2007年03月24日

卒業式シーズンに3

36c3c957.JPG
先日は、母校(?)の卒業式にお邪魔したことを記事にした。自分の感慨中心だったので、特に国旗、国歌の問題にはふれなかった。しかし、今の時代、このことは、とくに注視される状況があるので、今日は、このことに焦点を当てて述べてみたい。

 先日の、我が母校(?)でも、国旗は掲げられていたし、国歌は、子どもも含め、全員が歌っていた。それらは、ごくふつうの、式の流れのなかの一場面に過ぎなかった。

 そもそも、我が地域は、ほぼ、100パーセントの教員が組合員だった(今は少し落ちている。)が、卒業式などの折、日の丸は大部分の学校で掲げてきたし、君が代も歌ってきた。わたしが勤務した学校でも、一校を除けば、すべてそうだった。

 国旗、国歌の法制化以前からだったから、これは、教職員の自発的・自主的意志によって、そうしてきたと言えよう。

 それは、わたしが思うに、やはり、国際理解教育の一環だったと思う。国旗、国歌に対する態度が養われないまま世界に雄飛する日本人が形成されれば、それは国際協調の上からも、まずいことになりはしないかという懸念があったからだろう。

 なお、念のため申し上げるが、戦前の日本の中国への侵略等については、6年生の社会科で、正しく扱ったつもりだ。


 わたしの校長時代、A校においても、日の丸の掲揚、君が代斉唱を行っていたが、それに反対する教職員が一人だけいた。今、Bさんとしよう。

Bさんは、職員会議の折、必ず反対意見を述べた。最後の年には、次のようなやり取りもあった。
「校長さん。わたし一人が反対したところで、どうなるものでもないとは思うけれど、一応、言うだけは言わせてくださいよ。」
「そりゃあ、かまいませんよ。これまで通り、どうぞ。」

一応、一事不再議の原則はあるが、わたしは、これを、通過儀礼のように受け止めていた。


 しかし、あるとき、それではすまない事態が出来した。

Bさんが、
「いつも皆さんは黙ってわたしの話を聞いているが、意見を言わないのはよくない。それぞれが賛成か反対か、意思表明をすべきだ。」

 そこで、わたしは言った。
「いや。その方がよくない。賛否を表明するもしないも、個人の自由意思なはずだ。強制して言わせるものではないだろう。それでは民主主義に反する。」


 それでも、Bさんの発言に促されたか、数人が意見を表明した。そのなかのCさんの発言が忘れられない。

「わたしの気持ちは、賛否を言いたくないということです。どちらかと言えば反対なのですけれど、わたしは、その反対の気持ちを今、言いたくないのです。

 なぜ言いたくないかをお話したいと思います。

わたしは、このA小学校に着任する前は、ここからは遠いD県の小学校に勤務していました。そこでは、ことごとに校長と教職員が対立していました。やれ、誰は校長派だとか、誰々は、組合派だとか言って、職場はとてもぎすぎすして、暗い雰囲気でした。

 今、このA小学校は、校長先生を中心として、とてもまとまった学校です。このまとまった雰囲気が、わたしは大好きです。その雰囲気を、いつまでも大事にしたいのです。
今、ここで、全教職員が、自分の意見を表明するということは、強制されて言うことになります。せめて言う、言わない、の自由は認めてほしいと思います。そうでないと、わたしが以前いたD県の小学校のように、一人ひとりの教職員にレッテルを貼るようになってしまわないかと、それを恐れます。

 教職員のまとまりは、教育効果もあげていると思います。一致して、共通の目標に向かっているからだと思います。
だから、子どもたちは、もうすぐ卒業しますが、わたしは自分のクラスの子どもたちに、『君が代も日の丸も反対だよ。』という気持ちを話そうとは思いません。
子どもたちは、これまでも、自主的、主体的に学んできました。ですから、この問題も、子どもたちの主体性にゆだねようと思います。」

 これらの意見を受けるかたちで、わたしは最終的な決断を下し、教職員にお願いをした。まあ、お願いと言っても、実質はそれで決定なのだけれどね。


 わたしは、このCさんの発言に感謝した。

 そうだ。子どもたちとわたしたちにとって最重要なのは、日ごろの教育実践なのだもの。それを犠牲にしてはならない。


 この会議の翌年に、国旗・国歌の法制化がなった。わたしも、当然、これからは、国旗、国歌という呼称になると思った。


 そんな折、Cさんらからの申し入れがあった。
「校長先生。今度は、わたしたちのお願いなのですが、これまで通り、日の丸は掲げ、君が代は指導します。でも、法制化がなったとは言え、すぐ、国旗、国歌としてしまうのには、どうしても抵抗を覚えるのです。どうか、これまで通り、式次第は、『君が代斉唱』としていただけないでしょうか。」

 わたしは、快くそれを了承した。ただし、『わたしが校長である間は、』と条件をつけさせてもらった。


にほんブログ村 教育ブログへ


 Bさん、Cさんとは、今も、年賀状をやり取りする仲になっています。やはりなつかしいですね。

 なお、昨年暮れ、妻とタイへ旅行した際、はっきりとはしないのですが、国歌への思いを再確認させられる場面に出会いました。よろしければごらんください。

    1月2日  タイを訪ねて   (『教育ブログ』のバナーの下です。)

それでは、今日も、一クリック、お願いできますか。


人気blog ランキングへ
 

こちらも、どうぞ、よろしく。



rve83253 at 08:29│Comments(0)TrackBack(0)学校行事 | 学校経営

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字