この日は、指揮:宮川彬良で、メインイベントは「宇宙戦艦ヤマト放映30周年スペシャル」。父・宮川泰氏の手がけたヤマトの音楽を、息子:彬良氏が初めて本格オケで振る……というハレの舞台のはずが、残念なことに、追悼コンサートのようになってしまったわけです。
もはや何百回聴いたか知れない数々のヤマト劇判。半音と半音の波間を行きつ戻りつしているようなハーモニーのゆらぎの気持ちよさと、宮川泰という音楽家が失われた哀しみとがごちゃ混ぜになって、なんだか夢を見ているようなひと時でした。
しかし、ゲストのささきいさお氏や客席から登場の松本零士氏のトークが、どうもあんまり哀しげな感じがしない。これやっぱり、芸風と才能をガッチリ受け継いでる頼もしき二代目を目の当たりした安心感じゃないでしょうかねぇ。実際、聴衆一同誰しもが、「宮川節は死なず!」というのを確認したコンサートだったんじゃないだろうか。
この日はまさに、父から息子へ、ヤマトの音楽が受け継がれる贈呈式みたいな日だった感じです。もちろん、できれば「生前贈与」のほうがよかったわけですが、それでもなんだか「まぁしょうがないか…大丈夫でしょ」という感じで、泰先生のタマシイが漂っているであろうステージ上の空中を、客席&出演者みんなでほのぼのぼんやり見上げている姿が、泣けました。こんなふうに送られるのって、ほんと幸せなのかも。
ご冥福を…… という決まり文句よりも、
ただひたすら、良い音楽をありがとうございました、と申し上げたいところですねー。
あ、劇判マニア的には、「白色彗星のテーマ」のパイプオルガンが、高校生当時の彬良氏の演奏(手弾きパートのみ)だった…… というカミングアウトには、思わずイロメキたちました(笑)
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その後、カラオケBOXに移動し、持ち寄った宮川先生関連の番組&音源鑑賞会、そしてクレイジーからザ・ピーナッツ、「ヤマトの賦」までを全部一つなぎにしての追悼カラオケ大会をブチかまし。劇判研究界の超豪華メンバーが結集していただけに、「ピンコラ音頭」から「グランプリの鷹」挿入歌までをヘーキで歌いたおす地獄の軍団になってました(笑)