2006年01月15日

『雨の日の水やり』から

2f4f1881.JPG  10日、マニュアルと題した記事を掲載した。その記事に対するコメントで、piano先生から、『雨の日の水やり』についての話題を提供していただいた。
 まあ、これは、思考力を発揮することなく、ただ惰性、習慣でやっていることだろうと思う。

 でも、これ、大人だって似たようなことをやっていないか。ちょっと考えれば必要ないことは分かるのだが、惰性でやっていたり、無難だということでやっていたり、長い物に巻かれろ式でやっていたりするようなことがあると思う。まあ、最近は、規制緩和、競争社会へ突入ということもあり、非能率的、無思考の行動は減っているのではないかと思うが、いかがだろう。

 
 わたしは、雨の日の水やりも、子どもが問題性を感じないのなら、黙ってやらせていた。本人にしても、まわりにしても、いつかは気づくだろうと思ったからだ。

 そして、以下述べる、わたしの取組は、昭和50年代だったか、富山市の堀川小学校を参観させていただいたことが大きい。
今月末、また同校は授業研修会を予定しているようなので、ふれさせてもらった。

 
 授業のすばらしさもあったが、わたしが特に感銘を受けたのは、委員会活動、係活動、また、清掃などの当番が、時間帯の上で一体となっていて、子どもたちは自分でやりたいことを決め、取り組むのだった。そして、朝の会や終わりの会はそれぞれ30分とっていて、自分が取り組んだことや、その反省・成果などを、語り合うのだった。
 なかには、何もできなかった子もいた。それでも、担任は、子どもをしかったり教訓をたれたりするのではく、冷静にどうしてできなかったかを語り合っていた。

 
 わたしは、この指導に感銘を受け、次年度から、自分の学級経営にとり入れることにした。しかし、朝の会や終わりの会に各30分もとれるわけはなく、また、もちろん、学校全体の活動でもないから、学級内で収拾のつく、係活動にとどめて行うこととした。
 
 題して、『係名なしの係活動』。学年は確か1年生だったと思う。

係は特に決めない。何もしなくてもとりあえずは可である。

わたしの方で、何かをしている子をさがす。そして、朝の会や終わりの会でほめる。あるいは、感謝する。

すると、その輪が広がる。それらをすべてほめる。しかし、わたしの気づかないこともあるから、友達同士で、『Aちゃんも、〜していたよ。』ということがあれば、Aちゃんはもちろんだが、それを言ってくれたBちゃんにも感謝する。そして、友達同士で指摘し合うこともふやすようにする。

大体2〜3週間で、ほとんどの子が何らかの活動を見つけ、取り組むようになる。しかし、何をしてもいいのだから、いろいろ問題も起きる。
・『自分が先だ。いや、わたしだ。』と、トラブルが起きる。
・冒頭の水やりだが、今、Cちゃんが水をやり、それを見ているのに、Dちゃんも、Eちゃんもということも起きてくる。

トラブルの処理法も、終わりの会などで、子どもたちに考えさせた。『まずは早い者勝ち』のルールができる。しかし、これで解決はしない。奪い合いはあるからだ。そして、『いつもやっている子は遠慮する』というルールができる。まだ、いろいろこまごまとしたことはあったが、そのつど解決を図った。
  ・わたしは何もしなかったわけではない。活発な子に対しては、おとなしい子に譲ったときほめる。逆におとなしい子に対しては、元気にやりとおしたときほめる。その他、もろもろ。
  ・あるとき、子どもをほめていたら、Fちゃんが、
「先生。(おとなしいGちゃんがゆずって、元気なHちゃんがやるというように、)これが逆だったら、ちっともうれしくないよね。」
と言った。これはもう、激賞した。

Α/紊笋蠅砲靴討癲黒板けしをきれいにするにしても、トラブルにはならないが、意味のない繰り返しはあった。これは、それを指摘する子がいたときにとり上げるようにした。そして、『2度目、3度目というようなことは、仕事をしたことにはならない。』という、これは、ルールというにはおかしいが、そんな共通理解ができた。だから、それからは、わたしも一切、とり上げないことにした。
・これと並行してだが、わたしは、『仕事をしようとしたが、気舛磴鵑もうやっていたから、ぼくは遠慮した。』というのもうんとほめて、『それは仕事をしたのと同じだよ。ありがとう。』と言った。

逆に、新しい仕事を発見し実践した子はうんとほめるようにした。たとえば、給食は当番がやるが、片付けなどでは、『わたし、ストロー集めをしたよ。』など、いろいろな仕事が生まれた。

留意点としては、堀川小のように各30分はとれないから、常に全員の仕事について確認というわけにはいかない。朝、5人。帰り、5人というようにやらざるをえなかった。
・誰もしない(仕事?)もあるだろう。それは基本的には、担任がやる。しかし、ほとんどそれはなくなったと思う。

 特活を研究されている先輩の先生に、この取組を話したことがあった。『すばらしい実践だ。』とおっしゃって、我が地域の特活研究会会報に載せてくれた。

 ただし、問題点を2つ、指摘された。

・創意工夫、問題発見、問題解決、自発性・自主性などを養うにはすばらしいが、基本的にはやりたいことをやるということだから、『学級にとって必要な仕事だからやる。』とか、『根気強く長期間にわたってやりぬく。』という心情は必ずしも養えないかもしれない。

・したがって、『高学年では不向きかもしれない。』とのこと。なるほどなと思った。

 箇条書きの部分は、さも自分の発想のような書き方をしたが、当時の堀川小のうけうりも多いのだ。


 最後に、堀川小学校教職員の皆さん。豪雪のなか、研究への取組は、筆舌に尽くせぬご苦労が多いことでしょう。お見舞い申し上げるとともに、大いなる成果を収められることを祈念しています。

 
ブログランキング・にほんブログ村へ

 いつもありがとうございます。今日も、よろしければ、1クリックをお願いします。


人気blogランキングへ
 
 こちらにも、1クリックをお願いできますか。



rve83253 at 22:14│Comments(14)TrackBack(0)学級経営 | 特別活動指導

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ヵヮィィ☆ブログランキング   2006年01月15日 22:40
突然のコメント失礼します。
この度、新規にブログの検索&ランキングサイト立ち上げました。
ブログを拝見させていただき、内容もよく、大変よくできているブログであると感じました。
このブログを【bitz】の「学生」カテゴリにも登録して、
もっと多くの人に読んでもらいませんか?
上位のブログにはトップページから直接リンクされるので、
多くのアクセスとSEO効果が期待できます。
宜しくお願い致します。
ヵヮィィ☆ブログランキング【bitz】
http://bitz.tv/brank/
参加をお待ちしています☆
2. Posted by NANA   2006年01月15日 23:19
ちょっと間が開きましたが、このところの記事には私の関心が高い物が多くて特に興味深く拝見させていただいてはいます。
いつか記事にするつもりのある話題ですが…?(実際には?どうなるのか気分次第なので、すいません。)
自ら考え、行動する。事を狙った場合、『大まかな型』がないと途方にくれてしまう子どもたち。も存在します。
私は娘がそれに当てはまるのではないか?と考えています。先生の声かけの様子が、もしこの中に娘がいたら…。これならがんばれるだろうな。張り切る顔が浮かんでくるようで少しうれしくなりました。
3. Posted by toshi   2006年01月15日 23:33
MOKKさん。
 すみません。教育関係ではなさそうですので、削除させていただきました。
4. Posted by toshi   2006年01月16日 00:21
NANAさん。
 コメント、ありがとうございます。
《自ら考え、行動する。事を狙った場合、『大まかな型』がないと途方にくれてしまう子どもたち。も存在します。》
 確かにそういう子もクラスの中には、いますね。
 今、わたしの担当する初任者の学級にも、『わたしはまだその子の声を聞いたことがない』という子がいます。極端におとなしいのです。
 でも、さいきんはとても行動的になりました。『初任者のホームページ』の学級経営・児童理解編7『思いやりのある学級へ』で、それにふれていますので、よろしかったら、お読みいただければうれしいです。
5. Posted by hal   2006年01月16日 01:16
うんうん、と頷きながら読んでいました。
低学年と高学年の違いとか
当番活動と係活動の違いとか
やりたくてやるのかとか
必要だからやらねばならないとか
考えることがたくさんあるのですが
教師だけが考えるのでなく
子どもたちが失敗と成功を繰り返して
友達や大人に認められながら
学校で集団生活をするということについて
考える力を身に付けていけたらいいなと思いました。
わたしも今向き合ってる子どもたちとは仕事をするということについて随分話し合ってきました。
いつかブログに書きたいなと思います。
6. Posted by NANA   2006年01月16日 09:19
>よろしかったら、お読みいただければうれしいです。
拝見させていただきました。
溺愛の娘は、口数が少ないおとなしいタイプに写る場面は?まれでしょう。。。
逆に前へ前へ出て自信を獲得しようと「私が私が」となりやすい。当然うまく行かずに…が多い事でしょう。しかも失敗を糧に前進させるには?何度も何度も同じ失敗を繰り返す必要があるようにも見えます。
先生の『案ずるより生むがやすし』には全く同感です。ストレートに見なければならないものを見失いやすい『私が…!』タイプなら尚更の事と考えています。
7. Posted by NANA   2006年01月16日 09:34
さて、登場の人物に1番似ていると感じたのは?別の子です。春に松葉で体操をした子。生活全体にこれまでの実践が生きている事が目に見えるようなってくる時期が秋ではないでしょうか?子どもたちも心理状態が安定してくるのでは?
安定が、これまで精一杯伸びきってがんばっていた姿から、自分の弱さも出そうとするようにと変化させてきた様子が、いきなり激怒や泣く。と言う行動に現れているのではないか?がんばっていたからこそ息切れしている。一息つきたいのでは?
この子がわが子であればそうであろう。と、感じました。
保護者との対話については、警戒することなくストレートにやって欲しい。が私の希望ですが、この子の親は私ではないので…。同時にこの子はうちの子とは別人ですから上記の見解があたっているかどうかも疑わしいですね。
8. Posted by NANA   2006年01月16日 09:46
本題の『途方にくれてしまう子』ですが、この『途方のくれ方』も様々ですが、彼らにとって一番の解決策は『人を見て真似をする』ではないか?と思います。その意味で、おとなしいが周りをじっと見つめる事ができる子は強いと感じています。
先生のご指導を賜ったお子さん方はお幸せな出会いに恵まれたな。と以前から感じていましたが、同様にこの初任者の先生方も良い指導者に恵まれましたね。このように永久に循環しながら子どもたちが育っていくのだな〜なんて取り留めのないことを考えてしまいました。
締めくくりの3学期。お身体に鞭が入りませんように!(願
9. Posted by 大山虎竜   2006年01月16日 23:57
校長先生、リンクを張ってくださりありがとうございます。
お礼が遅れてすいません。
10. Posted by hirarin   2006年01月17日 03:17
私も堀川小学校で衝撃を受けた一人です。衝撃を受けたのは、「子どもの語り」でした。あんな子どもたちを育てたいな。と新卒2年目で誓いましたが、未だにその境地には達していません。
その衝撃を受けたクラスの担任の先生とはそれ以来10年以上のお付き合いをさせていただいています。勉強させられることが多いですね。
我がクラスはインフルエンザが猛威をふるって大変なことになっていますよ。
11. Posted by toshi   2006年01月17日 04:38
hal先生。
 ありがとうございました。
 おっしゃるように、すべては、『考える力』『気づく力』『判断する力』の育成のためなのですね。
 そして、これは、学習指導要領でも、強調している点なのですね。ただ、今の『ゆとり教育』批判の声で、トーンダウンしているように見えます。
 そのあたりを何とかしたいなと思う気持ちがあります。
 今後ともよろしくお願いします。
12. Posted by toshi   2006年01月17日 04:55
NANAさん。
 当ホームページに登場した子どもたちの変容について、NANAさんのおっしゃっている点は、その通りと思います。
《これまで精一杯伸びきってがんばっていた姿から、自分の弱さも出そうとするようにと変化させてきた様子が、いきなり激怒や泣く。と言う行動に現れているのではないか?がんばっていたからこそ息切れしている。一息つきたいのでは?》
 当初ハバをきかせていた子が落ち着いてくると、それまで学級内でおとなしかった子が、本来の自分を出すようになります。そこでは、一見マイナスと思われるような言動も示すようになるわけです。でも、それこそ本来のその子の姿なのですから、心にしみ入る指導がそこからできるようになるのですね。
 
13. Posted by toshi   2006年01月17日 05:04
『私が』タイプの子どもたちは、自分で自分を律する力を養いたいわけです。ふと立ち止まって自分を振り返ることのできる力といったらいいでしょうか。こういうのっていくら大人が言って聞かせても、それで力がつくというものではないと思いますから、同年齢集団の中でもまれることと、それを温かく見守り支える担任の営みとで安心できる心になったとき、身につくようになるのだと思います。
 保護者の信頼は抜群となりました。担任本人の努力と、温かな保護者の支えがあって、可能になったように思います。いまや、子どもの集中力はすごいものがあります。
 
14. Posted by toshi   2006年01月17日 05:08
hirarin先生。
 ほんとう。わたしも衝撃でしたね。
 もう、20年以上も前なのに、今でも、堀川小の子どもたちの学びの姿が、よみがえってきます。
 10年以上のお付き合いとは、すごいですね。大事な宝物となっているのではないでしょうか。
 インフルエンザ、我が方では、まだ落ち着いています。これからかな。気を付けたいと思います。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字