2006年07月10日

豊かな人間関係の構築を(2)4

0373e5d5.JPG 今日の記事は、6月7日「豊かな人間関係の構築を」の続編である。

 前回は、教職員の問題として、書かせてもらったが、今回は、子どもをどう育むかという観点から、書き記してみたい。

 また、この記事に対しては、Hidekiさんが、「『人たらし』の教育」と題し記事にされ、TBしてくださった。

 それは、先のわたしのブログに書いた、ある先輩校長の言葉に対してのものだった。その言葉とは、

『わたしたち、教育に携わる者にとって、豊かな人間関係の構築は、教育を実のあるものにするうえで、絶対必要な条件である。民間会社なら、もしかしたら、利益を追求するうえでの手段に過ぎないのかもしれないが、教育においては、目的そのものである。』


 それに対し、Hidekiさんは、『会社にとっても、豊かな人間関係の構築は、仕事の目的たり得る。』とおっしゃっているのだと思う。読ませていただきながら、『そうだろうな。』と思った。
 しかし、何となく、ばくとした思いでいたところ、昨日のことである。


 テレビで、松下幸之助氏の一代記をやっていた。それを見て、感動してしまった。まさに、『会社にとっても人づくりが目的』を裏付けていた。

 いろいろ感動するところはあったが、一つだけ述べよう。

 ときは、昭和大恐慌のころだ。松下電器もその波をもろにかぶり、製品が全然売れず、在庫の山となってしまった。重役は口をそろえて、松下氏に従業員を大量解雇するよう進言した。当時としては、それはきわめて自然で、ふつうのことだったに違いない。

 しかし、松下氏は言う。

「従業員は一人たりとも解雇しません。賃金もこれまで通り支給します。会社をたて直す方法はいくらでもあるはずです。」

 そして、とった策が、『生産量は半減させる。そのために、授業員は、原則、半分の時間だけ働いてもらい、残った時間は帰宅させる。』というものだった。

 ここから先は、テレビでは言っていなかったが、おそらく、この措置に恩義を感じ、感動した従業員が、残った半分の時間を使い、主体的に販売活動を行ったのではないか。

 在庫の山は一掃された。そして、会社は見事に立ち直った。

 ここには従業員への信頼が感じとれる。特に、戦前だけに、松下氏の卓越した、人を信じる心のすばらしさを感じる。

 さらに、印象に残ったのは、松下氏の次の言葉だった。

「『松下電器は、何を作っている会社ですか。』と聞かれたら、『うちは、人をつくっています。』と、自信をもって答えなさい。」

 
 どうだろう。

 松下氏の言動を見ると、

 会社も、利益追求は手段であるようだ。
 そして、豊かな人間関係の構築は欠かせないが、目的は、人間としての幸せ追求ということになろうか。

 H idekiさんがおっしゃっているのも、まさにこの点だと思われる。


 ひるがえって、教育現場を見てみよう。

 真に、豊かな人間関係の構築をねらった教育を行っているか。
 
 人生にとって一番重要な能力に違いない。だから、小学校においても、最重要課題として取り組みたいものである。

 日々の実践が、単に、知識・技能の習得に偏ってしまってはないか。
 学習のなかで、子どもが、その子らしさを発揮しているか。


 わたしが、今勤務する学校の一つは、『子どもの豊かなコミュニケーション能力の育成』をうたっている。これも現代的な意味で大切なことだと思う。

 最後に、そんな授業の一つ。初任者向けに作成したホームページではあるが、『どのレベルに合わせるか。』をご覧いただければ幸いである。


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    (3)へ続く。

rve83253 at 00:23│Comments(7)TrackBack(0)教育観 | 自己啓発

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この記事へのコメント

1. Posted by 今日   2006年07月10日 21:34

教科教育でも、この事を抜きに考えることは、出来ないと思いますが。

常に、人間の全面的な発達を考えています。

それなくすると、勉強嫌いになりますね。


TBをさせていただきますが、これにも、その主旨がはいっているつもりですが。

2. Posted by Hideki   2006年07月10日 21:48
私の拙い記事をここまで深めてもらって恐縮です

> 会社も、利益追求は手段であるようだ。
> そして、豊かな人間関係の構築は欠かせないが、目的は、人間としての幸せ追求ということになろうか。

おっしゃること、そのとおりだと思います

このあたりは、人によりけりだとは思うけど
何のためにはたらくるのか?ということなんです

金儲け…もうけたい、というのもあるでしょうし
人がやってないことをしたい…というのもあるかもしれない
3. Posted by Hideki   2006年07月10日 21:51

だけど、自分のやったことが、相手の幸せになる
喜んでもらえる、ということは
大きなはたらくことの目的になると思うんですよ

そこには、モノをあげてどうこうというものだけではなく
人と人との関係の上にモノが役立つという部分があると思う

そんな直接のお客との関係だけじゃなくても、
仕入先、得意先、パートナー等々
チームとして成り立つ部分が大きいため
「人と人との関係」があってこそ、
損得を越えて成り立っている部分もあるように思うんです
4. Posted by toshi   2006年07月11日 06:16
今日さん
 特に、公教育においては、子どもの学習への興味関心、意欲付けを考えないと、うまくいかないですね。さらに言えば、学習への切実感、必然性を感じさせることだと思います。「今、これを学ばないと、自分は損する。」「学ばずにはいられない。」という思いに、いかにしてさせるかと言うことですね。
 そして、現在の世相は、それを考えなければいけない幅が広がっていることだと思います。
 つらいけれど、うまくいったときの喜びは大きいですよね。
 今日さんのブログでも、それを感じます。
5. Posted by toshi   2006年07月11日 06:38
Hidekiさん
 以前、わたし、豊かな人間関係の構築は、物を介してこそ、容易になるという記事を書いたことがあります。
 その点、会社は、自社の製品を介してのやりとりで、豊かな人間関係の構築が容易という面と、そこにお金のやりとりもありますから、シビアである面との双方があるでしょうね。
 物への信頼と、それを扱う人への信頼の、双方が必須要件ということもあるでしょうか。
 そして、おっしゃるように、損得を超えて、豊かな人間関係が構築されれば、会社にとっても、すばらしいことなのでしょうね。
 松下幸之助さんや、丹羽宇一郎(この方は、伊藤忠商事を見事に再建された方のようですね。)さんは、教育者としても、尊敬できる方というように思いました。
6. Posted by しょう   2009年05月29日 22:49
“しょう”です。こんばんは。

 toshiさんのブログ、ごくごく一部しか読ませていただいてないのですが、何年間も素晴らしい記事を書いておられますね。

>松下氏の言動を見ると、

>会社も、利益追求は手段であるようだ。
>そして、豊かな人間関係の構築は欠かせないが、>目的は、人間としての幸せ追求ということになろうか。

 優れた姿勢を持った経営者・会社はそうですね。 私も民間企業の研修を受けたことがあるのですが、松下幸之助さんの話は何度も聞くことができました。

 企業コンサルタントで有名な船井幸雄さんも「人間としての幸せ」、「ともに幸せになっていける世界の創造」を追求しておられると思いますね。
7. Posted by toshi   2009年05月30日 14:30
しょうさん
 こんな過去記事までお読みいただき、ありがとうございます。
 それにしても、今という不況の時代を思うとき、策をろうしたり、不正をしたりしてでも、もうけようとするか、こういうときこそ、人の心を大切にしていこうとするか、『教育の力というものは、大きいものだな。』と痛感します。

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