170207掲載紙 日経新聞

2月7日の日経新聞の記事に高橋亮平のコメントが掲載されました。

小池新党や小池都政についてなどのコメントしました。


以下掲載記事

(日経新聞 2017.2.7)

迫真HAKUSHIN
小池都政 とめどなき戦い

「ここまで圧倒的とは…」

有権者数わずか5万人弱。小さな区長選が、東京都知事の小池百合子(64)には大きな勝負だった。5日投開票した千代田区長選は、小池が支援した現職が都議会自民党が擁立した候補に3倍超の差をつけて圧勝した。「ここまでは、うまく回っている」。小池は側近に興奮気味に語った。
 築地市場の豊洲移転、2020年東京五輪の会場、都議会自民との衝突−−。テレビでは連日、都政の話題が人気だ。問題は複雑だが人間同士の対決構図がみえるからだ。仕掛けるのは小池だ。
 「各テーマでわかりやすい敵がいる。政策だけではなく人を相手にするのが『小池劇場』だ」。中央大学の高橋亮平(40)は指摘する。
 豊洲問題なら移転を認めた元都知事の石原新太郎(84)、五輪は組織委員会会長の元首相の森喜朗(79)。そして都議会自民では、ドンと呼ばれる都議、前都連幹事長の内田茂(77)が適役に据えられている。
 今回は単なる区長選ではない。内田のお膝元の選挙だった。「小池VS内田の代理戦争」(自民都議)を制し、都議選に弾みをつけた。小池は事前に「ただ勝つだけではなく、圧勝しなければダメ」と漏らしていた。区長戦後、小池陣営からは「これで終わりだ」との声が上がった。
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 小池は旧体制と戦う姿を演出する。スローガンは「東京大改革」。内田ら都議会自民を「ブラックボックス」と評し、対決して勝つことで「改革者」を印象づける。
 似た戦いが浮かぶ。小泉潤一郎(75)だ。05年、郵政選挙で自民党の反対派を「抵抗勢力」と名付けて大勝した。小池は当時「刺客」として戦い、注目を集めた。世論を巻き込む小泉の手法は小池も熟知している。
 「知事の頭の中は、既に都議選一色だ」。都庁幹部は語る。いまは小池の支持率は高い。しかし7月の都議選で、都議会自民など「反小池派」が定数127の過半数、64議席を獲得すればどうだろう。予算も条例も思うようにつくれず、政治力はしぼむ。戦いを絶やさず、世論を引き付けたまま都議選に臨み、勝つことが生命線になる。
 「都議選の本物の候補に選ばれるよう、しっかり学んでほしい」。小池は1月29日、主宰する政治塾で訴えた。当初は40人規模の「小池派」擁立をめざしていたが、目標を上方修正する。区長選の勢いを見て単独過半数の擁立へかじを切った。
 小池側近は各会派と会合を重ね、都議会自民の包囲網急いでいる。都議会で公明党は自民党との連携を解消し、小池に寄った。民進党は都政で小池への「全面的支持」を宣言した。小池との連携を模索する同党の都議選公認内定者の離党が相次いでいるからだ。
 「都民ファーストというが、実際は選挙ファーストだ」。鳥取県知事を務めた慶大教授、片山善博(65)は語る。
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 都議選で勝てば、国政の戦いも視野に入る。秋以降とされる衆院選だ。
 東京の衆院小選挙区は25。比例復活を含めると、そのうち24選挙区に自民党の現職がいる。その選挙を支えるのは誰か。自民党の都議や区議だ。都議選で都議が減り、小池を恐れた区議らが新小池に転じれば、国会議員の基盤が揺らぐ。小池側近も「秋に衆院選という覚悟だ」と意気込む。
 自民党の衆院議員は危機感を募らす。「都議選に勝つ戦略があるのか。あったら教えてくれ」。1月25日、自民党本部で開いたと選出国会議員の会合。鴨下一郎(68)が執行部にただしたが、明確な答えはなかった。若手の小倉将信(35)は、5人の地元秘書を近く7人に増やし、都議選を機に地盤固めを急ぐ。
 民進党も悲鳴を上げる。先月の全国幹事長会議では「(党全体で)小池知事と協調路線をとってほしい」との声が複数あった。小池が国政に進出すれば無党派を奪われ、民進党が割を食う−−。そんな恐怖感がある。
 1月10日。小池は首相官邸で安倍晋三(62)と面会した。安倍側近は「『衆院選は自民党候補を応援する』と小池が明言した」と語る。この言葉が報道されると小池はツイッターで「言ってもいないことを都合よく脚色している」と否定。既に神経戦は始まっている。
安倍は区長選をどうみたのか。結果判明後、安倍と話した人物は明かす。「首相は『ここまで圧倒的とは……』と驚いていた」  (敬称略)
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 小池都政で続く戦いのいまを追った。