2006年03月18日

来賓として4

dac937a2.JPG 両校とも好天に恵まれた。広い体育館に、ストーブの心配がいらないのは、とてもありがたかった。

 そんなふうに思うのも、まだまだ勤務していたときの気分が抜けないからか。だから、来賓として卒業式に参列するというのは、感慨無量、何とも不思議な気分があった。


 昨日は、前々任校。そして、今日は、前任校の卒業式に出席した。

 前々任校の卒業生は、わたしが在職した当時、1・2年生だった。かわいらしかった幼子が、立派に成長して、巣立ってゆく。
 そう。そう。この子たちは、わたしも一緒に、くじら雲に乗せてくれたのだった

 目ざとくわたしを見つけ、『ああ。前の校長先生だ。』と言っているらしい表情が、そこかしこに見られた。保護者も驚きの表情を交え、にこやかに会釈してくれた。

 でも、いかんせん、お別れしてから、4年たつわけで、わたしの方では、『ああ。あの子。』と、なつかしく思える子の方が少なかった。

 
 その点、今日の前任校は、これはもう、ついこの前まで一緒という感じ。

 式が始まる前のことだが、在校生のなかには、廊下でわたしの姿を認めても、そのまま素通りしそうになる子がいた。しばらくしてから、『あらっ』とばかりふり返り、『うわあ。校長先生。校長先生だ。』と、素っ頓狂な声を上げた。

 
 一人のおばあさんが、わたしのところへ寄ってきて、
「校長先生。おなつかしゅうございます。転校して来たときは、ほんとうにお世話になりました。孫は、この学校に転入してから、もう、一日も休まず登校することができました。校長先生はじめ、先生方のおかげです。ほんとうにありがとうございました。」
そして、卒業生のお孫さんと一緒の写真をとってくれた。

 この子は、転校前は不登校。本校に転入する際、親に、『わたし、新しい学校では、何とか通えそうな気がする。』と言っていたらしい。
 初めは、みんなより遅れて、9〜10時に登校することが多かった。あらかじめ、そうなるであろう話は聞いていたから、担任にも伝え、担任もそういう指導をしていた。だから、学級の子は、皆、彼女に温かかった。学級の喧騒に耐えかね早帰りもしたが、でも、通常の登下校になるのに、1ヶ月はかからなかった。本人の努力と、学級の支えがよく調和した。

 学年で一番の腕白にも出会った。わたしの姿を認めると、『いよう。』という感じで、片手を上げて会釈。相変わらずだなあ。しかし、今日は晴れ着のうえにおめかし。1年たっても、かわいらしく見えた。

 4年生のとき、この子は、けっこう担任をてこずらせた。妙に担任にべたべたするかと思うと、ちょっとしたことですぐきれて、乱暴にもなった。

 宿泊体験学習のときだ。教頭はこういう子の扱いになれていた。
「あらあ。お皿洗い、上手じゃない。すごい。こんなぴかぴかよ。これなら、ここの先生からもほめられるわね。」
 そうしたら、調子にのり、なんと、隣の班、また隣の班というように、何枚も何枚もお皿を洗ってあげたのだった。

 それからというもの、担任がつっとると、この話を持ち出すのが通例となった。しかし、担任とは、ある種の人間関係ができていたから、改善はなかなかむずかしそうだった。

 
 ああ。思い出話が長くなった。

 いよいよ、式が始まる。

 勝手知ったる流れで、順調に式は進む。
 
 子どもたち、ほんとうによくやっていた。
 
 あとでの現校長の話。
「いやあ。ここまでもってくるのは、かなり大変だったようですよ。いろいろありました。でも、最後は、両先生とも(卒業学年は2学級)、うまく子どもの意欲を引き出し、さすがだなと思いました。」

 だいたい想像はつく。
「ねえ。がんばろうよ。君たちの卒業式だよ。立派にできたら、お父さん、お母さんも、喜んでくれるだろうけれど、一番自信がつくのはみんななのではないかなあ。」
そんな調子で、子どものやる気を引き出したはずだ。

 だから、やらされているといった感じではなかった。自ら、挑戦するような感じで、式をいいものにしようとする気迫を感じた。

 呼びかけは堂々とし、聞き取れないようなものは、在校生も含め皆無。間もよく、一言一言がはっきりしていた。歌声も、声が前に突き出るといった感じで、気迫に満ちていた。


 教職員も、PTAも、地域の方々も、そして、何より子どもたちが、温かく迎えてくれた。
 
 式終了後、見送りの隊形になったとき、5年生に言われた。
「校長先生。来年も来てくれるの。」「おお。そうだな。来年はみんなが卒業だね。来る。来るよ。」

 駅までの道は長いのだが、苦ではなかった。なつかしい光景を満喫しながら、ゆっくり歩いて帰った。


ブログランキング・にほんブログ村へ
 
 昨日からまた、復活。がんばるつもりですので、1クリックをよろしく。お願い。


人気blogランキングへ
 
 こちらも、1クリックをよろしく。



rve83253 at 23:05│Comments(2)TrackBack(0)子どもと管理職と | 学校行事

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by hirarin   2006年03月19日 03:33
卒業生、在校生の「気迫」が感じられる卒業式でよかったですね。
toshi校長先生が築き上げた文化が、きっと継承されているのでしょうね。

我が新潟は1週間遅れの24日が卒業式です。
卒業生、保護者、在校生にとって心に残る式になるように、気持ちを高めていきたいと思います。
2. Posted by toshi   2006年03月19日 16:01
hirarin先生

 コメント、ありがとうございます。正直のところ、日が改まった今も、感動の余韻に浸っています。
 いろいろ課題を抱えた子もいて、担任を中心に、子どもの心に寄り添う努力をしてきました。
 その集大成だったような気がします。

 24日ですか。hirarin先生の学校も、きっと、すばらしい卒業式になることでしょう。先生のコメントから、そんな予感がします。

 いい天気になりますように。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字