8/28に「今度はブラスだ!! 田中公平 真の?30周年記念コンサート」に行ってきました。
選曲や演奏はもちろんのこと、いろいろな面で常識をくつがえす素晴らしい企画内容のコンサートでした。

セットリストはこちらの方のブログ参照 http://yj.pn/zCONJX

選曲や歌手・声優の皆さんのパフォーマンスについては、もうすでにオフィシャルブログなどにいろいろ感想が寄せられてるし、他にもいっぱい語る人がいると思うので省略(笑) 
http://ameblo.jp/kenokun/

ここは私なりに、「なぜブラスだったのか?」の部分について、思ったことを整理してみました。自分も楽器を演奏する身としての、ちょっと変わった見方かもしれませんが・・・。

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コンサートの冒頭、まず最初に田中公平さんは、「今回のコンサートのために書いたブラスバンド用の譜面を、今後はより広く一般に知ってもらい、演奏してもらいたい」という主旨のことを仰っていました。

要するに今回のアレンジは、この日の演奏だけで終わらせず、いずれ、“作曲者本人の編曲(ここが大事)”による、質の高いブラスバンド用スコアとして公表・頒布される…… ということでしょう。

多くの中学校・高校に存在する、「ブラスバンド」という演奏形式。そこ関わる若い人たちの数と、部活動として費やされる時間は相当なものです。今後の日本の音楽界や音楽ファンの育成にとって、絶対軽視できない、いわば「大票田」といえるでしょう。まず彼らに、アニメやゲームなどの耳になじんだ劇伴音楽という分かりやすいゲートから、音楽を演奏する楽しさを伝えていきたい。ブラスバンドでの演奏に自信と誇りを持ってもらいたい ……そういう想いが田中公平さんの中にまずあったのではないでしょうか。メインアクトに尚美ウインドオーケストラの学生さんたちを選んだのも、その一環でしょう。 http://www.shobi.ac.jp/wind/sound/
そのための「楽譜化の機会」と、最初のデモンストレーションという意味が、このコンサートには重ねられていたんだと思います。

これらがこのコンサートで田中公平さんが目指した第一のミッションだったのではないか…… と、私は思いました。


加えて、新鋭の「東京ブラススタイル」 http://www.brasta.jp/ 

スゴ腕ベテラン揃いの「BLUFF」 http://www.spectrum-fan.net/br/

……をゲストに向かえ、「田中公平コンサート」と銘打ちながら無関係の曲を含め、かなりの時間をそのコーナーに使っていました。これも、新旧の異なるスタイルで、ブラスを中心に据えたバンドの魅力をこの場で一挙に体験してもらうための仕掛けでしょう。

そして今回のコンサートに集結した人材が過去に関係していたバンド名を並べると…… スペクトラム、TOPS、BIG HORNS BEE(米米CLUBのホーンセクション)と、70〜90年代の日本のブラスロック/ファンクグループの歴史そのものの顔ぶれ。そこに00年代代表の東京ブラススタイル。これはまさに「全日本歴代最強ブラス選手権」みたいなもんです。なかなかわかりにくいかもしれないけど、本当にスゴい人たちがあの場に集まってたんですってば(^_^;)

実際、BLUFF/元スペクトラムのドラマー岡本郭男さんが、ゲキテイの録音でドラムを演奏しているという話があったように、そういうミュージシャンの方たちと、アニメやゲームの劇伴って、決して無縁でないどころか、モロに「中の人」な場合も多いのです。

こんなふうに、圧倒的な質と量でブラス(およびバンド演奏)の魅力をいろんな角度から余すところなく伝え、楽器を演奏する人にはもちろん、、楽器を持たない一般のお客さん、アニメ・ゲームのファンの人々に対しても、「映像作品を観る」「サントラを聴く」 …に次ぐ第3の「自分で演奏する」という楽しみ方があることを、感動とともに提案し、誘う……

これが2つ目のミッションだったのではないでしょうか。

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尚美ウインドオーケストラのメンバーの方が、リハでワンピースの曲を演奏をしながら感動して泣いちゃった…… という話がありましたね。これぞ物語の感動と一体化した劇伴音楽の力ですよ。これを広め、伝える、そのために田中公平さん自身が「田中公平の曲」を体験型の教材に仕立て上げた…… これがこの不思議なコンサートの正体だったのではないかなぁ、と思うわけです。

今回のコンサートの主催者は、事務所名でもレコード会社名でもなく、「主催:田中公平」と表記してありました。田中公平さんが自分の責任と想いを乗せて、是が非でも形にしたかったコンサートだったのだと思います。自身の30周年の記念コンサートを、これまでの実績の総決算はさておいて、音楽を愛し、楽器を手にしようという若者の未来を拓くための「体験学習の場」に使ってしまうなんて、なんという心の広さと心憎さ(笑)  ……私はそう受け取りました。

この形式のコンサート、今後はぜひ、中高のブラスバンドコンクールの本選に続く「第二部」として、毎年やってほしいくらいですね。

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そして私個人としては、1曲目、いきなりフル編成のブラスバンドをバックに、田中公平さん自身がGガンダム挿入歌「勝利者たちの挽歌」を独唱するという爆発的展開(笑)と、ファイナルフュージョン&シャイニングフィンガーのコンボには泣きました。

そして「BLUFF」の無敵の演奏力ですね。やっぱりホンモノのブラスロック/ファンクを通過してきたオヤジたちには絶対に敵わない(笑) 最終曲「ウィーアー」冒頭のドラムのタム回しを、オリジナル以上のテンションとスピードで岡本郭男さんが叩き始めた瞬間は、本当に打ち震えました。

というわけで、公平先生の放った音楽への誘引ビームは、私にとっては、「早く帰って、もっとベース練習しなくちゃ……」という受け止め方になりました(笑)