2017年10月20日

子宮蓄膿症

本日の症例は、元気食欲がなくなった猫ちゃんです。

前日から元気食欲がなく、人気のないところにじっとしているということで来院されました。
血液検査では異常が見られませんでしたが、超音波検査では子宮の拡張と液体貯留の像が見られたため、子宮蓄膿症と診断し、手術を行いました。

子宮蓄膿症は、犬では一般的に不妊手術を行っていない成犬~高齢犬みられます。
猫では犬ほどは頻繁にみられない病気ですが、若齢での発症も見られます。

子宮蓄膿症は、子宮内部に細菌が増殖し、血液や膿が溜まる病気です。
女性ホルモン(特に黄体ホルモン)が関係していると考えられています。黄体期(発情期の数週間後)には子宮の内膜が増殖し、子宮内部が細菌に感染しやすい状態になります。この時に感染が起きると子宮蓄膿症を発症します。

症状は、元気食欲の低下、発熱、嘔吐、多飲多尿などが見られます。下腹部が膨満して触ると痛がる場合もあります。放っておくと、最近の毒素により多臓器不全や敗血症をおこして、最悪の場合死に至ります。

治療は外科的に子宮卵巣摘出術を行います。

以下は手術の写真です。
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子宮が内容物で充満しています。


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子宮と卵巣を摘出している所です。

子犬・子猫の内に避妊手術を行うことで予防ができるので、繁殖する予定の無い場合は避妊手術を早く行ってあげることをお勧めいたします。


ryo_petclinic at 21:11|PermalinkComments(0)

2017年10月10日

上皮小体摘出術

本日の症例はカルシウムの値が高いワンちゃんの治療のお話です。

http://blog.livedoor.jp/ryo_petclinic/archives/72927418.html
↑前回のブログ
原発性上皮小体機能亢進症と診断しました。

治療は原発性、腎性、栄養性それぞれで異なります。

原発性の場合は、外科治療で上皮小体の切除手術を行います。
上皮小体は、甲状腺の周りの左右2つずつありますが、この4つとも大きくなってしまっている場合は、1つだけ残して摘出します。
腎性の場合はリンを制限した腎臓病の療法食を与えます。それでも高値の場合はリンの吸着剤の投与を行います。
栄養性の場合、一般的にはカルシウムとリンのバランスが適切なペットフードメーカーの総合栄養食を与えます。(現在は良質なペットフードが市販されているため栄養性上皮小体機能亢進症の発生はまれと言われています。)


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ピンセットの先が上皮小体です。

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無事に摘出できました。

術後カルシウムの値は正常範囲に近づいてきています。
必要に応じて、カルシウム投与などを行い、体内のカルシウム濃度を調整します。

現在、病理組織学的検査の結果待ちです。



ryo_petclinic at 21:56|PermalinkComments(0)内分泌科 | 手術

2017年10月06日

膀胱結石

本日の症例は頻尿・血尿の続いているネコちゃんです。

尿検査で結晶が見られ、超音波検査では結石になっているのが見つかりました。
尿石の溶解を目的とする食餌療法を行っていましたが、溶解が認められなかったため、
手術で膀胱切開を行い、結石を摘出しました。

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6つの結石を摘出しました。
この結石が膀胱の粘膜を傷つけ、血尿を引き起こしていたようです。

結石が見つかった場合の治療は手術で結石の摘出を行い、予防は基本的には食餌療法を行います。
食事療法で溶ける種類の結石と、溶けない種類の結石があります。今回は溶けない種類の結石だったようです。
現在、この結石がどのような成分なのか検査に出し、結果待ちです。

検査結果をもとに今後の食餌管理を行う予定です。


ryo_petclinic at 22:27|PermalinkComments(0)泌尿器科 | 手術