2007年01月02日

タイを訪ねて4

d7d4864f.JPG 驚いた。31日、タイから帰国したら、バンコクで連続爆発事件が起きたとのニュースを聞く。

 肝を冷やした。だって、観光旅行は、人の集まるところばかり行くのだもの。

 これは、現地のガイドさんが言っていたことである。

「日本のように島国なら、徴兵制は必要ないでしょうね。でも、ここのように、周りを政情不安な国に囲まれていると、やっぱり必要ですね。
 このタイだって例外ではないですよ。ここ、バンコクはまだいいのですが、南部はイスラム教徒が比較的多く、そのなかには、独立運動をしている者もいるのです。」

 その政情が安定しているはずのバンコクで起きたのだから、これはもう、驚くばかりだった。

 
 タイの男性は、2つの大きな役目があるのだという。
 
 一つは徴兵制。2年間の兵役につくのだそうだ。観光地でも、衛兵を務める彼等の姿は、そこかしこに見られた。

 もう一つはお坊さんになること。もっともこれは義務ではないそうだが、きついのは兵隊さんの方だとのこと。

 ガイドが言う。

「明日は出発時刻が遅いので、ホテルのそばの通りに出てみたらいかがでしょう。托鉢をしているお坊さんの姿が見られると思います。」

 それで、翌朝、町へ出てみた。早朝7時なのに、ものすごい雑踏で、まずそれに驚く。歩道車道の区別もないところへ、人と車とバイクが所せましと行き交う。
 妻が言う。
「よく、交通事故が起きないわね。」
 わたしも、なれないうちは、危ないめに何度かあった。

 車も多いし、人も多い。
 それなのに、歩行者は、信号や横断歩道にかまわず、車の間を縫うように横断する。
 わたしたちも、それにならった。3日目くらいになると、何のちゅうちょもなく、平気でそうしていた。


 托鉢のお坊さんは、ほんとうにあちらこちらで見られた。皆、素足だ。托鉢については、ガイドさんの話の通りだと、あらためて感心する。

 こういう話だった。

「托鉢ですが、あれは、自分の食べたいものをもらっているのではないのですよ。お坊さんに向かって両手をあわせている人がいると、その人のところでもらうのです。 いただけるものを、いただけるだけいただくのですから、ぜいたくなどはできないですよ。市民は修行中のお坊さんに対しては、特別な敬意をはらっているのです。」

 タイは仏教国。
 観光地といっても、ほとんどはお寺と仏像の見学だった。この点は、東南アジアは皆共通か。同じ仏教国とは言え、日本のそれとは根本的に違う。日本はやはり、基本的には無宗教国家だよね。

 むかし、香港や台湾へ行ったときも、仏様に最大の敬意を払っているところを見たが、ここもそれと同様だった。

 最大の敬意と言えば、仏様だけではなかった。国王に対しても同様だ。町のあちらこちらに、国王の肖像画というか写真というか、大きく掲げられている。わたしたちが訪れる観光施設にしても同様だ。それが、どうも、日本の戦前のご真影とか、北朝鮮の金正日とかとは、根本的に意味が違うようなのだ。

 国民が国王を慕っているように見える。

 国民が国王に贈ったとされるものがたくさんある。また、国会議事堂前の、以前の国王の騎馬像でも、若い女性が、ひざまずき、地にひれ伏して拝んでいる姿が見られた。こういう姿が引きを切らないそうだ。
 
 どうも、国王の存在は特別なよう。それで、ガイドさんに聞いてみた。
「そうです。この国王像に拝むと、願い事がすべて叶うと言われているので、いつも誰かしら、あのようにして拝んでいます。
 国王は、天国からこられた天使さまなのです。だから、特別な存在です。国王を大切に思うのは、それが国の格式を示すと思われているからです。」

 そう言えば、今回の旅行のパンフレットにも、『天使の都・バンコク』とあったっけ。

 
 最後ではないが、どうしても言いたいこと。

 食事は、タイ料理と並んで中華料理が多かった。そして、タイ米のチャーハンはとてもおいしかった。

 いただきながら、わたしは、かつて日本が米不足だったときのことを思い出した。平成6年、米を緊急輸入したときのことだ。

 そのとき、わたしは、日本人の勝手さに憤慨したのだった。

 日本の事情によって、緊急に輸入したのではないか。タイは積極的に協力してくれた。あのとき、日本の緊急輸入によって、タイの米価は高騰したという。少なからず庶民を苦しめたのだ。それなのに、『まずい。まずい。』の大合唱だった。

 わたしはこのときのことをガイドさんに話し、詫びた。ガイドさんは、黙ってほほえんでいた。

 
 わたしには一つ、不可解なことがある。こんな敬虔な仏教国なのに、盗難事件は多いそうだ。ホテルの部屋の貴重品預かりも安心できないのだという。

 かつて、『貧しい者が、もてる者から物を取ることについては、罪悪感がないのだ。』と聞いたことがあるが、そういうことなのだろうか。
 このことについては、ガイドさんに聞くことができなかった。


 とにかくずっと暑かった。ただし、朝は気持ちよかった。

 日本に着いたら、薄着だったせいもあるが、冷凍庫に入ったような感じがした。


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 もう一つありました。
 自由時間、妻は買い物をしていましたが、わたしは、巨大な野外の休憩所で、読書をしていました。
 いきなり、大音響の音楽がなり、びっくりしましたが、そのまま読書を続けていました。
 気づくと、それまで飲食していた人が、みんな起立しているではありませんか。あわててわたしも起立しました。
 あれは、何だったのでしょう。国歌の演奏だったのでしょうか。ちょうど夕方の6時でした。

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rve83253 at 23:50│Comments(4)TrackBack(0)エッセイ 

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この記事へのコメント

1. Posted by hirarin   2007年01月03日 04:50
toshi先生、あけましておめでとうございます。

タイのテロ事件。本当に危なかったですね。
「東南アジアで一番安全な国」と言われるタイでもこのようなことが起きるのですから、本当に恐いものです。
日本は確かに外国から見たら「平和すぎる」かもしれませんね。
「平和で豊か」と外国から思われているのに、どうしてもそうは思われない昨今の情勢。うーん。
今年こそいい年であることを願いたいです。日本の教育界にとっても。

新年もよろしくお願いします。
2. Posted by toshi   2007年01月03日 10:58
hirarinさん
 わたしこそ、今年もよろしくお願いします。
 観光客の中には、欧米人も多かったです。日本の観光地へ行っても、あんなにはいませんね。どうしてなのだろうと、思いました。日本の物価が高いからなのかな。
 まさか、彼らをねらったわけでもないでしょうがね。
 そう。タイは、クーデターがあったとはいえ、やはり安全な国と言われているのですよね。
 わずか4日間の滞在でしたが、かなり現地の文化、習慣になじんでしまう自分に気づきます。
 そうして日本をみると、確かに、豊かだし、平和ですよね。向こうは、町に軍人の軍服姿がふつうに見られますからね。
 日本は日本でありたい。しかし、それは、他を知った上での理解でありたいですよね。唯我独尊ではね。
3. Posted by つぼみ   2007年01月06日 05:43
toshi先生、本年もよろしくお願いいたします。
子どもたちがまだあまり忙しくなかったときに
韓国やシンガポールなど、アジアの国を旅しました。
タイにもぜひ行きたいと思っていたのですが、テロなどで治安に不安を感じるようになって、その後思い切れずにいます。爆破事件には驚きましたね。ご無事で、実り多い旅をなされたこと、お喜び申し上げます。
 お正月、日本の文化のようなものに思いをはせていたときでしたので、それぞれの国の文化、事情・・、とても興味深く拝読いたしました。兵役、托鉢、そして国王。守りと祈り。・・・タイの息づかいを感じに行きたくなりました。ありがとうございました。
4. Posted by toshi   2007年01月06日 12:13
つぼみさん
 こちらこそ、よろしくお願いします。
 帰ってきた直後だっただけに、人事ではなく感じました。
 東南アジア共通と思いますが、庶民は生活への熱気のようなものがありますね。活気があります。決して豊かではないし、格差社会でもあると思うのですが、それぞれが自分の生活を楽しんでいる感じです。学ぶべき点が多々あると思いました。
 でも、日本のよさも認識しましたよ。水のこと。安全にかかわることなど。
 外国へ行くと、その雰囲気にすぐ染まる自分が不思議です。また、行きたくなりました。今度はどこへ行こうかな。
 

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