2010年03月20日

あのあどけなかった子どもたちが・・・、4

529976e5.JPG このところ、シリーズとしている、ある校長先生の講演は、申し訳ないがちょっとお休みさせていただいて、

 昨日は、退職したA小学校の卒業式におじゃました。


 先日、ちょっとした用があって、A小学校を訪ねたことがあった。そのとき数人の卒業生に会うことができた。校庭での遊びをしばらくやめて、わたしのそばに寄ってきてくれた。

「うわあ。toshi校長先生だ。何で来たの。」
「うん。ちょっと、校長先生に用事があってね。・・・。そう言えば、もうすぐ君たちは卒業だね。式の練習などで大変でしょう。」
「はい。でも、がんばっています。」
「toshi校長先生。卒業式に来てくれますか。」


 正直言って、向こうから寄ってきて親しげに話しかけてくれたから、卒業生と分かるのであって、わたしの方は、大人びた子どもたちに???の思い。

 

 もう退職して5回目の卒業式になる。ほんとうに月日のたつのは早いものだ。あのころの、あのあどけなかった1年生たちが、もう卒業なのだもの。

 大人の5年間なんて、変わったか変わらないか、成長したかどうか、ほとんど分からないものだが、子どもの5年間というのはすごいね。あの、幼稚園児とたいして変わらなかった子どもたちが、もう大人同然の顔つきになっている。


 
 卒業式の日、在校生まで笑顔で迎えてくれたのにはびっくり。わたしのこと、分かるのかな。

 来賓控室では、もう町内会長さんなども入れ替わっていて、わたしの知らない方も何人かいらした。

 せわしく動き回る教職員とは、もうほとんど知らない者同士といった感あり。

 ここからも、年月のたつのの早さを感じ、ちょっとさびしくもなった。


 卒業式が始まった。

 型どおりの進行の後、

 感動したのは、個別支援学級のBちゃん。

 1年生のとき、お母さんと一緒に登校してきたっけ。

 校門を入る直前、いつもちょっとした寄り道があった。学校の反対側に、Bちゃんの気を引く看板があり、その看板をしばらく眺めてからでないと、校門に入らないのだった。それが、通例となっていた。お母さんもよく承知されていて、しばらくはその儀式(?)にお付き合いし、それから校門を入ってくる。

 『いつも格別な笑顔』と言ったら、ちょっと変な日本語と言われそうだが、でも、そんな感じだった。うれしくてたまらないといった笑顔を浮かべ、元気に、『校長先生。おはようございます。』とあいさつしてくれた。


 そんなBちゃんが卒業だ。Bちゃんも、幼顔は残っているものの、やはり他の6年生同様、見事に成長していた。

 だが、卒業生と一緒に、卒業生の席に着くことはできなかったようだ。広い式場の一番後ろ、保護者席よりさらに後ろだったが、そこに、お母さんや担任とともに、ちょこんといった感じで着席していた。


 証書授与のときだ。

 Bちゃんの呼名が終わると、校長先生は、卒業証書をもって、ゆっくりBちゃんの席まで歩いていかれた。そして、その場所で証書を渡した。しばらく話しかけられながら、また、もとの壇上に戻られた。

 一人ひとりの子どもを大切にする姿勢。このような行事においてもそれが貫かれていることに喜びを感じた。


 今も、わたしに年賀状をくれるCちゃんも卒業だった。

 Cちゃんは幼顔が残っていないようで、わたし、誰がCちゃんなのか、よく分からなくなってしまった。来賓席で隣にいらした、放課後学童クラブのチーフの方が教えてくれた。

 まあ、立派に成長したものだ。

 卒業生は、卒業証書をいただいた後来賓席の前を通るが、Cちゃんはチラッとわたしの方に目を向け、軽く会釈をしてくれた。


 学校長式辞。

 校長先生のお話もすてきだった。

 校庭の隅にあった一本の桜の木。虫が食っていたのだろう。昨年、強風のため倒れてしまった。その木にまつわるお話をされ、それをもとに卒業生の未来への夢や希望を語られた。

 わたしもその木には思い出があるだけに、印象深く聞くことができた。


 PTA会長さんもすてきな方だ。

 わたしの現職最終年からの会長さんだから、もう、会長職6年になる。この間、『おやじの会』の創設、太陽光発電設備の校内設置などに尽力された。ほんとうにいい人に会長になっていただいたなと思った。

 この会長さん、もうすでに、お子さんが進学されるD中学校の会長職に内定しているのだそうだ。


 続いて、来賓の紹介。

 わたしは、最終ということもあり、卒業生と保護者に向かって、きわめて簡単にではあったが、お祝いの気持ちを述べさせていただいた。


 式の最後は、卒業生が舞台前の雛壇に立ち、在校生と向かい合っての『お別れの言葉』。PTA会長さんのお子さんが一番泣いているのが印象的だった。

 国歌、校歌のときは、あまり歌声の聞こえてこない卒業生だったが、このときは、しっかりと歌えて、ホッとした。また、呼びかけの一言一言も立派に言えていた。

 よかった。


 ところで、式全体の印象は、去年の卒業式が涙、涙の卒業式だったのに対し、今年は、笑顔の多いのが印象的だった。やはり、学校が小規模校化してしまうと、その年、その年の特徴が出やすくなり、雰囲気がガラッと変わるということは起きがちだ。


 なお、去年の記事のAさんが、今年は、司式を担当。立派にやられた。

 証書授与のときも、校長式辞のときも、司式の席でずっと立っているのにはびっくりした。
 

 式を終えて、在校生の吹く笛の演奏のなか、卒業生は退場していった。中学校の先生が、『待っているよ。』と、温かく声をかけていた。今はもうすでに、小学校在校時から、中学校との交流の機会をもっている。だから、卒業生たちも笑顔で、中学校の先生の声に応えていた。

 続けて、わたしたち来賓の退場だったが、いつも、このA小学校の保護者の温かさを感じる。

 というのは、皆さん、来賓に向かっても拍手と会釈を繰り返してくれるのだ。都会の学校においては珍しいのではないかな。

 こんなところにも、A小学校の伝統を感じた。


2f2d784a.jpg 式の後は、式場に戻っての学級ごとの記念撮影。

 そして、校庭でのお見送りとなる。


 雨上がりの校庭だった。まだ少しぬかるみはあったが、快晴だ。

 4・5年生、保護者、来賓、教職員が並んで、卒業生を見送った。もっとゆっくり歩いてくれればいいのに、早歩きなものだから、あっという間に通り過ぎた。

 その後は、こんなわたしにも、保護者から、子どもと一緒の記念撮影をお願いされたりして、楽しい交流のひと時をもつことができた。

 
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 何回も書くようで、申し訳ありませんが、これで、わたしの在職時の子どもたちは、小学校からいなくなってしまいます。なんか一区切りついたような気持ちです。さびしい思いが募ってきました。

 来年からは、初任者指導の勤務校の卒業式におじゃましようかな。

 でも、初任者が6年生を担任することはまずあり得ませんし・・・、

 今のところは、決めかねています。

 

rve83253 at 09:07│Comments(2)TrackBack(0)子ども | 学校行事

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この記事へのコメント

1. Posted by しれとこまま   2010年03月21日 08:29
今回の記事で、涙がポロリとこぼれてしまった私です。
それは、支援学級のBちゃんのところです。
ああ、一人一人に寄り添う教育というのは、こういう感動する場面を生むのだと感動した次第です。
どうしても「いかに舞台にあげるか」を考えてしまいがちですが、先生が子供のところに行く、そしてそれを周りが見守るということが、本当に今まで見たことがない場面です。
また、中学校が「待ってるよ」と暖かく、交流があるというは、わが町ではありません。
中学校も3学年で4クラス。小学校同士では交流しているので顔見知りではあるものの、不安があるのに対し、なんと配慮されていることでしょうか。
PTA会長さんは、毎年変わらないんですね。毎年誰がなるのか、副会長さんは誰?と少人数の中で回っているわが校を考えると、信じられないです。
いろいろと場所により違うのだと思いました。
2. Posted by toshi   2010年03月21日 15:30
しれとこままさん
《どうしても「いかに舞台にあげるか」を考えてしまいがちですが、〜》
 そうですね。そうなりがちだと思います。でも、わたし、Bちゃんが、ほんの一瞬でも式場にいられたことは、よかったなと思いました。
 式場の雰囲気というか、空気というか、それを味わうことができたに違いないからです。
 わたしが同校校長だったときも、それまで保健室登校だった子が、みごと、他の卒業生同様、卒業生の席に着き、壇上で証書をいただくことができたということがありました。
 そのとき、本校教員は、式場に入れないとき、入れても卒業生の席には着けないとき、着けても壇上には上がれないときというように、いろいろなケースを想定し、その時々に臨機応変に対応することができるようにしていました。やはりいい思い出をもって卒業してほしいというのが、教職員の一致した思いだったです。
 

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