2006年09月24日

食生活の改善を4

d55dddf4.JPG 先に、小学生による校内暴力事件が増加しているという報道をとり上げて、記事にさせていただいた。

 このことについては、マスコミの論調や教育ブログのいくつかを読ませていただいたが、その原因の一つとして、日本人の、『危機に瀕した食生活』が指摘されていた。

 
 『食生活のいい加減さが、きれる子どもを生み出している。』という、そういう論調は、かなり前からあったから、別段驚くことはなかった。確かにそれは、理由の一つとなるだろう。

 
 そう言えば、わたしが現職最後の年、その象徴的なできごとが、我が勤務校であったっけ。


 日本中、どの公立校も、学校保健委員会なるものがあると思う。児童、教員、保護者の代表が参加する。子どもたちのすこやかな成長を願って、健康や安全、給食などについて話し合い、さまざまな取組を行う。

 あるとき、『正しい食生活』というテーマで、内科校医さんのお話をうかがう機会があった。

 お話の趣旨は、

『今、日本人の食生活が乱れている。孤食、不定期な食事時間、コンビニのお弁当しか食べない生活、カップラーメン・スナック菓子・ケーキが主食という人。好きなものしか口にしない人、そういう例は枚挙にいとまがない。
 また欧米化された食生活も、見直す必要がある。』

 そして、実にショッキングな話をされた。

「今、日本人の平均寿命は、だいたい80歳ですよね。世界でも最長寿の国と言われています。
 しかし、今の若者のかなりの部分は、50歳まで生きられないでしょう。今申し上げたように、食生活を中心に、生活が乱れに乱れているからです。
和食を中心とした食生活、規則的な生活に改善しないと長生きできないですよ。
 ということで、今、わたしは、その啓発運動にも携わっています。」

 さあ、大変だ。この話は、子どもたちも聞いていた。
 子どもたちは、パニックになってしまった。

「わたしたちは、50歳まで生きられないのだって。」
「みんな、40歳で死んじゃうのだって。」
 こういう場合、話はどんどん大げさになっていく。悪いことに、学校保健委員会は、児童代表しか出ていない。ほとんどの子は、口コミで聞いた話を言っているのだった。

 わたしは朝の打ち合わせで、教職員にお願いをした。

「話には尾ひれがついて、大変ひどいことになっています。
 校医さんは、正しい食生活を送っていれば、長生きできるともおっしゃっているのですから、間違った話が伝わっていることがわかったときは、教職員の皆さんが訂正してやってください。
 正しい食生活とは、〜。」


 さあ、ここから先は、学校保健委員会が終わって、校長室に戻った校医さんからうかがった話だ。
 

 実は、もうすでに、寿命が縮まることについて、その兆しが沖縄県に現れている。

 南国で、伝統的な沖縄料理もある沖縄県は、これまで長い間、平均寿命日本一を誇ってきた。しかし、女子はまだ日本一だが、男子は急激に下がり、都道府県別で何と、26位になってしまった。

 平均寿命を食生活だけで論ずることはできないだろうが、沖縄の場合は、はっきりしている。

1.今でもお年寄りの平均寿命は、これまでどおりの長寿を保っているのだ。低下の原因は、ひとえに中年層とそれより下の世代の欧米化した食生活にある。

2.沖縄県は米軍基地が多く、その影響で、食生活の欧米化が、日本全体より早く進んだ。

 だから、沖縄で今見られる現象は、近い将来、日本全体の傾向として見られるようになるだろう。
 
 さあ、大変だ。

 日本の伝統食は、健康的な生活や最長寿を支えてきた。
 規則的で正しい食生活も、大切だ。

 早く食生活を見直し、改善を図らないと、日本の平均寿命は、これからどんどん短くなっていくだろう。

 わたしは、先に、心の二極化という記事を書いた。それが食生活の二極化とかかわっているのか、さらに、食生活が改善されれば、きれる子どもは減って、校内暴力も減るのか。それは分からない。

 そこまでは分からないが、家庭科、生活科、総合的な学習の時間、給食の時間などを中心に、こうしたことを見据えた教育も、しっかりおし進めていく必要はあるだろう。

 なお、わたしが勤務した学校のなかには、給食を通して、食生活の改善に取り組んだ実践もあった。

 お読みいただければ幸いである。


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 校医さんの話にかかわり、朝の打ち合わせで教職員に話したとき、50歳未満の寿命説に対し、若い女性教員から、悲鳴が上がりました。ケーキを主食とする人は身内にもいたのです。
 ものすごい勢いで、おかしな食生活が蔓延しているのではないかという、恐怖心を感じました。
 また、校医さんは、家族みんなが食卓を囲み、豊かなコミュニケーションとともに楽しく食事をすることの大切さも訴えていました。
 心したいですね。

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rve83253 at 23:37│Comments(5)TrackBack(0)自己啓発 | 学校経営

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この記事へのコメント

1. Posted by hirarin   2006年09月25日 04:36
沖縄のデータはこれからの食生活を考えていく上でとても参考になるデータだと思います。
沖縄の給食で出されるもので一番残るのは「ゴーヤ」だそうです。沖縄も欧米が運んできた油っぽい文化に染まりつつあります。
日本特有の食文化を伝承していた頃の時代と、今ではあまりにも食生活が一変してしまいました。

普段食卓に上がっている料理の中で、どれだけの材料が「日本産」なのか。
魚沼コシヒカリ作りの名人に言わせると「10%。残りの90%は外国産だ。」だそうです。
恐ろしい日本の食料事情です。
2. Posted by hirarin   2006年09月25日 04:37
朝日新聞の記事(6/9朝刊)で「朝ごはん給食」という記事が大きく取り上げられていました。
朝ごはんでさえまともに食べてこない子どもたちが増えてきた現状もあるようです。でもこれは、やりすぎですよね。
家庭での味がなくなり、日本の味さえもなくなるような気がしてなりません。

長寿王国日本を支えてきたのは間違いなく「日本の食文化」なのですから。
3. Posted by くるみ   2006年09月25日 09:03
toshi先生の実践、拝読しました。
食を通じて人がつながり心と身体を育てていらっしゃる様子に心打たれました。

子どもの食生活の乱れも
子どもの問題行動も

大人が本気になれば・・・

未来がある子ども達は、何が大切かきっと気づくはずですね。

憂うべく問題は、大人がしっかり預かって子どもと向き合いたいと思いました。

手抜きだなあと気が引けるときも、美味しくなれ、美味しくなれ、とおまじないを唱えながら、食べながらどんな話をしようかな、と思いだけは込めてごはん作ってます(笑)。
4. Posted by toshi   2006年09月25日 20:39
hirarinさん
 わたし、hirarinさんはじめ、この記事を早くお読みになった方には、お詫びしなければなりません。
 最初の記事では、日本人の乱れた食生活と欧米化した食生活が、ごちゃごちゃになっていたことは否めなかったと思います。
 そこで、最小にとどめましたが、記述を修正しました。申し訳ありません。
 この食生活の変化による危機は、まだあまり国民に知られていませんが、少子化以上に大変な事態ではないでしょうか。
 わたしたち教員も、そうした視点を持って、学校教育にあたる必要があると思います。給食指導などの役割が、ますます重要になってきていると思います。
5. Posted by toshi   2006年09月25日 20:49
くるみさん

 〜手抜きだなあと気が引けるときも、美味しくなれ、美味しくなれ、とおまじないを唱えながら、食べながらどんな話をしようかな、と思いだけは込めてごはん作ってます(笑)。〜

 いいなあと思いました。そのくらいの気楽さを持って、しかし、がんばる姿勢は持ち続けるというのが、いいのではないでしょうか。

 〜大人が本気になれば・・・未来がある子ども達は、何が大切かきっと気づくはずですね。〜

 これもその通りと思います。大人の無言の教育というのは確かにありますね。大人の生きる姿勢が、そのまま子どもの学びになっていくと思います。
 
 これは、namiママさんも、おっしゃっていましたね。
 

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