No Nukes 原発ゼロ

初代「No Nukes 原発ゼロ」 の後続版です。 政治・原発問題などを中心に、世の中の「気になる動き」をメモします。

しんぶん赤旗

高市・トランプ会談
あまりにも卑屈な従属姿勢だ
しんぶん赤旗主張 2025年10月30日(木)
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 米海軍横須賀基地(神奈川県)に停泊する原子力空母ジョージ・ワシントンの艦内にぎっしり詰めかけた多数の米兵らを前に、トランプ米大統領の横に立ち、右手を高く上げて跳びはねる、満面の笑みの高市早苗首相―。主権国家の首相として本当に恥ずかしくないのか。そう思わずにはいられません。

■平和賞候補に推薦

 横須賀は、米国が強大な軍事力の中核である空母を海外に唯一配備している基地です。日米軍事同盟の下での日本の主権侵害の象徴です。米空母で演説したのは日本の首相として高市氏が初めてとされ、「大統領とともに世界で最も偉大な同盟になった日米同盟をさらなる高みに引き上げていく」と喜々として述べました。(28日)

 これに先立つ同日のトランプ氏との首脳会談でも「日米同盟の新たな黄金時代を大統領とともにつくり上げたい」と強調しました。

しかし、この日の高市氏の一連の言動で示されたのは、「米国第一」を掲げ、世界のルールも国際協力もおかまいなしのトランプ氏のご機嫌を取り、ひたすらこびる、時代逆行の卑屈な従属姿勢でした。

 会談で高市氏は、パレスチナ・ガザでジェノサイド(集団殺害)の限りを尽くしてきたイスラエルを全面的に支援するトランプ氏をノーベル平和賞候補に推薦すると表明したといいます。

トランプ政権はイスラエルを支援するため、イランの核施設を先制攻撃までしています。国連憲章・国際法違反で指弾されるべきトランプ氏を同賞候補に推すとは信じがたいことです。

 高市氏が会談で「これまで一貫して防衛力の抜本的強化の必要性を訴えてきており、(首相)就任直後から行動に移している」とし、「防衛費の増額に引き続き取り組んでいく」とトランプ氏に約束したことは極めて重大です。

 高市氏は24日の国会での所信表明演説で、軍事費を国内総生産(GDP)比2%、11兆円規模へと倍増する政府目標を2年前倒しして今年度中に達成すると表明しました。GDP比2%の目標を定めた「国家安全保障戦略」など安保3文書の改定を来年中に行う方針も示しました。

■途方もない大軍拡

 トランプ政権の高官は日本に、軍事費をGDPの3・5%や5%にするよう求めています。24年度の日本のGDPの3・5%は21兆円、5%は30兆円と途方もない額です。 首脳会談での高市氏の表明はこうした要求に応え、GDP比2%の目標達成後も軍事費を増やし続けるということです。トランプ氏からは日本の軍事力の大幅な強化や米国製兵器の購入について「感謝している」とたたえられました。

 高市氏はトランプ氏との電話会談(25日)で「日本はアメリカの対中戦略やインド太平洋戦略にとって非常に重要な国」と述べています。日本の大軍拡は米国の対中国軍事戦略に全面的に加担することであり、「日本の防衛」とは直接関係ありません。

 日米軍事同盟絶対の道から抜け出し、東アジアの平和を創造する憲法9条を生かした外交への転換こそ必要です。

きょうの潮流 金を出すから原発を
再稼働させてくれといわんばかり―。
しんぶん赤旗 2025年10月27日(月)

 金を出すから原発を再稼働させてくれといわんばかり―。新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発をめぐる、先日の新潟県議会でのことです。再稼働に向けて東電と政府の露骨な姿勢が表れました

▼参考人として東電の小早川智明社長はじめ、政府から資源エネルギー庁の長官、原子力防災を担当する内閣府の審議官らが出席しました。東電社長は、再稼働で火力の経費削減が継続的に見込まれたら、地元の地域振興の活性化に10年程度で1000億円規模の資金を拠出すると

エネ庁長官は、事業費が1000億円を超えるとされる原発からの避難道路を地方の負担なく整備すると明言。内閣府も、事故時の屋内退避のための体育館の気密化などの整備について5年間で100億円を国と東電で負担すると説明しました

▼東電は再稼働後に、1年半程度かけて1、2号炉の廃炉への検討に入るとも。これらの表明はすべて自民党議員とのやりとりの中で明らかにされました。「出来レース」だとの声が上がったのは当然です

▼再稼働を急ぎたい政府、東電ですが、新潟県が9月に実施した再稼働に関する意識調査の中間報告では、再稼働の条件は整っていないと回答したのは6割。さらに東電が柏崎刈羽原発を運転することが、心配だとする回答は約7割にも

▼福島第1原発事故から14年以上たっても東電への不信が根強い証しです。事故後もトラブルなどを繰り返しており、原発を動かす資格があるのか問われています。お金で安全は売り渡せません。

高市内閣発足
民意に逆らう危険性ともろさ
しんぶん赤旗主張 2025年10月23日(木)
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 高市早苗氏が憲政史上初の女性首相として新内閣を発足させました。自民党と日本維新の会の連立政権合意を推進することになります。合意内容は参院選で示された国民要求を棚上げしたうえ、改憲や大軍拡、社会保障の切り捨てなど民意とかけ離れたものばかりで、国民との矛盾を深めざるをえません。

■タカ派議員ずらり

 新内閣の顔ぶれでは、高市首相と思想・信条が近いタカ派議員が目立ちます。内閣の要となる官房長官には、現職防衛相として初めて靖国神社を参拝した木原稔氏を起用。防衛相となった小泉進次郎氏も終戦記念日の靖国参拝を「初当選以来、毎年の行動だ」という「靖国派」です。

 一方、高市氏の他に女性閣僚は2人だけで、総裁選で高市陣営にいた人物。「北欧の国々と比べても劣らないほど女性がたくさんいる内閣」としていましたが、過去最多の5人にも及びません。しかも、「違法外国人ゼロ」を掲げ、排外主義をあおってきた小野田紀美(きみ)氏を当選2回ながら、外国人政策と経済安保の担当相に抜てきしました。

 高市首相は就任後の記者会見で軍事費を国内総生産(GDP)比2%へ増額するとした安保3文書を前倒しで見直すよう指示すると表明しました。GDP比3・5%への増額というトランプ米政権の要求に応えようとするものです。暮らしの予算はいっそう削減を迫られることになります。極めて危険な政権です。

 高市首相は、病院や介護施設の経営が厳しいとして「経営改善、処遇改善につながる補助金を措置する」としたものの、維新との医療費4兆円削減の合意は進める構えで、矛盾は避けられません。物価高対策では、自公が参院選公約にした一律2万円の給付は「国民の理解を得られなかった」として撤回を表明。一方で、国民が強く求める消費税減税は先送りします。

■盤石ではない政権

 しかし、高市政権は決して盤石ではありません。平和、暮らし、民主主義などあらゆる面で国民との矛盾を深め、自民党政治そのものを終わりへ導く政権になる可能性があります。

 自維連立政権の誕生は、自民が国政選挙で大敗し少数与党となったうえに、公明党が連立離脱したことが要因です。窮地に追い込まれた自民がなりふり構わぬ多数派工作で維新と連立したものの、国民の審判に逆行するほころびは隠せません。

 とりわけ、維新が突然、持ち出した国会議員定数の1割削減は重大です。多様な民意を切り捨てたうえに、議会による行政監視機能を弱体化させます。削減の合理的根拠はなく、与党の合意だけで強行すれば、大きな反発を招くのは必至です。

自維政権となっても、衆参両院で少数与党なのに変わりはなく、多数の合意をえられない政策の推進が政権そのものの行き詰まりに直結する可能性があります。

 臨時国会での論戦はこれから始まります。自維連立政権の危険と正面から対決し、平和・民主主義を擁護・発展させる“新しい国民的・民主的共同”を広げることがますます重要となっています。

反動的動きに抗する共同を
田村委員長、社民・福島党首と会談
議員定数削減反対でも一致
しんぶん赤旗 2025年10月18日(土)
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(写真)会談する社民党の(左手前から)福島瑞穂、服部良一、ラサール石井の各氏と(右手前から)田村智子、小池晃、山添拓の各氏=17日、参院議員会館

 日本共産党の田村智子委員長は17日、国会内で、社民党の福島瑞穂党首と会談し、大軍拡や改憲など反動的な動きに立ち向かい、憲法や暮らし、平和を守る共同をつくるために力を合わせていくことを確認しました。

また、喫緊の課題として自民党と日本維新の会の連立協議で維新が主張する議員定数削減や「スパイ防止法」制定に反対してたたかっていくことでも一致しました。日本共産党の小池晃書記局長と山添拓政策委員長、社民党の服部良一幹事長とラサール石井副党首が同席しました。

 田村氏は会談で、自民党とその補完勢力や極右・排外主義の勢力による危険な「反動ブロック」形成が進行しているとし、「反動的な危険な動きに対し、国会の中でも外でもしっかりとした共同をつくり発展させることがいよいよ求められている」と呼びかけました。

 福島氏は、維新が自民に突きつけた12項目の政策要望の危険性を指摘し、「平和や民主主義、人権を大事にする勢力が本当に力をあわせ、本気で政治を変えていかなくてはいけない。ファシズム政権がばっこしないよう、がんばり合いたい」と応じました。

私にとっても永遠のヒーローです、
親子2代にわたってファンでした―。
しんぶん赤旗きょうの潮流 2025年9月28日(日)

 私にとっても永遠のヒーローです、親子2代にわたってファンでした―。朝ドラ「あんぱん」が終わり、改めてアンパンマンに寄せる思いがSNS上などであふれています

▼なかには、生みの親の漫画家やなせたかしさんの人柄がアンパンマンと重なって見えたとの声も。戦争を体験したやなせさんが生涯をかけて追求した逆転しない正義。それを体現したアンパンマンにはもう一つのテーマがありました

▼自分の顔を食べさせて飢えた人たちを救うという自己犠牲です。やなせさんは絵本の後書きでこう語っています。「ほんとうの正義というものは、決して格好のいいものではないし、そのために必ず自分も深く傷つくもの」だと

▼誰かを助けようと思ったら、自分も傷つくことを覚悟しなければならない。捨て身、献身の心なくしては正義は行えない。たとえ自分は弱くても…。そういう信念が、愛と勇気のヒーローを生み出しました

▼自分の何かを他人に与えるという自己犠牲は、必ず愛情を含んでいる。相手にささげた犠牲は回り回って自分に戻ってくる。哲学者の真下信一さんがそう説いていたことがあります。誰かの幸せは自分の幸せでもあり、愛による犠牲は自分自身を豊かに成長させることにもなると(『自由と愛と』)

ともすれば自分さえよければいいという風潮が強まる世の中で、困っている人々を助けるために飛び続けるアンパンマン。今も、みんなに呼びかけています。「なんのために生まれて なにをして生きるのか」

万博建設費未払い
国・自治体責任で救済・解決を
しんぶん赤旗主張 2025年9月25日(木)
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 閉幕まで1カ月を切った大阪・関西万博で、海外パビリオン建設を担った下請け中小事業者への巨額の工事代未払いが放置され万博の一大汚点となっています。万博という国家的事業で重大な被害を出した国と大阪府・市、万博協会の責任が厳しく問われます。

 被害が明らかになっているのはアンゴラ、インド、ウズベキスタン、セルビア、タイ、中国、ドイツ、米国、ポーランド、マルタ、ルーマニアなどの海外館建設に携わった下請け事業者ら。万博の花形ともいわれるタイプの46の海外館の約4分の1を占めます。

 全商連の「万博工事未払い110番」に寄せられた事例は11件、被害総額は4億円超。ほかにもフランス大手GLイベンツに対する3億円超の賠償訴訟が起こされるなど被害は巨額です。GL社は来年愛知県で開かれるアジア競技大会で630億円の契約を結んでおり、不払いなら資格が問われます。

■夢洲で開催が元凶

 もともと着工が遅れ、昼夜を問わぬ突貫工事が迫られるなか開幕に間に合わせたのに、予定工期に遅れたのは「契約不履行」だと支払い拒否や1億円超の損害賠償請求など無法が横行しています。

 被害業者は「差し出せるものはすべて差し出した。あとは自分の命しかない」「未払い金があるとして融資も受けられず連鎖倒産の危機。従業員・家族も路頭に迷いかねない」と訴えます。「公共事業のつもりで受注した。未払いなんて夢にも思わなかった」と国・自治体の責任で立て替えなどの緊急支援、解決を求める声が上がっています。

 万博工事が遅れ無法な業者がはびこる事態になったのは、万博を大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催したのが要因です。軟弱地盤などで費用がかさむため日本のゼネコンなどが二の足を踏み、建設業許可を受けていない無法な業者らが元請けや1次下請けなどに入り込むことになったのです。

 万博開催によって夢洲で開業するカジノ業者を支援し、大企業の要求に応えて大阪湾岸の開発をすすめるため手段を選ばず夢洲での開催を強行したことが最大の元凶です。

■責任逃れ許されぬ

 吉村洋文大阪府知事(万博協会副会長、維新の会代表)は、海外館の着工が遅れるなか「開幕には必ず間に合わせる」とハッパをかけ無法な業者まで参入する事態になったのに、「民・民の話」「税で対応は難しい」と冷たく言い放っています。しかし建設業法では元請け企業が下請け代金不払いや労働災害・違法労働の根絶に責任を負っています。国・自治体は業者を監督・指導する責任があり、万博協会も発注者として不正を許さない責務を負っています。責任逃れは許されません。

 日本共産党は国・自治体、協会に対して、
▽指導・監督権限を発揮して速やかに解決をはかる
▽未払い工事代金の支払いや立て替えを元請けや発注者に要請する
▽緊急の資金繰り支援などを行う―よう求めています。

万博閉幕後に大屋根リングの一部保存のため万博運営費の黒字分を充てることが確認されています。その費用があるなら被害救済・支援に充てるべきです。

敬老の日
高齢者の人権を保障する国を
しんぶん赤旗主張 2025年9月15日(月)
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 きょうは「敬老の日」です。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿をお祝いする」(国民の祝日法)の趣旨にちなみ、本当の「敬老」を考えたい日でもあります。

 世界では10月1日が「国際高齢者デー」です。高齢者の権利や尊厳を守ること、社会に対する高齢者の貢献を強調・啓蒙(けいもう)する日です。

 この国際基準に照らして高齢者の人権が保障される日本社会の実現は、すべての年齢の人たちの現在と未来に希望と輝きが持てる真の長寿社会に通じます。「自助・自立」を強要し、高齢者をないがしろにしてきた自民党政治に対し、世代を超えノーの声をあげ、共同を強めるときです。

■自律・独立が基準

 日本は、男性81・13歳、女性87・13歳と、世界でも最も長い平均寿命を誇る高齢化の先進国です。強調したいのは“人間には価値の上下がなく、誰もが唯一無二の存在だ”ということです。

 社会の高齢化は、医療技術の進歩や食生活の改善などで死亡率が低下した結果であり、喜ばしいことです。なのに、これまでの自民党政治は少子化対策の失政には目をつぶり、「少子高齢化」を口実に、高齢者と現役世代の分断・対立をあおってきました。高齢者に「自助・自立、自己責任」を迫り、介護や医療の負担増とサービス削減をすすめてきました。

 それに対し、国連の高齢化に関する作業部会の文書は「自律・独立」を掲げ、社会的サービスを十分受けながら諸権利を行使して家族や施設職員、役人に支配されずに自己決定しながら生活していくことを権利としています。

 「高齢者のための国連原則」などの到達点に学びながら2022年の日本高齢者大会で採択されたのが「日本高齢者人権宣言」です。宣言は政府が高齢者に関係する制度や施策の立案などにあたって「尊厳、独立、参加、ケア、自己実現」の基本原理を基本とするよう求めています。

■低年金の是正こそ

 高齢者の尊厳や独立の保持を脅かしているのは、高齢者の「所得」である年金が貧弱なことです。月額10万円以下の老齢年金受給者は2千255万人、そのうち女性は1千732万人で、女性老齢年金受給者の83・71%です(厚生労働省、24年)。

 単身高齢女性の多くが貯蓄なしには暮らせないほど低年金で貧困な生活を余儀なくされています。女性がパートなど低賃金労働に集中していることが受給額に影響を及ぼしています。背景には「男は外で働き、女は専業主婦として家事をする」という誤った役割分担が押しつけられてきたことなど、ジェンダー不平等の積み重なりがあります。

 国の責任で誰もが最低の生活が保障される最低保障年金制度の導入が不可欠です。女性の低年金を是正させ、ジェンダー平等を実現するためにも、「日本高齢者人権宣言」を力にして「国の責任で暮らせる年金を」との要求を多数派にする草の根運動が重要です。国際労働条約(ILO条約)や女性差別撤廃条約など国際基準を活用した運動もおおいに進めましょう。

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