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 ふと気になったことについての感想。
 本と音楽についての話題が多いです。

 『つみきのいえ』は、ちょっと見た感じ日本のアニメとは思えない画風だなとおもったけれど、蓋を開けたら日本のアニメだった。

 これは12分の短編作品で、鉛筆書きの外国の絵本のようなぼかしたタッチの世界が、どこか懐かしい感じを与える。

 主人公はかなり年配の、老人といってもいい風体の男性で、世界がだんだんと海の潮位が上がっていくなかで、ひとり自宅のうえにレンガを積んで部屋を増築しながら生き延びている。

 レンガを積んでいく暮らしに、そこはかとない危機感を感じなくもないが、当の老人はいつも淡々としている。それは、もうずっと繰り返してきたことだから、とさりげなく受け入れている気配もある。

 老人は自分のパイプの一本を、うっかり水没させてしまったことをきっかけに、海へのダイブをこころみる。

 そして、より深く潜るほどに、より過去の部屋と、そこにかつてあった思い出の風景に出会うことになる。

 もしかすると、水位の移り変わりは時間の蓄積そのもので、人はこうして老いて、思い出をよすがにしていくのかもしれない、と観ていて思った。

 この作品で老人は、思い出を時間に洗い流させるのではなく、自分の手で拾い集めようとしていた。老境にはそういう強かさが必要なのかもしれない、と思う。

 それにしても、彼の生きる営み、過去を取り戻す営みに悲壮な感じがないこと、「うまくやっている」感じがすることは、この作品に独特の肯定的な温かみを与えているようにも思った。

 ルネこだいらの「1 hour クラシック」の企画で、ピアニストの若林顕さんの演奏を聴いてきました。プログラムの目玉は、リスト編曲の、ピアノ演奏版ベートーヴェン「運命」で、これはちゃんと聴くのは初めて。

 演奏前に簡単にあいさつと、3夜にわたるプログラム(この日はその初日だった)の概要と、ピアノ盤「運命」の聴きどころについて説明があった。

 「運命」の前に演奏した2曲は、事前に予定されていた演目とは違って、「愛の夢」とか、ハンガリー狂詩曲の第2番とか、かなりポピュラーなもの。

 お客さんもリラックスした雰囲気のなか演奏がはじまる。明快な演奏だと思った。曲の場面場面であらわれてくる風景を活写しているだけでなくて、部分の演奏が、全体としての曲の構造や成り立ちにも光をあてている。それと、スタインウェイの音色もあずかってか、演奏の全体になんとなく暖かみがある。

 「運命」でリストは、ベートーヴェンの交響曲を、骨組を損なわずにピアノに移しかえながら、部分部分でアレンジをいれることでピアノらしい・・・つまり、室内楽らしい響きを与えている。同時に、「運命」の曲としての性格がそうだからか、家とかで最大限に響かせる(楽しませる)ためか、打鍵の激しさが半端ない。そこでは、室内楽を超えてオーケストラの扉を叩こうとする勢いがあった。

 若林さんは思い切りピアノを揺らすけれど、激情にかられて突っ走るというのではない(と思う)。それよりは、細部の旋律にまで丁寧に光をあてていく余裕が感じられた。

 アンコールは2曲ほど小品を演奏して、まだ鳴りやまない拍手。おわってみれば実際に1時間くらいのボリュームだったけれど、濃い時間だった。

 NHKの文化講演の、アーカイブを期間限定ストリーミングで聴くことができるのだが、今日はカールベッカーさんの「日本人の死生観」というのを聞いた。

 ベッカーさんの話は、外国人訛りはあるにせよ流暢で聞き取りやすい日本語。

 健康に生きるために日本人はどうするべきか。欧米人との体質の違い。死ぬ準備はどうしたらいいか。日本の浄土思想に基づいた死生観についてなど。聞き応えがある。日本人が死に際に見る「ご来光」は欧米圏でも「figure of light」として認識されるなど、人類共通のものかもしれない、と示唆するなど、一段ふかい話題もあった。

 全体としては、そのへんのおっちゃんおばちゃんが聞いてもわかる「地に足をつけた大きい話」という感じだった。生きているうちに心がける3か条が、和食、運動、生きがい、といった、お医者さんの健康講座かと思うような内容だったりもして面白い。

 この方の専攻はターミナル・ケアだということで、ちょうど関心がある領域であることもあり、そちらのほうにも少し当たってみたい。

 今まではみたい映画があったりすると、近所のツタヤに借りにいったりしていたものだが、最近はNetflixとAmazonプライムビデオとかで、ストリーミングで見るようになった。

 それでまあ、「シャーロック」とか「ダウントン・アビー」とかをちょろちょろとみているわけなのだが、ほかにも懐かしいものがけっこういろいろあって、当分は飽きることなく楽しめそう。でもあれだな、せっかく話題になっているのに現状、無印の「ツイン・ピークス」がないのは痛いなあ。

 あと時々、「おぼっちゃまくん」みたいに、かなり絶妙な?チョイスのアニメなんかがあったりして面白い。

 2000年代のアニメとかはごっそり見逃しているので、今更感満載で感想など書くことがあるかもしれません。

 関係ないけど、「ダウントン・アビー」のベイツさん、よく濡れ衣をかぶるけど、その場で「それ僕じゃない」って言えば即解決じゃないか?と思う場面もあり、じれったい。作劇上の都合かとは思うけど。

 ラーメンって、食べるときににんにくを絞るのが昔から好きなのだが、がっつり絞らせてくれるところってそんなにはない。

 小平にある「にんにくや」というラーメン屋は、その点文句のつけどころがなかった。にんにくが絞れて、なおかつうまいお店。最寄りの小平駅からは、あかしあ通りを通って、自転車か車で行くのがよさそう。駅からはわりと距離がある印象。お店が開いてるのは夜7時以降とかなので、しかるべき時を待ってから食べにいく必要があります。

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 ぼくが初回で注文したのはふつうのラーメンだったのだが、細麺でスープも出汁がきいているが、思ったよりはあっさりしている。そこでここに、にんにくを絞ると、にんにくの辛味や匂いが加わって、あっさりしすぎず、しつこくもない絶妙な味の加減になった。たぶんこれが、このお店の味ということなんだと思う。替え玉いきたい、と思いつつカロリーを気にしてやめてしまった。チャーシューは厚みがあってよかった。目の前でチャーシューのかたまりを分厚くスライスしているのをみて、あ、次きたらチャーシューメンだな、と。

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