ライカ

September 25, 2015

まずは9/23 TTE CHALLENGE 05沢山の来場と声援ありがとうございました。

大会準備から振り返るといろいろあり過ぎてブログじゃ無理なので心に残ったライカの戦いを書きたいと思います。

昨年の大晦日にDEEPに出場して何も出来ずに敗北したライカ。
自分はその時多数の選手のサポートでアリーナの控え室にいたのだが、その試合をモニターから眺めていた。
感想は「ふ〜ん」って感じで変わった人もいるもんだなと思った。

それから少ししてボクシングコーチをしてくれている臼井さんの紹介でライカが練習に来る事になった。正直言うと面倒くさって思ったのだがお世話になってる臼井さんのお願いだったのでとりあえず指導してみる事にした。

現れた時の髪型は大晦日の赤い髪がそのまま劣化した枯れ葉のようなボサボサ頭。
服装もなんか変だ。
これは予想以上に危険な感じが…

そして俺の名前すら知らず他の人が長南さんと読んでるのを盗み聞きして「チョーノさん」と俺に話しかけて来る始末。
初診のカルテのように練習環境、生活について聞き始めた。
現在通っているジムは「ターゲット、クレイジービー、イエローマンズ、それとそれと…」
まぁ沢山のところで迷惑かけているのだろうと予想した。
初日にちゃんと来るなら指導はすると言ったのだが毎日あちこち行って練習来ないのでとりあえず叱った。
「あっちこっち行っても結局大晦日何も出来てなかっただろう?」
それを言われあっちこっちに退会しに行ったライカ。
指導して頂いてた皆さんが「あっそう」ぐらいのリアクションだっただろうとは簡単に予測出来る。

それからは1日2回来る日も多かった。
右左も解らず靴下も左右違い、マススパーをするとだんだんヒートして襲いかかって来るのでボディブロー一閃。床を畜生と言いながら転がりまくり起き上がってってはまた獣のように拳を振るいまた床に崩れ落ちる。ライカと関わって驚く事の連続だった。

身体能力はなかなか高いのだが反対に頭がかなり…だったので細かい技術よりも彼女がやるべき事とスタイルを叩き込む指導を続ける。

そうして時間は半年が経ち気がつけば総合2連勝。

練習はしているものの国内に同階級の相手がいないので少々賭けではあったがDEEPに話して海外からTTFに選手を呼べないかお願いした。
ライカは試合の場と相手を用意してくれた事を非常に喜んでくれた。
練習も頑張っていたと思う。
ボクシングを辞めろと言われても戦う事が好きで何故辞めなければいけないとキックや総合に転向。
総合ではボクシングで許される全ての技が使える。
当初期待していなかったがチケットの販売力も凄くてイベント的にも助けられた。

相手となるジェシー・ジェス選手はオーストラリアのチャンピオン。
公式レコードでは2敗となってるがそれは間違いらしくインヴィクタでの1敗しか負けはない選手。
敗北を受けての階級変更。
TTFのライカ戦がその1試合目となる。

計量前日空港にジェシーを迎えに行くと強そうなその容姿に少し心配になる。
体重を聞くと3kgオーバーだと言うそれも心配だ。
翌日の午前中にサウナに車で送り夕方からの計量の準備をしていた。
マネージャーより連絡が来る。
「汗が出ない」
TTFでは過去4回軽量失格者は出た事がなかった。

今回はジェシーに加え計量に無断欠席する輩まで出没。
英文のDEEPの契約書をスライドで利用したのだが2kg以内は罰金とレッドカードで試合成立となっていた。しかし2kgを700オーバーの状態で汗は出なくなっていた。
至急ライカに電話してリミットで体重を抑えていたので水分を取らせた。

明らかにジェシーは1階級上の体つき。
「ギャラはいらないけど試合はしたい」
彼女もまた闘争心が強いようで減量で弱って試合を投げるようなタイプではない。
だったら体重はちゃんとして欲しいのだが。

計量を終え必要書類を記入したライカはリカバリーに帰って行った。
それからは試合の交渉。
ギャラの全額没収、当日の選手入りまで63kgに抑える事。
ライカはリカバリー後60ちょっとしかないがジェシーが計量後にリカバリーする事を考えるとかなり厳しい対格差になる。
ライカもライカで「私が戦わないという選択肢はない」と言う。
自分自身はイベントがどうなろうと試合を中止したかったのだが、両者が試合を強く望む為にライカが敗れた場合はノーコンテストと言うルールで試合をすると言う決断をした。

そして声援に迎えられたライカがリングに立つ。
向き合う両者は見事に対格差が現れてる。
初回から激しい打ち合い。
ボクシング世界チャンピオンに引けを取らないジェシーのパンチ。
お互いに被弾しても一歩も引かない。
打ち合ってるライカは生きる実感を感じてるか楽しそうに見える。

しかしこれは総合だ。
ジェシーがテイクダウンを奪いグランドでコントロールしようとする。
俺の教えた技術で立ち上がりまたパンチを奮うライカ。
ライカは3回ぐらいは立ち上がっただろうかしかし徐々に削られグランドの抵抗が弱くなってきた。

本部席にいた俺も思わず声を出した。
いつもはやらない事だが体重も違い不公平な状態だったので殴られるライカに声を出せずにはいられなかった。
最後はもう動けなかった。
臼井さんがタオルを投げようか俺と目が合うシーンがあった。
ライカはまた立ち上がるんじゃないかと思い大丈夫じゃないか?と合図した。
しかし直後にレフェリーストップ。

メインの白井の試合が終わり控え室に戻る。
ライカはボコボコの顔で寝ながらアイシングしていた。
今度はちゃんと同階級の相手と試合組むからごめんよ的な事をライカに言ったと思う。
ライカは「絶対ですよ」と言いながら喜んでいた。
すぐ練習したいとも言ってた。ちゃんと休んで回復するように伝える。
沢山の人達が心配してライカの控室に訪れた。

きっといつまでも戦っていたいのだろう。
年齢も年齢だが体が動いてちゃんと言葉が発せるうちは練習と試合の面倒を見ようかと思う。

9/23はライカの戦う姿勢に皆が感動した。
うちの若手に足りないものを背中で魅せた。

昨日親子会員のお父さんに観戦の感想を聞いたら息子がライカに大興奮していたと言っていた。
そう言われると息子さん夕方のキッズクラスでは張り切って練習していた。
自分的には苦しいイベントだったが開催して良かったと心から思う。
臼井さんに連れられライカが初めて来た時、彼女に俺が感謝する時が来るなんて思ってもいなかったなぁ〜。
YAMA2217




Posted by ryo_chonan at 16:58