2007年04月10日

学校だよりへの想い(3) 地域・保護者との風っ通しをよくするために4

f0811141.JPG  前号『学校、担任批判を子どもの前ですることは、〜。』の記事で、わたしは、入学式後、保護者に、『学校や担任のやることに、不満、不信の念や疑問などを抱かれることもあろうかと思います。そのような場合は、率直に学校へその声をお寄せください。学校は相談にのったり、疑問の声に応えたりすることにやぶさかではありません。』と話したことを述べた。

 しかし、『率直に声をお寄せください。』といくら口で言ったって、『敷居が高い。』と、地域・保護者に思わせていたのではダメだ。気軽に声を寄せてもらえる雰囲気づくりに努めなければいけない。
 風っ通しをよくすることが必要だ。そうすることが、学校を盛り上げることにつながる。また、必然的に、子どもの前で、学校、担任への不満や不信感を口にすることをなくすことにもなる。

 その一つとして、わたしは、すでに、何度も記事にしているが、地域・保護者の声に対しては率直に耳を傾け、できることは採り入れるし、できないことはなぜできないのかの説明をさせていただくという姿勢で、学校経営に臨んできた。(学校評議員制に関する記事にリンク)『言っても無駄。』という機運の一掃に努めたのである。

 また、雰囲気づくりだけではダメだ。気軽に声を寄せてもらえるよう、手だても講じなければいけない。

 ふつうは、連絡帳とか、電話とか、校長(担任)を訪ねるとか、そういうことになるだろう。

 わたしは、それに加え、着任早々ではなかったが、学校だよりに、わたし個人のメールアドレスを公開することにした。それにより、毎月、10〜20通のメールが寄せられたのである。
 当初、思った。メールはいい。通常の連絡帳、電話よりは、気軽に声を寄せてくれると思えた。

 大部分が実名での投稿だった。そして、学校経営等に関し、好意的に見てくださっているのがよく分かった。ありがたかった。ごく少数、担任批判もないわけではなかったが、それは、すべて誤解がもとになっていた。それについては、後でふれる。

 あるときは、お寄せいただいたメールを学校だよりに掲載した。今日は、そのたよりを掲載することにする。



  メールに感謝

 今年度、メールアドレスを公開しました。これまで、20通を超えるメールをいただきました。その一つ一つに感謝申し上げます。そこで、今回は、わずか4通ではありますが、お寄せいただいた方々のご了解を得て、ここに紹介させていただきます。


 「いつも、A小学校の学校だよりを読ませていただいています。とてもおもしろく、A小の様子が、手に取るように伝わってきます。一年生の元気はつらつなことや、上級生の温かさがわかりました。

 今、ぼくは高校生です。〜。自分の身の回りを見ると、確かに荒れているのかもしれません。同じ年代でも将来が不安になります。
でも、A小のことを見ていると、ほのぼのとして癒される部分があるのです。自分にもこんな時代があったのかと思うと不思議に感じます。

 それにしても、A小の子どもは気持ちのよい子ばかりですね。A小に入ってほんとうによかったと思っていることでしょう。また、この学校だよりを町内会の回覧板に入れていただけることにも感謝しています。これからもぜひ続けてください。

 ちなみに、ぼくは、A小の卒業生です。担任だったB先生にも、元気でバリバリやっていると伝えていただけると、ありがたいです。」


「わたしは、A町に住んでいるものです。〜。今日メールしたのは、学校のフェンスの下の花がとてもきれいに咲いているので、『いいな。』という気持ちを伝えるためです。
 今までも、どなたかが気にかけて手を入れていらっしゃいましたが、丈が大き過ぎたりまばらだったり手入れが続かなかったりで、努力のわりにはあまりきれいに思いませんでした。

 (でも、最近は)きれいなせいか、犬も、犬を散歩させている人も遠慮してか、糞が少なくなりました。きれいだとよごれない、よごさないのは、どこでも誰でも同じようですね。
 校長先生のご健康とご活躍をお祈りしています。」


「初めてメール差し上げます。お嬢様のご結婚、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。〜。

 『A小にお世話になることができてよかった。』と思うこと、しばしばです。学校だよりも魅力の一つで、毎月とても楽しみにしています。子どもたちへのまなざしの温かさが感じさせられ、ホッとするひと時です。
 
 そして、今月号。ますますファンになってしまいました。ぜひこれからも、ときどき、『私事』お願いします。」


「〜。お嬢様も新生活、落ち着かれたころでしょうか。主人など、校長先生のお嬢様の結婚のくだり、いつの日か来る自分を思ってか涙ぐむ始末でしたが、わたしも、以前の『くじらぐも』の話に胸が熱くなりました。

 子どもたちも反抗期に入り、子育てのむずかしさをひしひしと感じる今日この頃ですが、A小の学校だよりにはいつも励まされる思いがします。

 自分はというと、仕事や趣味に追われ、ちょっぴり手抜きの母ではありますが、そんな姿を反省させられることもしばしばです。これからもよろしくお願いします。」


 フェンスの下の花は、多年PTAの方々のご尽力によるものです。わたしからも、PTAの皆さんにお礼申し上げます。ありがとうございました。

                                                      
                 学校だより記載の文は以上。




 こういう内容が、いただいたメールの大部分だった。いただいたわたしまで、ほのぼのとした心和む気分になった。


 しかし、なかには、冒頭書いた、担任批判のメールもないわけではなかった。
 
『担任に伝えて、指導してほしい。』というものは、三回届いた。

 しかし、三回とも、保護者の誤解だった。子どもの言うことをそのまま受け取り、カッとする思いで、パソコンに向かってしまったようだった。なかには土下座して謝罪する保護者もいて、こちらの方が、『まあ。まあ。そんなになさらなくても、〜。』と促し、すぐお立ちいただいた。

 こうした経過を見て、そのときは、個人のメールアドレスを公開するのも考えものだなと思った。

 連絡帳なら、少し冷静になる時間がとれる。電話なら相手と話すわけだから、誤解が解ける可能性が強まる。しかし、メールだと、わが子から聞いた話そのままに、冷静さを欠いたまま送信してしまうので、こういうことになりやすいのかなと、そう思ったのである。

 でも、今、こうして、『我が子の前で学校、担任への不満、不信を口にしてしまうこと』の流れのなかでふり返ると、少なくともそれを防ぐ効果はあったかもしれないと、そう思うようになった。


 また、上記リンク先の記事(学校評議員制に関する記事)に書いた

「最近、特に下校が乱れていませんか。子どもたちは道いっぱいに広がって歩いている。まあ、大人も悪い見本を見せてしまっているのだが、もう少し何とかならないか。危なくて見ていられず、そういう時は注意しているが、一向によくならない。」

「先日学校は、『子どもの登下校の時間以外は、子どもの安全のため、昇降口の扉を閉めます。施錠はしません。』という文書を出したが、それ以後も、よくあいていますよ。一度文書で出したら、ちゃんとしないとね。学校の信用に関わるよ。」
というたぐいのメールもあった。

 これについては、お詫びとともに、真摯に対応させてもらったことは言うまでもない。


 先の記事に、『信頼感も不信感も、日々の学校、教室での生活の中で醸成される。それがあくまで核心のはずだ。』と書いた。そして、学校だよりは、その核心を、地域、保護者に伝える役目を果たす。理解を深めてもらう役目を果たす。

 さらに言えば、学校からの一方通行ではダメだ。相互リンクならぬ、相互理解でなければならない。学校経営もひびき合いなのである。


 最後にいくつか補足を。

○上記リンク先、学校評議員制など、ふつうは、地域・保護者といっても、《各町内会代表、PTA代表、地域内の子どもに関わる公共(公的)施設代表、老人会・子ども会の代表、学校を使用して活動する各団体の代表》などを指しているケースが多いわけです。

 メールアドレスの公開は、それこそ、全住民が相手です。(あっ。パソコンが打てない人は無理か。)敷居が低ければ、すばらしい効果を挙げることでしょう。
 わたしにしても、高校生からいただけるとは、思ってもみませんでした。
 
○学校経営の核心部分について、つまり、『子どもが主人公の学校づくり』『子どもの思考力・判断力を養うことが大事(基礎・基本を含む)』などをテーマにした学校だよりも、数々あります。次にこのテーマでいくときは、これを掲載しましょう。

○本記事では、はからずも、学校だよりに私事を掲載したこと、また、学校だよりは町内会の回覧板にはさんでもらっていたことなど、その一端が見えてしまいました。そのことに関しても、将来記事にさせていただきます。

○また、メールアドレスの公開は、この場合、学校のアドレスではありません。わたし個人のアドレスでした。このことが持つ意味合いは、かなり重要ですね。

 
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 メールのなかの、『くじらぐも』の話は、学校だよりという形ではありませんが、すでに記事にしました。よろしければご覧ください。

   平成18年1月27日  教室訪問(1)

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rve83253 at 04:42│Comments(2)TrackBack(0)学校経営 | 学校だより

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この記事へのコメント

1. Posted by Hideki   2007年04月10日 20:28
こんちは
メールというのは、とても便利なコミュニケーション手段ですよね。上手く使って生きたいと思います。

> わたし個人のアドレスでした。このことが持つ意味合いは、かなり重要ですね。

ただ、一方でメールアドレスを公開するリスクも触れないといけないと思うのです。大半の人は良い人ばかりだと思う。だけど、たった一人の人間の悪意で、多大な負担を被る可能性がある。

メールアドレスを公開する時には、そんな覚悟を踏まえる必要があると思うのです。もちろん、相手(保護者)を信用しないわけじゃない。だけど、そんなリスクを全先生がとらなきゃいけない必要性は無いと思う。

確かに個人のアドレスという点が意味するものは大きいです。だけど、上記の意味も含めると、専用のアドレスを学校が用意するという視点も考える必要があると思う。

じゃないと、フリーアドレスを使う先生を一概に非難できないと思うのです。
2. Posted by toshi   2007年04月11日 22:03
Hidekiさん
 今、学校はどこもホームページを開設しているし、学校のアドレスをもっていると思います。
 Hidekiさんのおっしゃること、よく分かります。いえ。まだまだ分かっていないのかもしれません。全教員にとってのリスク、それは、想像の範囲でしかないように思います。今、こうして、ブログをやらせてもらって、感じるところはありますね。分かり合おうとしても分かり合えない部分というのは、確かにありますね。
 本音で語り合いたいという思いでの、わたし個人のアドレスでしたけれども、やはり、今は、無理なのかもしれません。
 

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