メガソーラー規制 自然を守り再エネ推進を
琉球新報 公開日時 2025年12月30日 04:00
自然環境との調和と共生を図るため明確なルールが必要だ。再生可能エネルギーの導入推進という基本線は維持しなければならない。
政府は大規模太陽光発電所(メガソーラー)の規制強化に関する対策パッケージをまとめた。市場価格に上乗せして電気を買い取る制度について、2027年度以降の新規事業は「支援の廃止を含めて検討する」と明記した。環境破壊の恐れがある開発に歯止めをかける狙いがある。
メガソーラーについて自民党と日本維新の会の連立政権合意書は、2026年の通常国会で「法的に規制する施策を実行する」と明記している。維新が自民に提示した政策要求にも盛り込んでいた。
背景にあるのはメガソーラー開発に伴う環境破壊のトラブルである。
北海道は今年9月、釧路湿原周辺でメガソーラーを建設中の事業者に対し、森林法で定められた許可を得ないまま工事を進めたとして森林区域での工事中止を勧告した。釧路市も「貴重な野生動植物の生息生育環境が脅かされる事態」が懸念されるなどとして、メガソーラー建設を規制する市条例(釧路市自然と太陽光発電施設の調和に関する条例)を9月に制定した。
自然環境や景観保護の観点からメガソーラー開発に一定の規制をかける条例制定の動きは全国に広がっている。地方自治研究機構のまとめによると、条例制定は2014年の大分県由布市、岩手県遠野市に始まり、12月19日時点で335の県や市町村が条例を制定している。法整備を求める声も高まっていた。
国際社会が要請する温室効果ガス削減に取り組むため再生可能エネルギー導入は避けては通れない。それは自然環境との調和や地域住民の理解が前提となる。そのための法規制は必要であろう。
各県の条例も「地域環境との調和」(兵庫県)や「自然環境、歴史・文化的環境等との調和」(山形県)をうたっている。国の進める法整備もメガソーラーと自然環境との調和、共存をしながら再生エネルギー導入を目指すものでなければならない。
自民と維新の連立政権合意書には「安全性確保を大前提に原発の再稼働を進める」と明記している。メガソーラーに関する法整備によって再生可能エネルギーの導入が鈍化し、原発依存が高まることがあってはならない。
太陽光発電と並んで再生可能エネルギーの柱である風力発電も厳しい環境にある。三菱商事が今年8月、秋田、千葉の両県沖で進めてきた洋上風力発電所の建設計画から撤退すると発表している。建設費用が入札時の見込みから2倍以上に膨らみ採算が合わなくなったためだ。
国に求められるのは再生エネルギーに関する事業の育成である。規制だけでなく地域や自然との調和・共生に向けた積極的な施策も必要だ。
