October 07, 2008

大宮×柏

実に前回この大宮と対戦してから10戦、リーグ戦での勝ち星がない柏。ディフェンスの要古賀が鹿島戦の退場で不在だったホーム国立で川崎に5失点、ガンバ戦でも奮闘していた石川の負傷退場から2失点、さらにポポ、藏川、小林が出場停止とここで負ければ残留争いで巻き込まれるであろう大一番に向けて危機的状況に陥っていた。

ポポが不在ということで前節ベンチスタートだったフランサがスタメンに復帰。小林、藏川の代役としてセンターバックには川崎戦の不甲斐ないプレーを払拭したい鎌田、右サイドバックにはリーグ戦初出場の村上が入った。そして驚きはここまで負傷で様子見の起用が続いていた杉山の先発。

柏 スタメン
----------------------
---------フランサ---------
菅沼----アレックス-----太田
-----栗澤---杉山------
大谷--------------村上
-----鎌田---古賀------
---------菅野---------

こちらも4連敗中の大宮は小林慶、吉原、デニス・マルケスという中軸を怪我で欠く苦しい展開。柏相手に相性が良い藤本をFWで起用し、大型フォワードのラフリッチとコンビを組ませる。

大宮 スタメン
----------------------
-----藤本----ラフリッチ----
小林大------------金澤
-----片岡----佐伯-----
波戸--------------田中
-----富田---レアンドロ----
---------江角---------

柏の猛然と相手選手に突進するプレスを大宮がかわし、立ち上がりは大宮ペースと思われた。しかし、ひとつのプレーが流れを大きく変える。10分、栗澤のCKから太田が粘って再び獲得したCK。これをアレックスがファーに送ると、フランサがヘッドで中央へ折り返す。ここに待っていた村上が波戸と競り合いながら頭で流し込み、先制点は柏が手に入れる。直後にカウンターから藤本が際どい左足シュートを放つが、大宮の気勢は14分、アレックスのCKを村上が再び波戸のマークを引きずって頭で叩き込んだ1点目のリプレイのような得点で完全に削がれてしまうことになった。

大宮はボールを持っても無駄な横パスばかりでゴールに直結するパスが少なく、また大きなサイドチェンジもないため簡単に柏にボールを奪われてしまう。逆に柏は杉山がボールを奪ってダイレクトで大きく展開しチャンスを広げるなどこれまでの鬱憤を晴らすかのような好プレイを連発。栗澤もよくボールに絡み、後方から攻撃を組み立てた。3試合ぶりに復帰した古賀の好影響も大きく、レギュラーふたりを欠くディフェンス陣もラフリッチや藤本に落ち着いて対処する。

柏優位の流れが決定的なものとなったのは前半ロスタイム。ボールを奪った村上がボールを味方に預けそのまま突進。フランサからのスルーパスに反応すると、GKの飛び出しを見て遠目の位置からループ気味に浮かせるシュートを放つ。ボールは弾こうとしたGKの手に触れるも、そのままゴールネットに吸い込まれ、村上の新人としてはJリーグ初となるデビュー戦でのハットトリックが決まった。

後半も柏の勢いは止まらず。開始早々にはアレックスのパスを受けた菅沼がドリブルで突進し、中に切れ込んでGKの動きを見極めて右足で冷静に流し込む。試合を決定付ける4点目が決まると、大宮はラフリッチへのロングボールかアバウトなクロスしか攻撃の手段を作れず。ラフリッチもエリア内でのボールキープから反転して強烈なシュートを放つが菅野に弾かれ得点できず。逆に村上が何本も決定的なクロスを供給し、北嶋や大津など交代選手が果敢にゴールを狙った柏が大きな勝ち点3を手に入れた。

出場停止と負傷欠場の選手が5人と不安視される状況の中、代役として出場した選手の大活躍で勝利を収めた柏。これで一息つけるのは事実だろうが、次の試合に負けてしまては何の意味もない。中断期間中に、好調時のプレスを取り戻せるような取り組みをしてほしいものだ。大宮はこれで5連敗、ジェフ、磐田が勝った事で順位も17位に交代してしまった。先発のベテラン選手たちはいいところなく終わっただけに、思い切った若手の起用も必要ではないだろうか。

■J1 第28節

大宮アルディージャ 0−4 柏レイソル

得点者
10 【柏】村上 佑介
14 【柏】村上 佑介
44 【柏】村上 佑介
48 【柏】菅沼 実

採点

菅野6.0 常にラフリッチにハイボールを触らせず。俊敏な反応でピンチを防ぐ。
村上8.0 デビュー戦でハットトリック。それ以外にも好クロスを何本も前線に送る。
古賀6.5 守備が落ち着きを取り戻したのはこの人の復帰が大きい。
鎌田6.0 自身正念場となる試合を無失点で終わる。
大谷6.0 終始周囲の状況を判断してバランスを取るプレイ。
太田5.5 決めたかったチャンスもあったが、相手ラインの裏を再三にわたって突いた。
栗澤6.0 長短のパスを振り分け、後方から攻撃を組み立てた。
杉山7.0 激しい当たりと展開力を併せ持ち、陰のMVPとも呼べる活躍。
アレックス6.5 多少フランサを見すぎる癖はあったが、CKから2点に絡みよくボールを散らした。
菅沼6.5 3戦連続となる得点で試合を完全に決めた。積極性が完全に復活。
フランサ6.5 高い最終ラインの裏を突くパスを連発し村上のハットトリックをお膳立て。

永井6.0 杉山の退場で急遽出場となったが、ロングパスで前線の選手をうまく走らせた。
大津5.5 相手に当たり負けずボールを奪うシーンも。初得点も近いか。
北嶋5.5 サポーターの大きな声援を受けたが、決定機を逃す。

石崎6.5 村上、杉山の起用が大当たり。次節で台頭した戦力をどう組み込むか。

管理人選定MOM 村上 佑介(柏レイソル)

ryangiggs1123 at 11:27│Comments(0)TrackBack(0) Kashiwa Reysol 

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