2006年10月29日

高校生がかわいそう4

570e3d3e.JPG 驚いた。

 履修していないことに驚いたのではない。文科省の言うことに驚いたのである。

 もちろん、わたし、未履修の問題があることを知っていたわけではないが、知ってしまえばさもありなんといった思いだ。『不正を教育している』わけだが、ことはそんなに単純ではない。

 公立の間での不公正は、国もマスコミも言っていて、これは分かりやすいが、公立私立間の不公正は、あまり言われていないように思う。

 前者はまじめに履修している高校と、受験準備にまい進している高校との間の不公正を指す。

 しかし、公立、私立間の不公正は、公立が学校5日制を厳格に守らされているのに対し、私立は、けっこう土曜日も授業を行っているらしいということである。

 公立・私立の間の不公正については、国は何も言わない。

 ただでさえ、教育格差と言われる公立と私立であるが、共通の土俵でないところで、大学入試を競わなければならないところから、苦渋の選択として、この未履修問題が起きたのではなかろうか。

 早急に、この不公正こそ正すべきである。

 
もう一つ。こういう問題があることを、国は今になって初めて知ったのであろうか。わたしはそうは思わない。知っていたのに黙っていたのだと思う。

 ことが表ざたになって、頬かむりできなくなって、それで、補習というような厳しい対応を迫るのは、ひどい話だなあと思う。

 不正が行われたら、すぐに、対応すべきだった。

 
 しかし、学校側もまずいのではないか。何度も書くようで恐縮だが、今は、内部告発、情報公開、開示請求の時代だ。こんな不正が、いつまでもまかり通るわけはないと思うのが当たり前だ。


 さて、解決策だが、高校生に犠牲を強いることはない。金銭のことだって、善意の第三者は救済されるではないか。当該校の教員は処分を免れないだろうが、それでいいのではないか。(国会が動いている。補習なしで済みそうかな。)



 しかし、わたしの真の思いは、こういうことではない。

 小学校教員は、小学校6年間が、真に充実した小学校生活となるよう、全力を尽くすべきである。
 中学校教員は、中学校3年間が、真に充実した中学校生活となるよう、全力を尽くすべきである。
 同様に、高校教員も、高校3年間が、真に充実した高校生活となるよう、全力を尽くすべきである。

 けっして、上の学校に行くための、準備の期間にしてはならない。そんな生活を送っていたら、大学は就職のため、就職したら出世のため、常に、『今』が犠牲にされなければならなくなる。

 子ども時代、『今』を充実させる生活を送った者が、人生も充実させることができるのだと、確信する。(ああ。何度も言うが、教員は、『いじめ』をなくすことにも全力を傾けてほしい。)


 さらにもう一言。

 Hidekiさんもかつて、わたしのブログにコメントを寄せてくださった。

   7月27日 充実した学習を    コメント34番
 

 そう。わたしもまったく同感だ。

 わたしも、娘2人の就職のとき、『もう、学歴社会は過去のものとなった。今は大卒かどうかも問わない会社が増えつつある。』それを実感した。社会は大変革しつつあるのだ。

 『有名大学病』におかされて、受験学力しか身につけなかった人間は、将来、痛いしっぺ返しを食うであろう。


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rve83253 at 01:48│Comments(7)TrackBack(0)教育観 | 教育制度・政策

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この記事へのコメント

1. Posted by tamasige   2006年10月29日 07:11
おはようございます。先生、私も問題は高校だけのものではないと思います。確かに、社会は変わっていると思います。しかし、親は不安なのです。誰かが塾へ行けば、学校も対応して欲しいと・・・次男が高校1年の時、PTA総会で土曜日の補習が要求されました。私は、せっかくの休みの意味がないと反対されました。でも、賛成者はいませんでした。
中学のほとんどを不登校で、通信制の高校を卒業した長男には学力はついていません。独学をするのも、躓いたときに指導者が居ないのは難しそうです。そして、ちゃんと職業に就けるのか今でも不安を抱えています。
2. Posted by namiママ   2006年10月29日 14:12
次への準備期間ではない学校生活。
今を充実させること。
それが許される社会にしていきたいですよね。
国民一人一人が。

「どこどこ大学出身だからこの人できる」のではなく
「この人はものを多面的に考え、そして、自ら動くことができる」

社会に出てからの評価も、「ひとくくり」ではなく「その人自身」をみるのがあたりまえになったら。
いろいろな教科を学ぶ意味が子どもにとって
明確になる…そして、実になるのではないかと思っています。
3. Posted by うさ   2006年10月30日 00:03
子どもたちに犠牲を強いることは極力避けたいと思います。
でも1つ、「受験不要科目」もしっかり(イヤでも)学習してきた子どもたちにとって、それをせずに受験科目だけを集中してやってきた子と同じ土俵での受験は不公正ではないのかと思うのです。(もちろん、それだって無駄になる学習ではなく、ものの見方、考え方を豊かにすることのできる大切な学習だったはずですが)
「今の充実の大切さ」についてとても共感します。反して子どもたちにそれこそ不要な不安・負担を与えてしまうような結果になったことをとても残念に思うと共に、大人自身が不安で結果子どもを振り回してしまう、そんな大人の社会が申し訳ない感じです。
4. Posted by toshi   2006年10月30日 03:39
tamasigeさん
 親の不安、それはよく分かります。
 特に、地方においては塾などがなく、そのためには、公立高がある程度塾の真似事のようなことをしないと、大都市に追いつけないという、そういうあせりが、学校にも保護者にもあるようですね。
 こうして未履修問題がわき上がると、保護者の不安はさらに強まると懸念されます。
 わたしをはじめ、教育ブログのいくつかが、その不安解消に少しでも役立てばと思っているのですが。
 不登校問題については、ほんとうに申し訳ないことと思っています。我が娘も保健室登校の時期があって、そのことは、3月6日『保健室登校(2)』として記事にしました。本記事のわたしの名前のところをクリックすれば、その記事が出るようにしましたので、まだお読みでなかったら、また、よろしかったら、ごらんください。
5. Posted by toshi   2006年10月30日 03:45
高校受験の大事な時期の保健室登校だったので、親としては、その点、腹をくくるしかありませんでした。けっきょくワンランクもツーランクも下げてとなりましたが、でも、長い目で見れば、それでよかったのだと、今も思っています。
 ほんとう。申し訳ない言い方になりますが、腹をくくるしかないような感じもしています。
 すみません。へんな言い方で。
6. Posted by toshi   2006年10月30日 03:53
namiママさん
《次への準備期間ではない学校生活。今を充実させること。それが許される社会にしていきたいですよね。》
 ほんとうですね。許されるというより、それが当たり前なのですけれどね。でも、現在だって、そうした学校生活を送っている人は、大勢いると思います。
 要は自覚の問題、腹をくくる問題なのかもしれません。
 
7. Posted by toshi   2006年10月30日 04:02
うささん
 公立高校間の不公正のことですね。
 それもよく分かりますが、
1.公立間の不公正に対しては、これで解消されるであろうこと。それに対し、公私立間の不公正は、今回の問題で、ますます増大するであろうと思われること。
2.今回の補習騒動は、これまでの公立校同士の不公正と比較して、はるかにひどいことになるだろうと思われること。
などから、軽くしかふれませんでした。
 でも、ほんとう。おっしゃる通りと思っています。

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