ワクチンなくても東京五輪開催最優先/政界地獄耳
日刊スポーツ 2021年3月4日

2日、自民党幹事長・二階俊博は「別に、ワクチンと衆議院の解散は関係あるようではありますが、ワクチンで衆議院を解散するとかしないとかっていうことは別に考えておりません」と発言。

その一方で「解散する場合は、想定される諸課題はできるだけ解決して国民の理解を得られるような状況を作っていくことが大事だ。解散は総理の一存で決めることだが、幹事長の立場としては明日あってもいいように準備している」とした。

前段の発言が踏み込みすぎたと見えて、途中で修正を加えた発言だが、二階の言うように、今自民党が気にしているのはワクチンではなく、東京五輪開催の起爆剤を都議選と衆院選にどう利用するかだろう。

思えば1年前も3月下旬に五輪の1年延期を決め、そこから事実上の本格的コロナ対策が始まったといえ、それが初動の遅れとして尾を引いている。先手先手で動きたいとの発想がそういわせたのだろう。

今回、五輪の聖火リレーは25日にスタートする。世論の中には五輪の中止、または無観客試合を想定している向きも多いだろうが、政府が大騒ぎして組織委員長を決めたり、ほかのスポーツイベントの観客定員を下げて実施にこだわっているのは何としても、いびつながらも「五輪」なるものを強引にでも実現する方針に変わりがないからだろう。

ワクチンの接種がなくても五輪の開催と国内観客の観戦の実現は何とかまとめたいとの思惑だ。先月には警察庁から全国に五輪警備の応援警官の動員は予定通りとの通達が出た。

つまり既に五輪はアスリートファーストなどではなく、IOCを含め、日本政府の威信のかかる政治イベントになったといえる。

その実現のためならば医療専門家の懸念よりもワクチン接種よりも優先されるべきは五輪ということになる。五輪成功という結果が選挙勝利を呼ぶということか。それならばコロナと本気で闘うべきではないのか。(K)※敬称略
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