2006年07月14日

酷暑のなかの授業3

5dc7218b.JPG我が地域では、昨日、今日と、大変な暑さのなかでの授業となった。教職員も、子どもたちも、本音のところでは、参っているのではないか。でも、がんばっている。

 わたしも、ねを上げた。

じっとすわって、初任者の授業を見るのが仕事だから、そんなに動き回っているわけでもないのに、(いや。そうとばかりも言えないのが現実だけれどね。でも、初任者にくらべれば、その通り。)それなのに、汗が噴き出る。

 この酷暑のなかで、エアコンなしの教室(部屋)は、そんな感じだ。


 それにしても、子どもはけなげだ。暑さに参って、あごを出している子も少しはいるが、大部分は涼しげな顔をして、いつも通りに学習に取り組んでいる。

 子どもというものは、そのときそのときの環境に順応しやすいのだと思っているが、それはおかれた環境しか知らないから、その状況を当然のこととしている場合の話だ。

 今のように、エアコン完備の体験をもつ子が多いなかでは、この酷暑に耐えきれない子もいて当然と思うのだ。

 それなのに、がんばっている。


 わたし、初任者に言った。

「ふつう、多くの教員は、『暑いけれど、暑いのはみんな同じなのだから、そんな、下敷きであおいだり、ぐたっとしたりしていないで、がんばりなさい。』などと子どもに言うケースが多いと思うけれど、そんなことは言わない方がいい。
先生のクラスは、朝の会こそ、あおいでいる子が多かったけれど、1時間目が始まったら、もう、そういう子はほとんどいなくて、多くの子が学習に集中していた。すばらしかったよ。ぜひ、次のように言って、ほめてやってほしい。

 『こんな暑さのなかだもの。下敷きであおぎたくなるのは当たり前。ぐたっとしてしまうのも仕方ないと思うわ。それが、ふつうよ。
それだけに、ふだん通りがんばれるみんなは、すごいと思う。すばらしいよ。先生は、みんなを誇りに思う。』そう言ってやれば、ますますみんな、がんばっちゃうのではないかな。」

 初任者もうれしそうだった。
「はい。ありがとうございます。そうですね。そう言ってほめてやります。」


 けなげなのは、子どもだけではない。担任だって、一生懸命だ。

 わたしは、日ごろ、教員も演技力が必要と言っているが、この酷暑になかで、暑さなど何でもないかのように、笑顔を絶やさず授業を進めているのを見ると、
『ああ。いいなあ。教員のそういう姿勢があればこそ、子どもをやる気にさせることができるのだ。』と、感謝の思いでいっぱいになる。
(あれ。わたしはもう校長ではないのに、なんか、校長の気分で書いてしまったね。)


 それにしてもだ。

 数年前、確か文部科学省は、全国の公立学校の教室にエアコンを完備させると言った。
そうしたらすぐ、『子どもにエアコンはぜいたくだ。必要ない。』と、財務省初め市民までもが反論し、この話は立ち消えになった。


 しつこいようだが、今の暑さは、尋常ではない。単なる自然現象ではないのだ。

まちから土や樹木をなくし、車は排気ガスをまき散らし、おまけに、ビル、車のエアコン使用とくる。まさにこれは、人為的に生まれた暑さだ。

それなのに、子どもにはぜいたくだと言う。

 そんなことはないですよ。酷暑に、子どもの熱気が加わり、さらには、転落防止のためのストッパーで、窓は少ししか開けられない。だからもう、教室の中は大変な暑さです。おそらく、『こんなものすごい暑さのなかでは、学習などできるものではない。頭がぼうっとしてしまうだろう。』10人中10人がそう思ってくれるのではないかな。


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rve83253 at 23:49│Comments(19)TrackBack(0)教育制度・政策 | 学校経営

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この記事へのコメント

1. Posted by 漢字は苦手   2006年07月15日 11:22
暑いですね。
季節が1ヶ月位ずれてきている気がします。
7月1日から夏休みにしても良いのではないかと思います。でもそうなるとまた学力低下が気になったり。
もういっそのこと特色ある学校づくりに徹底して、地域ごとに教育制度を編成できるようにしてはどうでしょう。
東京は7月、8月全部休みとか。
でも、そうするとまた塾が繁盛するか。
「塾っていいよね。クーラーあるんだから。夏期講習行きたいなあ」というのが我が子の言い分です。

この夏も扇風機回して家庭学習に励ませます。

2. Posted by にしこ   2006年07月15日 12:54
このお話しを読んで、本当にそうだなと思います。
それに今年はいつもに増して暑い日が多いですよね。
私自身、息子がこんなひどい暑さの中、冷房のない教室で頑張っているのだと思うと、家に私一人でいる時は冷房をつけることを考えてしまいます。

本当に必要な所にお金が回らず、必要ない所にお金が回っていってしまっている…
そんな気さえしてしまいます。

自分からはなかなか進んで水分を取らない息子に私が出来ることは、学校でもなるべく水分を取れるような環境を整えることと、家に帰って来た後は涼しい所でゆっくり休ませてあげることだけです。
正直、切ないです。
3. Posted by こだま   2006年07月15日 19:29
私も日々の暑さにぐったりきていますが、子どもが学校でどんな暑さに耐えているかを考えると、大人が暑いというのはある種のぜいたくに思えてきますね。
エアコン、是非学校に備え付けて頂きたいと真剣に思います。TVで税金の無駄遣いの特番などを見るたびに、あのお金で学校にエアコンを完備するぐらい、なんてことないのになあ。とため息が出ます。
一度、市長さんや議員さんが、学校で丸1日子どもたちや先生がどんな暑さの中で過ごしているかを体験するようなイベントがあるといいですね。
4. Posted by Hideki   2006年07月15日 20:16
ご無沙汰しております

なんというか、また変な精神論がまかりとおっているんですね。勘違いもはなはだしいというか。金を払う側(国)が、金をしぶる言い訳としていうならまだしも、保護者の側からそんな意見がでてくるということは、なんとも残念な話に思います

学校の目的はいろいろなものがあると思います。個人的には、「知」「体」「情」「徳」を育むところだと思っています。あとは「志」かな。「芯の強さ」もその結果えられるものだと思っています。

もちろん、これらは個々に学ぶわけでなく、相互に影響しあいながら習得するものだとは思います。

5. Posted by Hideki   2006年07月15日 20:16
だけど、「知の習得をしにくい」環境にして、「我慢強さ」を学ばされるというのは本末転倒だと私は思う。勉強のしやすい環境を整えて、その中でしっかり学んでもらうのが一番大事なこと。

もし我慢強さを学ばせたいなら、別のメニューを用意すべきでしょう。
…個人的にはこういう精神論は嫌いなんですが、その意義そのものは認めないわけではないので

「不便さの中での習び」を狙うなら、勉強の時間以外にして欲しいものです。
6. Posted by hirarin   2006年07月16日 02:54
私は基本的にクーラーは嫌いで、クーラーのいる部屋にいると風邪をひいてしまう強弱体質です。
なので、暑い日もタオル片手に暑い部屋で仕事を進めています。

でも最近の酷暑はやはりこたえますね。

現代っ子は「クーラー」に思いの外慣れています。夏はクーラーの部屋が常識になっていますよね。我が子たちも保育園はクーラーが入っています。

「クーラーを学校に入れると夏休みがなくなるからね」と子どもたちを納得させて学期末の追い込みに入りますが、やっぱり子どものには「能率」が悪いようです。
7. Posted by toshi   2006年07月16日 21:37
漢字は苦手さん
 そうか。教室は扇風機すらありません。
 もっとも、この酷暑では、たとえ扇風機を回しても、熱風が来るだけかもしれませんね。
 塾はクーラーがある。
 それが、セールスポイントになるとは思いませんが、学校はそれすらもないのですものね。
 我が地域でも、高速道路沿いの学校はエアコン完備なのです。もう快適そのもの。うらやましかったです。
8. Posted by toshi   2006年07月16日 21:53
にしこさん
 ほんとう。切ないという気持ち。まさにその通りです。
 かつて、学校は、その地域の文化の最先端をいっていました。どの家にもピアノなどなかった時代に、学校だけはあったのです。
 今は、どの家にでもあるものが、学校にはないという時代です。
 これでいいのでしょうか。未来を担う子どもを育む環境として、考えてしまいます。
9. Posted by toshi   2006年07月16日 22:02
こだまさん
 《一度、市長さんや議員さんが、学校で丸1日子どもたちや先生がどんな暑さの中で過ごしているかを体験するようなイベントがあるといいですね。》
 いやあ。ほんとうにそう思います。記事にも書いたとおり、10人中10人がエアコン設置に賛成してくれると思います。
 冬の暖房は、むかしからやっているのですものね。
 何が大切か。子どもを甘やかすことはないが、心豊かな子どもを育むための環境はしっかり整備してやりたいものだなと思います。
 
10. Posted by toshi   2006年07月16日 22:35
Hidekiさん
 おっしゃる通りと思います。
 たぶん、エアコン設置に反対した人は、精神論を振りかざしたのだと思います。我慢強さを養うことが大切ということですね。
 でも、我慢強さは、肉体的苦痛ではなく、そうせずにはいられないとか、そうすることが大切だとかいう心情を育むなかで、養うべきだと思いますね。
 ああ。書きながら、先日の体罰論を思い浮かべてしまいました。今の状況は、体罰に近いものがあるような気がします。
11. Posted by toshi   2006年07月16日 23:54
hirarinさん
 保育園もクーラーが入っているのですか。いよいよ、時代の波に乗り遅れているのは、公立学校だけということになりそうですね。
 一般社会の学校を見る目の冷たさ、無理解を感じます。
 こういう時代になっても、まだ精神論を振り回すのでしょうか。時代錯誤もいいところ。
 いえ。そんなふうに思っていたのですが、hirarinさんのコメントを読ませていただいて、ちょっとそこまで言い切っていいのか、悩ましくなりました。
 健康面のことはちょっとわたしにはわかりませんので、どうとらえたらよいのか、ちょっと勉強してみましょう。
12. Posted by aoisora   2006年07月18日 18:33
こんにちは

息子の通っている小学校は校舎立て替えのため、ここ数年プレハブの仮校舎で学んでいます。どうかこの仮校舎にエアコンを、とお願いした結果、エアコンのある仮校舎を当初から使わせていただくことができ、子どもたちも先生方も保護者もとても助かっていると感じています。もし、このプレハブ校舎にエアコンが設置されてなかったら、、、きっとこの数年間の子どもたちや先生方の環境は、厳しいものになっていたと感じています。
13. Posted by aoisora   2006年07月18日 18:34
続きです。
ただ、残念なことに、新校舎にはエアコンはつかない、という話になっているとか。仮校舎にエアコンをつける条件として、「新校舎にもエアコンをつけてほしい、とは絶対に言わないこと」という申し合わせがあったそうで、、、(涙)。
我が地域でも、公立小学校にエアコンは設置されてないのが当たり前、というのが、スタンダードな認識のようです。
でも、、、あった方がいいんじゃないのかなぁ、、、とここ数年の夏を考えた時、思います。
14. Posted by toshi   2006年07月18日 20:47
aoisoraさん
 ほんとうにこの時期は、プレハブ校舎の方が得な感じです。我が地域においては、プレハブは必ずエアコンが付きます。
 あと、高速道路沿いの学校も付くのですね。一度こういう学校の授業を見に行ったことがありますが、それはもう快適そのものでした。
 記事にも書きましたが、今は転落防止のためのストッパーがどの学校にも付いていて、窓は少ししか開けられません。だから、風のない日などは、上記エアコン付きの教室と、状態は大差ないのです。
 わたし、前、体罰シリーズを掲載しましたが、これって、体罰と大差ないなと思っています。
 なんとかしてほしいですね。
15. Posted by POOHママ   2006年07月18日 22:26
暑さ対策・・・うらやましいくらい、
北海道は冷夏に悩んでいます。
今日もプール学習。
明日もプール学習。
されど、最高気温は23度、
寒いです。
(本題からそれて、ごめんなさい)

昨日、関東の知人からのメールで、
「光化学スモッグ注意報」というものが
あることを知りました。
で、その注意報のために、
外でやるはずの体育を
体育館でやったら、2割程度が
熱中症になったとか。
なんだか、都会って恐ろしいですね。
地球も温暖化が進み、
都会はさらにヒートアイランド現象?
エアコンもいいかも知れないけど、
エアコンではかえって体を悪くしてしまうような。

いずれにせよ、昔と同じってわけには
行かないですよね。(忍耐論など)
16. Posted by くるみ   2006年07月18日 23:39
「昔は〜」というのは大人だけの思い出話だけに
して「今」をきちっと見つめる視点こそ必要ですよね。
 「昔」も「今」も変わらず大切にしていくことと変わってしまった、変えてしまったことを改めることの区別がはっきりしていれば、「クーラーはぜいたくだ」ということにはならないのに・・・。
 先のコメントにもありましたけど、母としては切ない・・・これに尽きます。
 でも、toshi先生はじめ、子ども達の今を真剣に思いやってなんとかしたいと思っている方々がいらっしゃること。有難く思いました。
 
17. Posted by toshi   2006年07月19日 00:10
POOHママさん
 そうですか。日本は広いですね。冷夏に悩まされているとは、それこそ、うらやましい。でも、それはそれ。やはり、冷夏による悩みは尽きないのでしょうね。
 光化学注意報だけではなく、警報もありますよ。これはもう、体育は中止すべきです。安静第一。
 確かに都会はこわいですね。
18. Posted by toshi   2006年07月19日 00:14
くるみさん
 おっしゃるとおりと思います。何がぜいたくかをよく考えてほしいですよね。時代は刻々と変わるのですから、むかしの常識を押し付けられてもね。
 今は、学校の文化が一番遅れているようです。本来教育を大切にする国民だったはずなのですけれど。
19. Posted by POOHママ   2006年07月19日 22:13
フィンランドの教育が注目されているとうです。
「競争をやめたら学力世界一」(福田誠治:著)
朝日新聞社:1200円
という
本で紹介されているようです。
私はまだ読んでいませんが、
わが国とは正反対の方向らしいですね。
読んでみようと思います。

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