No Nukes 原発ゼロ

初代「No Nukes 原発ゼロ」 の後続版です。 政治・原発問題などを中心に、世の中の「気になる動き」をメモします。

膨張続く防衛費 規模ありき、国会で正せ
<東京新聞社説> 2025年1月24日 08時10分
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 2025年度予算案で防衛費は約8兆7千億円に上り、過去最大を更新した。政府は23~27年度の防衛費総額を43兆円と定め、年1兆円程度のペースで増額してきた=グラフ。24日召集の通常国会では「規模ありき」で続く防衛費膨張を正す論戦に期待したい。

 政府は、国内総生産(GDP)比1%程度で推移してきた防衛費を関連予算を含めて5年間で2%へと倍増させる方針。

 3年目に当たる25年度も敵基地攻撃能力(反撃能力)の整備を重視し、長射程ミサイルの配備や開発に3100億円余り、標的を探知・追尾する小型衛星網の構築に約2800億円を計上した。

 外国の領域を攻撃する敵基地攻撃能力の整備は憲法9条に基づく専守防衛を形骸化させかねない。計画が妥当か、国会での審議を徹底することが欠かせない。

 政府は、5年間で43兆円の防衛費について「必要な防衛力の内容を積み上げた」と説明する。

 しかし、国防費をGDP比2%以上とすることは、1期目のトランプ米政権が北大西洋条約機構(NATO)加盟国など「同盟国」に求めてきたことだ。

 トランプ氏は2期目の大統領就任に際して5%への増額要求に言及。日本にも防衛費をさらに積み増すよう求める可能性があるが、唯々諾々と応じるべきではない。

 円安や物価高騰により米国からの防衛装備品購入は割高になっている。米政権の歓心を買うための装備品購入はやめ、必要な装備に絞って整備すべきではないか。

 25年度予算案には自衛隊員の処遇改善のために4千億円余を計上した。自衛隊の人手不足への対応も防衛費の膨張要因だ。

 一方、財源確保はめどが立たない。政府は法人税、たばこ税を26年度から増税する方針だが、所得税増税は再び先送りした。国民に負担増を求められないのは防衛費倍増自体に無理があるからだ。

 野党には防衛費を規模ありきで増額したり、その財源を増税で賄ったりすることには反対意見が強い。通常国会では政府方針を追認するのではなく、防衛力の在り方について徹底審議すべきである。

日米で殿堂入り 「イチロー」は伝え続ける
東京新聞社説 2025年1月23日 07時14分

 米大リーグなどで活躍したイチローさん(51)=本名鈴木一朗=が、日本と米国で立て続けに野球殿堂入りを果たした。「野球の本場」で数々の歴史的記録を打ち立て、日米通算で28年も活躍した功績から見れば、当然の評価だが、さまざまな分野で世界に挑戦する日本人を勇気づける存在だったことも確かだろう。

 米国の野球殿堂の表彰は1936年に始まった(日本は59年に創設)。技術や記録だけでなく、スポーツマンシップ、競技振興といった点も考慮した野球記者ら約400人の投票で決まる。イチローさんは史上2人目の満票に1票だけ足りなかったが、アジア人で初の栄誉がかすむことはない。

 92年にオリックス入り。高卒3年目でプロ野球初の200安打を達成した。渡米後も1年目から活躍し、首位打者、盗塁王、新人王、リーグ最優秀選手(MVP)を獲得。2004年には大リーグの年間最多安打記録を塗り替え、10年連続で200安打以上をマーク。日米通算4367安打は米国の生涯安打記録を上回る。王貞治さんが「ボールとバットの芯を結ぶ天才。人間業じゃない」と舌を巻くのもむべなるかなだ。

 引退後の近年は、日本各地で高校球児を指導し、女子の親善試合も催している。「野球を通じて、社会に出てからの(生き方の)きっかけをつかんでくれれば」と語る。甘やかさず、しっかりあいさつができない、など「(野球を)ナメた子供は叱る」という。夢や目標にたどり着くための過程は異なっても、懸命に物事と向き合う姿勢は不可欠だと考えている。

 今年、ともに日本の野球殿堂入りを果たした一人が、中日ドラゴンズ一筋の投手、岩瀬仁紀さん(50)だ。1002登板、407セーブはともにプロ野球最多記録。プレッシャーの強い場面で登板し続けたが、その心持ちを「前だけを向いて日々過ごしていた」と語ったのは印象深い。

 イチローさんが引退時、「自分の限界をちょっと超えることを繰り返す。その積み重ね」と振り返った言葉と重なる。ともに、大股の飛躍というより、小さな研さんを倦(う)むことなく繰り返すことで、記録にも記憶にも残る高みへとたどり着いたといえるだろう。ユニホームは脱いだが、今後も、野球を通じてその生きざまを伝え続けてほしいレジェンドたちである。

「阪神」と活断層 教訓は生きているのか
朝日新聞社説 2025年1月23日 5時00分
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阪神・淡路大震災で各地で火災が発生し、炎や黒煙が上がった=朝日新聞社ヘリから

 阪神・淡路大震災の後、全国で活断層の調査やリスクの公表が進められてきた。震災前には「関西では大地震はない」という誤解があったという反省の上に立ったものだ。

 震災は活断層による地震が起こした。この地域に断層帯があることは専門家には常識だった。六甲山地は証しのひとつ。長年にわたり繰り返された地震で隆起してできた。

 地震後、政府は「地震に関する調査研究の成果を社会に伝え、一元的に推進する」ために地震調査研究推進本部(地震本部)を設けた。

 活断層の調査から、各地の活断層が起こす地震の大きさと、一定期間内に地震が発生する確率が計算され、公表されてきた。調査が進み、一つの基準で全国の地震リスクを概観できるようにもなった。海溝型地震と合わせて、地震動予測地図も作製された。

 しかし、活断層の危険性が十分に伝わっているとは言いがたい。この間、新潟県中越地震、熊本地震、能登半島地震など、活断層の地震で思わぬ被害が出続けた。「想定外」「未知の活断層」といった表現が繰り返され、わからないことが多いということがわかった30年だった。

 地震に誘発されて近くの活断層が別の地震を起こす、複数の活断層が予想を超えて連動して大きな地震となる、警戒度が高くない活断層の地震で被害が出る、といった課題が次々に浮かび上がった。

 海溝型地震と比べて、それぞれの活断層が起こす地震は発生頻度が低く、知見の蓄積が相対的に少ない。活断層の調査と研究を地道に続けることは不可欠だ。調査や研究、リスクの周知には、地震学のみならず、地質学や地形学、人文や社会科学系の総合的な観点も欠かせないが、各分野の専門家の知見を尊重した連携が十分とは言えない。

 縦割りの弊害もある。能登半島地震を起こした海域の活断層は、産業技術総合研究所が調査し、国土交通省が津波を想定していたが、文部科学省が事務局を担う地震本部の評価に反映されていなかった。各機関の連携を円滑にして「一元的に推進」する役割を担えているのか。

 改善を重ねても今の方針だけでは、住民にリスクが十分に伝わっていない。各分野の知見を結集できる体制を構築し、なぜ次々に課題が発生するのかを検証し、リスク評価や防災への活用法を見直す時期にきているのではないか。失敗の原因を究明をせずに目先の対策を繰り返しても、根本的な解決にはなるまい。

 30年前の教訓をもう一度、胸に刻まねばならない。

フジ現役女性アナウンサーが告発
中居会食に呼ばれた 男性タレントが
全裸で手招きも…拒絶 文春報道
毎日新聞   2025/1/18 21:33
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中居正広

 タレント中居正広(52)の女性トラブル騒動に関連し、フジテレビの現役女性アナウンサーが、同局幹部が設定した中居との会食に参加させられたことがあると告白したことを、16日発売の週刊文春が報じている。

会食には、中居ともう1人別の男性タレントが参加。同局番組のスタッフらが酒や食事の配膳をしていたという。同誌は中居の女性トラブルの背景に、こうした会食の常態化があったと指摘。また、一連の問題について海外からも第三者調査を求める声が上がった。

 女性アナが同席させられた会食は2021年冬に行われた。同誌によると、場所は高級ホテル、グランドハイアット東京。幹部の部下である局員から「(幹部が)中居さんたちと飲み会をやる」「来てほしい」と連絡があったという。

 女性アナは「ホテル内のレストランで会食する」と思っていたが、到着すると同局員の案内でスイートルームへ。部屋に入ると、同局番組のスタッフらがピザやシャンパンなどをテーブルに並べていた。遅れて女性アナ2人が到着。続いて中居と、別の男性タレントが現れた。同誌に告白した女性アナは、幹部から男性タレントの近くに座るよう促されたという。

 酒が進むにつれ、一人また一人と部屋を出て行き、最後は女性アナ2人と、中居と男性タレントの計4人が残った。危険性を感じたという女性アナはトイレに一度避難。部屋に戻ると、寝室から男性タレントが全裸で手招きしていたという。女性アナはこれを拒絶。会食を設定した幹部について「女性アナをいかがわしい接待の道具として使い」「本当にひきょうな手口」と非難している。

 この幹部について、スポニチ本紙は中居の女性トラブル発覚前の昨年12月13日、フジテレビに質問状を送っている。その中で、被害女性と中居はこの幹部の紹介で出会ったのではないか、この幹部のセッティングで2人が参加した食事会があったのか、といった内容を確認したところ、同局は「ご質問は事実と異なりますので明確に否定させていただきます」との回答だった。

ただ、女性アナを同席させて中居ら大物タレントを接待することが文春報道の通り常習化していたのなら、問題となっている中居の女性トラブルも同様の接待を経て起きている可能性があり、今回告白した現役アナが会食を経てから同様の被害に遭う危険性があったことは否定できず、フジの調査と見解が強く求められることになる。

 同局はこの日「昨年より外部の弁護士を入れて事実確認の調査を開始しており、今後の調査結果を踏まえ、適切な対応をしてまいります」とコメント。今回の報道については「現段階では個別の質問への回答は控えさせていただきます」とした。

同局関係者は「仕事のことを考え、タレントとの会食に自ら出向く女性アナがいるのも事実。ただ会食が組織的、常習的に行われ、そこで危険な目に遭っていたと現役アナが“告発”した事実は重い。人権問題が重視される中、徹底調査が必要」と指摘する。

 別の関係者は「局内には記者会見は避けられないという空気が流れ始めている」と語る。近くアナウンス室で説明会が行われるとの情報も。局側の詳細な説明と調査が求められる。

中居“騒動”経過◇

 ▽2024年12月19日 「女性セブン」が中居と女性との間にトラブルが起きていたと報じる

 ▽同25日 本紙が、中居の仕事先である会社に勤務していた女性との8000万~9000万円の高額示談金トラブルを報じる


 ▽同26日 「週刊文春」が中居と女性に性被害によるトラブルがあり、フジ幹部が2人の食事の席をセッティングしていたと報じる

 ▽同27日 有料会員サイトで中居側が騒動に関するものとみられる謝罪文掲載。フジは公式サイトで「一部週刊誌等における弊社社員に関する報道について」と題し、社員の一切の関与を否定

 ▽25年1月8日 フジ「だれかtoなかい」が当面の放送休止を発表

 ▽同9日 中居が公式サイトで「お詫(わ)び」のメッセージを掲載

 ▽同16日 「週刊文春」が、フジの現役女性アナが幹部のセッティングで中居との会食に呼ばれていたと告白していることを報じる

フジテレビ会見 企業統治不全が深刻だ
東京新聞 2025年1月21日 08時33分
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 タレント中居正広さんの女性とのトラブルを巡り、フジテレビの港浩一社長は記者会見で謝罪したが、多くの質問に答えなかった。設置を決めた第三者委員会の独立性にも疑問符が付く。

 同社の企業統治はもはや体をなしているとは言えない。経営トップを外部から招聘(しょうへい)し、経営陣を総入れ替えするなど解体的出直しを図らなければ、視聴者やスポンサーの信頼は回復できまい。

 港社長は会見で、同社は中居さんのトラブルを2023年6月の発生直後に把握していたが、「秘匿性の高い事案」を理由に詳しい調査をせず、公表も見送っていたことを明らかにした。

 被害女性の人権を最優先するのは当然だとしても、事態に十分対処しなかったため、結果的にトラブルが伏せられたまま、タレントの出演番組を視聴させられ、スポンサー企業もその番組を提供させられていたことになる。

 女性の立場に最大限配慮しつつ事態の徹底解明と公表を通じて再発防止につなげるのが企業統治なのではないか。週刊誌が報じるまで事実関係を伏せ、事態を悪化させた判断は理解しがたい。

 メディアを限定した記者会見の在り方にも疑問を呈さざるを得ない。問題を追及した週刊誌やウェブメディア、フリー記者は参加できず、テレビ局にもかかわらずテレビ中継を認めなかった。新聞などで組織する記者会側は、開かれた会見にするよう求めたが、フジは「会場が狭い」と拒否した。

 参加メディアを制限すれば問題が沈静化すると考えたのなら、思い違いも甚だしい。フジには参加を制限しない形での記者会見をあらためて開くよう求めたい。

 「第三者委」の調査も、株主である米ファンドの要請を受けてようやく設置を決め、しかも日弁連のガイドラインに基づく第三者委かどうかは不透明だという。独立性が担保されない組織の調査は信用できない。再考を強く促す。

 CMを出稿するスポンサーが、自らの企業イメージが傷つくことを恐れてフジから離れるのも当然だ。企業体質を根本から改める以外にフジテレビ再生の道はない。

フジCM差し止め、企業の本音
苦情殺到に「最後の会社」回避か
毎日新聞  深掘り  2025/1/20 20:28
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フジテレビ=東京都港区で、武市公孝撮影

 タレントの中居正広さんと女性のトラブルに、フジテレビ社員が関与していたとの週刊誌報道を巡り、企業がフジテレビへのCM出稿を差し止める動きが拡大している。毎日新聞の取材では、少なくとも50社超が差し止めを決定した。なぜこのタイミングになったのか。

 ある企業の関係者は「(17日の)フジテレビ社長の記者会見が引き金になった」と明かす。

 会見では、事実関係を巡る質問に対し、調査委員会を設置することを理由に「回答を控える」として答えない場面が多かった。この関係者は「疑問を払拭(ふっしょく)できる内容ではなかった。すぐにCMを止めた方が良いという判断になった」と話す。

 徹底した調査が行われるか疑問視する声もあり、別の関係者は「ガバナンス(企業統治)に欠けた企業に広告は出せない」と語った。
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CM差し止めを決めた主な企業

 CM出稿自体が企業にとってリスクになる事情もある。ある企業関係者は「最近はSNS(ネット交流サービス)ですぐ批判されるので、素早く対応しないといけない」と指摘。メーカーの担当者によると、「お客様センター」に消費者からの問い合わせが多数入っていることも取りやめる理由になったという。

 「他社が取りやめたのも大きな理由。積極的に取りやめたいわけではないが、『最後の会社』になりたくない」と漏らす関係者もいる。

「疑惑の段階で異例」
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郷原信郎弁護士=郷原総合コンプライアンス法律事務所提供

 企業の法令順守(コンプライアンス)に詳しい郷原信郎弁護士は「一連のフジテレビの対応はちぐはぐで、危機管理上は大失敗に見える」と指摘する。


 フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスに対しては、グループでフジの株式を7%超保有する米投資ファンドが第三者委員会による調査を求めており、郷原氏は「CMを出し続ければ国際的にも批判を浴びかねない」との警戒感が企業の間で強まっているとみる。

 大手広告会社に約20年勤めた経験のある桜美林大学の西山守准教授は「『疑惑』の段階で、これほど多くの企業がCM差し止めに動くのは異例の事態。過去に例がない」と話す。

 西山氏が指摘する異例さの一つ目は、企業の判断の速さだ。かつては疑惑段階では静観するケースが多かったが、旧ジャニーズ事務所の性加害問題や、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志さんの性加害報道などを経てコンプライアンスや人権問題についての世間の目が厳しくなった。西山さんは「企業もより早い段階で決断するようになった」と指摘する。

「ちゃんとしろ」のメッセージ

 もう一つは、特定のタレントではなく、テレビ局自体を巡る疑惑である点だ。

 西山氏は「CMを出していた企業にはフジテレビに情報公開や速やかな調査を求める役割を果たしてほしい」と注文する。また、CM差し止めは「『ちゃんとしなさい』という企業からのメッセージでもあり、フジテレビはこれを受け止め適切に対応していく必要がある」と語った。【加藤結花、秋丸生帆、安藤龍朗】

フジ、テレビ局なのに社長会見の映像がない
田中龍作ジャーナル 2025年1月17日 20:30 
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東京MXの堀潤キャスターからインタビューを受ける田中。
=17日、フジテレビ前 撮影:取材班=

「きょうはTBSが死んだに等しい日」。同局の看板キャスターだった筑紫哲也が喝破した。29年前のことだ。

同局の取材クルーがオウム真理教に放送前の取材映像を見せたことが原因で、弁護士一家がオウムに殺害されたのである。

性接待疑惑で世の批判を浴び、米国の株主からも調査を要求されるフジテレビ。人こそ死んでいないが自社の女子アナを人気MCの中居正広にあてがっていたことが、週刊文春の報道で明らかになっている。

きょう17日、同社の港浩一社長が疑惑を受けて記者会見を開いた。出席できるのは「東京放送記者会」「ラジオ・テレビ記者会」の加盟社のみ。お身内である。これでは記者会見ではなく懇談会だ。

公共の電波を格安で独占するテレビ局が、人身売買にも等しい犯罪をしでかしているのにもかかわらず、内々で揉み消そうという魂胆がありありだ。

田中は許せなかった。フリーランスは記者会見に出席できないということは分かっていたが、お台場のフジテレビ本社に向かった。

玄関で警備員に誰何されたので田中が「社長の記者会見に来た」と答えると、警備員はレシーバーでその旨を中に伝えた。

フジの広報が出てきて「きょうは定例会見ですので加盟社のみの参加となっております」。

田中は「(中居の性接待疑惑が)これだけ社会問題となっているなか、加盟社だけというのはおかしいではないか」と食い下がったが、広報担当者は「きょうは定例会見でして、加盟社のみの出席となっております」の一点張りで出席を拒否した。

50歳前後の男性管理職だ。顔には笑みを絶やさない。この手合いはふつう目が冷たいのだが、瞳もニコニコしている。敵意を抱かせず、なかなか巧みであった。
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テレビ局でありながら記者会見に出席できない社も。
=17日、フジテレビ前 撮影:取材班=

東京MXのキャスター堀潤氏も「記者会見に出席させろ」と言って現場に来ていた。れっきとしたテレビ局でありながら出席できなかったのである。昨日16日、質問状をフジ側に送ったが返事は来ていない、という。

堀氏は記者会見の分岐映像を要求したが、「映像はない」と断られた。

前出のフジ広報担当者は田中に「定例会見なので映像はありませんでして」と悪びれずに説明した。テレビ局なのに映像がないとは、落語のオチにもなりはしない。

フジは疑惑の調査を「第3者委員会に委ねる」というが、日弁連のガイドラインを満たすような第3者ではない。お身内の調査で揉み消すつもりだ。

きょうは「フジテレビが死んだに等しい日」となった。

~終わり~

 中居氏問題でフジ会見 疑問に答える徹底調査を
毎日新聞 2025/1/19 東京朝刊

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記者会見するフジテレビの港浩一社長=東京都港区で2025年1月17日午後3時6分、西本龍太朗撮影

 公共の電波を預かるメディアとして、フジテレビは徹底した調査を通じ、視聴者の疑問に答える責任がある。

 タレントの中居正広さんの女性トラブルを巡る週刊誌報道を受け、フジの港浩一社長が初めて記者会見した。第三者を入れた調査委員会を設置すると発表した。

 トラブルは2023年6月に起きた。中居さんは女性と示談したことを認めている。週刊文春は、当日は複数で会食する予定だったが、フジ社員らが現れず2人だけの状況になったと報じた。

 フジは直後にトラブルを把握した。女性の様子の変化に気づいた社員が声をかけ、「センシティブな領域の問題」と認識した。

 だが、その後の対応には疑問がある。まず、事実確認が不十分だったことだ。

 港社長は「女性の心身の回復とプライバシーの保護を最優先にした」と述べたものの、結果的に調査の遅れを招いた。

 昨年末には社員の関与を否定するコメントを出したが、根拠として挙げたのは当該社員への聞き取りや通信履歴の調査だけだった。

 港社長が会見を開いたのも、親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主である米ファンドから企業統治の欠陥などを指摘され、第三者委員会による調査を求められた後だった。遅きに失したと言わざるを得ない。

 会見では、女性の人権やプライバシーの保護を盾に説明を避け、今後の調査を理由に回答を拒む姿勢が目立った。調査委の具体的な体制や位置付けについても明らかにしなかった。

 真相究明よりも、組織防衛に腐心していると受け取られても仕方がない。

 文春は、フジ社員からタレントの接待に呼ばれた別の女性の証言も報じている。焦点はフジ社員の関与の有無だ。独立した立場から、公正で厳格な調査がなされなければならない。

 一連の経緯は港社長も報告を受けていたという。結果次第では、経営責任を問われることになる。

 「人権が尊重される社会の実現に力を尽くす」との方針をフジ・メディアHDは掲げている。求められているのは、その理念を自らの行動で示すことだ。

佐々木朗希がドジャース入り!MLBネットワーク「この2年で3度目、日本の天才をチームに加えた」
毎日新聞 2025/1/18 09:28
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FOXスポーツのインスタグラム(@foxsports)から

 ロッテからポスティングシステムを利用してメジャーリーグ移籍を目指していた佐々木朗希投手(23)が17日(日本時間18日)、自身のインスタグラムを更新。ドジャースとマイナー契約を結んだと投稿した。

 佐々木は自身のインスタグラムにドジャースタジアムの座席にドジャースの帽子を置いた写真を投稿。メッセージで「ロサンゼルスドジャースとマイナー契約を結ばせていただくことになりました。とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに、正しい決断だったと思えるよう頑張ります。入団会見では、ここまで支えて頂いた全ての皆様に感謝しながら、ドジャースのユニフォームに袖を通したいと思います」とつづった。

 米メディアも次々に佐々木のドジャース入りを速報。FOXスポーツの公式インスタグラムは、ドジャースのユニホームを着た佐々木が同僚となる大谷翔平、山本由伸と3人が並ぶ合成写真を投稿。「日本→LA 佐々木朗希が大谷翔平、山本由伸のドジャースに加わる」とつづった。MLBネットワークも3人の日本投手の写真を並べ「この2年で3度目、ドジャースが日本の天才をチームに加えた」と伝えた。

 佐々木は契約金や年俸などの総額が制限され、マイナー契約しか結べない「25歳ルール」の対象のため、20球団以上の球団が獲得に参戦。佐々木本人の希望で公平性を保つため各球団との面談には現役選手を同席させず、1球団2時間以内など条件を設定。昨年12月にロサンゼルスの代理人事務所で、ドジャース、パドレス、ジャイアンツ、カブス、ヤンキース、メッツ、レンジャーズの7球団と面談。一時帰国後、年明けに再渡米し、ブルージェイズと面談したと報じられ、その後、最終候補としてド軍、パ軍、ブ軍の3球団が残っていた。

 昨季4年ぶりにワールドシリーズを制したド軍には23年のWBCで日本代表の一員として世界一に貢献した大谷、山本と頼もしい先輩が在籍する。大谷はMVP受賞会見で、同じ岩手出身の佐々木を“勧誘”するか問われ、「特に勧誘ってことはない。彼の意見を尊重している。どこのチームを選んでも、彼なら素晴らしい成績を残せると思う」と話していた。23年9月の右肘手術から2年ぶりに投手復帰する大谷、山本と日本選手トリオで先発ローテーションを形成することになる。

 23歳の佐々木はポスティング申請後、昨年12月10日に交渉解禁。45日間の交渉期間がスタートしたが、ドラフト対象外の25歳未満の外国人選手の対象のため、12月15日に一旦契約が締め切られ、1月15日から契約可能となり、交渉期限は米東部時間23日午後5時(同24日午前7時)だった。また、マイナー契約のため、金銭面ではなく、育成プランや施設の充実度などが鍵になるとみられていた。

汚染水に天下り…福島第1原発を建設した責任者を直撃、「諸問題の根っこ」が見えた「疑おう」精神で
東京新聞 2025年1月17日 14時00分

〈福島第1原発事故を見つめた14年〉③

前回コラムで、特に原発報道では「いったん全てを疑おう」という基本的なスタンスについて書きました。

じゃあ疑ってみたらどうだったのか?
実際に取り組み、ネタの大小より印象深かった記事から振り返ってみます。

◆崖を削り、津波リスクを高めた理由

東京電力福島第1原発の許可申請書類をパラパラめくっていたとき、1枚の図面に目がとまりました。

高台を大きく削って建屋を設置する断面図でした。

書類を読み進めると、建設地はもともと約35メートルの切り立った崖が続く土地で、過酷事故を起こした1~4号機は、崖を25メートルも削って海抜10メートルまで下げた地点に建てられたものと分かりました。
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福島第1原発事故から2カ月余りたった2011年5月5日の東京新聞1面

後に15メートルを超える大津波に襲われた原発。なぜわざわざリスクを高めるようなことをしたのか、建設当時の責任者(現在は故人)を割り出し、都内の自宅を訪ねました。

「知ってるよな。ターンキー方式といって1号機(私が生まれた翌年の1967年に着工)は米国メーカーの言う通りに造るしかなかった。向こうは川沿いの低い土地に建ててるから、高い場所に建てると言ったら、(冷却用の)海水ポンプやら荷揚げ施設やら仕様変更がたくさん出る。いくら吹っ掛けられるか分からないじゃないか。それに上の地盤は軟弱で、削らないと原発の重さには耐えられなかったんだよ」

やや責め口調で質問した私に、責任者は率直にこう語りました。

◆「電源盤だけでも上げていれば…」率直に語った責任者

記者の目を見てまっすぐ答える姿勢に、内心「立場も考え方も全く違うが、ある意味、とても信用できる人だ」と感じたのをよく覚えています。
かれこれ2時間ほど話しました。

切り崩した地面のあちこちで地下水が湧いて苦労した話。2011年3月の事故発生当初、何とか原発に電力を送れないか検討を重ねたものの「建屋地下の電源盤が水没しどうにもならなかった。電源盤だけでも地上に上げていれば何とかなったかも。後の祭りだが、悔しかったよ」といった話を聞かされました。

どの話も腑(ふ)に落ちる内容で、原発事故後ずっと現場を苦しめ続ける汚染水問題(主な原因は地下水)、電源盤や非常用発電機など重要機器を水没リスクのある地下に置いた問題…。

実は建設当初から諸問題の根っこが潜んでいたことを明確に認識させてもらいました。

◆あふれた地下水「東電の言う通りにはならないな」

「疑おう」という話を書くはずが「信用できる」話から始まってしまい、すみません。

ですが、建設時の苦労話を聞いていたからこそ、その後、特に汚染水問題での東電の話を具体的に「疑う」目が養われたと思います。

2011年6月になって建屋地下を満たす大量の高濃度汚染水(同社は「たまり水」と言います)の処理が始まり、東電は「処理が始まったので、半年もすれば水位は数十センチほどになると思います」と強調しました。

でも、建設当時にあちこちで地下水があふれた状況を聞いていたので、「いや、東電の言う通りにはならないな」と確信しました。
そう疑った結果がこの記事です。
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2011年9月20日の東京新聞1面

汚染水処理の実績表を見返していて「これだけ水を抜いているのに水位が下がってこないのは絶対おかしい。きっと地下水だ」と確信しました。
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