2007年02月24日

子どもは管理職の名前を知らないか。(2)4

ecf3030f.JPG どうだろう。読者の皆さんは、ご自分の子ども時代の校長先生の名前を覚えていらっしゃるだろうか。思い出せない方が大部分かな。


 あるとき、一人の先輩校長が、言った。
「校長なんて、つまらないね。どんなにがんばっても、子どもが成長すれば、校長のことなんか、記憶にもないだろうからね。担任のことは覚えているだろうけれど。」

 それで、わたしは言った。
「そんなことはないですよ。わたしは、自分が子どもだったころの校長先生の名前は、ちゃんと覚えていますよ。1年生から3年生までが、A校長先生。4年生から6年生までが、B校長先生。お二人とも、もうだいぶ前に、他界されましたけれどね。」
「へえ。すごい。覚えているのだ。・・・。しかもお亡くなりになったことまで。・・・。どうして覚えているの。」
「どうしてって言われても、こまっちゃうけれど。・・・。覚えているのですよね。・・・。だって、通信票には、校長名もあるではないですか。」
「それはそうだけれど、ふつうは、忘れちゃうわよ。」
「そうですかねえ。やっぱり印象に残ることがあったからかもしれません。『いつもにこにこしてくれた。』とか、『気さくに声をかけてくれた。』とか、その程度のことですけれどね。・・・。C校長先生(先輩校長のこと)は、大丈夫ですよ。子どもといつも心でつながっていますから、絶対忘れないでしょう。」
「そうかあ。覚えていてくれるのだ。ようし。分かった。じゃあ、また、明日っから、がんばろう。」

 そう。そう。この先輩校長は、このとき、数ヵ月後に退職を控えているのだった。


 話は変わるが、1年生は、今も、多くの学校で、学校探検をやっているのかな。

 わたしの勤務校では、グループを作り、グループごとに、校長室にもやってきた。

 あるときの、あるグループが楽しかった。

「校長先生。何で、校長室に、冷蔵庫があるの。」
「お客さんがいらしたとき、冷たいものをお出しするためだよ。」

「ふうん。・・・。じゃあ、このなかにはお金が入っているの。」
「いや。お金は入っていない。重要な書類だな。」
「へえ。だって、金庫でしょう。これ。」
「金庫だけれどね。お金は入れちゃあいけないことになっているのだよ。」
「変なの。なぜ。」
「そうだなあ。悪い人が夜入ってきて、お金を取っていくとこまるからね。」
「ええっ。金庫って、お金を取られないためにあるんじゃん。」
確かにそうだ。大正解だね。学校がおかしいのかな。

 ところで、そう言って、ダイヤルを回そうとするから、
「ああ。だめ。だめ。そこを回すと、教頭先生がまた合わせるのが大変になっちゃう。」
あわてて制止した。


 また、別なグループは、歴代学校長の写真を見て、
「これ、誰。」
「この写真か。これはね。これまでの、この学校の校長先生の写真だよ。」
「ふうん。toshi校長先生の前の校長先生か。」
「そう。この校長先生がね、わたしの前の校長先生だ。」
「そうか。じゃあ、みんな死んじゃったんだ。」
「えっ。ええっ。」

 しばらくして分かった。この子には、『額縁に入った顔写真は、亡くなった人』という知識があったのだ。

 それで、その知識を修正してやった。

 それにしても、このような写真はなくていいのだけれどね。でも、自分の代でなくす勇気もなく、わたしも今は掲示されている。なかには、亡くなった人と思っている子もいることだろう。

 上記やり取りのあと、すべての校長先生の名前を教えてやったが、まあ、覚えてはいないだろうな。


 このわたしは、もちろん覚えてくれている。まだ、去って2年目だものね。ときどき訪ねると、「うわあ。toshi校長先生だ。」そう言って迎えてくれる。

子どもたちの成長は早い。大人びたその風貌に驚くばかりだ。

 もうすぐ卒業式。また、訪ねるのが楽しみだ。
 

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自分が子どもだったころ、いえ、初任者のころでも、校長先生はすごいおじいさんという思いがありました。
今、自分は、まだまだ若いつもりです。若いつもりでいますが、子どもや、初任者はどう見ているのでしょうか。今度聞いてみようかな。

それでは、若いつもりのわたしに、今日も、清き一クリックを、よろしくお願いします。


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rve83253 at 10:01│Comments(4)TrackBack(0)子どもと管理職と | 生活科指導

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この記事へのコメント

1. Posted by きゃる   2007年02月26日 20:36
私は、管理職ではありませんが、
受け持ち学級以外のクラス・学年の子どもや親さんから
名前で呼ばれると嬉しくなります。
だから、名前を覚えてもらうために名札を活用し、
あいさつのときも、「○年担任の○○です、おはようございます。」と
名乗るようにしています。
2. Posted by toshi   2007年02月27日 00:09
きゃるさん
 わたしも今は、当然ですが、名前で呼ばれています。はじめはとてもなつかしく、心地よく感じました。
 そう言えば、名札もつけています。しかし、不審者対策用のもので、今考えると、一年生は読めないですね。大きく振り仮名をつけるか、思い切ってひらがなにする必要がありますね。
3. Posted by Saibikan   2007年02月28日 06:12
小学校の時の校長先生は二人覚えています。
両極端でした。ててもやさしい先生と、ものすごくおっそろしい先生。顔も今でもすぐ思い浮かぶし、名前もハラダ先生とオニツカ先生と忘れません。ただもう一人、高学年の時の校長先生、なぜか顔も名前も思い出さない・・・。子どもの心に残るのは、どちらにしろ、強い個性かな?

今自分は担任でないですが(専科)、1年生教室に行くとフルネームで呼ばれます。最初は恥ずかしい感じがしましたが、なぜか今は実に心地よい。もちろん名札はつけています。ふりがなつき。しかも我が校はマスコットキャラクターのイラスト付き。
4. Posted by toshi   2007年03月01日 05:35
Saibikanさん
《とてもやさしい先生と、ものすごくおっそろしい先生》
 なるほど。そういう理由で覚えているということもあるのですね。おっしゃる通り、強い個性がそうさせるのですね。
 Saibikanさんは、学級担任ではないようですが、子どもの記憶に残る先生というのは、担任か否かではないのですね。
《マスコットキャラクターのイラスト付き》
 これはいい。なるほど。1年生がフルネームで呼ぶわけです。単なる不審者対策ではないのですね。すばらしい。自分の学校でも、提案してみようかな。ありがとうございました。
 

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