2011年07月13日

1年生との濃密な時間!!

PAP_0052 毎年、毎年、あわただしくときは過ぎ去っていく。まさに、『あっという間』というにふさわしい。それも、だんだん加速しているように感じる。

 しかし、1年生(A学級の子どもたち)と過ごす瞬間瞬間は、この想いを忘れさせてくれる。
 子どもはめまぐるしく変容する。『成長が毎日毎日実感できる。』と言ったら言い過ぎかもしれないが、『あっという間』といっては申し訳ないくらいの濃密さがある。


 ふり返れば、入学して間もないころ、

 Bちゃんは、自分がビリだと分かると、もう、走るのをやめてかたまってしまうのだった。かたまるとはよくいったもので、次に走る子のじゃまになるから、担任のAさんがどかそうと抱き上げると、ほんとうにしゃがみこんだままの姿でどかされるのだった。
 Cちゃんは、わたしたちからすれば、わけも分からず泣き出してしまうのだった。後で分かると、たわいもないことで、おかしくなるくらいのことだった。
 それ以外にも、団体行動がなかなかうまくとれなかったDちゃん。
 すぐトイレに行きたがったEちゃんなど、など。

 今、そうした子たちも、みごとに変容を遂げた。みんな、立派な小学生だ。

 そう。そう。もう一人いたっけ。これは過去記事に書いたが
 入学直後は授業中でも床に寝そべってしまい、学級補助のFさんをてこずらせたGちゃんだった。が、その後しっかりしてきて、そう、わたしの授業では、なんとお話を作っちゃったんだよね。

 これらの思い出が走馬灯のようによみがえる。わずか3か月しかたっていないが、入学のころは、ずいぶんむかしのように思える。
 
 毎日、毎日、喜怒哀楽を表情豊かにあらわしている。ありったけの力を発揮しているようにみえる。


 そして、もうすぐ夏休み。

 実は、わたしがこのクラスに入るのは、昨日が最後だった。別れ際、
 「じゃあ、1年〇組の皆さん、今度会えるのは9月です。それまで、元気でね。毎日、暑いけれど、病気しないでね。また、事故にも遭わないように気をつけてね。」

 あれ。

 にこやかに手を振ってくれるのかと思ったら、あに、はからんや。みんな、びっくりしてしまったようだ。シーンとしてしまった。
 ちょっと唐突だったかな。

 そうだよね。考えるまでもなく、まだ夏休みまでは一週間ほどある。驚かせちゃって、ごめんなさいね。

 
 それでは、そんな昨日だったが、わたしにとっては今学期最後の日。その一日を振り返ってみよう。読者の皆さんも、子どもたちの成長を見守っていただけたらありがたい。


〇朝の会PAP_00551の歌。

 ああ。すみません。写真とは違い、この日は教室での歌。
 いつも張り切って歌っている。朝から大変な暑さだが、それにもめげず歌っているのはすばらしい。意欲的なのは好感がもてるが、今一つ、きれいな歌声を心に留めるようになれば、もっとよくなるだろう。

〇トイレ休憩の時間に、 

 Hちゃん、不意にわたしの背後から、わたしに抱きつく。思わずよろめきそうになったわたし。でも、Hちゃんは、そのままわたしのメモをのぞき込んだ。
「あれ。わたしの名前が書いてある。何て書いてあるの。」

 うわあ。しまった。いつも、子どもたちとは、次のような話をしているから、意に介せずにいたのが、失敗だった。
「toshi先生。何、書いてるの。」 
「英語、書いているの。」
「いやあ。日本語だよ。ほら。これはひらがなの『へ』。」
「うそだあ。読めないよ。こんな変な字。」
「もじょもじょしていて、字じゃないよ。こんなの。」
そんなやりとりばかりだったから油断していた。

「さっきね。Hちゃんは隣りのJちゃんと言い争いをしていたでしょう。でも、先生に何も言われなくても、自分たちでやめたからね。えらいなと思って書いたのだよ。」
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 Hちゃん、満足そうな表情になって、自分の席に戻った。

 ああ。よかった。うまくだませたな。(Hちゃん。ごめん!ごめん!!ごめん!!!)
 ほんとうは、Jちゃんの方が我慢したから言い争いが治まったのだ。それで、『こういうときは、Jちゃんをほめてほしい。』とメモしたのだった。

〇一時間目の国語 くっつきの『を』

 『を』、『は』、『へ』などの学習に入った。
 黒板に出てカードを貼ったり、音読したりしたあと、
 教科書の、《ぶんを つくりましょう。》に入った。

 教科書には、『(   )は、(   )を (     )。』 『(   )は、(   )へ (     )。』とある。

 おもしろいなあと思ったこと。

 ほとんどの子の書き出しが、『ぼくは、』『わたしは、』となっていた。なんと、違う子は2人だけ。

 やはり、1年生は、自分のことが中心となるのだろう。
 もちろん、それでいい。自分のことだからこそ、切実感ももてようというものだ。自己を客観視するのはまだ先のことと思えた。

 さて、自分でなかった2人の主語は何だったか。

・『うちゅうじんは、そらを とびます。』
 担任のAさん。みんなに紹介する。楽しい笑い声が起きた。もちろん、大正解だよね。
・もう一人は、
『おとうさんは、かいしゃへ いきます。』
これは紹介はされなかったが、大きな花マルをもらった。きっとお父さんが大好きなのだろう。

 なお、一人、『はたしは、』と書いた子がいて、これは、もちろん、Aさんの個別指導があった。

・次は算数の時間。

 なんだか、一時間目の国語と似た学習になった。・・・というのは、

 授業の後半、『6−4=2の おはなしを つくろう。』をしたのだ。みんな、楽しいお話を作った。お話づくりの天才だ。

 そのなかから、2つだけ紹介させていただこう。

○『ごりらが6ぴきいます。4ひきにがしました。なんびきいるでしょう。』

 これは、わたしが、感動した。
「Jちゃん。やさしいね。逃がしてやったんだ。ふつうは、『逃げました。』って書くと思うけど、逃がしたっていのがいいなあ。」

○もう一つは、Aさんが思わず大笑いしたもの。
「ねえ。みんな。Kちゃんの、おもしろいから、みんな、聞いてね。」
そう言って読み始めた。
「くるまが6だい、あります。4だいとんでいきました。なんだいいるでしょう。」
もうみんなもお笑いだ。もちろん、〇をもらった。Aさんは、〇をあげながらも、
「車が飛ぶなんておもしろい。・・・。そうか。未来の車なんだね。」

 いやあ。もう、この、Aさんの言葉かけに、今度はわたしの方がしびれた。肯定的に受け止める姿勢が、身についてきたな。

 教室中にあたたかな空気が流れた。気温的には猛暑だったけどね。
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〇3時間目 英語

 外国人講師Lさんと補助のMさんを、日直さんが職員室までお迎えに行く。教室に入ると、
“Good Morning.” “Good Morning.”
 にこやかに、快活に、あいさつを交わす。そして、
 “Please.Stand up!” 
  子どもたち、このくらいの英語はお手のものだ。一斉に起立する。

 そして、英語の歌に合わせ、Lさん、Mさんと身振り手振りも交え、耳からの英語に親しむ。
“Shoulder” “Head” “Down” “Up”などだ。みんな、暑さなどものともせず、思いっきり体を動かしている。

 その後、自己紹介へ。2人が向き合って、
“Hello!” “Hello!” “My name is N.”“My name is P.” “I'm fine thak you and you.”“ I'm fine thak you, too.”
 ところが、 講師のLさん、一通り紹介が終わったタイミングで、突然、不機嫌そうな顔をつくり、“No.I'm not fine!not fine!”
 子どもたち、何事だろうと、一瞬、びっくり。

 しばらく間をおいてから、やおら、うちわを取り出しあおぎ出す。また、シャツをつかんでパタパタさせる。子どもたち、
「ああ。」
「なあんだ。」
と声を出し、
「そうだね。暑いね。」
となっとく。そうして、一斉にあおぎ出す。それから、Lさん。しばらくは、答えた子一人ひとりをあおいであげた。

 続いて、イラストを見ながら、『おなかすいた。』『ねむい。』『楽しい。』などの英語を、ジェスチャー入りで発音していった。

 それにしても、子どもたち、ほんとうに勘がいいと思う。Lさんのジェスチャーで、次々と英語を口ずさんでいった。
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 後で、Aさんに、
「講師のFさんから学べることは、たくさんありそうだね。」
と話す。

 たとえば、
○授業のテンポがいいこと。リズミカルなこと。それによって、子どもをあきさせないこと。
○身振り、手振りが実に多彩で豊かなこと。大きいこと。そして、表情などもオーバーなくらいに動くこと。
○ユーモアたっぷりなこと、など、など。

 教員主導であること、問題解決学習とは明らかに違うが、小学校における外国語はこうして身につけさせる。そのお手本を示してくださっているように感じた。また、すぐ上の『○』については、幼稚園の教育と似ているかなとも思った。 


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〇冒頭、大人は走馬灯のごとくだが、1年生の子どもはそうではあるまいと書かせていただきました。そう。子どもの想いとしては、ゆったりとしたときの流れなのでしょうか。

 かつて、『特別支援学級は、時間がゆったりと流れている。』と書かせていただいたことがありました。これは、子どもだけでなく、大人の実感でもあります。

 わたし、つくづく思うのです。
『1年生の教室だって、大人にとっても、ゆったりとした時の流れを感じ取れるようにしたいものだ。』
と。

 でも、どうでしょうか。本記事。確かに子どもたちのはつらつとした姿は読み取っていただけたと思うのですが、ゆったり感というのは、感じていただけたでしょうかね。分厚い教科書を使用していることもあり、その点は気になるところです。
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〇次の2点は、本記事とは直接かかわりがありませんが、

・かつて、今から60年くらい前の1年生について、亡父の授業実践からですが、
 『未分化の時代であるから社会性はきわめて希薄である。ただわずかに認められるものは対人関係についてである。いわゆる仲間遊びをするようになる。
 しかし、その仲間と数人で一緒に遊んだとしても、多くはそのなかの一人二人を相手に交渉するという関係をもつだけで、他はその場に近接していたという意識しかないのである。』
とあります。社会性の欠如を言っているのだと思いますが、

 高度経済成長を契機に、こうした1年生の特性は明らかに変わりました。幼稚園、保育園に通う幼児が増加したからでしょう。
 今の1年生は、『一人二人を相手に交渉するという関係をもつだけで、他はその場に近接していたという意識しかない』ということはありません。

 しかし、その一方で、社会性が養われず、幼児段階の精神状態のまま就学年齢に達してしまう子もいるのだと思います。亡父のころの、『野性的、粗暴性』とはまた違って、現代という時代の課題と言えるでしょう。

・もう一つ。まったく別な話ですが、今年、特に気になるのは被災地の子どもたちです。まずまっとうな小学校生活のスタートとはいかなかったことでしょう。いろいろ、不自由な点も多いのだと思います。PAP_00261
 しかし、むかしから、『教育は人なり。』とも言われます。
 どうか、そうした思いをもって、できるだけ早く教育活動が正常化されますよう、祈らずにはいられません。


rve83253 at 22:30│Comments(6)TrackBack(1)児童観 | 学級経営

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1. 1年生の子供達との濃密な時間  [ 夢・子ども・青空 ]   2011年07月18日 08:39
久し振りの更新です。 なぜなら私の中にルールを作っていたからです。 学級のお便り

この記事へのコメント

1. Posted by rusie   2011年07月18日 08:44
5 タイトルを見て,ああ私と同じことばで・・・とうれしくなってしまいました。1年生との時間は濃密ということばがぴったりですよね。
私も1学期間の,子どもの変化,成長を感じていたところでした。その間のさまざまなできごとを全て記録していたら,1冊の本にはおさまりきらないぐらいだったと思います。きらきら輝く1年生の一つ一つをtoshi先生はそばで見ていらっしゃったのでしょうね。
私の学校の1年生は3クラスありますが,そこに教員補助として24歳の教師志望の方が入っていらっしゃいます。その方は,かわいいノートに1年生のいろんな姿をメモしてくださっていて,3人の担任以上に子供達の心を知っている気がします。
きっといい先生になるだろうな,と採用試験の成功を祈っているところです。
2. Posted by toshi   2011年07月18日 17:46
rusieさん
 まあ、わたし、貴ブログ記事のタイトルをいただいてしまったのですね。申し訳ありませんでした。それなのに、TBや温かな言葉を賜り、恐縮しております。
 1年生の学級経営に寄せる思いが共通していたということで、お許しください。
 それだけでなく、若い教員志望の方に寄せる思いにも、rusieさんと共通するものがありそうです。
わたしもうれしくなりました。
 ほんとうにありがとうございます。 
3. Posted by みーやママ   2011年07月20日 23:17
私も、教員を辞める前に また、一年担任やりたいな、そう思います。
今年も希望していたけれど、なれませんでした。
いつかできるかな。

自分の学級にも1年生はいて、やっぱり
成長は感じます。1年生の一学期は、とっても重いですね。

息子の母で迎えた1年生の一学期はとてもつらかった。保育園で5年間、守られた中で生活してきたんだな、ホントに実感して泣きたくなることばかりでした。

そんな息子も中学になり、これまた1年生のギャップに・・小学校の時ほどではないけれど、やっぱり戸惑った母でした。
4. Posted by toshi   2011年07月21日 07:44
みーやママさん
 先日もある先輩と話したんですよ。
『1年生はほんとうに楽しい。まだ6年しか生きていないから、成長していくのがよく見えるものね。そして、そのまま2年生に持ち上がったら、さらに楽しくなる。』
 お子さんの場合、新しい環境に慣れるまで時間がかかるということでしょうかね。慎重派タイプなのかもしれませんね。
5. Posted by マサ   2011年07月21日 21:45
大作ブログ、読ませていただきました。
退職された先生ならではの
温かいまなざしに、我々現役組は、いかに穏やかさに欠けているか、そして、見えているはずのものが見えていないかを感じました。
また大先輩のコラムを読ませてください。
6. Posted by toshi   2011年07月22日 08:11
マサさん
 大作とは恐れ入ります。最近は、一週間に一度の更新もままならず申し訳なく思っておりますが、このようにおっしゃっていただき、ありがとうございます。
 貴ブログも拝読しました。うれしくなりましたよ。
『ああ。わたしにもそんなときがあったなあ。』と、大変なつかしく思うと同時に、本記事の続きを書きたくなりました。
 ごめんなさい。その中身は、次回記事に書かせていただきますね。
 よろしくお願いします。 

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