No Nukes 原発ゼロ

初代「No Nukes 原発ゼロ」 の後続版です。 政治・原発問題などを中心に、世の中の「気になる動き」をメモします。

原発再稼働

使用済み核燃料を拒否 展望欠く国策への抗議だ
毎日新聞 2026/4/11 東京朝刊
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中間貯蔵施設へ搬入するため、容器に入った状態で運搬船から
降ろされる使用済み核燃料

=青森県むつ市で2024年9月26日午後0時38分、本社ヘリから

 原発の使用済み燃料を再利用する「核燃料サイクル」は、事実上破綻している。矛盾を正そうとしない国や電力事業者に対し、立地自治体が突き付けた抗議の意思表示に他ならない。

 国内で唯一の使用済み核燃料の中間貯蔵施設がある青森県の宮下宗一郎知事が、今年度の核燃料搬入を現時点で認めない方針を表明した。再処理工場の建設が遅れる中、「なし崩し的に搬入される環境を作るわけにはいかない」と理由を説明した。

 中間貯蔵施設は使用済み燃料を再処理して新たな燃料に加工するまでの間、一時保管する役割を担う。再処理工場は青森県六ケ所村に建設中だが、技術的な難しさから工期の見直しが繰り返され、当初予定の1997年から30年近くたっても操業していない。

 事業者の日本原燃は今年度末の完成を見込むものの、原子力規制委員会の審査が終了しておらず、さらに遅れる可能性が高い。
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青森県むつ市と中間貯蔵施設

 再処理が進まなければ、最長50年と取り決めている貯蔵期間を過ぎても使用済み燃料を搬出できない事態になりかねない。核のごみ捨て場にしない確約を繰り返し国に求めてきた宮下知事のいらだちは理解できる。

 搬入は2024年から始まり、今年度は再稼働した東京電力柏崎刈羽原発から約60トンが運ばれる予定だった。拒否によって運転にただちに支障が出るわけではないが、原発内の使用済み燃料貯蔵プールは8割以上が埋まっており、移さないと数年で満杯になる。

 全国の他の原発も使用済み燃料の保管に苦慮している。再稼働が進めば、状況は一層厳しくなる。 そもそも核燃料サイクルは、中核となる高速増殖炉の開発が頓挫しており、再処理の意義は薄れている。かといって再処理をやめると、全国で計2万トンを超す使用済み燃料は「資源」ではなく「ごみ」とみなされる。立地自治体から撤去を求められれば、原発の操業は窮地に陥る。八方塞がりの状況だ。

 増え続ける使用済み燃料や廃棄物の適切な管理・処理の道筋を示さずに、原発回帰にかじを切るのは無責任だ。国は自治体の声を重く受け止め、負担を押し付けたまま課題を先送りしてきた姿勢を改めなければならない。

すっかり後退した「脱原発」の機運…
 自民はすっかり再稼働推進、
野党も「ゼロ」主張から「活用」派が増えて
東京新聞 2026年3月12日 06時00分

 東京電力福島第1原発事故から15年を経て、国のエネルギー政策は「原発回帰」が鮮明だ。先の衆院選では、人工知能(AI)の普及などに伴う電力需要増を理由に再稼働推進を掲げた自民党が圧勝し、「原発ゼロ」を訴えた勢力は大きく議席を減らした。東日本大震災を機に与野党で高まった「脱原発」の機運は、すっかりしぼんでいる。

◆官民一体で原子力産業の再興を図る構えに

 高市早苗首相は11日、福島市内で開かれた追悼復興祈念式に出席し、震災の教訓を後世に受け継ぐ決意を示した。一方、原発事故に関しては、1年前の石破茂前首相と同じ文言で「いまだ多くの方々が避難生活を余儀なくされている」などと触れただけだった。
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東日本大震災の追悼復興祈念式を終え、記者の質問に答える高市首相=11日、福島市で(代表撮影)

 事故の翌年の衆院選では濃淡こそあれ、主要政党が原発の積極活用から距離を置いていた。与党の民主党が「2030年代に原発稼働ゼロ」を主張したほか、野党の自民は「原子力に依存しない経済・社会の確立」を公約した。

 だが、自民は徐々に姿勢を転換。岸田政権は2022年に「原発を最大限活用」という方針を示し、高市政権も昨年10月、自民と日本維新の会の連立政権合意書に「安全性確保を大前提に再稼働を進める」と明記した。日米関税合意に基づく対米投資では原発建設が有力案件とされており、官民一体で原子力産業の再興を図る構えだ。

◆廃止を訴える勢力は大きく議席を減らして

 原発ゼロを主張する野党も少数派になった。民主を源流とする立憲民主党は綱領に原発ゼロを掲げてきたが、衆院選前に公明党と合流して中道改革連合を結党する際、条件付きながら再稼働容認に転じた。国民民主党や参政党、チームみらいは原発活用の立場だ。

 原発廃止を訴える共産党は、衆院選で公示前の8議席から半減し、れいわ新選組は1議席しか確保できなかった。これに伴い、国会論戦でも原発そのものの是非を巡る議論は低調になっている。(近藤統義)
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柏崎刈羽原発6号機の原子炉停止へ 
前日に再稼働 警報で作業中断 
毎日新聞 2026/1/22 18:38
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新潟県の東京電力柏崎刈羽原発の7号機(左)と6号機
=2025年11月、本社機「希望」から

 東京電力ホールディングス(HD)は22日夕方、前日に再稼働させた柏崎刈羽原発6号機(新潟県)の原子炉を停止すると発表した。22日未明に原子炉から制御棒を引き抜く際に警報が鳴り、作業を中断していたが、原因究明に時間がかかると判断した。
記者会見した同原発の稲垣武之所長は「1日、2日で片が付くとは思っていない。何日かかるか全く言えない」と述べた。

 東電は、外部への影響や施設の安全性に問題はないとしている。ただ柏崎刈羽原発では制御棒を巡る別のトラブルが17日に発生し、当初予定した20日の再稼働を1日延期したばかり。再稼働直後に再びトラブルが発生して原子炉を停止するのは異例の事態で、同社の管理態勢が問われそうだ。

 東電HDは21日午後7時2分、柏崎刈羽6号機の原子炉を14年ぶりに起動した。同8時28分には核分裂反応が安定的に続く「臨界」に到達していた。だが、22日午前0時28分ごろ、制御棒の操作を監視するシステムで警報が鳴り、制御棒を引き抜く作業を中断し、原子炉を起動したまま原因を調査していた。

 東電が原発を再稼働させたのは、2011年福島第1原発事故後初めて。今後各種試験や原子力規制委員会の検査を経て、2月26日の営業運転開始を目指していた。

 同社は「安全最優先で慎重に対応していく」とコメントした。【中島昭浩】

浜岡原発の不正
中部電力に原発扱う資格なし
しんぶん赤旗主張 2026年1月16日

 中部電力が浜岡原発(静岡県)で、想定される地震の最大の揺れ(基準地震動)のデータを意図的に操作していました。原発の耐震性を土台から揺るがす事態です。原子力規制委員会による安全審査の前提を根底から覆すデータの捏造(ねつぞう)です。中部電力に原発を扱う資格はありません。

 規制委は14日、審査の中止と中部電への立ち入り検査実施などを決めましたが、規制委の審査のあり方そのものも問われています。

■不正見抜けぬ審査

 浜岡原発の基準地震動は、さまざまな条件を設けて算出した地震波の平均に最も近いものを用いると説明されていました。しかし実際は、都合のよい地震波を選んでいました。再稼働を急ぎ、審査を通すことが不正の動機とされ、少なくとも2018年以前から行われていました。長年にわたる不正であり、一担当者でなく組織的なものです。中部電は不正の全容と組織の責任を明らかにするとともに、浜岡原発の再稼働を断念すべきです。

 不正が発覚したのは、25年2月に規制委に外部から情報提供があったからです。この時点ですでに規制委は、中部電が示した浜岡原発の基準地震動を認めていました。規制委が不正を見抜けなかったことは重大です。電力会社が示すデータの真偽を判別できないのでは、規制委の審査に「合格」しても安全は何ら保証されないことになります。

 原発をめぐるウソやごまかしは繰り返されてきました。
20年には日本原電敦賀原発2号機(福井県)の審査で地質データが書き換えられていました。
00年代には、東京電力の炉内設備の損傷隠しや検査に合格するためのデータ偽装、北陸電力志賀原発(石川県)での臨界事故隠し、敦賀原発での検査不正、中国電力島根原発での検査不備などが相次いで発覚しています。

 過去の例も今回も、原発の運転を妨げないための工程優先、ものを言えない企業体質の下で起こされたものです。電力会社がウソをつかないという「性善説」は通用しません。規制委が電力会社のウソを見抜く能力と仕組みを整備しなければなりません。

 浜岡原発だけでなくすべての原発について、データの信頼性を確認し、不正の有無を調査すべきです。

■原発ゼロの日本へ

 木原稔官房長官は、浜岡原発の不正を「国民の信頼を揺るがしかねない」と批判しました。しかし、高市早苗政権は、東京電力柏崎刈羽原発などを次々に再稼働させようとしています。

 規制委の審査の信頼性がくずれた下でも、再稼働と新規建設など原発の最大限活用をめざす政府こそ、国民の信頼を裏切るものです。国民と日本社会の安全に対する責任として、原発活用路線をきっぱりとやめるべきです。

 3月で東京電力福島第1原発事故から15年です。被害は甚大で、いまも帰還困難区域が広く残り、生活と生業(なりわい)の再建は途上です。この現実を直視し、原発ゼロの共同を広げ、財界言いなりで原発推進に走る高市政権に総選挙で審判を下し、原子力政策を転換させましょう。

浜岡原発のデータ不正 中部電に運転の資格ない
毎日新聞  2026/1/7 東京朝刊
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原子力規制委員会の審査へ地震に関する
不正なデータを提出した疑いが発覚した中部電力浜岡原発
=静岡県御前崎市で2025年3月26日午前11時36分、本社ヘリから

 中部電力浜岡原発(静岡県)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、中部電が耐震性を検証するためのデータを不正に操作し、報告していた疑いが明らかになった。安全性を軽視した背信行為である。

 想定される最大の地震の揺れである「基準地震動」の策定に当たり、数千の計算結果から恣意(しい)的に地震波を選んでいたとされる。捏造(ねつぞう)と言わざるを得ない。規制委には事実と異なる説明をしていた。

 昨年2月、原子力規制庁に情報提供があり、中部電が調査に着手した。社内の聞き取りで、担当者が「意図的に選び、地震動を過小評価していた」と答えたという。

 基準地震動は、原子炉建屋など施設の耐震性を評価する前提となる。安全性の根幹にかかわるデータであり、審査の最重要項目だ。

 揺れを小さく見積もれば、必要な対策が減り、コストも下がる。ただ、実際に地震が発生した場合には、事故のリスクが高まる。データをゆがめることは、あってはならない行為だ。
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浜岡原発のデータ不正問題の経緯を説明する中部電力の林欣吾社長
=名古屋市東区の中部電力本店で2026年1月5日午後5時40分、道下寛子撮影

 南海トラフ巨大地震の想定震源域に位置する浜岡原発は、東日本大震災直後に政府の要請で全面停止した。中部電は3、4号機の再稼働を目指し、2014~15年に審査を申請した。

 審査では、巨大地震への対策強化が求められてきた。東京電力福島第1原発事故を受け、科学的根拠に基づく安全性確保が最優先になっていたにもかかわらず、不正を働いたとすれば信じがたい。

 規制委が審査を中断したのは当然だ。今後は、電力会社が提出するデータを一層厳密にチェックすることが求められる。

 浜岡原発を巡っては、昨年11月にも、中部電の原子力部門が社内の正式な手続きを経ないまま安全対策工事を発注し、長期間にわたって費用を支払っていなかった問題が発覚した。

 法令順守意識の低さは極めて深刻だ。収益改善に向けて、再稼働を急ぐ焦りがあったのではないか。中部電は第三者委員会を設置し、調査を実施するという。経営陣の責任も含め、徹底的に原因を究明しなければならない。

 中部電に原発を運転する資格はない。再稼働の審査申請を取り下げるべきだ。

原発データ不正 何が現場を焦らせたか
東京新聞  2026年1月7日 07時40分
東京新聞2023-07-28 085056
 「安全より速さ」の意識が広がっていたと言われても致し方あるまい。中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査対象となるデータで、地震の揺れの最大想定(基準地震動)を過小に見せる操作をしていた疑いが発覚した。

◆説明とは違う方法でデータを不正に操作

 担当者は社内調査に「時間的制約があった」「揺れを小さく見せたかった」などと話しているといい再稼働を急ぐ社内の空気が現場を焦らせ不正につながった可能性がある。原発事業者としての適格性が問われる極めて深刻な事態だ。

 全5基の浜岡原発は南海トラフ地震の想定震源域にあり、東海道新幹線や東名高速道路など日本の東西を結ぶ大動脈に近い。ひとたび事故が起きれば国全体に甚大な影響が及び、福島第1原発事故直後の2011年、当時の菅直人首相の要請で稼働中の全基が運転を停止した経緯がある。現在は1、2号機で廃炉が進んでおり、中部電力が再稼働を目指す3基のうち3、4号機は規制委の審査中だった。
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浜岡原発(資料写真)

 中部電力によると、基準地震動の策定にあたり、条件の異なる20通りの揺れのパターンから平均値に最も近いものを代表波として採用すると規制委に説明していたが、実際には中部電力にとって都合の良い揺れの波が代表波となるよう、説明とは異なる方法でデータを不正に操作していたとされる。

◆「工期順守のプレッシャーなどが原因」か

 基準地震動は原子炉建屋などの耐震設計の基準となり、審査の最重要項目とされる。深刻なのは、その大前提となるデータが恣意的にゆがめられていたのに、規制委が2023年、中部電力の示した基準地震動に「おおむね妥当」との評価を出していたことだ。虚偽を見抜けなかったことになり、福島事故後の新規制基準に基づくチェック体制の信頼性が根底から揺らぐ。

 同社では昨年11月にも、原子力部門が社内規定に反して浜岡原発の安全対策工事の仕様変更を発注し、数十億円規模の未精算が発生したことが発覚、副社長らが引責辞任した。中部電力の中間報告は、工期順守のプレッシャーなどが原因と指摘している。今回の件も同じような構図とすれば、企業風土の問題とみることもできよう。

 上層部の再稼働を急ぐ方針が圧力となっていなかったか、安全がないがしろにされることがないよう、現場への指示などで十分配慮されていたか。その点も今後の調査でつまびらかにされるべきだ。

泊再稼働に同意 あまりに拙速な判断だ
東京新聞 2025年12月12日 07時51分
東京新聞2023-07-28 085056
 熟議とは程遠い、拙速な判断と言うほかない。北海道の鈴木直道知事が、北海道電力泊原発(全3基)3号機の再稼働への同意を表明した。再稼働による電気料金の値下げなどを理由に挙げたが、避難計画の実効性など、安全上の懸念は残されたままだ。
11月には新潟県の花角英世知事が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働容認を表明しており、「原発回帰」がなし崩しに進むことに危うさを覚える。

 2009年に運転を始めた泊原発3号機は全国で最も新しく、今年7月に原子力規制委員会の審査に合格した。原発周辺の4町村の首長は既に同意を表明しており、鈴木知事の容認で「地元同意」は出そろった。北海道電は、合格の前提である海抜19メートルの防潮堤の建設に既に着手しており、27年早期の再稼働を目指す。

 だが、積丹(しゃこたん)半島の付け根に立地する泊原発は豪雪地帯にあり、積雪時に原発事故と地震や津波が重なる「複合災害」が起きれば、避難が困難を極めることは想像に難くない。道などが各地で開いた住民説明会では、避難計画の実効性を不安視する声が相次いだ。

 また、北海道電は核燃料の輸送船が出入りする新港を原発敷地外に建設し、原発と専用道路でつなぐとしているが、計画はまだ具体化しておらず、核燃料を安全に移送できるかも懸念される。

 北海道電は再稼働の審査で、敷地内の断層が活断層ではないことの説明の不十分さなどを規制委から指摘され、審査期間は他の原発で例のない12年に及んだ。結局、規制委が論点を整理するといった「手取り足取り」の対応で審査を加速させた経緯もあり、原発事業者としての能力にも疑問が残る。

 にもかかわらず、鈴木知事の再稼働容認表明は、審査合格からわずか4カ月後という「スピード決着」だった。容認の理由では、電気料金の値下げ効果に加え、次世代半導体の量産を目指す国策会社「ラピダス」の道内進出などで電力需要が増える見込みだとして、投資促進や雇用拡大につながることを挙げた。経済的なメリットが大きいとしても、安全と引き換えにできるものではない。

 そもそも防潮堤が完成しなければ原発は動かせないのだから、このタイミングで結論を急ぐ必要はなかっただろう。安全性の検証だけでなく、住民の不安の声を丁寧に聞き取るプロセスも不十分だ。

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