テイクダウン

March 09, 2018

今回のブログは格闘技の技術的な話を。
ブログには初めて書くんじゃないか的な話。

総合格闘技を始めるに当たって23歳時の私には組み技の経験が全くなかった。
U-FILEで初めて田村さんと上山さんに習った。
それからデビューしたのですが柔道やレスリングベースの選手には苦戦する事が多かった。

基本的に組み技経験のある選手には今更立ちレスを練習しても勝てるわけがないと考えてスタンドレスリングは捨てて試合の組み立てを考えていたのだが現場仕事と格闘技の練習でかなり腰に負担がかかっていたという理由もある。
その頃は工夫して下からの打撃と言う誰もやっていないであろう技術を磨きわざとマウントを取らせてブリッジで上を取り返すという誰もやっていないであろう戦術を考え使っていました。
今年で42歳になるので約20年近く前の話。

総合格闘技初期のレスラーは膝付きのローで入る低空タックルが主流だった。
レジェンドである桜庭さんが使っていた事もありタックルと言えば膝を付くのが当たり前であった。
今でもパンクラスでは上田選手が超低空を使っていますが。

時は流れ、自分自身が多くの試合の経験を積み、アメリカに渡りオリンピッククラスのレスラーに技術を教わったり実際に全米レスリングの大会を見たり、また日本に戻っても三宅先生に教わり大学に出稽古行かせてもらった結果、考え方は大きく変わりテイクダウンを捨てていた自分がテイクダウンを取れるスキルを身に付ける事が出来た。
それを説明したいかなと。
勿論異論があったりしても良いと思いますし何かあればSNSで会話してみたいと思うのでとりあえずの経験談と今日現在の考えを記します。

クエストで総合のスパー中、強豪レスラーからタックルでテイクダウンを取る事がしばしばありました。
しかし同じ相手でもグラップリングスパーではその成功率がだいぶ下がる。
それは何故かと言えばパンチの有無が大きなポイント。
パンチのフェイントを使いガードが上がった瞬間に腰を目がけて入る。
その際、相手の腕より低ければ良いので膝を付く必要はない。膝を付く事によるスピードの減速と切られた際のリスクの大きさを考える。
相手の腰に入れれば当たった耳の方向に横走りしながら倒れるまで持っていくだけ。

ここでのポイントは距離設定と打撃に対する反応。
本気で当ててこようとする相手ほどテイクダウンは簡単になる。
ただその為には打撃を恐れず中に入る勇気が要る。
少しでも恐怖を感じ間合いが遠くなればタックルは潰される可能性は高くなるのだが逆に相手に手が届く範囲であればタックルは十分狙える。またパンチの間合いでは膝を合わされる可能性が激減する。
またタイミングで入る両足タックルは一生懸命ゴリゴリ差して倒すテイクダウンと違いスタミナの浪費が少ない。
打撃を嫌がりタックルに逃げると言う言葉を聞いた事がある人は多いと思うが逃げのタックルが成功する確率は低いしタックルを攻撃と考えるならば打撃をかいくぐり攻めないといけないはず。
この辺の技術はGSPの試合など見てタイミングを学びました。

もう一つレスラー破りのポイントがある。
それが壁レスである。
組み技競技で壁ありで行なわれる競技はない。
総合はケージだったりロープだったりあるので、いくら組み技経験が豊富でも壁の前ではビギナーになってしまう。
壁を使えばテイクダウンを防いだり倒されても立ち上がったりディフェンスが出来る。
逆に壁を利用して相手を倒し封じ込めることも出来る。
この辺の技術は青木君と白井が抜群に上手い。
この二人と練習する事で私の壁レスからの逃げ技術は大きく進歩した。

振り返ると自分は現役時代の試合でテイクダウンをあまり使ってはいなかった。
殴り合いで負けたくないと言うくだらないこだわりがその理由だった。
キャリアの後半になってテイクダウンの重要性を考えた。それは無茶な試合や練習でだいぶ打たれ弱くなってる実感があったから殴り合い以外でも勝負しなければいけないと思っていたから。
ただ前述したように打撃の間合い入って相手を倒しにいく行為は逃げではなく攻撃である。
打撃に対する免疫がないと不可能である。
引退間際に言葉で説明できるくらいいろいろと解った事があって自分の過去の試合を後悔したのですがジムの代表やって選手を抱えているのでそこら辺は生徒に還元して研究も継続中です。
失敗も無駄ではないと。

木曜TRIBEのプロ練(組み主体MMA)では最初のウォームアップでテイクダウンのタックル部分の向上に必要な動きを多く入れている。
見渡すとちゃんとやってる人と適当に体を温めるだけと思ってる人とそれぞれである。
ジャンプ系や飛び箱潜りはタックラーなら必要な項目だと思っているしダッシュなどの走り込みも必要。
そう言う私ですが引退後は全くその手の練習していないので、メキメキとタックル力は落ちて柔術の試合ではなかなかスパッとテイクダウンが極まりませんでした。
近々念願のパワーマックスを購入するのでそれを使って少しでも現役時代みたいなタックルに戻れればと。

ただテイクダウンで倒しても続きがないとすぐに立ち上がられてしまう。
この辺の技術論はまた機会があれば。

Posted by ryo_chonan at 18:59