「朝生」共演で高市首相と“恋バナ”までした
立憲・辻元清美氏が喝!
「早苗ちゃん、維新にもだまされたらあかん!」
立憲・辻元清美氏が喝!
「早苗ちゃん、維新にもだまされたらあかん!」
AERA 2025/10/22/ 14:30
立憲民主党の辻元清美参院議員/撮影:山本二葉(写真映像部)
10月21日、自民党の高市早苗総裁(64)が憲政史上初の女性首相に選ばれた。高市氏と20代からの付き合いがある立憲民主党の辻元清美参院議員(65)は、ともに女性政治家として歩んできた「戦友」の姿をどのような思いで見ているのか。インタビューに応じた辻元氏の口からは、「あんた、しっかりしいや!」と高市氏への渾身の喝が飛んだ。
* * *
――10月4日の自民党総裁選で高市氏が勝利した際、辻元さんはXのポストで「高市さん、ガラスの天井をひとつ破りましたね」と祝意を示しました。今回、総裁のみならず首相にまで登りつめた高市氏の姿に何を思いますか。
ものすごい努力があってこその結果でしょう。総裁選出後に公明党が連立を離脱したときは、高市早苗ピンチ!と思いましたよ。でも彼女は講演の場で「あらゆる手を尽くす」「総理大臣に絶対になってやる」と宣言しました。その鬼気迫る形相を見て、これはもう執念で首相の座をとりに来るなと。
結果、なりふり構わず日本維新の会と連立を組むことで首班指名選挙を乗り切りました。でも維新との連立合意には相当な無理があると思います。
たとえば、合意書には衆院議員定数の削減を目指すとありますが、これは、維新が言う「身を切る改革」うんぬんの話ではなく、国民の声を国会に届けるための制度設計の話であり、民主主義の根幹に関わる問題です。内閣に責任を持たない閣外協力を選んだ政党と、数日間協議しただけで進めてよいテーマではありません。
たとえば、合意書には衆院議員定数の削減を目指すとありますが、これは、維新が言う「身を切る改革」うんぬんの話ではなく、国民の声を国会に届けるための制度設計の話であり、民主主義の根幹に関わる問題です。内閣に責任を持たない閣外協力を選んだ政党と、数日間協議しただけで進めてよいテーマではありません。
首相になるために無理をしたツケは、今後の政権運営において回って来ると思いますよ。実際、自民党の有力議員たちは「党内で議論していないのに、なんであんな合意を交わしたんだ」と不満をこぼしていました。
首班指名選挙は、参議院では高市さんに過半数の票が集まらず決選投票になりました。これは参院で法案が否決されかねないことを意味します。高市政権には、石破政権以上のいばらの道が待ち受けているでしょう。
首班指名選挙は、参議院では高市さんに過半数の票が集まらず決選投票になりました。これは参院で法案が否決されかねないことを意味します。高市政権には、石破政権以上のいばらの道が待ち受けているでしょう。
「オフ」の場面では女子トークも
――今後は首相と野党議員として国会論戦などで対峙することになりそうですが、辻元さんの4日のポストには「高市さんと私は、国会議員になる前の20歳代から共に『朝まで生テレビ』に出演し議論して、対極の二人と言われてきました」ともありました。「朝生」ではどんな様子だったのでしょうか。
高市さんはアメリカ連邦議会で働いた経験があり、政界入りする前から討論番組によく出ていました。保守タカ派の高市さんとリベラル派の私は、政治的スタンスは対極でしたが、お互い関西出身で学年も一緒なので、カメラが回っていないオフの場面では親しく話していました。
他愛もない女子トークもよくしましたよ。私たちと学年が一緒の野田聖子(自民党衆院議員)さんが2001年に結婚した時は、朝生収録前の雑談で盛り上がりました。「先越されたー」って悔しがる高市さんに、「私も恋人募集してんねんけど誰も寄って来てくれへん」って言ったの。
そしたら、横で聞いていた河野太郎(自民党衆院議員)さんが、自分のブログに「辻元清美が恋人募集中」って書いたせいで、スポーツ紙の1面で取り上げられる騒動になって。「お付き合いしてください」「履歴書送ります」なんて、一般の人から立候補の電話が3件くらいかかってきました(笑)。
そしたら、横で聞いていた河野太郎(自民党衆院議員)さんが、自分のブログに「辻元清美が恋人募集中」って書いたせいで、スポーツ紙の1面で取り上げられる騒動になって。「お付き合いしてください」「履歴書送ります」なんて、一般の人から立候補の電話が3件くらいかかってきました(笑)。
――辻元さんとは主義主張の異なる高市氏ですが、同じ女性議員だからこそ、公私ともに本音をこぼせる関係になれたのでしょうか。
政界で女性が生き残るには、大きな困難が伴うものです。高市さんとは、それぞれの場所で戦ってきた「戦友」という感覚があります。
永田町のカルチャーは完全に男性仕様です。選挙では朝早くから駅に立ち、夜遅くまで会合を“はしご”しないと勝てない。身のまわりの世話の一切を「妻」に任せるからこそ、成り立つ戦い方です。
会合の2次会はスナックやらバーやらに誘われるけど、女の人がお酌をしてくれるような場に付き合い続けるのは、正直拷問ですよ。私も高市さんも、飲み会は嫌いなんです。
会合の2次会はスナックやらバーやらに誘われるけど、女の人がお酌をしてくれるような場に付き合い続けるのは、正直拷問ですよ。私も高市さんも、飲み会は嫌いなんです。
高市さんとはもう一つ、世襲じゃない「叩き上げ」という共通点があります。私は商売人の娘、高市さんはサラリーマン家庭出身で、大学はアルバイトをしながら通っていました。
選挙に初当選して政界入りしたときは、高市さんは無所属、私は社会党が分裂してできた社民党にいました。そこから岩に爪を立てるようにはい上がってきた。政治家人生のプロセスも似ているように思います。
選挙に初当選して政界入りしたときは、高市さんは無所属、私は社会党が分裂してできた社民党にいました。そこから岩に爪を立てるようにはい上がってきた。政治家人生のプロセスも似ているように思います。
安倍さんは反面教師にすべき
前回の総裁選の直後、決選投票で石破(茂元首相)さんに敗れた高市さんと、議員会館のエレベーターでばったり出くわしたんです。私が「早苗ちゃん、あんた大変やな、大丈夫かー?」って聞いたら、「清美ちゃーん、しんどいわー」って弱音を吐いていました。「そらしんどいやろ、大変やけど体に気ぃつけや」なんて返した気がします。
――高市氏にはどんな首相になってほしいと願いますか。
彼女、政治姿勢や発言が昔よりも過激になっていると思います。でも首相になるということは、自分と違う考えの人も含めて守るということ。決して国民の間に対立や分断を生むようなことはせず、調和型の社会を目指すリーダーであってほしい。
自分に否定的な声をあげる国民を「こんな人たち」と呼んで攻撃した安倍(晋三元首相)さんのことは、むしろ反面教師にするべきでしょう。
自分に否定的な声をあげる国民を「こんな人たち」と呼んで攻撃した安倍(晋三元首相)さんのことは、むしろ反面教師にするべきでしょう。
自民党内には今、夏の参院選で参政党に流れた票を取り戻すべく保守色を強めようとする動きがあります。その上、ある意味自民党よりも保守タカ派の維新と連立を組むことになり、危機感を抱いています。
維新の遠藤(敬・国会対策委員長)さんを首相補佐官に任命した人事は、大きな問題です。政権の中枢に入る首相補佐官と、立法府の立場から政権の暴走を止める役割をもつ国対委員長を兼務するなんて、三権分立のルールを逸脱している。そんなことすら分からなくなるほど余裕をなくした高市さんに、ちょっと不安を感じています。
飛行機は右ウィングと左ウィングの両方が機能してはじめて飛べるわけです。右寄りの傾向が強かった安倍さんですら、中道リベラルの立場をとる谷垣(禎一元自民党総裁)さんを幹事長においた。高市さんは今後、維新に引っ張られて、ますますバランスを欠いていくのではないかと心配です。
高市氏が総裁選直後の自民党議員たちへの挨拶で「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」と話したことを受け、「今度早苗ちゃんに会うたら、『あんた古いわー、やっぱりあんたは昭和の女やったんかー』って言うたろ」と笑った辻元氏/撮影:山本二葉(写真映像部)
――最後に、高市氏へのメッセージをどうぞ。
政治家は男とか女とか関係なく、何をするかが大事。あんた、ちゃんと周りをよく見ないと足元すくわれるよ。維新にせよ誰にせよ、だまされたらあかんで!
(AERA編集部・大谷百合絵)
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大谷百合絵
1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。







