2007年02月12日

人権教育(10) わけるの、わけないの。4

b69b11aa.JPG 今、このシリーズでは、両性のもろもろの問題をとり上げている。

 そのなかで、『分けてはいけないものばかりではないですね。分けなければいけないものもありますね。』というコメントをいただいた。

 その通りだ。たとえば、
 分けなければいけないものの例だが、出席簿は男女混合にしても、保健簿となると話は別だ。また、中学年以上の着替も同様だろう。


 しかし、運動面となるとどうだろう。これがけっこう悩ましいのだ。


 たとえば、運動会の徒競走。

 つい10年くらい前までは、男女別に走るのがふつうだった。それが最近、我が地域では、男女一緒に走るのがふつうとなった。初期は、低学年だけそうしたが、今では、全学年でとり入れている。


 ご承知かとも思うが、小学校高学年の時期は、身長・体重など、女子の平均が男子を上回る。

 そこで、運動能力はどうなるか。勤務校の体育主任に聞いたが、
「100メートル走の記録をとると、男子が上位を占める年もありますが、そうではなく、男女が入り混じる年もあります。だから、男女一緒に走るのはいいと思いますよ。この時期だけでしょう。男女で走っても、いい勝負になるのは。」


 ところが、男女一緒をとり入れたとき、保護者からクレームがついたことがあった。

「なんで、わざわざ男女一緒に走らせるのですか。うちの息子は、女の子と走らされて、びりになるという恥をかかせられました。男子のなかでびりなら仕方ないと思いますが、わざわざ女の子と走らせてのそれでは、なっとくできません。」

 これは、これは、まずは説明不足を詫びた。
 その上で、保護者、地域の皆さんに、納得してもらえるよう、努力を開始した。

 おもしろいと言っては申し訳ないが、あとで、『わざわざ』という言葉の使い方が逆になっていることに気づいた。
『男女の能力に差がないと思えるこの時期まで、わざわざ男女を分けるのは、男子は、女子はという意識を養ってしまうことになる。だから、格段に分ける必要性があるとき以外は、努めて分けないでやるのが教育的だと思う。』
そのようなことを話し、理解してもらえるように努めた。

 先のクレームも、『男子の運動能力は女子のそれを上回る。』という固定観念にとらわれていると感じられる。


 今、我が地域においては、そのようなクレームはつかないだろう。男女混合の徒競走は常識となった。とりもなおさず、それは、保護者の意識改革に役立ったと思う。

 ところで、先に悩ましいと書いた。常に能力差がないとなれば、それほどのことはないだろうが、やはり、男子が上位に並ぶ年もあるのだ。
 これ、全国的にはどうなっているのだろう。そんな統計はないから、ちょっと分からない。


 まあ、いろいろあるにしても、徒競走だと、それでいい。
 しかし、同じ運動会種目でも、騎馬戦となると話は別だろう。これは、子どもの心、感情を考えると、男女一緒というわけにはいかないのではないか。


 以上、分けるべき場合と、分けてはいけない場合とを述べた。


 しかし、それ以上に大切なことがある。

 上記のことをやるにしても、それを、機械的、形式的に扱ってはならないということだ。分けるにしろ、分けないにしろ、一人ひとりの子どもの思い、感情を大切にしなければいけない。

 すでに、ご指摘いただいたのだが《人権教育(9)両性の違いは? コメント3番》、
『リカちゃん人形で遊びたかった男の子のつらさ、スカートをはきたくなかった女の子のつらさ』といったものを、公教育で味わわせてはいけない。それはやはり固定観念による差別につながると思う。


 『分ける、分けてはいけない』問題と、『固定観念にとらわれてはいけない』問題と、どちらもかつて記事にしたことがあった。今、リンクするので、それも、ご覧いただけたらと思う。
 ただし、前者は、ちょっと記事のテーマが、今日の記事とは異なるので、その点、ご了承いただきたい。

    4月 3日  健全な競争心
    1月25日  人権教育(5)国際理解教育
   
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 両性の問題ではありませんが、最近、我が地域では、徒競走、所作走(障害走)、リレーの三種目から、子どもがどれか一種目を選ぶ方式をとり入れるようになりました。
 これがまた、一部、物議をかもしています。
 子どもだけでなく、保護者、地域の声をうかがうとともに、なぜそうしたいのかの説明責任を果たす必要がありますね。

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rve83253 at 14:46│Comments(0)TrackBack(0)人権教育 | 学校経営

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