2007年05月04日

学校だよりへの想い(9)ほめるときの配慮3

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 今回は、何はともあれ、初めに、学校だより本文を記載しよう。



 薄着のすすめ・・・でも〜

 今、全校児童の約一割が風邪、インフルエンザなどでお休みしています。先に文書で風邪予防をお願いしたときは、30人以上のお休みが続いていました。その後、40人を超えることもありましたが、今は20人台となり、まずは、ホッとしているところです。このまま減少していってくれればいいなと思っています。

 先に文書で、『状況を見て登校時刻を繰り下げたり下校時刻を繰り上げたりする』旨、お知らせしました。これはできるだけ休養してほしいことと、少しでも気温の高いときの登下校をと思ってのことです。
 しかし、今のところ、それを実施したクラスはありません。お休みの多いクラスでも、出席児童の身体の調子はいいものと判断したためです。そうは言っても、まだまだ予断を許す状況ではありませんので、引き続き健康観察を強めてまいります。


 さて、2学期、寒さがつのってきたころです。わたしは朝会で話したことがありました。

「みんなを見ていて、感心することがあります。それは、最近すごく寒くなってきたのに、まるで夏みたいな薄着の子が何人もいることです。すごいなと思います。
 『寒くないかい。』と聞くと、『寒くない。』『平気だよ。』と答えが返ってくるので、びっくりしてしまいます。
 わたしは厚着だから、うらやましくなってしまいます。

 実際そういう子の腕などをさわらせてもらうと、みんな、身体がぽかぽかしているのだよね。身体の中に暖める機械が入っているみたいです。だから、そういう子にさわらせてもらうと、『校長先生の手、冷たいよう。』と言われてしまいます。

 でもね。無理してはいけないよ。急にそういう子のまねをして薄着になったら風邪を引いちゃう。人間はみんな自分に合った服装があるのだから、それを大事にしようね。

 ところで、厚着の子、ふつうの子には、こころがけてほしいことがあります。それはね。いつも、『もう一枚ぬいでも大丈夫かな。』ということを気にかけて大丈夫なら、ぬぐようにしようね。そうして、自分なりの薄着を心がけてください。それが、健康の元だし、風邪予防に役立ちます。」



 それからというもの、子どもたちに言われてしまいます。
「校長先生は何枚着ているの。」
「校長先生はいっぱい着ているね。ぬいでも大丈夫だよ。」
 また、別な子です。
「校長先生。今日はあったかいからね。ぼく、一枚じゃなくて、二枚もぬいだよ。」
「そうか。それはすごい。・・・。そうだよね。すごいぽかぽか陽気になったな。」

 最近、梅を見ました。つぼみもふくらんで、春はすぐそこまでやってきているようでした。


                       学校だより本文は以上です。





 学校経営でも、具体的に子どもをほめることは大切だ。
 まして、学校だよりでもほめるとなれば、効果は抜群だろう。多くの方が、関心を持ってくださる。よく読んでくださる学校だよりにという意味でも、大切なのではないか。
 しかし、関心を持ってくださればくださるほど、そのほめ方がむずかしくなる場合も多い。
 ほめたいと思うことを全員の子がしているということは、まずないからだ。だから、対象外の子の気持ち、思いも考慮しないといけない。

 
 この薄着の例でも、
 わたしは、薄着の子が数人いることは、気づいていた。廊下ですれちがうたびに、『すごいね。』『夏みたいだよ。』と声をかけていた。
 でも、それだけでは満足できず、少しでも子どもたち全員の前で薄着の子をほめながら、その励行を呼びかけたいという気持ちはあった。

 でも、厚着でないといられない子は、大勢いる。みんな一様に薄着になりなさいなどと言うのは、とても無理だ。健康に悪影響がでるだろうし、いじめの温床づくりにもなりかねない。そうなれば人権問題でもある。

 だから、薄着の子をほめながらも、『各人、自分に合った服装のなかで、一枚ぬぐ。』を心がけようと話すことにした。

 
 もう一つのむずかしさ。

 上記の例は、ほめようと思っている子は少なくて、厚着の子が圧倒的に多いわけだ。
 でも、逆の場合も多い。たとえば、『高学年でもランドセル登校している子が多いな。』と思い、そのことをほめようとした場合、きわめて少数ながら、ランドセルでない子もいるわけだ。そういう場合の配慮は、もっときめの細かさが望まれる。

 ちょうど、ランドセル登校を書いたブログ記事もあるので、学校だよりのことではないが、その記事にリンクさせよう。ランドセルでない子への配慮もしているので、その観点からお読みいただければと思う。

    物を大切に 朝会の話から
     
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 このたより。冒頭は、風邪流行の状況にふれています。これは、やはり、保護者にとってはその時点での最大の不安材料だと思うからです。子どもの話、子どもの学級の状況だけでは、なかなか分かりませんものね。そこで、学校全体の状況を報告することも必要になってくるわけです。
もちろん、保健だよりがだされていると思いますから、そちらでふれてもかまいません。

それでは、今日も、1クリック、お願いできますか。


ninki

 
こちらも、どうぞ、よろしく。


rve83253 at 07:38│Comments(10)TrackBack(0)子どもと管理職と | 学校だより

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この記事へのコメント

1. Posted by きゃる   2007年05月04日 09:08
ほめることは教育効果が大きいのですが、
ほめる対象やほめ方には配慮が必要ですね。

学習面でほめるのは、
学習指導要領に向かっているかどうかが規準になっているので
割と分かりやすいです。(比較でなく、個人内の伸びです。)

生活面とか、規範意識となると、
学校生活という狭い範囲内では、
教師達が議論を重ねてある程度のガイドラインができているのですが、
学校を出て、地域社会で考えると
それぞれの家庭、それぞれの個人の考え方が大きく違うこともあって
ほんとに配慮が必要になると思います。

だからこそ
学校便りで、子ども達に何を語りかけているのか
家庭や地域に発信していくことが大事なんですね。
 「学校では、目指す子どもの姿が○○である
  だから、このような指導をしている」
たとえ、考え方が様々であっても、
共に子どもを育てていくもの同士、
互いの考え方ぐらいは知っておかないといけませんね。
2. Posted by POOHママ   2007年05月04日 10:49
お久しぶりです。

私は、学校便りも学級便りも
目的は同じだと思っています。
子どもの言動だけでは伝わらない
学校側・教師側の思いを
どれだけ伝えられるか・・・

でも、伝えるだけでは、
一方通行ですよね。
担任なら、参観日の懇談や家庭訪問など
対話の機会もあるでしょうが、
そうでない場合は、
どうしたらよいのでしょうね。

去年、今年と
たまたま担任を持っていませんが、
私は通信を出し続けています。
3. Posted by イノッチ   2007年05月04日 22:26
子どもの声だけでは絶対に伝わらない担任の思いをブログで発信しています。
ツーウェイが確保されているブログだからこそ、読む側もなんらかの主張をするチャンスがあると思っています。

寄せられたコメントが肯定的でも批判的でも、それを真摯に受け止め誠実に対応していけば、現状改革への一歩を刻めるのではないかと思ってやっています。

紙ベースでは一方的な情報発信で終ってしまうことが多いことから、ブログを試験的に試している段階です。
4. Posted by kei   2007年05月04日 23:46
 学校長が出される「学校だより」ですから、そこに書かれることに重みがあります。保護者の方、地域の方もごらんになりますが、もちろん職員も読み込みます。実はとても影響を受けると思います。
 toshi先生の書かれたものは、子どもの姿がまるで映像になって見えてくるように思えます。そして、すーっと素直に心に入ってくる。どんな立場の人に対しても丁寧に配慮をされているからなのですね。今日の記事で改めてそう思いました。
5. Posted by toshi   2007年05月05日 07:06
きゃるさん
《それぞれの家庭、それぞれの個人の考え方が大きく違うこともあって、ほんとに配慮が必要になると思います。》
 そう。こうしためんからの配慮も必要ですね。場合によっては、なぜそれを推奨するかまで、説明しなければいけなくなりますね。
 ある校長が、『今の子は我慢が足りない。』という趣旨の学校だよりを書いたところ、『いじめられていても我慢しろというのか。』と、まったく文意からはずれた抗議を受けたと聞いたことがあります。むずかしい時代ですが、やはり、これも、日ごろの信頼関係に関係するかなと思いました。
 
6. Posted by toshi   2007年05月05日 07:11
POOHママさん
 伝えるだけでは一方通行とおっしゃる。そう。一方通行にならない配慮も大切ですね。
 次回の記事は、そうした面にふれていきましょう。よろしくお願いします。
7. Posted by toshi   2007年05月05日 07:18
イノッチさん
 そうか。新しいやり方ですね。
 このブログを学級通信とされているのですね。確かにそうすれば、双方向。POOHママさんのおっしゃる一方通行にならない運営ができそうです。
 第三者が読むこともあるかもしれないが、それはまあ、気にしないというところでしょうか。
 
8. Posted by toshi   2007年05月05日 07:34
keiさん
 ありがとうございます。手前味噌になりますが、すみません。
 自分の学校の教員に言われたことがあります。
「校長先生の学校だよりの文は、読んでいてほんとうに楽しいし、勉強になります。
 うちの娘の学校のたよりは、逆に、『校長先生は何を言いたいのだろう。』という感じなのです。あれでは一般の親は、読まないのではないかなと思ってしまいます。」
 そして、先日は、卒業式の折ですが、再会の喜びを語ってくれた後で、
「今は、toshi先生のブログを読むのを楽しみにしています。」
と言ってくれました。
 ああ。このコメントも読まれてしまうな。その先生にもお礼の気持ちを伝えたいと思います。ありがとう。
9. Posted by POOHママ   2007年05月05日 09:01
イノッチさんの
ブログでの発信もいいですね。
読んだ方の感想もいただけるわけだし。

が、しかし・・・
全家庭にパソコンがあるわけでなし・・・
というところが、難点ですね。
私の地域の場合、
まだ2割ほどはパソコンがありません。
(というか、生きるだけで精一杯)
また、あっても、
仕事でしか使わないという家庭も。
もちろん、
子どもが自由に使えたり、
子ども独自のブログを作らせる家庭も。

本当に、格差が大きいです。

こういった地域の場合、
ブログやメールでの発信は、
かえって反感を招きかねません。

ちなみに、学校としての
HPもブログも作っていません。
作れる環境(ハード面)にはありますが、
管理できる環境にはない(管理者不在)ので。
10. Posted by toshi   2007年05月05日 17:10
POOHママさん
 確かに、すべての家庭がパソコンを使えるわけではないですから、その点での配慮は必要ですね。
 でも、配慮しながらも、パソコンをどんどん使う時代にはなっているようです。
1.緊急連絡網を廃止し、メールで発信する。
2.宿泊行事など、一日目の様子を携帯で学校へ送信し、学校から各家庭へ様子を知らせる。
3.我が地域では、すべての学校が、学校のホームページを作成しています。
4.我が地域では、まだ聞かないのですが、児童の安全を守る取組でも、使用している例があるようですね。
 実は、本シリーズのまとめはこうした内容にしようと考えていました。
 でも、ほんとう。たとえ少数であっても、これまで通りの方法も、捨ててはいけませんね。

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