桂木嶺のひとりごと Ryo's cafe

Ryo's cafe改め、桂木嶺のひとりごとです(^_-) 歌舞伎・演劇・音楽・美術を中心に感想をまとめています。 横浜の海や花を眺めるのも大好きです。 おだやかな日々を送りたいと思います。 どうぞ楽しくお立ち寄りくださいませ。

歌舞伎を中心に演劇を観ている、演劇ライター・桂木嶺(かつらぎ・りょう)のブログです。お芝居の感想や音楽、美術のお話もしたいと思います。横浜の海や花のお話、家族のお話もいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

ああ〜鬼平ロスです♡

思えば95年の「鬼平犯科帳 映画版」のときに見に行って、みんなで大興奮したのを思い出します♪
いまもう時効だからいいますけど、日本アカデミー賞の投票で、私がいた映画会社の宣伝マンたちが(名前は伏せておきますね^^)「みんなで鬼平の吉右衛門さんに投票しようぜ〜(^_^)/」といって投票したら、ほんとに吉右衛門さんが優秀主演男優賞になったので、大喜びして、「アカデミー賞のお手伝いなんでもします〜(^_^)/」と上司たちにかけあったのを思い出します(^^)そのくらい、鬼平の吉右衛門さんにあこがれる人は多かったのですね(^_^)/

そのときの日本アカデミー賞の授賞式の会場が実は東京国際フォーラムAになったので、みんなで下見にいったのですが、あまりにも迷路でこまったのを思い出します。とある映画会社のオジサマたちが「こんなに複雑だと役者の導線がこまるやろ。迷子になってしまうで〜」と言っていて、上司たちが大慌てしたのも思い出します。

で、そのときに迷子になってしまったのが、なんと吉右衛門さんで!!

映画業界マンたちが、みんな「吉右衛門さんを探せ!」といって東京国際フォーラム中を探し回ったのを思い出します(笑)

私だけの、「鬼平」の吉右衛門さんにまつわるエピソードでした!

鬼平ばんざーい!すばらしい感動をありがとう!大播磨!たっぷり!

ビックリするほどオトナの世界で、夫も私も仰天しっぱなしの2時間でした!改めて驚くのは、ベテランの俳優さんたちに流れる緊張感!!28年も放送しているのにダレることがないのは、やはり大播磨(吉右衛門さん)のおかげなのかな?と改めて感じ入りました。
立ち回りとかはさすがにちょっと切れ味が薄れてきましたが、吉右衛門さんは、まだまだオトナの酸いも甘いもかみ分けた魅力たっぷりの鬼平を演じて見事でしたし、多岐川裕美さん、梶芽衣子さん、又五郎さん、うさ忠さん、勝野洋さん、レギュラー陣のみなさま(吉右衛門さんのお弟子さんがたくさん出ておられたのもうれしいですね^^)の熱演も見事でした。菊之助さんも謎の剣豪を好演されていました。(ちょっと「犬神家の一族」の佐清みたいでしたが^^)

脚本もビックリするほどよくて(原作が素晴らしいからだと思いますが)、金子成人さんのセリフがいちいち、「オトナだねぇ〜、おつだねぇ(^_-)-☆」とうなってしまうほど見事でした。その脚本にこたえたのは、若村麻由美さん!!私と年はひとつしか違わないはずなんですが、ビックリするほど色気があって、風情があって素晴らしかったです!完全復活ですね(^_^)/ これで彼女にオファーが殺到しそうです(^_-)-☆

渡辺大くん(って言ってはいけないですね^^ お父様そっくりになってこれもびっくり!)、谷原章介さんも大熱演でこれまたいい意味で裏切られました。谷原さんは、こんな悪役もこなせるのかとこれまた仰天!いろいろな役者さんの意外な一面や演技を引き出せる大播磨にまたまた瞠目しました!

個人的にちょっと笑えたのは、平泉成さん(^_-)-☆ 「鬼平VS『シン・ゴジラ』の臨時首相」という感じで面白かったです♪(すみません、「鬼平」で小ネタに走ったらお叱りを受けそうですが^^)
あと橋爪功さんも、全然吉右衛門さんの上司に見えなくて(失礼!)、でもかえってサラリーマンの悲哀っぽいリアリティがあって笑えてしまいました。

CMもやたらすごいスポンサーがついていてビックリ♪時代劇なのに!なぜか「海賊と呼ばれた男」のCMがついていて、「え?!東宝映画なのに、なぜ松竹さんのドラマについてるの?」とそちらに驚きました。裏(NTVさん、TBSさん)が「ハリーポッター」と菅野美穂さんの主演ドラマだったから、負けられないとおもったのかな(^_-)-☆
先輩たちもすごいことするなぁ〜!と思っておりました(苦笑)。

ラストは、なかなか感動的で、ちょっと泣けてしまいました。苦労した女性には、ちゃんと救いを用意する鬼平のやさしさにますますうっとり♪

これであと一回しか見られないなんて、本当にもったいないですね!泣いても笑っても、あと一回!しっかり拝見いたします\(^o^)/

昨日は、世田谷パブリックシアターのシアタートラムにて上演中の「キネマと恋人」を見てまいりました。タイトル通り、映画と芝居への愛情に満ちた、大変優れた劇的効果をあげて成功していました。ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの台本・演出により、素敵な優しい大人のメルヘンが誕生しました。満場の客席から温かい拍手がこぼれました。美しい詩的な物語の誕生です!

舞台は昭和11年(1936年、いまからちょうど80年前)の架空の日本の島。そこにある小さな映画館では、いつもフレッド・アステアやジンジャー・ロジャース、そして日本の高木高助(妻夫木聡さん)に魅せられ、劇場へ通う一人の人妻・森口ハルコ(緒川たまきさん)がいました。けっして幸せとはいえない夫婦生活を送っている彼女でしたが、映画館の中では、彼女に好意を寄せる雇われ支配人・小松(尾方宜久さん)のおかげもあいまって、一瞬の喜びをかみしめているのでした。

ある日、彼女はもう何度も通い詰めている高木高助の出ている映画のスクリーンから、彼の演じている間坂(まさか)寅蔵が飛び出してきて、ハルコを恋の世界にいざないます。夫・電二郎(三上市朗さん)は激昂し、ハルコに暴力を振るおうとしますが、ハルコの中で毅然としたなにかが芽生え、夫にも「もうあなたとはやっていけない。この島を出ていく」と宣言します。

ところが、映画のキャラクター・寅蔵の数々の奇妙な行動に小さな島は大混乱に陥り、高助のマネージャー・笛本(佐藤誓さん)やプロデューサーの小森林(廣川三憲さん)たちは、事態の収取に、主役の嵐山進(橋本淳さん)や、高助本人をロケに連れ、徘徊する寅蔵を説得しようと試みます。しかし、現実の恋を知った寅蔵は、がんとしてハルコとの恋をあきらめようとしないのでした・・・。

冒頭からスクリーンにトーキーの古き良き洋画が映し出され、ノスタルジックな映画への賛歌と、そこに集う観客たちの幸せそうな表情で、映画への愛をうたうKERAの演出・構成が見事です。また、映画の中のキャラクターであるはずの寅蔵が、現実の舞台の世界の中に飛び出す趣向は大変斬新で楽しく、映像の中の俳優たちとの掛け合いも実に見事で見ごたえがあります。キャスト・スタッフクレジットの見せ方も映画への愛を感じさせて面白く、プロジェクトマッピングを使った上田大樹の映像もファンタスティックな美しさに満ちています。俳優たちのきびきびした動きを生かした場面転換と振り付け(小野寺修二)もユニークで面白いです。

俳優陣では、コミカルでありながら誠実、飄逸な味も出した寅蔵と高助を演じた妻夫木さん、可憐だけどもの悲しさと現実逃避に映画に埋没するハルコの緒川さん、その妹を演じたともさかりえさんがそれぞれ好演。また、マネージャー役の笛本役の佐藤さんが謹厳実直で真摯な男と、シェフ、そして娼婦などを演じ分けてオーラを放ち、快演しました。夫役の三上さんも異様な執着でハルコに迫り、こちらも鮮烈な印象を残します。スター役の橋本さんが、頂点にいる者の傲慢さと魅力を見せて清冽でした。

最後は、寅蔵ではなく、高助との恋を選び取ろうとしたハルコでしたが、「現実」の壁は厚く・・・というほろ苦い結末になっています。忍び寄る時代の鬱蒼とした空気もさることながら、人生という「現実」と、芝居・映画の「虚構」に逃げ込んでしまう人間の弱さをハルコが体現しており、でもだからこそ人生のすばらしさも実感できる舞台となっていました。

ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの映画・演劇賛歌でもある一方、現代の映画・芝居の「オタク化、苛烈化」に対する一つの痛烈な批判にもなっており、脚本の作り方にも一石を投じ、そして人生賛歌でもある心豊かな物語になりました。とても素晴らしい舞台で感動しました!この舞台を鑑賞できる機会を作ってくださったみなさまに感謝いたします。


早くも12月の声を聴くことになりました。一年がたつのもあっというまですね(^^)

さて、今月の観劇・鑑賞予定をお届けいたします。
どこかでお目にかかれる方がいらっしゃいましたらお声かけくださいませ。

1日(木)シアタートラム「キネマと恋人」
3日(土)神奈川県民ホール 神奈川フィル ベートーベン「第九」
14日(水)みなとみらい大ホール 前橋汀子さんリサイタル
22日(木)歌舞伎座第1部
24日(土)ミューザ川崎 山形由美さんリサイタル
31日(土)横浜みなとみらい大ホール ジルべスターコンサート

今月はやはり年の瀬ということで、クラシック鑑賞が中心となります。
歌舞伎はちょっと第1部だけにして、お休みです。
「あらしのよるに」は映画化の際、獅童さんの熱演もあり、すばらしい出来栄えだったので、
とても楽しみにしております。アニメのプロデューサーの方にいろいろお話を伺えたのが
いまとなっては大変なつかしい思い出です。

「キネマと恋人」は、出演者の方々がインフルエンザに罹患するという
アクシデントに見舞われましたが、無事に上演されているようなので
楽しみにしております。

また31日は生まれて初めてのジルべスターコンサートへ行くので
大変楽しみです!夫と一緒に参りますのでうれしいです。
よい一年にしたいと思っております。

12月もあわただしく過ぎていきそうですが、
いつも感謝の心をわすれずに、元気に過ごしたいと思います。


ツイッターの情報で、私もdマガジンを購読しているので読むことができました(^^)
週刊現代(今週発売です)に、吉右衛門さんがロングインタビューでご登場、
明後日、しあさって放送される「鬼平犯科帳 FINAL」のことについて
語っておられます。
取材は、毎日新聞の小玉祥子さんで、とても素晴らしい内容です。

オジサマ雑誌のイメージのつよい週刊現代ときいて、
最初はどっきりしたのですが(笑)
とても良心的な内容で、すてきなモノクログラビアになっていて、
すてきなインタビューになっています。

菊之助さんや和史ちゃんのことにも触れていて、
おふたりの行く末をとても真摯に案じているのも好感が持てます。
また、襲名50周年を迎えての心境や、
周囲の歌舞伎役者さんの絶賛の声なども取り上げられており、
吉右衛門さんファンにとってはたまらない内容になっています。

お父様の白鸚丈の思い出にもふれ、
「鬼平」ご出演にいたった経緯や、大ヒットしての周囲の環境の変化なども
楽しく語られていて、おもしろいです。
特に白鸚さんのエピソードと「戦後の平和をのんびり享受した僕(吉右衛門さん)」の
違いを強調されているのも、とてもユーモアがあって楽しいです。

女性の方はちょっと買うのは勇気がいるかもしれませんが、
ぜひたくさんの方にお読みいただきたい、
今週の「週刊現代」でした(^_-)-☆

きょうは大変贅沢な一日となりました。まず午後から表参道の根津美術館に行きまして、円山応挙展と、お庭の見事な紅葉を眺めてまいりました。円山応挙の作品で素晴らしかったのは、「藤花図屏風」と、「雲竜図屏風」ですね!圧倒的な筆力と繊細な色使いにため息をついておりました。またお庭の紅葉も、別投稿で出しましたが、とても美しく、きらきらと輝いて、見るものを楽しませていました。

美術館を終えてさて帰ろうか・・と思っていたところへ、お友達の方からお電話が。「きょうのすみだトリフォニーホールの公演に行けなくなってしまったので、代わりに行ってもらえるとありがたいのですけど」というお申し出。行こうかどうしようか迷っていた公演だったので、即行くことに決めて、ご厚意に甘えることにしました。

きょうの公演は、尾上菊之助さんと新日本フィルハーモニー交響楽団による、「歌舞伎とシェイクスビアの音楽」というタイトル。一見どうこのふたつがコラボするのだろう?と思っていたのですが、菊之助さんは、すでに蜷川幸雄さんと組んで「十二夜」を上演した実績があり、今回は演劇評論家の長谷部浩さん監修による、坪内逍遥の訳の「ロメオとジュリエット」を語りつつ、新日本フィルハーモニーがプロコフィエフの同名のバレエ音楽を演奏するという、大変ユニークな試みとなりました。

第一部は、菊之助さんが、まず河竹黙阿弥の名作「白浪五人男」の浜松屋の弁天小僧菊之助の名台詞を、はじめは何も下座をつけない状態で語り、つぎに下座をつけて語るという趣向で面白くみせてくれました。長谷部さんは解説で、「このように、音楽をつけないで役者ひとりがセリフを語るというのは大変に勇気のいることだと思います」とお話され、下座音楽の大切さをお話してくださいました。また、つぎに素踊りで「娘道成寺」の一部(「鞠唄」「恋の手習い」)を菊之助さんが踊られたのですが、かれの肉体からつぎつぎと花のような女性の表情がうかびあがり、大変面白く見ることができました。菊之助さんの美しさとあいまって、大変劇的な効果を表していたと思います。

第二部は、「ロメオとジュリエット」の演奏と語りです。私はプロコフィエフの音楽は生まれて初めて聴きましたが、CM音楽でもおなじみの曲もあり、親しみやすく楽しむことができました。新日本フィルハーモニー交響楽団は見事なハーモニーで聴かせてくださり、途中菊之助さんがロメオ、ジュリエット、大公などを演じるという大変素敵な趣向を凝らして、作品の魅力を改めて浮かび上がらせてくれました。こちらも監修は長谷部浩さんです。指揮は角田鋼亮さんでした。

公演が終わって、となりにいらしたご年配の女性の方が大変感激されており、クラシック鑑賞中心だそうですが、歌舞伎の魅力にもあらためてとりつかれたようでした。菊之助さんの語り、舞踊、演技がそれだけ魅力的でもあり、また大変透明感あふれる清冽な演技だったので、満場の観客のふかい感動を呼んでおりました。

すみだトリフォニーホールは、私は初めて伺いましたが、大変立派なホールで感心しました。小澤征爾さんが設計の監修をされているそうで、随所にこだわりを感じました。また墨田区の方にも大変親しまれており、こうした形で芸術鑑賞が身近なものになるのは大変すばらしいことだと感じ入りました。
今回貴重な体験をさせていただき、感謝するとともに、チケットを譲ってくださったお友達、ご一緒いただいたお友達のみなさまに感謝したいと思います。また長谷部先生にもお礼申し上げます。すばらしい企画でしたので、またこのような企画が実現しますことを祈っております!



きょうは夫と一緒に、とてもお天気がよかったので、横浜本牧の三渓園に行ってまいりました(^^)

お目当てはもちろん紅葉でしたが、生まれて初めて三渓園に行くので、
見事な庭園もしっかりチェックしてきました(^_^)/

本当に素敵なお庭と池(カモが優雅に泳いでいましたね^^)、紅葉と
日本家屋のすばらしさに、夫も私も大感激しました。

三渓園は明治時代末から大正時代にかけて財を成した、
実業家・原三渓(本名・富太郎)の所有した広大な日本庭園を、
その没後である戦後に、一般公開したものです。

まるで京都にいるような感覚で、日本庭園の見事さを楽しむことができました(^^)

三渓園を見終わったあとは、近くのしゃぶしゃぶ屋さんでランチをいただき、
舌鼓♪ 自宅から30分くらいで行けてしまうので、
またときどき来たいね、と夫とも申しております(^^)

幸せな一日になりました!

別の新聞で、亀山社長が吉右衛門さんのことを「歌舞伎界のスーパースターです」とおっしゃってくださり、涙が出るほどうれしかったですね!

平成の始まりともに始まった「鬼平」ですが、ジプシーキングスのエンディングといい、洒脱な人間模様といい、長谷川平蔵の理想の男性ぶりといい、すべてにおいてパーフェクトな作品だと思います。

吉右衛門丈の魅力だけでなく、まわりのキャストの芸達者さ、ゲストのみなさんの(普段なかなか見られない)演技巧者ぶり、本当にスタッフ・キャストの叡智の集まった奇跡の作品ですね。

「鬼平」が終わってしまうのは本当に残念で、私の青春がひとつ終わった感もあります。でも、終わりがあればまた始まりもあります。吉右衛門丈には、これを機にまた新たな作品(ドラマで現代劇の御出演だってありだと私は思います^^)にご出演いただいてもいいと思いますし、テレビ各局の方の英断も期待したいところです。

舞台でますます大輪の花を咲かせていただいて、役者人生を実り豊かなものにしていただきたいと思います。

「鬼平」に関する思い出話は、もっと語りたい方がいらっしゃると思いますが、ひとつの男の人生の在り方としてまなぶべきことの多いドラマでした。12月2日と3日は威儀を正して拝見したいと思います。

吉右衛門さん、ご卒業おめでとうございます!鬼平万歳!

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161125-00000205-sph-ent

きょうは既報通り、国立劇場大劇場の忠臣蔵第2部に行ってまいりました(^^)結論から言うと、五段目・六段目・七段目ととても見ごたえがあり、菊五郎さんと吉右衛門さんの芸の充実がよくわかるものとなりましたし、国立劇場50周年にふさわしい内容になったのではないかと思います。もちろん「落人」もよかったですね!
今まで私は、五段目と六段目はあまり得意ではなかったのですが、今回菊五郎さんの勘平を拝見させていただいて、その型の精緻のみごとさと自然体で演じ、リアルに演技が運んでいる様子に大変感激しました。東蔵さんのおかや、菊之助さんのおかる、魁春さんのお才、團蔵さんの源六、歌六さんの原郷右衛門、権十郎さんの千崎弥五郎とそれぞれ配役もよく、また松緑さんの斧定九郎もふてぶてしい好演で、とても面白かったです。勘平がなぜ切腹に至るのか、いままで私、あまりよくわからないでいたのですが、心理的に彼が追い詰められていく過程をじっくりと菊五郎さんが見せてくれ、堪能することができました。また東蔵さん扮するおかやとの関係もとてもよかったですね。二人の間に血縁でないが信頼関係があったからこそ、与市兵衛の死をめぐってふたりの間の感情のぶつかりあいが逆に激しくなっていくのが見事でした。魁春さんのお才も、でしゃばることなく、かといって、一文字屋のおかみとしての貫禄もあり、こちらも出色の出来栄え。菊之助さんのおかるも一途なところを見せて可憐で美しかったですね。
で、文句なく今年の白眉のひとつでもある七段目。吉右衛門さんの由良之助の悠然たる風情のよさと色気にまず感激。「とらまえて、とらまえて酒飲まそ」と登場するところから、まさに華のこぼれるようなオーラが見えて大感激しました。紫の着物が長身によく映えます。大いに酔ったようにみせて、ふっと力弥の前で見せる「家老・由良之助」に戻る瞬間の鋭い殺気と峻厳さにかれの大人ぶりがほの見えで傑作。またおかる(雀右衛門さん)に身請けをもちだすときに、「この由良之助に受けださるるがそんなにうれしいか」ときいたときに、なんともいえず切ない面持ちになるのが情があふれていてすばらしいですね。
また今回特筆すべきは又五郎さんの平右衛門と、雀右衛門さんのおかるです。実に思い入れたっぷりで、白熱した演技と兄妹の情をかもしだして、こちらもすばらしい出来でした。又五郎さんは前半は落ち着いた平右衛門像で芝居をリアルに運びますが、雀右衛門さんに勘平の死を伝えてからは一気に激情がほとばしるのが素晴らしかったです。きびきびと奴らしさもみせつつ、兄としての思いも工夫したのがよかったです。
雀右衛門さんは大変かれんなかるですが、どこか女としての隙があるというか、それがこぼれんばかりの色香を色町に来てからさかせたようなわびしさもあり、嫋々たる風情がありました。勘平の死を知ってからの悲嘆、そして覚悟もふくめて一途な女の熱情を感じさせて見事でした。
大変芸術の秋にふさわしい、忠臣蔵第2部でした!感激しました!

いつも海老蔵さんや麻央さんのニュースを見るたびに、こころを痛めるのは、かんげんくんのことです。

こんな3歳のころから、大人の事情やいろいろな悩みを聞かされて、かれはどう思っているんだろう。

写真に登場すると、けっしてかんげんくんは目が笑ってないんですよね。

なんというのか、3歳の子供だから、とおもっていても、

じつはけっこう周りの大人たちのことを冷静に観察しているものです。

かれやれいかちゃんのこころの痛みに、だれかがよりそってあげてほしいと願っています。

いつも海老蔵さんや麻央さんもブログを書く前に、こどもたちを抱きしめてあげてほしいなと思っています。

母の体調がおかげさまでだいぶ落ち着きましたので、11月後半の観劇予定が出てまいりました。
22日の国立劇場と、25日の歌舞伎座昼の部千穐楽です。
ご一緒に観劇される方がいらっしゃいましたらお声かけくださいませ(^^)

よろしくお願いいたします。

みなさま(^^) 「劇評をおやすみします」といっておいてなんなのですが、歌舞伎学会からご案内がきまして、来月発行の「歌舞伎 研究と批評」58巻に、拙稿の評論が掲載されることになりました。まだ発行日は未定ですが、きまりましたら、またあらためまして、ご案内さしあげます。
歌舞伎学会への寄稿は30巻(2002年)以来ですので、大変ごぶさたしてしまいましたが、とてもやりがいがあり、たのしい作業でもあり、いろいろたくさんの方にお力添えいただき、はげましていただき、ご教示いただきましたので、感謝しております。

発行されましたら、ぜひご一読いただきまして(ちょっと2500円くらいするので、割高なのですが、立ち読みでも結構です)、みなさまの忌憚のないご意見やご感想をうかがって、勉強したいと存じます。

これからも劇評をがんばれ、というメッセージだとおもいますので、いろいろあってもがんばりたいと思います。
とりあえず、お礼とご報告まで(^_^)/

「真田丸」は毎週見ているのですが、きょうはちょっと録画にお任せして、フジテレビの今日からスタートした、「フルタチさん」を見てみました・・・が、これが実に面白いバラエティの快作で、久々にフジテレビ、達磨の両目があいたのではないでしょうか(^^) 「真田丸」が年内で終わってしまうので、とてもさみしく思っていたのですが、いやいやどうして、「フルタチさん」が日曜夜19〜20時の楽しさを満喫させてくれそうです(^^)

まず、MCである「古舘伊知郎」というひとを様々な角度から切り取るのが面白い。私の世代だとやはりプロレスの過激な実況中継の名物アナウンサーでもあった彼、しかし、もう若い世代だと、「報道ステーション」の落ち着いた口調で語る古舘さんのイメージが強烈だったと思います。しかし、実際の彼は大変に、大変におしゃべり好きなひとでもあるし、言葉のマジックの達人でもあります。その達人ぶりを、MRIで分析して、彼の脳を見てみることで、かれがいかに「言葉のマッチョ人間」であるかが浮かび上がるという構成が楽しいですね。

また、古舘さんやゲストの森昌子さんが大好きだという「じゃがいも」。これについての古舘さんの言葉がふるっていて、「じゃがいもなんて、とみんなおもっているでしょう。やせた土地でも手に入る。一年中食べられるし、安いから大丈夫と思ってる。でもそこが違うんです!じゃがいもというのはもっと奥が深いんです!」と熱く語る古舘さんと、森昌子さん(このかわいらしさが彼女の人徳だという気がしますね^^)たちに、じゃがいもの食レポをさせるのですが、これがふつうのバラエティの食レポとまったく違うのは、そのゲストの人たちの語彙の豊かさ!!

特に驚くのはミッツ・マングローブさんで、じつに彼女(彼)は饒舌にじゃがいもだけでなく、さまざまな事象に関して語れるひとなのだということがわかり、かなりイメージがよくなりました。知性もあるし、素敵な批評眼をお持ちなので、この番組でその魅力や人柄がぞんぶんに出てくれるといいなと思っています。

また、とても楽しく意外性があるのが、ビビる大木さんです。ここでのビビるさんは、いつもの元気印キャラを封印して、むしろクールでシニカルに、「古舘さん」を批評する存在になっている演出が面白いし、ユニークだと思っています。こんな彼を見るのは新鮮で、とても楽しく見ていられます。

取り上げる題材も(子役さんのところは、ちょっと…業界ネタはあまりよくないような気がしましたが)、身の回りで起きるちょっとした素朴な疑問を解決しようとしていて、好感が持てました。

日曜の夜19〜20時といえば、家族団らん、楽しく笑って、でも知的興奮もくすぐられるのがいちばんですよね。番組から立ち上るたくまざるユーモアに、すっかり魅せられました。

まずは第1回ということでお手並み拝見ですが、もう十分おなか一杯楽しめて笑って、気持ちが暖かくなりました。来週からの放送も楽しみです(でも一応年内は録画するつもりです^^)。

みなさまへ

いろいろいつも楽しくご覧いただきまして、

ありがとうございます。

ちょっと家の事情により、

劇評はしばらくお休みいたします。

観劇もちょっと控えていきたいと思っております。

身の回りのお話や、日々雑記はつづけて

書かせていただきますので、

どうぞよろしくお願い申し上げます(^^)

きのうは既報通り、国立劇場50周年記念公演、「仮名手本忠臣蔵」の第2部に行ってまいりました(^^)とてもすばらしかったのですが、ひとつお詫びが・・・・(;^_^A 実は私、六段目で、会場の暖房のあたたかさに不覚にもすやすや眠ってしまったのです!!(;^_^A 演者のみなさん、大変失礼いたしました。

というわけで、あまり六段目に関しては、いい感想が書けないのです。印象に残るのは、菊五郎さんの勘平の姿のよさと、歌六さんの原郷右衛門の立派さですね。いい舞台を拝見したなと思います。
次回16日に拝見するので、そのときはちゃんと起きて、拝見して書きたいと思います。

というわけで七段目を中心に書かせていただきます。

七段目はもちろん大星由良之助(吉右衛門さん)の活躍を描くものですが、寺岡平右衛門(又五郎さん)、おかる(雀右衛門さん)の兄妹愛を描く名編でもあります。まず、なんといっても吉右衛門さんの大星に大きな大人の余裕があって立派。遊びほうけている姿も、仇討ちで見せる峻厳な一面もどちらも大星の本質として描いており、大変見ごたえがありました。特に、嫡男・力弥(種之助さん)への密事を伝える場面の緊迫感、男の中の男として風貌の立派さには、凄艶な色気があり、陶然となりました。由良之助役者としてまさに第一人者でいらっしゃると思いますし、ふかく感動しました。また「よくも魚肉を食らわせたな」のすごみと恐ろしさに、この大胆な仇討ちを実行するだけのふところの大きさを感じさせて秀逸でした。

又五郎さんの平右衛門が、かれの朴訥かつ実直な人柄を描いてよかったですね。勘平の死をおかるに伝えるときの苦渋も見事でした。また雀右衛門さんのおかるが、由良之助とのじゃらじゃらしたかけあいも清冽な魅力で見せてくれました。このふたりの兄妹愛がうまく描けていたので、とても素敵な物語として七段目が生き生きとしたものになりました。

そのほか印象に残るのは、三人侍の亀三郎さん、亀寿さん、隼人さんの充実ぶり。それぞれ気概にあふれる若者たちを見事に演じておられました。若手花形がどんどん育ってきて、特に亀三郎さん、亀寿さんは襲名も控えており、気力十分という印象を受けました。心強いことですね。

ともあれ、とても充実した忠臣蔵第2部でした。(ああ眠りさえしなければ!でもそれだけとてもみなさんのセリフ回しが心地よかったということですよね(^_-)-☆)
またこの素敵な大星に会いに、劇場へ通いたいと思います(^^)

終演後は、観劇仲間のみなさまととても、楽しいひとときを過ごしました。いろいろ忌憚なく芝居の感想を言えるのは幸せなことですね。心の整理にもなりますし、また精神的にとても励みになります。出会いに感謝したいと思います!

おかげさまで、今日は母が無事に退院できる運びとなりました。
いろいろな方にご心配、お気遣いいただき、また応援もしていただき
本当に感謝しております。

母も父も大変喜んでおり、夫婦で二人三脚で頑張ってまいりましたので、
ふたりのためにも、本当によかったと思っております。

母もよくがんばってくれたと思います。
もともとあまり体が丈夫でないうえに、持病もありました。
これからはいろいろとささえてやりたいと思います。

またいろいろとお料理を作ったり、身の回りの世話をしてやりたいと思います(^^)

まずは本当に感謝にたえません!
取り急ぎのご報告でした(^^)

きのうはおかげさまで、母の具合もよくなりまして、歌舞伎座夜の部千秋楽に行ってまいりました(^^)
「外郎売」「口上」「熊谷陣屋」「藤娘」いずれもとても素晴らしい出来栄えで感動いたしました。

特に「熊谷陣屋」に関しては、芝翫さんが、芝翫型を十分にこなしており、フォトジェニックなスターであることも証明しました。セリフに関してはもうちょっと緩急をつけて一本調子にならないようにしていただければと思いますが、とても明快なセリフで聴かせるところは聞かせてくれたので満足です。

またなんといっても吉右衛門さんの義経と、歌六さんの弥陀六が素晴らしく、このふたりの外伝ができてしまいそうなくらいストーリーに深みがありました。吉右衛門さんは高音部も見事に聞かせ(いちどかれで、菅丞相を見たくなりました!)、「イヤさ、宗清待て」といったところの音遣いの見事さ、「じいよ」といったときのこぼれんばかりの愛嬌とひとなつっこさ、そして毅然として座しているときの貫禄など、十分に御大将としての品格と大きさをあらわしていて目が離せませんでした。またぜひ吉右衛門さんの熊谷が見たくなりましたし、そのときはぜひ「陣門・組打」など、思い切って通しで熊谷をしていただいて、決定版としていただければと思ったくらいです。

観劇の後は、芝居好き仲間たちと楽しく懇親会をしました(^^) 久々においしいお酒をいただいて、なんと「獺祭」もいただいてしまいました。お刺身も、おつまみもおいしくいただいて、幸せでした。忌憚なくお芝居のお話ができるのはうれしいですね!

最後にお詫びです。歌舞伎座の劇評で、「幡随長兵衛」を「幡随院長兵衛」と書いてしまいました。お詫びして訂正させていただきます。

それではみなさま、お天気もよいので、今日も素敵な一日を♪

このブログも気が付けば、26万アクセスを突破していました!
本当に、本当に、ありがとうございます。

いろいろ改良も加えて、この形になりましたが、
ツイッターからも読めるようにしたり、
Facebookからも読んでいただけるようにしたりしていて、
それで急にアクセスが増えたのかな、と分析しています。
本当にありがとうございます(^^)/

ときどき、身の回りのこともつぶやいたりしていますが、
劇評を中心にお話ができるようになって
とてもうれしいです。
劇評をたくさんの方が読んでくださるので
本当にありがたいです。
ご指摘をいただく方々にも感謝に堪えません。

今後ともどうぞよろしくごひいきご鞭撻のほどを
お願い申し上げます\(^o^)/

大変ショッキングなニュースが入ってきました。
まさに現代を代表する名優の一人、平幹二朗(ひら・みきじろう)さんが
お亡くなりになりました。享年82歳でした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161023-00000149-spnannex-ent

お風呂の中で亡くなられたということで、あまり苦しまなかったのかなと
思っております。せめてもの救いですね。

舞台については、まずその存在を知ったのが6歳のときだったと思います。
帝劇で蜷川幸雄さんと「三文オペラ」を演じるというので見に行きたかったのですが、
「未就学児の方はお断りしております」ということで見に行けず、
ようやく見に行ったのが、「王女メディア」でした。
あまりのすさまじい、圧倒的な演技とスケールと大きさ、不気味さと悲しさが
あふれる芝居に、驚嘆したものでした。

そして、なんといっても2000年10月に上演された「グリークス」!!
私の一生を変え、「劇評を書いていこう」と決意した傑出した舞台でもありました。
10時間という大変なロングランを終えて、達成感にみちた平さんの笑顔を、
一生忘れることができません。

また、大河ドラマの「篤姫」で現場をご一緒させていただいて、
大変温厚な紳士でいらしたので、またまたビックリさせられました。
2回だけの御出演だったのですが、「ボク、まだまだ1クールはできますよ(^^)」と
穏やかな笑顔でおっしゃったのが忘れられません。大変気配りの行き届いた方で
うならされたものでした。

ほかにも「近松心中物語」「タンゴ・冬の終わりに」「NINAGAWAマクベス」などの
舞台のほか、大河ドラマも「国盗り物語」「樅の木は残った」「武田信玄」などなど
こちらも現代演劇、そして大河を代表する俳優の一人でありました。

ご子息の平岳大さんが、立派に成長されて、すばらしい俳優さんになられたことも
きっと安心されたことだと思います。

まだまだ語りつくせぬ平さんの魅力ですが、心よりご冥福をお祈りいたします。
魂よ安かれ!

いま、母がちょっと腸炎になってしまって、都内の病院に入院しています。
ずっと父が看病をしていて、私もお芝居をキャンセルなどして
お見舞いに行っているのですが、
きょうは夫も一緒に来てくれました。

きのうまでつらい点滴を打っていた母でしたが、
きょうは点滴がはずれ、すこし院内を車いすでお散歩できました。
すこしずつですが、元気がでてきて、
食欲もでてきて、退院にむけて準備をすすめつつあります。

いろいろな方にご心配いただいて、
本当に感謝しています。

夫もいろいろ陰で、夕飯をつくってくれたりして
サポートしてくれているのでありがたいですね。

日ごろ、こうした家族の協力に、「当たり前のことだ」と
思ってしまいがちなのですが、
母の穏やかな笑顔を見ていると、
なにが一番大切か、考えさせられますね。

早く母が元気になりますように!

このページのトップヘ