2007年06月23日

ツバメはパチンコ屋さんが大好き・・・かな?5

7e3ec9b1.JPG 朝、出勤したら、いきなり、初任のA先生に言われた。

 「おはようございます。toshi先生。急な話で申し訳ないのですけれど、今日、わたしのクラスは、いくつかのグループに分かれて、まちへ社会科見学に行こうと思うのです。それで、toshi先生には、スーパーマーケットに行くグループを見ていただければと思うのですが、いいでしょうか。」
「ああ。それはかまわないよ。でも、暑くなりそうだな。(一瞬、いやそうな顔をしてしまった。)・・・。ああ。ごめん。ごめん。ほんとうにかまわないよ。それで、何人いるの。」
「はい。すみません。・・・。ありがとうございます。6人です。」

 3校時に出かけた。引率と言いたいが、わたしは、スーパーがどこにあるか知らないから、わたしが子どもに引率されるかたちになった。

 そう。そう。申し遅れた。すみません。
 社会科見学と言っているが、今日の話題は、社会科ではない。


 目ざすスーパーが近づくと、子どもたちが口々に言った。
「toshi先生。もうすぐ着くよ。」
「スーパーの入口には、ツバメの巣があるよ。」
「そう。3つもあるのだよ。」
「スーパーの駐車場にもあるよな。」

「ほんとうなの。そんな人が大勢集まるところに、巣があるのか。」

 わたしがそんな返事をしたのには、わけがある。


 話は変わるが、他校の校長先生から聞いた話である。数年前の2年生の生活科の学習だ。

 ある日、その学級は、やはり、いくつかのグループに分かれ、まち探検に出かけた。

 探検のあと、子どもたちが抱いた疑問や感想のなかに、『パチンコ屋の入口に、ツバメの巣がいくつもあった。』『なんであんなところに、巣があるのかな。』というものがあった。

 疑問を抱くわけは、いろいろだったが、主なものは、

・ パチンコ屋さんの前はうるさい。音がすごい。
・ いつも人が出たり入ったりしていて、とてもヒナを育てるのにむいているとは思えない。落ち着かないのではないか。
・ フンが落ちて、かかった人が怒ったりしないのか。

 そして、話し合いのなかでは、

「ツバメは、人が集まるところが好きなのではないの。」
「でも、変だよ。人なつこくなんかないよ。」
「そうだよ。別にハトのように、人に寄っては来ないよ。」
「うるさいところが好きなのかもしれない。」
「そんなことはない。もともとツバメは、いなかの方が好きだと思う。」
「反対。パチンコ屋さんが大好きなのだよ。」
「そんなあ。」

そのようなやり取りがあったらしい。


 さて、この学習は、最終的には、問題解決するのだが、話を冒頭のスーパーに移そう。


 お目当てのスーパーマーケットに着いた。

 子どもが指さす方を見ると、ほんとうだ。3つあった。まさに、スーパーの入口である。午前中だというのに、お客さんでにぎわっていた。

 わたしは、心のなかで会心の笑みをうかべたが、表情には出さないようにして、とぼけたことを言った。

「すごい。ツバメは巣を作るだけではないのだね。巣の下に板までくっつけているよ。」
「先生。何言っているの。あんなの、ツバメが作れるわけないじゃない。」
「そうだよ。あれは人が作ったのだよ。」
「そうかあ。人が作ったのか。」
「だって、人が大勢集まるところだから、フンが落ちたら、人が迷惑するでしょう。それで、お店の人が作ったのではないの。」

 ああ。バカにされた感じで、一件落着してしまった。残念。何でもいいから問題意識が芽生えるのをねらったのだが、・・・。でも、仕方ないか。今日のお目当ては、社会科だものね。みんな、お店のなかに関心がある。


 なかに入る。

「toshi先生。わたしのお母さん、ここで働いているのだよ。」
「ほんとう。どこで働いているのかな。」
「うううん。まだ、この時間は来ていないけれど。」
「ああ。そうか。それは、残念だね。せっかく来たのにね。・・・。でも、みんながノートに書いている疑問や問題は、お母さんに聞けば解決するのかもしれないね。」
 その子はニコッとしてくれた。

 奥の方では、商品にシールを貼っている人が見えた。その方は手馴れた様子で、サッサッと貼っていた。そんなところを子どもたちがようく見るように、声かけもした。

 ああ。本記事は、社会科の話題ではないのだよね。すみません。でも、続けさせてください。


 台車に商品をいっぱい積んで運んでいる店員さんが何人かいらした。そのなかに、手は休めないが、子どもたちの学習の様子をにこにこしながら見守る方がいらした。もしかしたら、誰かのお母さんだったのかもしれないな。

 わたしは、その方に声をかけた。

「このスーパーの入口にツバメの巣がありますね。」
「ああ。あります。あります。・・・。もう、何年も前からツバメが来るようになりましてねえ。何であんなところに巣を作るのか不思議なのですよ。」

多少迷惑そうな表情をされた。

「そうですか。ところで、カラスはどうでしょう。カラスは来ないのではないですか。」
「ええ。あんな人ごみですから、カラスは来ないですねえ。・・・。あっ。」

すっとんきょうな声をあげられた。

「そうかあ。カラスに襲われる心配がないからかあ。・・・。みんなに教えちゃおう。ああ。ありがとうございました。」
「まあ、『そう思いますよ。』っていうことですがね。」
「そうですか。でも、まあ、なんて、いい先生なのでしょう。」

 最後の一言は、子どもたちに聞こえるように大きな声で言ってくれた。わたしは、てれくさくなったが、こんなことで、いい先生などと言ってくれるとは。驚きの方が強かった。


 カラスの話は、子どもたちには聞こえていないはずだ。



 今、このクラスは、総合的な学習の時間に、野鳥の研究をしている。それは、5つ前の記事、『プール開きへ 豊かな自然と』に書いた通り。これには、学校のプールへ遊びにくる、カモの話題も書いた。

 そうだ。他校の生活科実践例も含め、このことは、A先生に教えてやろう。話題がいっぱいの、充実した総合になるのではないか。そう思った。


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 『ツバメとカラス』で、検索にかけてみました。まあ、いっぱいホームページとブログが出てきました。
 本記事にかかわるものもありました。なかには、ツバメがカラスを襲う、いや、襲うまではいきませんが、威嚇するという、本記事とはまったく逆な内容のものもありました。おもしろかったです。

  http://blogs.yahoo.co.jp/kanekoya_tentyou/16566229.html「かねこや」てんちょうのこんな話あんな話(やはりスーパーでしょうか。店長さんのブログです。)
  http://walk.way-nifty.com/koto_walk/2007/06/post_209e.html散歩三昧(ツバメの写真入り。わたしの写真は巣だけでした。すみません。)
  http://www.geocities.jp/at_mocha/karasu/karasu02.htmカラスの話 いろいろ(後半部の『ツバメとカラスとムクドリ』  でも、ちょっと、ツバメがかわいそうな記事)
  http://www.kumonos.com/corabo/blog/index.php?blogid=1&archive=2007-06コラボネット(ゴミ問題もからめたちょっと社会派的な記事。)
  http://blog.so-net.ne.jp/namonakineko/archive/c96169名も無き猫(ツバメがカラスを威嚇するというちょっとおもしろい記事)

 まだまだありそう。きりがないので、このくらいで失礼。

 ああ。でも、検索にかける前に、ぜひ、二つのバナーのクリックを、よろしくお願いしますね。


 それにしても、このようなところに巣をつくるわけ。・・・の追加。

 人間は、ツバメを愛していますが、カラスは、どうでしょう。
 そういうことも関係あるのではないでしょうか。

 また、冒頭の写真。残念ながら、ツバメを写すことはできませんでした。けっこう飛びかっていたのですが、要領が悪く、すみません。


rve83253 at 07:53│Comments(2)TrackBack(0)保護者 | 生活科指導

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この記事へのコメント

1. Posted by きゃる   2007年06月23日 15:15
今回の記事、興味深く読ませてもらいました。
子どもが人とのかかわりをもちにくくなっている。
だから、他との交流を学習活動の中に取り入れようとする。
それで、大事なことは、できるだけ「質の高い」かかわりをもたせたいですよね。
そのためには、指導者である教師が、相手と深くかかわっておくことは必須条件です。
インタビューにしろ、交流活動にしろ、子どもの主体性を尊重しなければいけませんが
上手くいくように「根回しをしておく」ことも支援の一つだと思っています。
2. Posted by toshi   2007年06月24日 14:55
きゃるさん
 指導者は、学習対象と子どもとのあいだで、コーディネーター役を果たさなければいけないと思います。ふだんの授業と違い、そのときだけの出会いとなることが多いわけですので、子どもの気づきを待つとはいかないことが多いのですね。
《指導者である教師が、相手と深くかかわっておくことは必須条件です。インタビューにしろ、交流活動にしろ、子どもの主体性を尊重しなければいけませんが上手くいくように「根回しをしておく」ことも支援の一つだと思っています。》
 その通りだと思います。
 初任者指導についてですが、今はまだ、その日一日をふり返っての指導が中心ですが、9月以降は、授業研などを中心に、子どもへの明日の指導について、教材研究的に話を進めることも大切と思っています。そこには、きゃるさんご指摘の点も含めるつもりです。

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