No Nukes 原発ゼロ

初代「No Nukes 原発ゼロ」 の後続版です。 政治・原発問題などを中心に、世の中の「気になる動き」をメモします。

しんぶん赤旗

「国家情報局」法案
戦争国家へ国民監視の司令塔
しんぶん赤旗主張 2026年2月23日

 高市早苗首相は衆院選後の9日、「国家としての情報分析能力を高め、危機を未然に防ぎ、国益を戦略的に守る体制を整える」として、「国家情報局」の設置に向けた法案を特別国会に提出すると述べました。

 内閣情報調査室(内調)を格上げして国家安全保障局と同格とし、国家の情報収集・分析の司令塔機能を強化する狙いです。日本の情報機関は内調のほか、警察、外務省、防衛省、公安調査庁などに分散しています。こうした情報機能を首相直属の機関に集中する体制づくりといえます。

■謀略機関の設置も

 国家情報局の設置は高市首相の肝いり政策の一つで、「対外情報庁」の創設、「スパイ防止法」の制定とセットです。これは自民党と日本維新の会の連立政権合意に盛り込まれています。

 高市首相は「『スパイ防止法』は、外国勢力によるスパイ活動を規定し、監視し、必要があれば逮捕することができる法律です」と言います。「国家情報局」に防諜(ぼうちょう)の「総合調整」機能を付与するとの報道もあります。スパイ摘発のためとして国民監視の網の目を広げる危険があり、息苦しい社会になりかねません。

 連立政権合意にある「対外情報庁」は、ベネズエラ侵略でも暗躍したスパイ謀略機関である米中央情報局(CIA)にならった組織で、2027年末までに創設することを明記。「スパイ防止法関連法制(基本法、外国代理人登録法およびロビー活動公開法など)」については「速やかに法案を策定し成立させる」としています。

 「スパイ防止法」は戦前・戦中の軍機保護法に当たるもので、悪名高い治安維持法とともに、天皇絶対の「国体」の変革や侵略戦争に反対した人たちの弾圧に猛威を振るった歴史があります。第1次世界大戦に参戦した米国で制定された「スパイ防止法」は、徴兵に反対する言論や運動の弾圧に使われました。

 高市政権が狙う一連の法制は、トランプ米政権の軍拡要求に追随して、「米国とともに戦争する国」へ進むための治安体制強化が目的です。

 国民民主党や参政党は昨年の臨時国会に「スパイ防止法」案を提出し、「情報機関の統合」や「内閣情報調査局の設置」も掲げています。

■違憲立法を葬ろう

 参政党の神谷宗幣代表は、公務員について「極端な思想の人たちは辞めてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法です」とあけすけに語っています。日本国憲法の平和主義や言論・報道の自由などの基本的人権を踏みにじる違憲立法にほかなりません。

 高市首相は20日の施政方針演説で、総選挙の結果を受け、「重要な政策転換を何としてもやり抜いていけ」と国民から「力強く背中を押していただけた」と述べました。

 しかし、高市首相は選挙中、「国論を二分する」この問題の中身を語りませんでした。これで国民から白紙委任を受けたとして強行することは許されません。自維国参4党連合による希代の悪法を葬り去るため、反対の大運動で包囲しましょう。

数の横暴 断固たちはだかる
田村委員長が徹底審議要求
暮らし置き去り 厳しく批判
しんぶん赤旗 2026年2月21日
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(写真)記者の質問に答える田村智子委員長=20日、国会内

 日本共産党の田村智子委員長は20日、国会内で記者会見し、同日の高市早苗首相の施政方針演説について、「『強い日本を』と繰り返したが、暮らしが置き去りになっている」と厳しく批判しました。

 田村氏は、総選挙で国民が政府に期待した暮らしの苦しさの改善に応えるならば大幅な賃上げが問われるが、演説では賃上げをどう進めていくのかという政策が何もなかったと指摘しました。

「責任ある積極財政」として投資促進を強調したが、これまで言われてきた「国内投資の弱さ」の原因は個人消費の冷え込みだと指摘。上場企業が5年連続最高益で株価も上昇しているが賃上げに回っておらず、「富の一極集中の是正」が問われているが、ここには切り込まず、投資によって賃上げできる環境をつくるとして失敗してきた「アベノミクス」に逆戻りしていると批判しました。

 高市首相が演説で「実質賃金の伸びはプラス」と述べたが、実質賃金は4年連続のマイナスだと指摘し、「小手先のごまかしまでして、あたかも暮らしが良くなるかのようにミスリードしている。こういうやり方は許されない」と強調。

社会保障についても負担増が狙われているとして「暮らしをさらに追い詰めながら何が『強い日本』『強い経済』なのか。予算委員会で徹底審議を求める」と表明しました。

 外交では、米トランプ政権によるベネズエラ侵略やグリーンランド領有の要求、キューバに対する燃料供給の封鎖など「力による現状変更」を許さないという明確な批判がなかったと指摘。

「『法の支配』が壊され、『力による現状変更』が現に行われているときに日本がどういう立場に立つのか明言しなかったことは極めて重大な問題だ」と強調しました。

 憲法を巡り、首相が改憲案の発議実現への期待にまで踏み込んだことについて田村氏は、大軍拡、軍事費増額の流れのなかで強権的に改憲をあおることは「戦争国家づくり」の推進であり大変危険だと指摘。

「そもそも総選挙は改憲を問うた選挙ではない。衆院で自民党が3分の2を超える議席を持っていても改憲発議に向かうことは数の横暴であり、断じて認められない」と述べ、改憲発議の動きに断固たちはだかると決意を示しました。

2026総選挙 今言いたい
神戸学院大学教授 上脇博之さん
裏金無縁の党こそ
しんぶん赤旗 2026年2月2日
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 高市早苗首相や小泉進次郎防衛相の各支部の違法な企業献金受領など、裏金事件後も自民党の「政治とカネ」の問題は後を絶ちません。自民党が裏金事件を軽く見ているからです。

自民党の裏金調査は、検察が一部の議員と事務方を起訴したので慌てて行ったもので、対象期間は時効になっていない5年分だけでした。しかも亡くなった安倍晋三氏や細田博之氏らは調査対象から外されており、中途半端でした。

 もし本当に事件を反省したのなら、時効に関係なく、可能な限りさかのぼって調べたはずです。調査も反省も不十分だから、「二度と起こさない」という緊張感もない。しかも捜査では、裏金が4000万円を下回る国会議員は起訴されていません。「見つかっても大丈夫」と思っているから、本気で反省していないのです。

 2024年の総選挙で「みそぎ」を済ませたという高市首相の認識は間違いです。これまで全容を説明した裏金議員がいましたか? 裏金の全容を説明しないまま選挙し、事務方の裁判や証言で、幹部らの説明と食い違う新事実が分かっても再調査しませんでした。

 自民党の政治資金はバブル経済時代よりも多いので、裏金議員は収支報告書に記載しない裏金が欲しいのです。裏金を使った後の選挙で当選したことで「みそぎ」と言うのはおかしい。今回、裏金議員を比例重複にし、復活当選の可能性を残したのは、前回落選した裏金議員の「完全復活」をもくろむものです。

 裏金は、国民がチェックできる収支報告制度のない企業・団体にパーティー券を買ってもらうことで生み出されました。企業・団体からのお金を全面禁止しない限り、裏金づくりの仕組みは残ります。福祉国家政策を否定して国民生活に負担を強いる政策を主張する自民党は、裏金でしか有権者をつなぎ留められません。

 一方、裏金を暴くきっかけを作ったのが日本共産党です。企業・団体献金や政党交付金を受け取りません。裏金と無縁だからこそ、政策で勝負できる。そうした政策だからこそ国民生活を良くする力があります。

高市内閣の全閣僚4年間で
企業・団体献金31億1600万円
65%がパーティー収入
しんぶん赤旗 2026年1月19日
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 高市早苗内閣の閣僚19人が2021~24年の4年間に集めた企業・団体献金が、合計約31億1600万円にのぼることが本紙の調べで分かりました。このうち政治資金パーティーによる収入が65%を占めます。
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高市首相は、昨年の臨時国会で政治腐敗の根源である企業・団体献金の規制について、「そんなこと」と言い放って背を向けました。しかし自身が閣僚に任命した議員が巨額の企業・団体献金を集めてきた実態が明らかになったことで、その姿勢があらためて問われます。(三浦誠)

 本紙は総務省と都道府県選挙管理委員会が公開した現閣僚の関係政治団体の政治資金収支報告書を21年から4年分調査しました。各閣僚が持つ複数の政治団体間で献金のやりとりがあった場合は除外して集計。パーティー収入は事実上の企業・団体献金にあたるため合計額に含めました。

2億円超9人

 4年間で2億円を超えた閣僚は9人。1位は茂木敏充外務相で約4億6200万円。2位が林芳正総務相の約4億400万円。3位は小泉進次郎防衛相で約2億5700万円。高市首相は4位で約2億3300万円を集めていました。1~4位まではいずれも自民党総裁選に複数回出馬しています。集金力の高さが自民党内での影響力の大きさに比例している形です。

 高市氏は企業・団体献金を自身が代表の自民党奈良県第2選挙区支部で集めていました。このうちパーティー収入は49%です。高市氏の支部は24年に政治資金規正法が定めた上限を超える献金1千万円を鳥羽珈琲(東京都)から受けていました。高市氏は問題があることを認め、上限を超えた分の250万円を昨年11月に返金したとしています。 

パーティーは自民党派閥による裏金事件で、裏金をつくる“装置”であることが明らかになりました。パーティー収入だけでみると1位が茂木氏の約2億7000万円、2位が林氏で2億6600万円でした。パーティー収入上位の閣僚は1年間に複数回のパーティーを開く手法をとっています。林氏は23年の1年間で12回もパーティーを開いていました。

透明度がゼロ

 他方、企業・団体献金のうちパーティー収入が占める割合の高さでみると1位が片山さつき財務相で97%。2位は小泉氏と松本尚デジタル担当相の83%です。

 パーティーだけで片山氏は約2億1900万円、小泉氏が約2億1200万円、松本氏は約1億6600万円を集めています。しかしいずれもパーティー券購入者名がまったく出ておらず、透明度がゼロになっています。

 パーティー券の購入者名が収支報告書に記載されるのは現行20万円超からです。このため収支報告書に記載されたくない企業はパーティー券購入を事実上の献金とする傾向があります。

腐敗根絶へ企業・団体献金禁止が必要
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 神戸学院大学の上脇博之教授の話

 高市早苗内閣の閣僚が4年間で31億円超もの企業・団体献金を集めていることに驚きました。これをみると自民党が企業・団体献金に頼っている実態がよく分かります。

 自民党は政治資金収支報告書に記載される表の政治資金は潤沢にあります。それにもかかわらず派閥はパーティーで裏金をつくりました。表に出せない買収などで使う裏の金が必要とされているからでしょう。

 これらを踏まえると、政治資金パーティーや企業・団体献金の規制に後ろ向きな理由が見えてきます。政治腐敗を根絶するためにはパーティーを含めて企業・団体献金の禁止が必要です。

浜岡原発の不正
中部電力に原発扱う資格なし
しんぶん赤旗主張 2026年1月16日

 中部電力が浜岡原発(静岡県)で、想定される地震の最大の揺れ(基準地震動)のデータを意図的に操作していました。原発の耐震性を土台から揺るがす事態です。原子力規制委員会による安全審査の前提を根底から覆すデータの捏造(ねつぞう)です。中部電力に原発を扱う資格はありません。

 規制委は14日、審査の中止と中部電への立ち入り検査実施などを決めましたが、規制委の審査のあり方そのものも問われています。

■不正見抜けぬ審査

 浜岡原発の基準地震動は、さまざまな条件を設けて算出した地震波の平均に最も近いものを用いると説明されていました。しかし実際は、都合のよい地震波を選んでいました。再稼働を急ぎ、審査を通すことが不正の動機とされ、少なくとも2018年以前から行われていました。長年にわたる不正であり、一担当者でなく組織的なものです。中部電は不正の全容と組織の責任を明らかにするとともに、浜岡原発の再稼働を断念すべきです。

 不正が発覚したのは、25年2月に規制委に外部から情報提供があったからです。この時点ですでに規制委は、中部電が示した浜岡原発の基準地震動を認めていました。規制委が不正を見抜けなかったことは重大です。電力会社が示すデータの真偽を判別できないのでは、規制委の審査に「合格」しても安全は何ら保証されないことになります。

 原発をめぐるウソやごまかしは繰り返されてきました。
20年には日本原電敦賀原発2号機(福井県)の審査で地質データが書き換えられていました。
00年代には、東京電力の炉内設備の損傷隠しや検査に合格するためのデータ偽装、北陸電力志賀原発(石川県)での臨界事故隠し、敦賀原発での検査不正、中国電力島根原発での検査不備などが相次いで発覚しています。

 過去の例も今回も、原発の運転を妨げないための工程優先、ものを言えない企業体質の下で起こされたものです。電力会社がウソをつかないという「性善説」は通用しません。規制委が電力会社のウソを見抜く能力と仕組みを整備しなければなりません。

 浜岡原発だけでなくすべての原発について、データの信頼性を確認し、不正の有無を調査すべきです。

■原発ゼロの日本へ

 木原稔官房長官は、浜岡原発の不正を「国民の信頼を揺るがしかねない」と批判しました。しかし、高市早苗政権は、東京電力柏崎刈羽原発などを次々に再稼働させようとしています。

 規制委の審査の信頼性がくずれた下でも、再稼働と新規建設など原発の最大限活用をめざす政府こそ、国民の信頼を裏切るものです。国民と日本社会の安全に対する責任として、原発活用路線をきっぱりとやめるべきです。

 3月で東京電力福島第1原発事故から15年です。被害は甚大で、いまも帰還困難区域が広く残り、生活と生業(なりわい)の再建は途上です。この現実を直視し、原発ゼロの共同を広げ、財界言いなりで原発推進に走る高市政権に総選挙で審判を下し、原子力政策を転換させましょう。

企業・団体献金 許されぬ先延ばしへの手助け
しんぶん赤旗主張 2025年12月24日

 「政治とカネ」をめぐる問題に何ら決着をつけないまま済ますつもりなのか―。昨年の総選挙、今年の参院選で自民党の裏金問題に国民の厳しい審判が下されました。しかし、大本にある企業・団体献金禁止の問題は自民の抵抗とそれに手を貸す勢力によって先延ばしされ、進展もないまま年を越すことになりました。

 日本共産党は企業・団体献金の全面禁止を一貫して主張してきました。今年の通常国会では、共産、立憲民主党、日本維新の会などが企業・団体献金の禁止で一致するなど事態が大きく進展。与野党で企業・団体献金のあり方について今年3月までに結論をえるとされていました。

■全面禁止から後退

 ところが、国民民主党、公明党が禁止ではなく規制の強化にとどめる案を出して自民に手を貸し、結論が先送りされました。

 高市早苗政権となった臨時国会では、国民民主と公明が企業・団体献金の受け手を限定する法案を出しました。禁止を主張してきた立民の野田佳彦代表は、党首討論で「政党支部は受け取れないようにすることは前進だ」などと述べて妥協し、国民・公明案に賛成する考えを表明しました。

 しかし、その国民・公明案さえ、企業・団体献金を重要な資金源とする自民は、のもうとしません。自民と連立を組んだ維新も、企業・団体献金の禁止という従来の主張を棚上げして、自民の抵抗に手を貸しました。

 維新が自民と10月に交わした連立政権合意書では、企業・団体献金のあり方について「高市総裁の任期中に結論をえる」として、2027年9月まで先送りしています。

 しかし、「政治とカネ」の問題は高市政権のもとでも噴出し続けています。

 高市首相や小泉進次郎防衛相が代表を務める自民党支部が、政治資金規正法の上限を超える寄付を受けていました。

 政治家個人への企業・団体献金は禁止されています。しかし、政治家が支部長を務める支部が抜け道として使われてきました。首相自身がホームページで、自身の政策に共鳴し、活動費の協力をしてくれる法人は「高市早苗が支部長を務める政党支部」に献金してくださいと呼びかけています。

■無反省続ける傲慢

 共産党の山添拓議員が15日の参院予算委員会で追及すると、高市首相は「政党支部というのは…支部長の私物ではない」などと詭弁(きべん)を弄(ろう)して言い逃れました。全く反省の色を見せない高市首相の傲慢(ごうまん)さが際立っています。

 これまで自民が金権汚職事件を起こすたびに国会が企業・団体献金を制限する立法措置を積み重ねてきました。しかし、自民はそのたびに抜け道をつくって企業・団体献金を温存してきました。

 政治腐敗の大本にある企業・団体献金に手をつけないまま、これ以上やり過ごすことは許されません。「政治資金パーティー券の購入」「政党本部・支部への献金」という二つの抜け道をふさぎ、企業・団体献金の全面禁止に踏み出すことで、きちんと“けじめ”をつけるべきです。

戦後80年と12・8
歴史が教える存立危機の危険
しんぶん赤旗主張  2025年12月8日

 「台湾有事は存立危機事態になりうる」。高市早苗首相の国会答弁が大きな問題になるなかで戦後80年の「12・8」―1941年12月8日、日本がアメリカ、イギリスを奇襲攻撃し、侵略戦争をアジア・太平洋地域に拡大した―を迎えました。

 「12・8」は突然、起きたものではありません。いまその歴史の教訓と向き合うことが求められています。

 日本が太平洋戦争に突入したのは、泥沼化する中国への侵略戦争を打開するためでした。アメリカなどは中国を支援し、日本軍の撤退を求め、対日制裁を強めていました。そのため戦争を継続する資源を東南アジアに求めて、ハワイの真珠湾と同時にマレー半島などを攻撃しました。「12・8」は、日清戦争、日露戦争、満州事変、日中戦争と積み重ねてきた日本の領土拡張主義、権益の確保―侵略戦争の行き着いた結果でした。

■台湾の歴史と日本

 日本は明治以後多数の戦争を重ねましたが、海外から武力侵攻されて戦ったものは一つもありません。

 日清戦争で得た台湾の植民地化を手はじめに、韓国を併合しました。1931年、満州事変で中国への侵略を拡大しましたが、スローガンは「満蒙(まんもう)は日本の生命線」でした。対米英戦の「宣戦の詔書」は「帝国の存立また正に危殆(きたい)に瀕(ひん)せり」とし「自存自衛の為」戦争するとしています。

 すべて日本の領土拡張と、権益拡大を「生命線」「存立危殆」「自衛」と正当化し、侵略していったというのが歴史の事実です。

 高市首相はこの歴史と真摯(しんし)に向き合っていません。

 首相の「台湾発言」は従来の政府説明を踏み越えて中国と名指しして戦争することがありうると公言するもので、それ自体が危険な外交的失態でした。

 日本はポツダム宣言を受諾し、中国から奪い植民地にしてきた台湾を中国に返還しました。日本は72年の日中共同声明で「台湾は中国の領土の不可分の一部」とする中国政府の立場を「十分理解し、尊重する」としています。

 この歴史からも日本は共同声明の見地を誰よりも尊重すべき立場です。それだけに共同声明を踏みにじる高市首相の言明は重大です。

■真の危険を直視し

 同時に高市発言は、「存立危機事態」を規定した安保法制の危険性を浮き彫りにしました。台湾有事に介入する米軍と中国軍が交戦すると日本が攻撃されていなくても米軍のために中国を先制攻撃し、戦争するということです。

 存立危機事態は、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由…が根底から覆される」事態を要件とします。あたかも“自衛”のためであるかのように思わせて参戦するのです。“自衛”の名で国民の危機感をあおってはなりません。戦前を彷彿(ほうふつ)とさせます。

 台湾有事で日本の安全が脅かされる危険があるのは、日米軍事同盟と安保法制によって米国の戦争に組み込まれるためです。この真の危険を直視すべきです。

 歴史は高市発言のもたらすものが愚かで危険な道であることを強く警告しています。

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