Blue Giant 7,8,9巻と一気にきてしまった。バンド形態になってから、ストーリーが多面的に動き始めて、がぜん面白くなってきました。

 登場人物たち絡み合いや、大のバンドJASSの演奏の熱気。読者のこちらもぐいぐいと盛り上がるわけです。

 大がバンドを組むことで、物語にいろんな要素が付加された。単線的だったお話に複雑さやバリエーションが加わることで、大の熱さや一本気が、適度に相対化された。たとえば、雪折の思い出の少女の話や、So Blueの平とのやりとりなど。それまでは、魅力的な師匠の登場なんかはあったけれど、大がひたすら熱くサックスを吹く話、ということに終始していた印象が強かったから。

 このブログでは、大がジャズ奏者としてどんな音楽性をめざしているのかとか、バンドとしてはどんな風にステップアップしていくのかとか、その時々で適当な予想をしてきたのだけれど、ちゃんとその辺にも回答というか、答えに相当する描写がでてきて、なるほど、と思った。

 音楽性についていえば、大は、ジャズの個別のスタイルに特化していくのではなくて、ジャズそのものになることを目指しているらしい。

 ジャズそのものとは・・・。

 ここでは、ジャズの歴史的な変遷を踏まえて色んなスタイルの演奏ができる、という意味だろうか。スイング→モダン→ビバップ、とソロの中でぐりぐりスタイル・チェンジできる、みたいな。

 うーん、ジャズの木、といわれてもいまいちぴんとこない。

 そして、9巻のなかでは、これまで示されていた伏線というか、小さなエピソードがひとつひとつ終息していく。大が三輪さんと再会するエピソード、雪折が昔の少女と再会するエピソード、など。とくに後者は感動的なシーンでした。

 エンディングに向けて動き始めているな、という感じがする。

 現在9巻が、単行本として発売されている最新の巻だそうだ。もう連載している雑誌のほうでは完結してしまっていて、新章がはじまっているらしい。はやく読みたいです。

 去年のいつだったかブライアン・ウィルソンの「ペット・サウンズ」コンサートを見て、そしてこの間エルメート・パスコアールのライブを見て、ふと思ったこと。

 ブライアンもパスコアールも、若いミュージシャンに支持されて、いまも活躍できている。

 まあ、当たり前のことだ。しかし、どちらもかなりな歳である。ブライアンは70過ぎているし、パスコアールに至っては84歳?ぐらいの高齢者だ。

 ブライアンはアルバムを出して快調とはいえ、往年の声は出ない(そのかわり、若々しさを保ったアル・ジャーディンがいまだ隣で歌ってくれてはいる)。精神的にも、波がある。パスコアールはそれと比べて、なかなか元気だ・・・。すごいことだ。

 しかし、なんとなく見ていて思ったのが、音楽の中心は、パスコアールの弟子筋にあたるミュージシャン達が握っているということだった。ブライアン・ウィルソンは、いうまでもなくワンダーミンツ。

 パスコアール・グループの場合、彼らが作りだす変態的な変拍子と超絶技巧は、聴く者を熱狂させずにはおかないスリリングなものだったが、パスコアールはその音を傍で聴いていて、必要に応じ(気分により??)そっと音楽に加わったり離れたり、つかず離れずという感じだった。2部入れ替え制のステージを、演奏にフルコミットで食い込み完走するのは、体力的にさすがに厳しいのだろう。

 もちろん、バンドが作り上げる音楽の持つビジョンは間違いなくパスコアールのものであり、それを、イチベレ・ツヴァルギさんら Grupo がうまく具現化している・・・ブライアン・ウィルソン・バンドにおけるワンダーミンツのように。

 歳をとっても、偉大な師、あるいは先達と慕い、ついてきてくれる後進がいる。それだけの音楽的魅力や業績がある伝説の人、というのはいまや数少ないのだろうな。

 などと思った次第です。

 渋谷WWWXにて、エルメート・パスコアールさんのライブを観てきた。

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 先月観に行ったカマシ・ワシントンのビルボードでのライブがとても良く、もっと音楽が聴きたい気持ちだったこともあり、帰り道に勢いで今日のチケットをとってしまったのだった。

 とってどうだったかというと、もちろん正解だった。

 パスコアールはもう80くらいになって、それでワールド・ツアーもやっているのだからすごい事だ。

 そろそろ観ておきたい。祖国では銅像が建造されるような、生き仏様のような存在なのだから。

 場所は渋谷のWWWXというクラブで、400人くらい?入るような広さだった。

 はじめは弟子筋のバンドメンバーだけで、セッション。1曲終わると御大が出てきて、Yamaha PX-9というわりと年季の入ったキーボードの前に立ち、若いバンドのノリを大事にしつつぱっと入ったり抜けたりと、わりと自由な立ち回りだ。

 というか、それだけバンドの演奏が本当にすごくて、複雑難解なリズムを消化しながら熱狂していく勢いが、すごい。

 生き仏を拝むなんてものでは、なかった。

 パスコアールさんの頭の中では、音楽が泉のように湧いている。

 反省しかかったところに、パスコアールがフロントマイクのほうにやかんを持って出てきて、枯葉をプレイするなんていう一幕もあったりした。

 ああ、やっぱり生き仏だ。と思い直した。

 というか、パフォーマンスだと思うんだけど、やかんに水をそそいで、金管とチューニングするとかいうのがお約束として挟み込まれる、懐のふかさよ。

 と、改めて思った。

 スタッフとのやりとり、飛び入り日本のミュージシャン、などなど、パスコアールさんの人柄に、いろいろな形で触れたライブでもありました。

 というわけで2時間くらい、ばっちり楽しみました。簡単ですが、そんな感想。

「歯医者で治療中に流すレコードを選べるサービスを米イリノイの歯科医がスタートさせて話題に」 amass
この医院で聴けるレコード・コレクションは、アラバマ・シェイクス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、エドワード・シャープ&ザ・マグネティック・ゼロズ、ニルヴァーナ、ニール・ヤング、スティーリー・ダン、ビートルズなど。

 歯科医で治療中にかけてほしい音楽を選べるサービス、とのことだけれど、これはとても微妙なラインナップ。笑

 歯医者で聴くのでなければ、好きなのばかりだけど。

 「あまり攻撃的ではなく、あまり退屈でない音」がポリシーなのにニルヴァーナが入ってるのはどうしてか。

 というか、歯医者でかかるのは、罪のないヒーリングとか、オルゴールとかが個人的には良いです。

 BLUE GIANT 6巻まで読みました。ようやく、というべきか、大のバンドが始動して、お客さん集めのビラ配りが2000枚、なんていうとんでもないエピソードが描かれたりする。

 大のバンドのケミストリーは、今のところ、奔放(大)VS統制(雪祈)で、互いに惹かれながら切磋琢磨する関係になっている。たぶん、そこに第3項として、ドラム初心者の玉田が、「ポップな=了解可能な楽しさ」みたいな要素を持ち込んで、音楽の裾野を広げたりするのかもしれない。想像だけど。

 こうなると、今後ジャズ・トリオとして、どんなスタイルに定位していくのか、とても気になる。

 フェスでポップバンドとかロックバンドとかと対バンして、そっちのリスナーもゲットできる音楽、という感じになっていったりして。

 玉田のドラムがどのくらい上達するのかも、楽しみなのと、あと、大の才能を上回るような金管奏者、みたいなキャラが出てきたらいいなあ。という期待を抱きつつ次巻へ。

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