2007年01月12日

育つ初任者(8)4

cd3ba4ff.JPG 初任者指導も大詰めを迎えた。1月からは、仕上げの時期。4月からの一本立ちを願い、これからは、手をかけずに、見守ることを中心としていきたい。

 A先生から年賀状が届いた。『〜。今年は、自分というものをもっと出して、やっていきたいと思います。ご指導、よろしくお願いします。』とあった。

 『あら。あら。自分を出しちゃうの。それはちょっとまずいよ。』そう思った。

 『自分というもの』が、『子どもを第一』に考える自分だったり、『子どもの思いをくみ取ろう。』とする自分だったりするのならいいのだが、『子どもとはこうあるべき。』『○年生なら、当然このくらいは、〜。』と思う自分を出すのなら、それはまずい。

 よし。顔を合わせたらそれを言おうと思って、出勤した。


 そうしたら、なんと、すばらしいことがあった。

 担任は、一週間の授業の計画を毎週作成し、それを校長に提出するが、初任者には、わたしにも提出してもらっている。
 その欄外に、『〜。今年はもっと素直な気持ちで、子どもと接していきたいと思います。子どもがおもしろみを感じ、深まりのある授業ができるよう、工夫していきたいと思います。』と書いてあった。

 わたしは、それを見て、おかしくなった。『なんと、これならすばらしいではないか。年賀状に書いてあったこととは、180゜違うぞ。』初めはそう思った。それで、それを口に出した。

 A先生は黙って笑っていたが、

 「そうか。ごめん。ごめん。今年はもっと素直になるぞ。子どもの思いを大切にするぞ。そう思った自分を大切にしていきたいということだな。いやあ。それなら、すばらしい。そう考えれば、180゜違うどころか、全く違わない。0゜だ。」

 そう言ってたたえた。

 わたしがA先生の教室に入ったのは、始まって2日目。でも、教室の雰囲気がとてもよかった。恒例の朝読書をやっているのを見たが、全員がまったく物静か。読書に集中していた。しかも、漫画など読んでいる子は一人もいない。
 恐れ入ったのは、理科の指導書を読んでいる子がいたこと。実験の解説が書いてあるところを、ほんとうに真剣に読んでいた。

 後で言う。
「驚いたよ。指導書を読んでいる子がいたではないか。」
「ええ。子どもに読みたいと言われて、どうしたものかなあとも思ったのですが、懇願するものですから、貸してしまいました。あれで、よかったでしょうか。」
「ああ、そういうことか。まあ、ふつうは見せないだろうけれど、子どもが要求したのなら、いいのではないかな。・・・。しかし、すごいな。4年生では読めない漢字もたくさんあるのだろうにな。」
 あらためて、すごい子どもがいるものだと感心。・・・。でも、まあ、ほんとうはまずいよね。

 朝の会が始まって、『ああ。これはいい。』と思った。
A先生が、にこにこにこにこして、子どもに接しているのだ。この子どもとふれあうのが楽しくて仕方ないといった感じに見えた。これまでは自分にこだわる面があったから、ふっきれたのかな。

 あとで、指導の時間にそのことを言ったら、本人も気づいていたようだった。
「ええ。なんか、子どものことをもっとよく知ろうと思ったら、自然に楽しい気分になってきました。」「そうか。ああ。それはよかった。なんか、給食中も、これまでにないほど、楽しそうによく話していたじゃないか。子どももよかったけれど、先生が一番変わったのではないかな。」
「そうですか。そう見えましたか。まいったなあ。」
 もう、二人で大笑いだ。

 最後に言った。
「わたしのブログに、以前、『教員の表情も大切ですよ。』という記事を載せたけれど、そのとき、七星来人先生から、『表情が大切という意味では、女性の方が有利かもしれません。』て、書いてあっただろう。わたしもそう思った。現に、B先生(A先生と同一校のもう一人の女性の初任者)は、前からとても表情豊かに子どもに接している。でも、先生ももうそん色ないと言えるよ。」

 自己変革。それは変革しようとしている本人にとっては、なかなか大変なことだ。でも、変わってみると、なんだ。『こんな簡単なことだったか。』と思えるものだ。

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rve83253 at 00:00│Comments(3)TrackBack(0)学級経営 | 初任者指導

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この記事へのコメント

1. Posted by くるみ   2007年01月12日 14:18
toshi先生、ご無沙汰しております。
久々にお邪魔いたします。

初任者の先生のお話、息子の担任の先生と重ねて
読ませていただきました。

自然な笑顔
先生も余計な力が抜けたのですね。

謙虚に
ひたむきに
そして、ちょっぴり頑固?
男性ならではの照れ・・・??

など共通するものがありました。

私は保護者としてひたすら先生のご方針を
理解し、息子にも伝え、できないときは、
がんがん直球をぶつけて参りました。

toshi先生のように
しなやかに
やわらかに
というのは難しかったようですが、
男性らしく
がっちりと
力強く
受け止めて下さいました。

男性の先生の良さと素晴らしさに出会いました。

ご報告申し上げます。

2. Posted by toshi   2007年01月13日 08:17
くるみさん
 お久しぶりです。くるみさんが、若い先生を受け入れ、好意的に見てくださり、ともに成長しようとするお気持ちでいらっしゃること、ほんとうにありがたく思います。
 昨日も別な初任者とですが、思い出話となりました。
 「以前は話し方が一本調子、無表情で、そのために、子どもが騒がしくなることもあったが、最近は、ほんとうに表情豊かで、先生の感動が伝わることも多く、だから、子どもがとってもいきいきとしているよね。」
と言いましたら、
「あのころは、何を言うにも、考えながら言っている感じでした。今はもう、考えなくても、自然に話せるようになりました。」
とのこと。
「そうか。あのころは、緊張していたのかと思っていたよ。」
3. Posted by toshi   2007年01月13日 08:21
むかしは、何が何でも男の先生を希望するという機運がありました。たまに、「うちの子はまだ低学年ですから、女の先生の方が、いいですね。」という声があったくらいです。でも、近年、そういう声はほんとうに聞かなくなりました。
 先生にしても、男女、それぞれの持ち味があるようですね。
 それを自然体で受け止めてくださることに、感謝しています。ほんとうにありがとうございます。

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