2006年01月27日

教室訪問(1)5

 今の校長は、授業中の教室にけっこうお邪魔していることは、先にも述べた。教員もそれを当然のこととし、放課後になると、
「校長先生。今日は授業を見ていただいて、ありがとうございました。」
と、校長室を訪れる。
「ああ。よかったよ。子どもたちも、張り切って楽しそうに授業に取り組んでいたね。」
などと答える。

 そんな教室訪問のなかでも一番思い出深いものを、今日は、書いてみよう。

 あるとき、週案には生活科と書いてあるのに、歌声の聞こえてくる教室があった。1年生である。元気に張り切った歌声。『海は広いな。大きいな。〜。』の聞きなれたメロディ。しかし、どうも、替え歌のようで、『歌詞は全然違うな。』と思いながら、教室に入った。

 子どもたちはわたしの方をちらちら見ながらも、歌い続ける。なんか困ったような顔、とまどいの顔とともに、うれしそうな顔もあった。

 すぐ分かった。子どもたちは、『日々の楽しい学校・学級生活』を歌にしているのだった。

 歌い終わると、わたしに話しかけてくる子どもたち。

「校長先生。この歌、8番まであるんだよ。」
「この歌にはね。校長先生も出てくるのだよ。」
「みんな、ぼくたちが考えてつくった歌なんだよ。」
 
そんな様子を楽しげに見守る初任2年目の担任。そして、

「さあ。みんな、校長先生がいらしたから、校長先生が出てくるところだけ、今、歌おうか。」
「うん。歌う。歌う。」
「歌いたい。4番だよね。」
「そう。」

 そして、さらに元気に、『1の2のみんなと 校長先生 くじらに乗ったら なかよしだ』

 歌い終わると、また、わたしの方を一斉に見る。みんな笑顔だ。なかには笑い転げる子もいた。
「校長先生。ぼくたちのクラスのくじらぐもに、校長先生も一緒に乗っているのだよ。」

 その声に、思わず教室の後の壁面に掲示してある、くじらぐもの絵を見る。

 ほんとうだ。クラスの子、担任とともに、どう見てもおじいさんとしか見えない、めがねをかけた人もいる。『ああ。これがわたしか。』そう思いながらも、何とも言えない、ジーンとした思いになる。

「いやあ。1年2組の皆さん。みんなの学級のくじらぐもに、わたしまで乗せてもらって、そして、歌にまで歌ってもらえて、すごくうれしいです。ほんとうにありがとうね。」


 放課後、その担任が、わたしのところへ来た。
「すみませんでした。子どもたちが、『校長先生も。』って言うものですから、校長先生には無断で、クラスのくじらぐもに乗っていただきました。」
「いやあ。わたしまで登場させてもらって、本当に恐縮したよ。ありがとう。」

 そして、以下、次のような話をした。

 自分が登場してくるので、何ともおもはゆいのだが、しかし、いい学習をしている。

子どもの思いで学習が進んでいること。担任がそれをとても大切にしていること。
国語のくじらぐも、図工の共同作品、音楽の歌、生活科の成長単元、それらが見事に融合し、豊かな人間関係の構築をめざして取り組まれ、目標を達成していると思う。
1年生に、『総合的な学習の時間』はないけれど、まさにこれは、総合的な学習ではないか。

 さらに、担任と子どもたちが一体化して、教室の雰囲気がすばらしいことも付言した。


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rve83253 at 04:51│Comments(10)TrackBack(0)授業 | 子どもと管理職と

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この記事へのコメント

1. Posted by NANA   2006年01月27日 20:59
『くじらぐも』は?娘の先生もずいぶん力を入れてらっしゃったご様子でした。季節も良く、娘たちも楽しんで取り組んでいた様子を思い出しました。
そうですか。先生は一緒に雲に乗ったのですね?!
娘と周りの子どもたちの様子からは?校長先生との接点は???ちょっと感じられておりませんが???

ここでtoshi先生がおっしゃりたい事とは外れたコメントになってしまいましたね。

*TBの記事の事は?自分でもよみかえすのがおっくうなほど長いので…。どうかお気遣いなく!
2. Posted by hirarin   2006年01月28日 03:19
いまだに校長が入ってくるとドキッとする中堅教員です。

我が校長も若い先生の教室にはよく出入りしています。その後校長室でいろいろなお話もしているようです。校長室から若い先生が笑顔で出てくるところを見ると、いい指導をしているんだろうなあ、と感じています。

しかし、最近大雪のせいで、我がクラスを含む1階部分のガラスが割れそうなので、よく安全点検に授業中訪れます。
子どもは、自然に喜んだり、手を振ったり、いい子ぶったりしているのですが、私はどうしてもドキッとしてしまうのはまだまだ修行が足りないということなんでしょうね。
3. Posted by toshi   2006年01月28日 16:40
NANAさん。
 わたしにしたところで、クラスのくじらぐもに乗せさせていただいたのは、このときだけですから、・・・、まあ、そんなわけで印象に残ったのですがね。
 ただ、よく言われたのが、「toshi校長先生がいらしてから、うちの子、校長先生のことをよく家で話すのですよね。これまで、そんなことはなかったですから、これはもうびっくりしています。」でした。
 これは、ほんとうにうれしかったですね。

 わたしの言いたいことと別になっても、いっこうに構いませんので、どうぞ、ばんばんコメントください。いえ、いただいてますね。ありがとうございます。
4. Posted by toshi   2006年01月28日 16:46
 hirarin先生。
 すみません。この記事でも、ドキッとさせてしまったでしょうか。
 まあ、わたしは、できるだけそうならないように、入り方にはいろいろ気を遣いました。板書しているときに入ってしまって、子どもの方をふり向いたらいたというのではね。失礼だと思いました。
 大雪は、ほんとうに大変ですね。早く本来の学校に戻れるよう祈念しています。
5. Posted by まぐ   2006年01月28日 17:07
Toshi先生いつもご指導ありがとうございます。やっと発表会も終わり、ほっとできました。
 子どもたちの行動の素晴らしさを意識化させ、自信にさせることはとても大切ですね。
 最近笑顔もとても大切だなあと余計感じます。温かく見守られている、認められていると感じられると、新しいことに挑戦できます。
 それもToshi先生の温かい眼差しから感じ、それを子どもたちにもできるようになってきました。その眼差しを最近保護者からもたくさん感じられるようになってきました。とてもうれしいことです。 
 残り、2ヶ月で子どちが少しでも自信をもち成長できるようにご指導をよろしくお願いします。たくさん吸収したいです。

 
6. Posted by 奈々氏   2006年01月28日 18:06
なんだか雰囲気が変わりましたね。前のクールな感じもよかったですが,こちらも優しい感じでよいですね。

うちの学校でも校長先生はよく教室に来られます。子どもたちは来て下さると嬉しそうですが,やっぱり,振り返ったときにいらっしゃるとちょっぴりドキっとしますね。
でも,やっぱり子どもたちに近い校長先生はいいなと思います。^^

それから,御礼が遅くなり申し訳ありませんでしたが,トラックバックありがとうございました。
7. Posted by toshi   2006年01月28日 18:10
マグ先生

昨日までご苦労様でした。

 よかったね。先生の努力の成果だ。
 学級経営は、人がいいだけではだめ。
 まじめ、一生懸命、努力、どれも大事だけれど、
 それがあれば大丈夫というものでもない。
 やはり、昨日も言ったけれど、柔軟さなんだよね。
 柔軟なら、
 子どもの気持ち、保護者の願いを、素直に受け止められる。
 そして、どんどん伸ばすことができる。
 
 これは、今年、1年を通して、先生からわたしが学ばせてもらったこと。

 わたしこそ、ありがとう。

 残り2か月、がんばりましょう。
8. Posted by toshi   2006年01月29日 07:50
 奈々氏先生
 ありがとうございます。少し雰囲気を変えてみました。よろしくお願いします。
 授業の流れを妨げないようにも、気を遣いました。子どもたちが、わたしに、「おはようございます。」などということになると、申し訳ないですから、そういうことのないよう、お願いしたりもしました。
 授業中の教室は、神聖な場所という思いもありました。学校の命と言ってもいいですものね。
9. Posted by POOHママ   2006年01月29日 09:29
お久しぶりです。
すてきなお話ですね。
私も、昔を思い出しました。

3・4年生、複式学級の担任のとき
学級通信の名前をこどもから募集していました。
その年は「あんみつ」
子どもたちはいろいろ理由をつけて、
イメージイラストまでできました。

教室という名の器に、
子どもたち一人一人が、
果物キャラクターになっているのです。
そこに、私の似顔絵のついたあんこ。
(そのころ、ソバージュでした)
そばには、校長先生らしき面長な顔にメガネをかけたスプーンがおいてありました。

子どもたちいわく、
学級は、一人一人の持ち味を出し合ってできている。
最終的に味を調える(しめる)のは担任。
そして、その出来具合を味見するのが校長先生。
だって。

本当に個性豊かで、
それぞれが生かされるすてきな学級でした。
10. Posted by toshi   2006年01月30日 00:29
POOHママさん。コメント、ありがとうございました。個性豊かな学級、いいですね。
 子ども一人一人の温かなまなざしが、まぶたに浮かぶようです。
 今、わたしのついている学級も、約1年たち、そんな学級に育ててきたなと、初任者の先生に、頭の下がる思いです。
 今は、自立というと変ですが、初任者の先生の方から、こういう学級をめざしたいという話を聞くようにしています。

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