオリンピック・パラリンピック』を主張していましたが、IOC委員の中には、
「環境は、オリンピックにはなじまない。他で主張してくれ。」
という方もいらしたということで、前途多難は感じていました。
 そういう意味でも、今回のプレゼンで、中3の生徒を登場させ、しかも、『環境は自分たち若い者にとって切実な問題である。』と主張したのは、IOC委員も身につまされたはずですし、わたしはとてもよかったと思ったものでした。
 やるべきことはやったという、そんな思いにもなりました。

 公教育云々については、ちょうど、拙ブログで、現状の国語教育の問題を指摘していたものですから、そういう意味で、今回の中3の生徒のプレゼンを、わたしは重要な問題提起ととらえさせていただきました。 
  

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