2006年05月29日

校長がかわれば、学校がかわる(2)4

3d75a373.JPG  今日は、わたしの担任時代の校長にふれたいと思う。

 着任の挨拶からして、ユニークだった。

 「おはようございます。わたしが、今度、このA小学校にきたBです。今日、おうちへ帰ったらね。おうちの人に、『今度、色の黒い、大きな声でしゃべる、Bという校長先生が来たよ。』と、そう言ってください。よろしくね。
 終わり。」

 期せずして、子どもから、『みじけえ。』と、驚嘆の声が上がった。

 全校朝会では、短い話のなかではあるが、よく子どもをほめていた。具体的な事例をあげてほめていた。これはわたしも、校長になってから、ずいぶんまねさせてもらった。

 
 連日、夜遅くまで仕事が続いた。タバコがきれてしまい、先輩が、

「校長先生の机の引き出しに確かあるよ。少しもらっちゃおうか。」

 わたしも、おもしろがって、ついていった。

 翌日、タバコを買って、そっと校長先生の引き出しのなかにしまおうとしたが、校長先生の出勤は驚くほど早かった。
 朝の打ち合わせで、さっそく言われてしまった。
「昨日、校長室に、大きなねずみが入りました。そのねずみは、ふしぎなことに、タバコだけをとって行きました。教職員の皆さんも、タバコにはお気をつけください。管理を忘れないように。」
 
 人事の季節になると、教頭先生に、
「校長室の机の引き出しの一番上だけは、絶対に見るなよ。」
そう言って、帰宅すると聞いた。

 翌日、自分の人事の構想を、教頭に尋ねたそうだ。尋ねながら、『なんだ。見るなよと言ったのに、見たのか。』そう言って、楽しそうに笑っていたという。

 この校長の、口癖は、
「わたしは教職員を大切にする。教職員を信頼しているからだ。信頼しないで、校長に何ができる。
 なぜ教職員を信頼するかというと、子どもが大切だからだ。いつも子どもとふれあっているのは、教職員だ。わたしではない。『ああ。いいな。子どもと一体になっているな。子どもをしっかり伸ばしているな。』教職員を信頼するおおもとは、それだけだ。」

 この校長のもとで、わたしたち教職員は、燃えた。
 毎年、研究発表会を行った。まえ、ブログに書いた『担任の思いを読める子』も、このころのことだ。

 ある研究発表会。今では夢物語だが、全国から、1200名の教員が、授業を見に来てくれた。移動のときの階段は、駅のラッシュアワーなみだった。

 この研究会の冒頭、校長先生の、謝辞。
 驚いた。いきなり、『わたしは本校の教職員を誇りにしています。〜。』と言って話し始めたのだ。

 対地域、対PTA、いずれも、教職員同様に、気配りしたようだ。ごめんなさい。当時のわたしは、まだ、若すぎて、その辺りのことは具体的に理解できていないのだ。

 この校長が退職されて、もうすぐ、30年。90歳になられるのも近い。今も、お元気なのがうれしい。


 この校長以前の学校は、ひどかった。

 それはちょっと具体的には書けない。ごめんなさい。


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rve83253 at 17:38│Comments(10)TrackBack(0)教育観 | 学校管理職

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この記事へのコメント

1. Posted by namiママ   2006年05月29日 17:54
プライベートな教職員の不祥事の責任を
校長先生がなぜかとらされる不思議なご時世ですね。
ある学校で、転勤してすぐの
転任者だけ集められ 
「くれぐれも不祥事をおこさないように」
とのお達しが校長先生からあったそうです。

その学校はお世辞にもいい状態ではありません。

「教職員を信頼しています」
そう 「心から」言ってくれる
校長先生が増えるならば 
教職員のやる気や 学校の一体感は
ずいぶん違うんじゃないかと思います。

27日の日記で 勝手にお名前出して
リンクを貼りました。
すみませ〜ん(^^)
2. Posted by 大山虎竜   2006年05月29日 20:06
いや、素敵な校長先生ですね。toshi校長先生もこんな素敵な校長先生との出会いがあったから、素晴らしい校長先生になられたんですね。きっと。
教育は浪花節です。意気に感ずる実践は楽しいですね。充実感も達成感も感じることができますね。
何時の教職員が意気に感じて実践ができる学校をつくっていきたいです。
夢とロマンがなくて教育は語れませんよね。
3. Posted by toshi   2006年05月29日 22:59
namiママさん
 教職員の健康維持も、管理職の責任ですからね。まあ、まとまって、協調的な教職員集団にする責任も負っているということでしょう。
 口で不祥事を起こすなと言っても、起きるときは起きる。
 教職員への信頼を態度、行動で示すとき、不祥事が起きにくい雰囲気作りはできるでしょう。でも、あくまで、雰囲気作りであるところが、つらいところ。
 そこで、腹をくくるしかないのが、管理職というものでしょう。
 
 27日の件、知っていましたよ。どうぞ。どうぞ。どんどんリンクをはってください。
4. Posted by toshi   2006年05月29日 23:18
大山虎竜さん
 すでに記事にしましたが、わたしはこのころ、修行時代でした。
 この修行時代を経なくても、校長にはなっていたと思います。しかし、その場合は、ひどい校長になっていたことでしょう。
 体罰こそしないものの、言ってきかせるという姿勢の強い校長になっていたのではないか。そう思うと、背筋が寒くなります。
5. Posted by くるみ   2006年05月30日 05:02
1/3
toshi先生
 たびたび申し訳ありません。
 本当に謙虚なお気持ちでのお言葉に、勇気付けられています。toshi先生の言葉、気もちを伺って、今年度から変わった息子の学校の校長先生のお立場や想いを想像しています昨年度までの教頭先生です。
 前任の先生も一生懸命やってくださったのですが、残念ながら、色んな話ができる先生ではなかったようす。→続く

6. Posted by くるみ   2006年05月30日 05:03
2/3
→続き
 昨年度の息子のクラスは「学級崩壊状態」。そのとき、当時の教頭先生は、私に言いました。「○○さん、最近、3年○組のこと校長と話した?」と。私が「いいえ」と答えると、「ちょっと、話して来てくれないかなあ。」と頼まれたのです。教務主任も横で頷いていました。校長室と職員室との間の壁は、保護者からもはっきりと見えていました。→続く
7. Posted by くるみ   2006年05月30日 05:07
3/3
→続き
 toshi先生のおかげで、今年度も保護者として地域の大人としてできることをして行こうという元気がわいてきました。
 また、恥ずかしながら最近始めたブログにリンクさせていただきました。
 長々と大変失礼しました。これからも宜しくお願い致します。
8. Posted by toshi   2006年05月30日 09:15
くるみさん
 くるみさんのコメント、なんとなく、その状況が分かる気がします。
 校長と教頭がそんなに仲が悪いわけではないけれど、教頭の話だけだと、いまいちなのでしょうね。
 あるとき、着任したばかりの教頭から言われたことがあります。
「わたし、前の学校では、よく、教職員から、校長先生へ言ってほしいと、話があったのですが、ここでは、校長と教頭とが一心同体と思われているせいか、そういう情報がまったく入らないのですよね。」
それで、わたしは、
「そうか。校長と教頭は、ある程度仲がよくないほうがいいのかな。」
と、冗談を言いました。

 ブログ、開設、おめでとうございます。どうぞ、末永く、宜しくお願いします。
9. Posted by kei   2006年05月30日 20:38
 こんばんは。自分たちを信じてくれる太陽のような校長先生のもとでは、教職員もそれぞれ本来持っている力を伸びやかに出し切って、子どもたちと豊かな授業や活動を作り出していけるのでしょうね。昨年そんな学校を実際に見ることができました。子どもたちが驚くほど変容し、教師職員の方の目が輝いていた。学校全体に温かな風が流れていたのです。
 学校経営も、学級経営と全く同じだと思います。
自分もどんなに年を重ねても、奢ることなく、クラスの子どもたちを信じることから始めたいと思います。
10. Posted by toshi   2006年05月31日 04:52
keiさん
 そうですね。あのときのわたしたちの心理状態を見れば、心の底からの安心感があったのだと思います。何でもやりたいことをやりたいようにやらせてくれるという安心感ですね。
 ですから、これは、標題と違ってしまうのですが、この校長以後は、どんな校長が着任しても、わたしたちは、信念を貫くことができました。わたしたちの信念と違ったことを言う校長がいても、それに左右されない強さを身につけたのです。
 わたしたちの研究は、それだけの評価をいただいていましたから、貫けたという面もあったと思います。
 keiさんのブログを読ませていただくと、keiさんもそれだけの信念をお持ちと思います。『初めに子どもありき』は、ぜひ貫いてほしいと思います。

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