2005年12月10日

求められる教育観

26fef42d.JPG 子どもとはこうあるべきと決め込み、仕込んでいこうとする教育と、子どもが持っている個性、性格に着目し、いいものを引き出そうとする教育との対立は、むかしからあった。

 昨日述べた心の教育(1)も、やはりこうした対立にふれている。

 そして、現在の悩ましい犯罪の横行は、一方の教育観の破綻を思わせる。仕込もうとしても、それを受け付けない子ども、拒絶する子どもが多数出現するようになったのだ。

 これはイソップの寓話、『北風と太陽』が主張するところとまさに同一であり、むかしからこの対立と破綻はあったのだ。

 仕込んでいこうとする強力な国家権力があったり、また、仕込まれる素直な子ども達であるうちは、この教育は一見うまくいっているように見えたかもしれない。

 しかし、それはまやかしであった。
 その時代に育ったわたしだって、(ごめんなさい。強力な国家権力の時代ではありません。仕込まれる素直な子ども達の時代です。)ただ訓練のような、意味のない単純作業の繰り返しのような学習を強制させられたときは、辟易とし、いらいらし、欲求不満となったのだ。

 また、大人の価値観を強制されたときは、従うそぶりをしていた。

 そんな教育が横行してよかったはずは、むかしだってなかった。

 『一見うまくいっているように見えた』というのは、今のような事件がなかったからに過ぎない。

 現在、一方の教育観が破綻しつつあるのは、大人が仕込んでいこうとしても、それを受け付けない子どもが多く出現するようになったことによる。教育現場は、教育観を変えざるを得なくなったのである。(なぜそういう子どもが多く出現するようになったかの分析は、わたしなりにあるが、ここでは、わき道にそれるので、ふれないことにする。)
  
 ところが、一方ではなかなか変えられない現場の実態がある。そこで、相克、軋轢が起こり、いわゆる『学級崩壊』、いわゆる『学力低下』、ひいては、ちょっと前までは考えられなかったような種類の犯罪多発現象が起きるのではないかと思われる。もうまやかしは通用しないのである。

 しかし、わたしは、未来を悲観してはいない。結論が見えてきたのはいいことだ。一方の教育観で実践すればいいということが、はっきりしてきたからである。

 後は、現場が早くそれに気づくことだ。また、社会がそうした教育を支えてくれることだ。

 このブログも、そうした考えにたち、『太陽』の教育の具体論を展開していきたいと、また、展開していると考えている。


rve83253 at 08:40│Comments(7)TrackBack(1)教育観 | 児童観

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 「心の教育」は誰がやるべきなのか?  [ THE義務教育-保護者が感じる「今の学校ちょっとヘン」 ]   2005年12月11日 17:14
前回のエントリー「心の教育」は誰に対してやらなければならないのか」には、みなさまから活発なご意見をいただきありがとうございます。  他のエントリーにもいろいろとコメント、トラックバックをいただいているのですが、急に多忙になり、きちんとしたお返事、お礼.... ワタナベさん。投稿有難うございます。私は初任者指導に携わっていますので、保護者の皆様の声にも耳を傾け、今の仕事に生かしていきたいと思います。末永く宜しくお願いします。 TBも有難うございました。

この記事へのコメント

1. Posted by MIE   2005年12月11日 09:58
家庭でも同じことだなあと思って読ませて頂きました。親がこうあってほしいと望むことを子供に押し付けていないか、振り返りながら子育てしていかなくてはいけないな〜と思いました。
2. Posted by momotomi   2005年12月11日 11:27
教育現場も親も悩んでる様子が解りますね。私は今、スポーツジムでいろんな運動をしているのですが、「肩の力を抜いて!」とよく言われます。身体の中心はしっかりとして力を抜くことの難しさ、なかなかうまくできません。むしろ、力を入れることのほうが簡単にできるのです。子供の前にでると心も身体もなにか力が入っていたかもしれませんね。
3. Posted by こだま   2005年12月11日 15:07
Toshi先生、こんにちは!
まったく同感です。私も『太陽』が好きです。今多くある犯罪の根っこの部分は『北風』にあると思っています。
今、一番こわいなと思うのは、子どもたちが仮面をつけ始めたことです。良い子のそぶりをする。だけど、実は抑圧されている。彼らの心的矛盾が解決されるような方向で、現在のカリキュラムが一刻も早く具体的に検討されることを望みます。おそらく現在、犯罪予備軍はたくさんいるでしょうし、このまま教育現場をほおっておけば、ますます悲惨な犯罪が増えていくでしょうから。
4. Posted by THE義務教育   2005年12月11日 17:18
Toshi様、こんにちは。ワタナベです。ブログ開設おめでとうございます。そしてトラックバックありがとうございます。
連日恐ろしい事件続きで、子供に対する対応も日々難しくなっていることを感じます。良かった部分を残し、復活し、そして時代と会わない部分を直していかべきときだなぁと感じております。
5. Posted by toshi   2005年12月11日 17:23
MIEさん。投稿有難うございます。おっしゃる通りだと思います。私、「初任者HP」「教育の窓」と称していますが、人間を育てることを、心を育む観点から見れば、学校も家庭もないと思っています。
 momotomiさん。素敵なコメント有難うございます。そう言えば、イソップの寓話の『北風』は、両方とも力が入っているのですよね。
6. Posted by toshi   2005年12月11日 17:32
こだま先生。投稿、有難うございます。先生。すごい。あれだけ長文で、どなたかがコメントされていたと思いますが、「単行本としても立派に売れる程の内容」をおまとめになりながら、こうしてコメント下さる。本当に有難うございます。今回の私の記事にしても、先生がいつだった書かれていた内容と重なりますよね。TBさせて頂きたいのですが、ごめんなさい。これから自分の記事をまとめようと思っていますので、失礼します。それにしても、先生にこんなことを書くのは、本当に失礼だなと、すみません。
7. Posted by toshi   2005年12月11日 17:39
ワタナベさん。投稿有難うございます。私は初任者指導に携わっていますので、保護者の皆様の声にも耳を傾け、今の仕事に生かしていきたいと思います。末永く宜しくお願いします。
 TBも有難うございました。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字