2007年05月02日

学校だよりへの想い(8) 説明責任も楽しく4

9538ee31.JPG わたしが初任だったころ、我が地域で学校だよりを発行する学校は、なかったのではないかと思う。

 亡父の言葉を思い出す。

 「そうだよ。どこも出していなかったなあ。それで、わたしは言ったのだ。学校経営のもろもろを保護者に理解してもらうのは大切なことだ。
 保護者が理解してくれれば、先生方も、仕事がしやすくなるだろう。学校だよりを発行しようではないかってね。
 そうしたら、まねして発行する学校が、だんだんふえていったな。」


 そう。学校だよりは、学校のPR。説明責任を果たす意味でも重要な役割を担っている。

 でも、無味乾燥にならないよう、『へえ。そんなことがあるのか。』と思ってもらえるよう、書き方には工夫をこらした。

 
 今回は、学校給食のPRをとり上げる。さらには、調理員さんの努力にふれている部分も併せ、紹介したい。


 それでは、学校だより本文をどうぞ。




 安全でおいしい給食


 昼の職員室では、学級担任外の教員が、給食をいただいています。

 ある日のこと。その給食をよそっているときに、子どもたちが入ってきました。そして、口々に声を上げました。
「うわあ。いいなあ。もう、給食を食べるのだ。わたしたちなんか、これから給食を取りにいくところだよ。」

 お断りしておきますが、この子たちは、決していやみで言ったわけではありません。にこにこしながら、ほんとうに素直に、うらやましそうに言ったのです。

 わたしはすぐ口をはさみました。
「実はね。わたしはもう食べ終えているのだよ。」
そう言いながら、空になった食器を指差しました。
「ほんとうだ。いいなあ。早く食べられて。」
「何時ごろ食べたのですか。」
「そうだなあ。11時40分くらいかな。」
「そう。ほんとうに早いね。」
「わたしたちだったら、4時間目が始まってすぐだよ。」
「でもね。これは、『校長先生は早く食べなさい。』っていう決まりがあるからなのだよ。」

 それまでうらやましそうだったのが、けげんそうな顔になりました。
「へえ。いい決まりだね。」
「なんでそんな決まりがあるのですか。」
「そうだなあ。あのね。給食を食べて、もしわたしが食中毒になり、体の具合がおかしくなったら、みんなに給食を出さないようにしなくてはいけないのだ。そうでないと、みんなが具合悪くなってしまうでしょう。」

 けげんそうだった顔が、今度は、『ええっ。』という驚きの表情になりました。
「それじゃあ、大変だね。校長先生は命がけじゃん。」
「うん。でも、決まりだからそうしているだけで、わたしは命がけなどと思ったことは一度もないよ。
 それはね。この学校の調理員さんが、安全でおいしい給食をみんなに食べさせてあげようって、がんばってくれているからなのだ。だから、わたしは、毎日、安心していただいているよ。」
「そうだよね。わたしたちの学校の給食はおいしいよね。」
そう言うと、最後はにこにこしてくれました。

 その後、職員室で、この子たちのことが話題となりました。
「今の子たち、なかなか感心ですよね。『先生方は早く給食を食べるから、ずるい。』などとは言わなかったじゃないですか。」
「ほんとうですね。『いいなあ。』って言ったのですよね。」
 そう言えば、うらやましそうではあったけれど、気持ちのよい子たちだったなと、あらためて、本校の子どもたちの純で素直な心持ちを感じました。

 ちなみに、このわたしの給食を、『検食』と言っていますが、わたしが出張中のときは、教頭先生にお願いしています。


 さらに付け加えますが、本校の調理員さんは、ただ安全でおいしい給食作りに励んでいるだけではありません。子どもが給食を取りに来たり返しに来たりするときは、いつも子どもの前に立って、子どもと会話したり、世話したりしてくださいます。

 さらに、苦労をいとわないでくださるのです。アレルギーの子のための除去食も作ってくれますし、カレーにしても、ルーを使わず本格的な作り方です。手間をかけて調理してくださいます。


 こんなこともありました。遠くから転入してきたお友達がいます。その子が、
「前の学校ではラーメンの給食があって、とてもおいしかったよ。」
それを聞いた教頭先生。
「ほんとう。ここでは、ちゃんぽんめんはあるけれど、ラーメンはないわね。」
すると、がっかりした表情になりました。

 それを聞いた調理員さん。給食主任の先生と、栄養士の先生と相談し、なんと、2回にわたり、ラーメンの給食をとり入れてくれたのです。子どもの気持ちを考え、少しでも張りをもって登校してくれるよう、こんなところにも配慮があるのだなと、ほんとうにありがたくなりました。

 先ほどの子にそれを伝えたら、うれしそうな顔をしながらも、気配りもみせてくれました。
「この学校では、前の学校にはなかった給食もあるよ。だから、とってもおいしいよ。」
とのことでした。
  

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 校舎改築のときは、給食がありませんでした。それで、保護者の皆様には、お弁当作りのご苦労をおかけしたわけですが、そのときは、子どもたちがお弁当を楽しみにしている様子を書かせていただきました。

 「校長先生。おいしいから、これ、上げる。」
 いやあ、「ありがとう。ごちそうさま。」と言いながらも、笑顔で辞退させてもらいました。
 給食だと、1年も6年も、見た目、それほど違いはないのですが、お弁当だと、そのボリュームの違いに驚かされたものです。

 そのようなことも、楽しいエピソード風に書かせてもらいました。

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rve83253 at 23:56│Comments(2)TrackBack(0)学校だより | 子どもと管理職と

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この記事へのコメント

1. Posted by きゃる   2007年05月03日 06:16
学級担任をしていると、
学校の説明責任は「保護者」に対して、と考えがちですが、
「学校便りへの想い」の記事を読ませていただき、
地域や幼保中高など、間接的にかかわりを持つ全ての人に
情報を発信していくことの大切さが分かりました。
守秘義務、個人情報の保護を大切にしつつ、
情報を惜しまず積極的に提供していくことで、
信頼関係を作っていくようにしたいと思います。
2. Posted by toshi   2007年05月03日 17:58
きゃるさん
 まずは、保護者に対する説明責任でしょうが、やはり、幅広く触れ合うことが大切でしょうね。
 地域の教育力を生かす時代ですから、地域にもくまなく発信していくことが大切だと思います。
 ありがとうございます。これをテーマに、記事にさせていただこうと思いました。

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