不倫問題の国民民主・玉木雄一郎代表が役職停止3カ月 処分が明けたら代表に戻るかとの問いには…
<一問一答>
東京新聞 2024年12月4日 17時05分

国民民主党は4日、両院議員総会を開き、不倫問題が報じられていた玉木雄一郎代表を2025年3月3日まで、3カ月間の役職停止処分にすると決定した。党の倫理委員会が、玉木代表の行動が党の倫理規則に違反しているかどうか、調査していた。
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自身の処分が決まり、厳しい表情を見せる国民民主党の玉木雄一郎代表=12月4日、国会内で(佐藤哲紀撮影)

総会後、榛葉賀津也幹事長が報道陣に明らかにした。その後、報道陣の取材に応じた玉木代表は「真摯に処分を受け入れる」と述べた。代表としての職務は古川元久代表代行に委ね、週1回の定例記者会見は榛葉賀津也幹事長の定例会見に一本化するという。

国民民主は少数与党の石破政権に、年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」の見直しを求めている。政府・与党は2026年1月からの適用開始を軸に検討しているが、玉木氏は「(2024年の)年末に結論を得て、来年から実施するのが民意だ」と、議論を急ぐべきだとの考えを示した。(佐藤裕介)
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◆玉木代表と報道陣のやりとりは

―3カ月の役職停止の処分が出た。受け止めを。

「真摯にこの処分を受け入れ、従いたい。今日から代表としての権限等については、代表代行である古川元久代議士に委ねるということになる。役員会や、代表としての公務には出席をしないということになる」

「皆さんにもお世話になった(週1回の)定例会見については、榛葉幹事長の定例会見に一元化するということになる。これから3月3日までの3ヶ月間は、一議員として、真摯に誠実に信頼回復と党勢の拡大に汗をかいてまいりたい」

◆「期待を寄せていただいた皆さんに、改めてお詫び」

「全国の国民民主党の仲間、党員・サポーター、ご支援いただいた皆さん、そして何より先の選挙で全国から大きな期待を寄せていただいた全ての皆さんに、改めてお詫びを申し上げたい」

―「一議員として」という発言があったが、代表を辞める考えはなく、また(代表に)戻るのか。

「党の決定に従いたい」

―倫理委員会の結論が出た段階で出処進退についてはご自身で判断されると言っていたが。
「今回の処分を真摯に受け入れたい」

―3月4日からは代表に復帰するのか。
「役職停止期間は3月3日までということになる」

―復帰するということか。
「役職停止期間は3月3日(まで)と決まったので、その決定に真摯に従いたい」

◆政府・与党との交渉が「前に進むよう支えたい」
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報道陣の前で頭を下げる国民民主党の玉木代表=12月4日、国会内で(佐藤哲紀撮影)

―大事な時期に代表のポジションから一時的に外れるが、政策実現に大きな影響を与えるのではないか。

「大事な時期であるのはその通りだ。ただ、チームでこれまでも取り組んできた。浜口(誠)政調会長、そして古川税調会長兼代表代行が今、前面に立って、政府・与党と交渉しているので、引き続き一議員として、できることは全力で行って、交渉が少しでも前に進むように支えていきたい」
―政府・与党との交渉の下支えはするか。

「代表の権限は3ヶ月間停止ということになるので、代表の権限で交渉することはできないし、やらないが、できる限りの努力をして、交渉をサポートできるように汗をかいていきたい」

―党の処分とはいえ、「政策実現のために代表続行してほしい」という国民の声もあった。そこからは逆行することになる。

「党の処分なので、党員の1人として、党所属議員の1人として、真摯にこの重い処分については従い、受け入れたい」

◆103万円の壁の引き上げは「来年の実施が民意」

―「103万円の壁」の議論が今後、本格化するが、(政府・与党との)協議に対する影響は。政府・与党内では開始時期について「2026年1月」という話も出ているが、どのように受け止めているか。

「前段の質問については、影響が出ないように、交渉の前面に立って今、努力をしている浜口政調会長や古川税調会長を後方からしっかりバックアップしていきたい」

「二つ目の質問。これも、代表としての意見というよりも一議員として、一国民民主党所属議員として申し上げるが、来年、再来年というのは、この選挙でいただいた民意を考えると、とても国民の皆さんの求めるスピード感ではないと思うし、今まさに物価上昇で今足元で上がっている、その中で手取りが増えないということは、それが再来年達成しても足元の消費は伸びないし、企業の売り上げやそれに伴う来年の持続的な賃上げにも結びつかないので、やはり(2024年の)年末に結論を得て、来年から実施するというのが民意だと思う。それに向けて、私も一兵卒として、浜口さん、古川さんを支えて国民の思いに応える結論が得られるように汗をかいていきたい」

◆「何について反省しているのか」との質問には…
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国民民主党の両院議員総会で発言する玉木代表(左)=12月4日、国会内で(佐藤哲紀撮影)

―「今回の(不倫)報道について反省しています」とか「こういう事案が明らかになっている」という言い方をしていたが、自分の行ったことが報道されて、ばれたことを反省してるのか。それとも、自分が選んでこの行動をとったことを反省しているのか。

「プライベートな問題については、夫婦間の基本的な問題だと思っている。法令に違反したかどうかということで裁かれる対象のものとは少し性質が違うと思うが、ただ、この倫理委員会での指摘は、重大な注意義務違反があったと。

とりわけ党の代表という、より重い義務を、責任を果たすべき地位にあって、その責任が果たせず、結果として党の名誉や信頼を傷つけたということが処分事由である。私自身もそういった趣旨のことは倫理委員会の中でも申し上げ、その結果の結論であるので、重く受け止め、真摯にこの処分に従いたい」

―自ら代表職を退くという選択肢もないことはないとは思うが、それを選ばなかった理由は。

「倫理委員会、相当、私もその調査に真摯に向き合ったし、党の職というのは私自身の職であると同時に、党所属の議員や党員・サポーターから託された地位でもある。そういう意味では、最終的に両院(議員)の総意で決まった決定は重いと思っているので、その決定に真摯に従い、受け入れたい」

―3ヶ月間、自らが旗を振ってきた「103万の壁」引き上げ等に携われないが、そのことについては。

「申し訳ない気持ちでいっぱいだ。この政策実現の流れに何かマイナスになるようなことがあってはならないので、今、交渉の最前線で努力をしている浜口政調会長や古川税調会長を一議員として全力で支えていきたい」

―古川氏にいろいろな職責が集まり、業務過多ではないかという指摘も出ている。古川氏が担っている役職を別の方にスライドさせるといった対応は検討しているか。

「もう代表の職を停止になっている立場なので、今日も両院総会で少し話があったが、来週、党全体の人事は現執行部が新しい体制を決めるやに聞いている。その中でバランスを取れた人事を行っていくのかなと思うが、もう役職停止の立場なので、人事に関わることは発言を控えさせていただきたい」