2006年09月15日

育つ初任者(6)5

f4e6c3b1.JPG 昨日はうれしかった。

 すでに何度も書いているが、今、わたしは、各初任者の学級に、週一日ずつ入っている。

 『人間はそう簡単に変わるものではないよ。』とはよく言われるが、小学校の学級の場合、一週間で学級の雰囲気ががらっと変わることは、ありうることだ。
わたしは、これは担任の努力に関わっていると思う。
 特に担任が初任者の場合、指導力は日々向上することがあり得るので、学級の雰囲気ががらっと変わる。
 ぎすぎすした感じがとれて、うるおいすら感じた。


 その日、出勤途上、後ろから、大声で、『toshi先生。』っと声をかけられた。ふり返ると、底抜けに明るいAの姿だった。わたしも、大声で、『おはよう。』と、声をかけた。

 この子は、姉妹ブログ、『小学校初任者のブログ』7月13日『いじめ』発生に書いたAのことだ。

 このいじめの件は、他にも掲載したので、お読みでない方は、まず、そちらからどうぞ。


    7月13日  いじめ発生
    7月21日  いじめ発生(2)


 この子の明るい姿だけに、何か一日がすばらしくなる予感がした。


 学級に入る。

 この学校は、9月から、全校あげての朝読書に取り組み始めた。

 全校一斉というのがいい。どの教室もすごく静かだ。そして、この学級も。子どもたちが読書に集中している。

 その静けさを持続したかたちで、朝の会に入った。

 
 この学級は、日直が朝のスピーチをすることになっている。
 4月当初は、もじもじしてなかなか話ができなかったり、できても声が小さくてよく聞こえなかったりすることがよくあったが、この日は、はっきりとした声で、しかも楽しい話題提供ができた。

「昨日は、泊まらない温泉に家族で行きました。その温泉には、〜しかありませんでした。でも、〜のおふろだったので、お肌がつるつるになりました。とっても気持ちがよかったです。今度は、泊まれる温泉に行ってみたくなりました。」
 すごい拍手がわき起こった。
 これが、7月。あのいじめの起きた学級かと思うと、そのふんいきのよさに、ジーンとする思いだった。

 その後の、担任と子どもとのやりとりがまたすばらしかった。

「今日は、先生。みんなにだまされちゃったね。」
「ああ。あれっ。・・・。だますつもりはなかったよ。」
「そうだよ。あれは、先生が勘違いしたのだよ。」
「そうだよ。そうだよ。」
「ほんとうね。でも、何のことだか分からない子がいると思うから、説明しようね。・・・。朝、先生が教室に来たら、Bちゃんや、Cちゃんたちが、先生のところに来て、『先生。今日、たくさん、ないていたんだよ。』って言ったのね。先生は、それを聞いて、『ええっ。またけんかがたくさんあったのかな。何人の子が泣いたのかな。いやだなあ。』って思って聞いたのね。そうしたら、Bちゃんが、『違うよ。教室にいるスズムシが鳴いていたんだよ。』って言ったの。」
「そうだよ。先生、何、勘違いしているの。」
「ほんとうね。でも、この前までけんかが多かったじゃない。だから、てっきり、また、けんかだって思いこんじゃったのよ。・・・。でも、ほんとう。最近、みんなはけんかをしなくなったね。すっかり仲良しになったのに、先生だけ、なかなか頭を切り換えられなくて、ごめんね。」

 なんと、温かなやりとりだ。わたしは教室の後ろにいて、目頭が熱くなった。
 わたしは立ち上がり、教室の廊下寄りを通って、前へ行った。どの子も、幸せそうな笑顔を見せていた。


 その後の担任の話もよかった。

「今日は寒いね。長袖の子も大勢いるみたいね。」
「うん。今日は長袖だよ。ぼく。」
 それにつられ、長袖の子が大勢手を挙げた。

「うわあ。そんなに大勢、長袖を着てきたんだ。・・・。じゃあ、聞くけれど、自分で、『今日は寒いから長袖にしよう。』って決めてきた人。おうちの人に、『長袖にしなさい。』って言われたのではなくて、自分で決めてきた人は手を挙げてみて。」

 この問いかけは、後で絶賛した。

 今に限らずだが、自分自身で判断することが、なかなかできない子がいる。そして、ひどい場合は、まわりの大人のせいにする。『だって、〜しなさいって言わなかったじゃん。』

 自己判断力を養うという観点は大事だ。そう言ってほめた。


 そして、そのまま自然な流れで、1時間目へ。

 すると、あることに、気づいた。『ああ。いいなあ。以前のような、Aをめぐるごたごたなど、まったくない。なんと温かな雰囲気だろう。』

 逆に、Aの言い方のやさしくおだやかなことが目立つ。

 1時間目は国語だった。担任が言う。
「今日は、『あったらいいな。こんなもの。』を、となりの子と2人で、相談するのだったわね。」
 すると間髪入れず、Aが、『先生。ちょっと、・・・、もう少し時間が、・・・。』

 そして、すぐ、ちょっと前だったら事ごとにAと対立するBやCが、
「時間がほしいのだよな。」
と、Aに共感を示した。

 担任が、少し時間を与えたことは言うまでもない。

 その後、また、感動的なことが、・・・、

 いよいよ、となりの子と相談することになったときだ。

 Dちゃん(女子)が、となりの子でなく、ちょっと離れた子のところへ行って、相談し始めた。すると、DちゃんのとなりのEちゃん(男子)が、Dちゃんのいすを持って行って、Dちゃんを座らせてやったのだ。『ありがとう。』と言ってすわるDちゃん。

 担任は気づいていなかったので、すぐ、この事実を伝え、ほめてもらった。


 後は、省略しよう。一日の出来事を書いていたら、どこまでいくか分からない。この記事のことだが。

 ただ、放課後、言ったことだけを書こう。

「先生が、一人一人によく対応している。子どもの夢をふくらませる感じで話しているよな。先生も楽しくて仕方ないのだろう。笑顔が絶えない。」


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この日、小学生の暴力事件が多発しているという新聞記事がありました。ああ。何とかならないものでしょうか。現場の大変さはよく分かるのですが、・・・。

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rve83253 at 06:04│Comments(0)TrackBack(0)学級経営 | 初任者指導

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