2007年04月18日

学校だよりへの想い(6)3

465b9813.JPG 今日は何の解説もまじえない。ただ、あるとき、ある学校でだした、学校だよりを紹介させてほしい。



    生きることはすばらしいこと


 あけましておめでとうございます。どちらのご家庭もすばらしい新春をお迎えのことと存じます。今年もよろしくお願いします。


 さて、本号は、私事にわたることが多くなるかと思います。お読みいただければ幸いです。


 わたしの祖母は、今年100歳になります。その祖母は、阪神淡路大震災まで元気だったのですが、震災で家財の下敷きになり、骨折してしまいました。それを境に、身体はめっきり弱くなってしまったようです。
 でも、震災を通し、多くの見知らぬ方から救いの手をさしのべられ、それには強い感謝の念をもっていました。

 祖母と伯母は震災後数ヶ月、わたしの家で過ごしました。ある日、二人を心配してかかってきた親戚からの電話に、祖母は明るく生存の喜びを語っていました。ただし、口調、表情とは裏腹に、その話の内容には、身につまされるものがありました。

「わたし、長生きし過ぎちゃったのよ。長生きし過ぎちゃったから、こんな目に遭ってしまって、みんなに迷惑をかけているのよ。」

 明るい口調に救われはしたものの、長生きすことが罪悪であるかのように語るその姿に、思わず、

「何言っているのだよ。おばあちゃん。骨折だけですんでよかったじゃないか。みんな、おばあちゃんが助かって、喜んでいるのだよ。」

そう叫んでしまいました。



 後日、この話を、ある先輩の校長に話したら、その校長、しばらくは無言でいましたが、

「いやあ。toshiさんのおばあさんの気持ち、分かる気がするなあ。みんなが被災し、苦労しているときに、まったく動けないことに当惑し、やりきれなくなってしまったのだろう。

 でも、わたしはね。おばあさんの話から、ぜんぜん違うことを思ったよ。

 そもそも、人間はみんな、たとえ震災に遭わなくても、日常生活のなかで、いつもお互いに迷惑をかけ合いながら、生きているのではないかなあ。」

 わたしはその言葉に強いショックを受けました。それまで思ってもみなかったからです。自分の抱く教育観を見直す必要に迫られたような気がしました。


 わたしたち教員は、日ごろ、『協力、思いやり、心の豊かさ』を強調して、指導に当たっています。子ども同士の人間関係がそうなることを目指し、努力しています。

 でも、逆にみればどうなるでしょう。
『そうか。生きるということは、それだけで迷惑のかけ合いなのか。それなら、そういう面も見つめた指導をするなかで、それを減らす努力をしなければいけないな。そうすれば、お互い、もっと謙虚になれるのではないか。』
そんな思いをもちました。

そして、遅ればせながら、祖母に言いました。
「おばあちゃん。迷惑をかけているなんて思うことはないよ。お互い様なのだから。
 それよりも、おばあちゃんのような高齢者が生きていることで、どれだけの被災者に生きる勇気と力を与えていることか。だから、みんなおばあちゃんに感謝していると思うよ。」

(後略)



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 今も、地震の被害にあった地域がありますね。
 被災地の皆さん、大変でしょうが、がんばってください。早期復興を祈念しています。

 人間、一人では生きていけません。お互い助け合って生きています。そこに生きがいもあるし、感謝の思いもわいてきます。

 しかし、確かに迷惑をかけ合って生きているという側面もあるのですね。それもしっかり認識し、『謙虚に生きる。』ことを目指したいものだなと思いました。

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rve83253 at 11:35│Comments(5)TrackBack(0)自己啓発 | 学校だより

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この記事へのコメント

1. Posted by mamas   2007年04月18日 17:53
いつも拝見させていただいています。
「おたがいさま」ってなかなか言えない言葉になっていますね。もっと大きな声で「おたがいさま」と言えるように心がけたいと思います。
2. Posted by yoko   2007年04月18日 23:49
「おたがいさま」いい言葉ですね。
子育てをするのに、変な意地から人に頼らないで自分の力だけでと思っていた時期がありました。でも、それだけではやっていけなかったり、予期せぬ友人の温かい助けがあったりして固い心が溶けた気がします。
toshi先生のおっしゃるように、生きるという事は迷惑のかけ合い、そして助け合いですね。私も、子供の成長と共にそれを実感しています。そして、「〜してあげたから、〜してもらう」にはならないようにと思っています。
3. Posted by toshi   2007年04月19日 02:25
mamasさん、yokoさん
 自分で使っておきながら、mamasさん、yokoさんに、そうおっしゃっていただくと、あらためて、「お互い様」の言葉のすばらしさに気づかせていただきました。
 心の結びつきを強めていますし、記事本文にも書きましたように、謙虚さにつながる言葉です。
 ちょっと話がずれますが、肩肘張らない生き方は、楽なのですよね。
 
4. Posted by にしこ   2007年04月20日 16:00
ご無沙汰しています。

実は、先月私の母が亡くなりました。
それで思ったのですが、親にはどんな状態でも長く生きていて欲しいということです。
親から「長生きしたから迷惑をかけている」と言われたら、子どもとしては複雑な心境になってしまうだろうと思いました。

母は三人目の孫の顔を見ることが出来ませんでした。
せめて、顔くらい見せてあげたかったのですが…

話がずれてしまってすみません。
5. Posted by toshi   2007年04月21日 05:30
にしこさん
 うわあ。大変なときに、コメントをいただき、申し訳ありません。
 先月、お母さんが亡くなられたとのこと。ご愁傷様でございました。心よりお悔やみ申し上げます。お孫さんとの対面がかなわなかったのは、心残りだったことでしょう。
 ちょうど年回りがそうなのでしょうか。こういう例は案外ありますね。
 わたしの妹も、昨年夏、亡くなりました。ちょうど長女(姪)が、妊娠中でした。
「A(姪の名)の子が生まれるまでは生きていたい。」
が口癖だったのですが、それはかなわなかったのです。
 間近にご出産を控え、ほんとうに大変なことと思います。ご安産を祈念しています。
 

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