2006年02月07日

中学校長から学ぶ(2)

d85f0306.JPG 先に、わたしが中学生だったときの、担任の先生にふれたことがある。
 この先生は、その後、我が地域において、初の女性中学校長になられた。しかも、わたしが在職した小学校の卒業生が進学する中学校の校長だった。

 このとき、自分の恩師であることから、また、自分が受け持った卒業生が在学していることから、何度か訪れて、ご指導をいただいた。

 
 わたしは、こんなことを言ったことがある。

「保護者が、公立中学校について多くの批判をするので、その辺りの事情をうかがいたいと思って、おじゃましました。」

 いろいろうかがったのだが、もうほとんどは忘れてしまった。ただ一つだけ、忘れられないことがある。

 それは、問題行動の多い生徒の存在についてだった。まあ、問題行動と言っても、30年くらいむかしのこと。今のそれとは、質的に異なる。

 「確かにそういう子はいるわよ。でも、それが社会の縮図ということじゃない。それを避けていては、社会へ出たとき、免疫がないので、かえってこまるのではないかしらねえ。」

 
 それはわたしも痛いほどよく分かった。

 というのは、わたし自身、そういう経験をしていたからである。

 中学生だったころ、お金をゆすり取られたこともあった。

 あるとき、そのうちの一人が、先生にえらく怒られた。断っておくが、上記女性校長ではない。

 「また、お前か。なんていうことをするのだ。」

頭ごなしに、決め付けられて怒られた。
 
 でも、わたしは、彼はやっていない、つまりそれをやったのは別な友達だということを知っていた。それで、
「先生。違いますよ。彼じゃあありません。わたしとずっと一緒にいましたから、やってないことは間違いありません。」

 先生は、少しひるんだが、
「いつもやっているから誤解されるのだ。」
と、はきすてるように言った。そして、そのときは、それだけで済んだ。

 彼は、それをいたく恩義に感じてくれて、その後、わたしを陰に陽に助けたり、かばってくれたりした。

 そうした経験があったので、社会に出てからも、彼らと上手に付き合うことができた。

 ああ。申し遅れたが、わたしには、教職につく前、たった1年ではあったが、民間歴もある。これについては、また、機会があったら、記事にしてみたい。


 さて、話を戻すが、恩師である女性中学校長は、詳しく説明してくださった後で、こうおっしゃったのが忘れられない。

「いいのよ。受験したい人は受験させなさい。何も、反対することはないわ。ほんとうに公立を必要とする生徒に、きめこまかな指導ができるのだから、公立中にとってもその方がいいのよ。」

 大変な自信だと思った。


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rve83253 at 23:47│Comments(10)TrackBack(1)学校管理職 | 学校経営

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1. 2月8日(火) Hさんからのお手紙−長崎原爆について−  [ 教務日記 ]   2006年02月08日 22:45
長崎原爆について、おじいちゃんのホームページにある家族の被爆体験の手記をTHさんが学級で発表してくれました。▼パソコン教室で学ぶ63歳お父さんのホームページチャレンジ・TOP【THさんのおじいちゃんのホームページ】 ▼「被爆30年忌に当たり(ながさき)」《...

この記事へのコメント

1. Posted by アロマぽっと   2006年02月08日 11:45
確かに純粋培養の中で育てることは、社会にでた時に大きな壁にぶちあたることになると、私も理解しているつもりですが・・・。Toshi先生のように心の声に耳を傾けてくださる先生がいてくれたら、私も安心して子どもを通わせるのですが、今その勇気がありません。私自身中学の時いじめを受け、そのことがトラウマになっているからかもしれません。親に相談しましたが、逆に「お前の努力がたりない」「いじめられる側にも問題がある」とお説教をされました。担任はとてもそんな話を聴いてくれるタイプの先生ではなかったので相談できず、私は、自分がいけないからこんな目にあうんだとひどく自分を責めました。しかし、その後高校、大学と進み友達にも恵まれとても充実した日々を送れました。(続く)
2. Posted by アロマぽっと   2006年02月08日 12:11
(続き)今思うことは、やはりあの時誰かに私の切ない気持ちを受けとめてほしかったです。実は最近まで中学での自分自身をとても責めていました。きちんと心を支えてもらえたら、いつまでも責め続けることはなかったかなと思います。娘が通う予定の公立中学は、このあたりでも1,2を争う評判の悪い中学です。そして私はその中学を卒業しました。
何度もその中学の学校公開日に足を運びました。訪ねるたびに私の???が増えていきます。心を強く育てたかったのですが、感受性が強く、周りのことがとても気になるタイプの子です。中学受験は意味のあることではないとわかっていながら、私立を1校、国立を1校を考えている私がいます。
いろいろ学ばせて下さい。よろしくお願いします。
3. Posted by toshi   2006年02月08日 23:56
アロマぽっとさん
 いじめは、断じて、いじめられる側の問題ではありません。いじめる側の問題です。そこをはき違えると、人権問題になってしまいます。
 今はその点、ブレはないように思うのですが、おっしゃるようなことがあるということは、とても残念です。また、申しわけなく思います。
 現実に、公立中に、困難点があるのなら、受験もやむをえないものと考えます。
 申し訳ありません。この程度のことしか、書きこみできないことを、お詫びします。
 
4. Posted by アロマぽっと   2006年02月09日 06:03
Toshi先生が謝る必要は何一つないのに、責めるような書き方になってしまったかもしれません。ごめんなさい。これも私の文章が拙いからですm(__)m公教育の現場の先生がみんなToshi先生のような方ならいじめはおこらないと思います。
過去のマイナス面だけを書いてしまいましたが、こういう悲しい経験をしているからこそ、心について学びたいという動機付けになったことは事実です。そのことがあったから今の私があるし、子育ての中で生かせるような気がしています。ブログは便利だけれど、相手の顔を見てお話しできないので、一方的に自己中心的に書いてしまうおそれがあるので、気をつけます。こちらこそ、申し訳ありませんでした。
5. Posted by NANA   2006年02月09日 08:06
ちょっと失礼して・・・アロマぽっとさんへ。

>心を強く育てたかったのですが、感受性が強く、周りのことがとても気になるタイプの子です。

うちもですぅ〜!

>何度もその中学の学校公開日に足を運びました。

在校の保護者ではない人も、何度も学校へ伺える環境について、少々羨ましさを感じますが、問題は『私立中じゃなくてはいけない!』と強く信じて『地域でも子どもの育ち』を全否定してしまう発想の部分であって、私学そのものは『選択肢の一つ』ではないか?と私も考えています。地域に地域の良さがあるように、私学には私学の良さがあることでしょう。

>中学受験は意味のあることではないとわかっていながら、私立を1校、国立を1校を考えている私がいます。

ご自身を責める事柄ではないのではないでしょうか?学校選びも親子で歩めると良いですね。

失礼いたしました。
6. Posted by 虹の父   2006年02月09日 12:59
>「確かにそういう子はいるわよ。でも、それが社会の縮図ということじゃない。それを避けていては、社会へ出たとき、免疫がないので、かえってこまるのではないかしらねえ。」
 先生始めまして、社会の縮図を小・中学校で経験する必要があるのでしょうか?もちろん進学するにしたがって、価値観が均質化してくる可能性が強いので、いろいろな人がいるというのを地域の小・中学校で経験するのは大切だと思います。しかし、都市部では居住地、越境入学などによる選別がなされてしまって、社会の縮図と言えるのかどうか。
 どんな学校選択が良いのか、選択肢が多いだけに悩まされます。
7. Posted by toshi   2006年02月11日 12:06
アロマぽっとさん
 なんか、すみません。気を遣わせてしまったようで、わたし、別に、責められているなどと思ったわけではないのです。
 ただ、公教育に携わった立場として、また、わたし自身も、若かったころは、自分の学級内におけるいじめを防げなかった者として、また、当時は、教員の多くが、「いじめはいじめられる方にも問題がある。」などと言っていたことを思い出し、そんな感情で、心底、『申し訳ない』と思ったのでした。そういうことまで、書けばよかったですね。

 今、アロマぽっとさんの心に、このブログが、灯をともしているのであれば、ほんとうにうれしく思います。
8. Posted by toshi   2006年02月11日 12:09
NANAさん。
ありがとうございます。
おっしゃる通りと思いました。わたしの初任校は、確かに、そういう雰囲気はあったのです。
 選択肢の一つ。もう、おっしゃる通りです。
9. Posted by toshi   2006年02月11日 12:14
虹の父さん
 コメント、ありがとうございました。
 必要があるのかと言われると、わたしも、ちょっと困ってしまいました。わたしの心のなかでは、『そのほうが自然だろう。』ぐらいの感覚だったのです。
10. Posted by toshi   2006年02月11日 12:25
虹の父さん
 途中で送信となってしまいました。ごめんなさい。
 
 しかし、若いころは、『必要がある。』と思っていました。その辺は、1月2日に記事にしています。

 その辺りがごっちゃになってしまいましたね。

 後半の部分では、確かに、今、地域によっては、学校選択制などがスタートして、おっしゃる通りとなっているでしょうね。
 わたしの地域では、『おらが学校』という地域の皆さんの声を大切にしています。

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