年末年始に党内でも際立った元防衛相2人の発言
高市首相は米国に忖度し評価せず
高市首相は米国に忖度し評価せず
日刊スポーツ 2026年1月7日7時45分

★年末年始、2人の元防衛相の発言が党内でも際立った。ひとつは防衛相、防衛庁長官と3回務め、我が国の防衛政策を率いた中谷元。本人も自衛官出身だが、党内でもリベラルな谷垣グループに属していた穏健保守の議員だ。
昨年末、18日に“官邸筋”なる人物が「私は核を持つべきだと思っている」と発言。多くの自民党議員が発言を躊躇(ちゅうちょ)する中、「軽々に個人の思いを話すべきではない。(政権は)しかるべき対応をしなければいけない」「こうした問題は政治的に議論している最中であり、よく注意して発言しなければならない」と強い不快感と責任論に言及した。
★誰もが尻込みし、だんまりを決め込む中、長年安全保障の最前線にいた中谷にとって、こういったオフレコ発言が独り歩きすることへの危機感を持った苦言だった。その後は官邸もメディアも野党も年末のどさくさで追及もせず“官邸筋”はどこからもおとがめなしで現職を続けているが中谷の怒りは筋の通ったものだった。
一方、4日の米国のベネズエラへの軍事侵攻。日本では重箱の隅をつつき合って賛否を言い合い「麻薬の密輸を容認するのか」「30年にわたるマドゥロ独裁政権を擁護するのか」と米国を擁護する声の前に、他国に自由と主権が蹂躙(じゅうりん)される権限がないことと、どんな人物だろうと米国が大統領夫妻を拘束・連行したことが第一義的な問題であるという、順番が理解できないことにそもそもの問題がある。
★そこを唯一早々に指摘したのが元防衛相・党安全保障調査会長・小野寺五典。「『力による現状変更』と取られかねない状況ではないか。今回のアメリカの軍事行動が危険なメッセージとして伝わることを懸念している」とし台湾と中国の問題について言及、「『力による現状変更があってはならない』と私たちは繰り返し言っていた。日本周辺の事態に波及しないかと心配している」。首相・高市早苗は米国に忖度(そんたく)し軍事行動の評価をしていない。(K)※敬称略
