2006年08月20日

残り少ない夏休み4

2e643ac1.JPG 退職して2年目だが、無意識に、『ああ。もうすぐ学校が始まるなあ。』と思っている自分に気づく。長年しみついた習性だ。

 もちろん、そのときは、校長時代の感覚に戻って思っているわけだが、今日は、学級担任時代に戻ってそのころの思いにふれてみたいと思う。


 夏休み中でも、早朝のラジオ体操、栽培している植物などへの水やり、水泳学習などで、保護者や子どもに会うことはよくある。

 そういうとき、よくした会話は、
「ああ。早く学校が始まらないかなあ。」
「ええっ。なんでよ。夏休み前は、『やったあ。明日から夏休みだ。』って喜んでいたのに。」
「そりゃあ、そうだけどさ。もうつまんないよ。うちにいたって。何にもすることないんだもん。あきちゃった。」
「そうか。宿題はもうやったのか。」
「うん。まあ。・・・。あと、ちょっと。」
「じゃあ、それ、やればいいのに。」
「そりゃあ、やるけどさ、・・・いつも一人じゃつまらないよ。」
「学校が始まれば、友達とも会えるか。」
「そうだよ。うちにいたんじゃ、お姉ちゃんとけんかばっかりして、もう、お母さんにいつも怒られちゃうんだ。」

 次、保護者との会話。
「あらあ。Toshi先生。こんにちは。・・・。お久しぶりですねえ。」
「ああ。お元気ですね。」
「はい。おかげさまで。・・・。でも、学校、早く始まってくれないかなあって思っています。」
「いつも、うちに子どもがいるっていうのは、こまりますか。」
「ええ。もう、ごろんごろんしてばっかりですからねえ。・・・。夏休みって、長すぎますよ。半分でいいですね。」
 
 でも、ときどきは、7月までやっていた学習に関連したことを言ってくれる子もいて、そういうときは、学習がこだわりになっていると感じ、うれしかった。

 『夏休みは、子どもを家庭に返す。家の教育方針で、教育してもらう。長期休業でしかできないような学習をしよう。』
 学校はそう言うが、どうも、そのような理想的な生活は、なかなか送れないということか。

 我が家もそうだったが、実家がいなかでない家庭もふえているのではないか。
 都会ではむかしのような自然はないし、
 とかく子どもだけの外出は物騒な時代になったし、
 両親共働きの家庭もふえているから、

 そういう場合は、家でごろごろ。・・・。意味もなく、時間つぶしの感じで、ゲームをしたりテレビを見たり、・・・、そういうことばかりとなってしまうのかな。


 ここで、わたしは考える。

 日々の平穏な家庭生活のなかに、充実した生活を送ることはできないものか。

 このことに関して、教育ブログ『namiママ先生の前向きな日々〜育児休業編〜』(ただそこにいること)が、とても示唆に富んだ記事を書かれている。

 今の子は常に、doing。
 doingでないと幸せを感じない。ただそこにいることが幸せという、つまり、beingを堪能している子は少ないのではないかとおっしゃる。
わたしはものすごく共感できた。



 わたしは、よく、夏休みの宿題の一つとして、絵日記5日分というのを出した。

 これは笑い話だが、たぶん、親子で、以下のような会話があったのだと思う。

「ああ。まだ絵日記の宿題ができないよ。」
「だって、宿題は、5日分なのでしょう。これから、毎日書けばいいじゃない。」
「だって、ずっとうちにいるだけじゃ何にも書けないよ。今年、どこへも連れてってくれてないよ。」

 子どもにそう言われ、仕方なく、家族で出かけていったのであった。宿題の絵日記を仕上げるために。

 どこかへ出かけないと日記が書けないとしてしまう。

 ああ。namiママさんは、『beingを堪能していない子どもたちが大人になって、ただいることの幸せをちゃんと味わうことができるんだろうか。』とおっしゃる。わたしも同感だ。

 そこに退屈しか感じない。
 自分で自分のしたいことを見つけられない。

 これでは問題だ。


 最後に、有意義な夏休みを送った例を紹介しよう。

 ある年、夏休みに入ってすぐ、自分の学級の子どもから、はがきが届いた。
『これから、toshi先生に、毎日はがきの絵日記を送ります。よろしくお願いします。』
 わたしは驚いた。例によって、宿題としては5日分だったから、残り35日分は、自主的に決めたことになる。

 そして、とうとう毎日やり通した。

 わたしは、一週間に一度の割合で返事を書いたかな。そして、夏休み終了後、本人と家族の了解を得て、そのはがきをすべて模造紙に貼り、『夏休み作品展』に出品した。

 子どももすごいが、保護者の協力もあったに違いない。はがき代だけだって、2,000円だよね。

 上記のように、どこかへ出かけないと日記が書けないと思っている子もいたから、このはがきの絵日記は、学級全員の前で絶賛した。


にほんブログ村 教育ブログへ

 夏休みの話題は、切実なご家庭も多いのではないかな。有意義な夏休みが過ごせますよう祈っています。

 今日も、1クリックお願いできれば、うれしいです。最近、また、復活することができました。どうもありがとうございます。

人気blog ランキングへ

 こちらもどうぞ、よろしく。
 


rve83253 at 23:25│Comments(6)TrackBack(1)教育風土 | 学級経営

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 夏休みもあとわずか  [ がっこのせんせ ]   2006年08月21日 13:01
 42日間の夏休みも残りあと10日。といっても子どもたちは休みだけれど、私は研修や出勤で明日からはほぼ通常通りの勤務になる。今年の夏休み、どれくらい実質的に休んだのか、純粋に自分のために使った休暇を数えてみたら、8日だった。これは果たして多いのか、少ないのか

この記事へのコメント

1. Posted by 七星 来人   2006年08月21日 00:24
お盆休みが終わると、いよいよ残り少なくなりますね。最近、北の方の地方の先生と会ったら「24日から2学期が始まるよ」とかいう話題になりました。

さて、夏休み確かに「子どもだけの外出」は難しくなり、「外は異常に暑い」ため子ども達は必然的に室内へと追いやられ、テレビと対峙している「普段と変わらない夏休み」を過ごしている子どもが多くなったのでしょうかねぇ。寂しいですね。
また、「他人にしてもらう」ことをあてにし、それが無いと「何もしてもらえなかった」ととらえてしまう感覚はどうなんでしょうね。幸せは自分の心が決めると思っているので、随分と考えられさせられました。
2. Posted by namiママ   2006年08月21日 12:34
記事を深めていただいてありがとうございます。
はがき絵日記いいですね。
日常の楽しさに毎日気づいていかないと書けないですもんね。

大人も日常を楽しんで過ごす姿勢が
子供にも伝わるかもしれないとも思います。
(食事を大事にしたり、自分の趣味の時間を大事にしたり)

絵日記、うちのゆうは去年、近所でかにを捕ったことを書きました…
ええっと、新幹線で旅行にも行ったんですよ。
でも、こんな娘の感性は大切にしたいなあと思いました。
3. Posted by takep   2006年08月21日 13:10
こんにちは。トラックバックさせていただきました。
この夏休みは「目立ったこと」もせず、無為に過ごしてしまったなあと思っていたのですが、
そうではないんだとふり返ることができました。
ふだんは家にいる(家族と過ごす)時間がほとんどないのだから、
たっぷり家にいる時間をもつことができたのだとプラスに考えれば
幸せを感じることができるのですね。
そう考えると、最初からそういう意識でいられればもっとよかったなと思いました。
子どもたちにも日常の喜びを見つめることができる目を育てていきたいと思います。
4. Posted by toshi   2006年08月21日 20:50
七星来人さん
 北国は、夏休みが早く終わるというのは、むかしからのようですが、最近のこの暑さで、大丈夫なのでしょうかね。気になります。
 そう。七星さんのおっしゃる通り、家にこもるのには、この暑さのせいもありますね。
 わたしたちは、主体的に生きる子どもたちを育てないといけないということは、この点からも言えそうです。
 わたしにしても、担任時代力不足でした。はがきの絵日記を毎日書いた子もいますが、退屈をもてあましていた子もいたようです。
 なんとか、自ら生き甲斐を見いだす子を育みたいものですね。
5. Posted by toshi   2006年08月21日 20:57
namiママさん
 深めるなんてとんでもない。わたしの方が、namiママさんから触発されました。

〜大人も日常を楽しんで過ごす姿勢が子供にも伝わるかもしれないとも思います。〜
 
 これは間違いなく言えることでしょうね。

 ああ、また触発されました。ありがとうございます。また、記事にします。

 話は変わりますが、doingも大切にしてあげたいですよね。双方相まって、感性が育っていくのでしょうね。
6. Posted by toshi   2006年08月21日 22:48
takepさん
 TB、ありがとうございました。
 皆さんからのコメントを読ませていただきながら、わたしは、生活科の学習内容を思い浮かべました。
 家族の団らん、家族とともに過ごす喜びなどを扱うことが多いと思いますが、やはり根底にそれがないと、beingの幸せを感じることはできないのかもしれませんね。
 takepさんがおっしゃるように、親がそういう意識をもつことが大切なのかもしれません。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字