February 27, 2009

ちばぎんカップ 柏×千葉

もはや千葉県内はおろか、全国を見渡してもこれほどの伝統のあるプレシーズンマッチは存在しないのではないか、と言われるようになったちばぎんカップ。95年から毎年開催されているので、今年で第15回目を迎えることになる。Jリーグ開幕を2週間後に控える中、個々のコンディションや実戦感覚を養うにはよい機会だ。とは言っても負けたら負けたで厄払いというジンクスもあるのだが…。また両チームとも3月14日のリーグ戦第2節で対戦することもあってか、手の内は見せずテストの一環として臨むことが予想される。

高橋新監督を迎え、前へ前へというサッカーから脱却しボールを回しながら攻め切るポゼッションサッカーへの転換を図る柏だが、2年ぶりに復帰し攻守の軸となるはずだったアルセウが鹿児島キャンプでの練習試合中に右膝後十字靭帯損傷および右膝外側半月板損傷という重傷を負い、全治4ヶ月と診断される大打撃を喰らってしまった。そのためちばぎんカップのスタメンも昨年の主力メンバーのさほど変わることがなく、変化といえばこちらも負傷で長期離脱中の大谷に代わり、石川が左サイドバックに入った程度。

柏 スタメン
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---------フランサ---------
菅沼-----忠成-----太田
-----栗澤---杉山------
石川--------------藏川
-----小林---古賀------
---------菅野---------


ジェフは登録上は4-4-2だが、工藤が比較的自由にポジションを取るため4-5-1のような布陣になっている。第三者からすると、斉藤、福元をベンチに置いて、CBの位置に本職サイドバックの和田を使っているのは不思議な気がするが…。柏からフリーエージェントで移籍したアレックスはボランチでの起用。ユース出身でいわば鹿島から出戻りした立場の中後はベンチスタートとなった。

千葉 スタメン
----------------------
----------巻----------
谷澤-----工藤-----深井
-----アレックス--下村------
青木--------------坂本
-----ボスナー--和田------
---------櫛野---------

序盤は柏が去年のように闇雲に前からプレスを仕掛けるのではなく、一旦引いて守備ブロックを形成し、そこから連動性のあるプレスを仕掛けてジェフからボールを奪う。それが奏功したのは開始直後の7分。中盤でボールを持った杉山がミドルパスを前線のスペースに送り込むと、セルフジャッジして足を止めたジェフのディフェンスの裏をまんまとかいた菅沼がGKとの1対1を制し、柏が先制した。

先制点を取ったのは柏だが、柏のラインが下がりすぎたことで徐々にジェフが盛り返す。中盤で比較的ゆとりをもってパスを出せるようになったアレックスと下村がボールを奪うとキープする場面と手数をかけずトップの巻に当てる場面を的確に判断し、ボール回しのリズムがよくなる。個々のコンディションが今ひとつだったためにチャンスはさほど生まれなかったが、やりたいことは垣間見えた。そして前半終盤の41分には工藤の浮き球パスを谷澤が巧みな切り返しで柏のディフェンスをかわし、流し込んで1-1。試合を振り出しに戻した。

このまま後半もジェフがペースを握るかと思われたが、フランサを意識しすぎて持ち前の泥臭さを失っている忠成を右サイドに張らせ、クロスの精度がいまひとつだった藏川に代え村上を投入。そして56分、ロングパスに追いついた右サイドの忠成が前方のスペースに流し、走り込んだ村上がグラウンダーのクロス、GKが弾いたところを栗澤が押し込んで柏が勝ち越した。この得点は単純に相手の裏を取ったカウンターでなく、サイドバックが高い位置を取って決定機に絡むという、今季目指しているスタイルの一端を具現化できたものでもあった。

さらに畳み掛けるように数分後、ボールを奪った杉山が前線のポポへスルーパス。これは一回GKにカットされるが、こぼれたところをポポがループシュート気味のクロスでゴール前に送る。ここに奔りこんでいた忠成が難なく押し込んで、柏が3-1で試合を決定付けた。千葉の方も新居が至近距離から難易度の高いボレーを放つも菅野の反射神経の前に防がれ、逆に柏に何度かチャンスを許すなど反撃は及ばず。柏がプレシーズンマッチの勝利を収めた。

柏はボールを奪ってからパスを出す人間を探している状態で、守備ブロックを作ってボールを奪ってから、パスをつなぎながらゴールを奪うという今季目指しているスタイルの発露までには至らなかった。むしろ千葉の個人技にズルズルとラインを下げてしまうという失敗で同点ゴールを奪われたが、J屈指の攻撃陣を誇る開幕の川崎戦を前にいい教訓になったのではないだろうか。この試合の結果はあくまでも参考記録。ポゼッションスタイルの浸透までにはまだまだ時間がかかるし、負傷者も復帰には程遠い。序盤は結果が出なくても我慢が必要だろう。

千葉にとってはあくまでもテストのようだが、サイドバックのポジショニングが中途半端な上にセンターバックが不必要に絞ってしまい、サイドの深いスペースががら空きになってそこを使われる、攻撃時の拙攻という課題は解消できていないようだ。まだ開幕まで1週間ある中、コンディションを上げることと守備の見直しが必要だろう。

■第15回ちばぎんカップ

柏レイソル 3−1 ジェフユナイテッド市原千葉

得点者
7 【柏】菅沼 実
41 【市】谷澤 達也
55 【柏】栗澤 僚一
59 【柏】李 忠成

管理人選定MOM 杉山浩太(柏)

ryangiggs1123 at 20:29│Comments(1)TrackBack(0) Kashiwa Reysol 

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この記事へのコメント

1. Posted by wwwww   August 04, 2012 05:13
今日も荒らしてたねwww

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