2005年12月29日

子どもの安全を守る(1)


7ee51f88.JPG 通学路の安全については、現職のとき取り組んだことがあるので、広く地域の方、PTA、保護者の皆様にその取組を紹介したいと思う。

 ここでは、不審者、変質者から、子どもを守るための取組について述べる。ただし、通学時ということにしぼってはいない。


校長だったとき、二つの学校で、『子どもの安全を守る』ための取組をした。それは、『子ども110番の家』の変型版である。

 『子ども110番の家』は、子どもが、見知らぬ人からおどされたり、手をつかまれたりしてこわい思いをしたとき、その家に駆け込んで、助けを求めるというシステムである。
 この家には、『子ども110番の家』というプレートが玄関や門などについている。

 しかし、この取組の問題点は、

『子ども110番の家』は、点在している。どこが該当の家か日ごろから指導するにしても、とっさのとき、それが役立つだろうか。その家に駆け込むまでに、時間がかかってしまうことも考えられる。
自分の家は、子どもの安全を守るために、『子ども110番の家』になってもいいですよということで、名乗ってもらうことになる。その際、保険に入る手続きが要る。
などである。

 そこで、わたしは、

 学区内のすべての家を対象にして、子どもに対しては、『こわい思いをしたとき、どの家でもいいから、すぐ近くの家にとび込んで助けてもらいなさい。』という指導ができないか考え、町内会長や、PTA会長などと相談した。
 いずれも大賛成してくださったので、双方とも役員会などに出向いて、趣旨を説明、協力してもらうことにした。

 二校とも協力してくれることになったが、決定に至るまでの経過については、温度差があった。

 まず一校目。
 こちらは、住民の方からいろいろ質問が出た。
・助けるのはいいが、どこまで責任を負わされるのか。保護者に連絡がとれない場合は、ずっとあずからなければいけないのか。
・子どもが怪我して助けを求めてきたら、手当てまでしてあげなければいけないのか。
・子どもを追って、不審者、変質者まで家に入ってきたら、今度はこっちがこわい。
・家を留守にできなくなる。それではこまる。
・今留守の家は多いから、趣旨は賛成にしても、実質意味をなさないのではないか。

 ここでは、『趣旨はいいが、実際問題としては無理だ。』となりかけた。そのとき、町内会長が一喝してくれた。
「何を言っているのだ。校長先生が仮に何もおっしゃらなかったとしても、実際問題として、助けを求めてくる人がいたら、何もしないで済ませる者がいるか。皆、必死に助けるだろう。それでいいではないか。校長先生は、子どもにそういう指導をしたい。させてほしいとおっしゃっているのだ。反対する理由がどこにある。」

それで一気に形勢は逆転。受けてくださることになった。

あとで分かったが、すでに、『子ども110番の家』のプレートを付けている家もあった。そういう方は、自分の家だけでなくて、『どこの家でもすぐ近くの家へ。』となることは、負担感が軽くなったのだろう。ほっとしていたそうだ。

もう一校でも、町内会役員会などに出向いて、趣旨を説明した。こちらは、「大変いいことですよね。」ということで、何の質問もなく、即決した。

さて、このシステムのもと、実際に子どもがとび込んだのは、二校のべ5年間で3回あった。しかし、実質は、1回と言える。

 このシステム採用の直後、わたしは、この取組について、近隣小中学校に連絡した。それで、中学校でも指導があったのだろう。結果的にはそれがよかった。数ヵ月後、女子中学生が不審者に追われ、すぐそばの家に助けを求めてとび込むことがあった。その家は、親切に対応してくださった。もちろん警察にも通報したが、あいにく犯人は取り逃がしてしまった。
 わたしの勤務校の6年生女子が、友達と分かれた直後、不審な車に追われる事件が発生。その子は、路地に逃げたが、車は反対側に迂回し、正面からつかまりそうになったと言う。それで、すぐそばの家に逃げ込む。いや。逃げ込むように犯人には見えただろう。その家は留守で鍵がかかっていた。それで次の家へ。その家も鍵。3軒目でやっと助けてもらえたという。しかし、そのとき犯人の車は陰も形もなかった。
   そう。犯人もつかまるのがこわいのだ。家をノックし助けを求める行為は、たとえその家が留守であっても有効であることを、あらためて認識させてもらった。このケースは、学校へは連絡が来たが、警察へは十数分後学校から連絡したため、犯人を捕まえるにはいたらなかった。
これはもう、学校は謝罪。というのは、同級生同士が、下校途中でけんか。弱いほうが逃げ回り、近くの家へ助けを求めたという。とび込まれた家は、どんな不審者、変質者と、極度の緊張状態。   いろいろ話を聞いたあと、上記の事情が分かり、ほっとすると同時に、怒り出した。学校へは抗議の電話。事情が分かり、わたしは、担任と共に謝罪にすぐ訪問した。子どもたちも、結果の重大性にあらためて、シュンとしていた。翌日全校で再指導をしたのはいうまでもない。

さて、あらためて考察をくわえるが、この取組は、保護者に喜んでもらえた。
・「校長先生。ありがとうございました。何か安心できます。わたしも我が子によく言って聞かせました。また、万一我が家にとび込んで来る子がいた場合は、全力で助けようと思います。」と言ってくれた。
・すでに、『子ども110番の家』となっていた方々には、そのプレートを引き続き掲げてくださるようお願いした。これは抑止効果の役目を果たすと思った。
・現在になっての考察だが、これだけ、子どもの事件が多発している今だったら、上記町内会の、総論賛成、各論反対のような声はないのではないか。今はそれだけ、緊急事態を思わせる。


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rve83253 at 21:25│Comments(0)TrackBack(0)子どもの安全を 

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